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第二章:魚と犬と死神
八十九話:凱旋
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あれ、なんかめっちゃイケメンになってる。
鏡に映った自分が一瞬解らなかった。
髪型が変わってるし、なによりその色が現実離れしている。
ベルセルク化した時の体毛の色である紺碧色と銀髪のミックス。
しかも銀髪部分がファンタジー感が凄い。
普通に染めたんじゃ無理だ。
だってキラキラしてるし……。
(めっちゃ派手ぇ……)
犬耳もなんかいつもと違うし。狼っぽい。あれ、これ……浸食されたままじゃね?
もし俺も浸食されてたら、まさかずっと……?
「……驚きですねぇ。まさかネームドを倒すとは……愉快っ! 実に愉快ですよ? 犬どもの焦る顔が目に浮かびますねぇ、クフフっクフフフフ!」
猫の万屋はほんと野犬が嫌いだよね。
ドロップアイテムの査定。
それに黒炎の怪物のドロップアイテムも魔結晶なのか確認してもらった。
その間に姿見に映った自分に驚いていたのだけど。
「魔結晶はお売りいただけないのですねぇ? 残念ですが、領地化を目指すなら致し方ありません。こちらのユニークの物なら10万クレジットで買い取るのですが? ……残念ですねぇ」
10万クレジットあったらママノエが1万瓶買えちゃう。
魅力的な提案だが、今回はなしだ。
「炎属性が二つですから、残りの魔結晶は別の属性がよろしいでしょうな。領地の特性に反映しますからねぇ。 まぁ領地を増やす際にも追加できますから、あまり気にしなくてもよろしいですが、人族は水がないと不便でしょう?」
しかしこの帽子を被ったアメショ猫さんはよく喋る。
お嬢様学校の黒髪ロング曰く、あっちの近くの『猫の手』の主人は寡黙らしい。
不思議な店だ。
「一定以上のドロップアイテムを売却頂きましたので、アイテムのラインナップを更新しますね」
おっとこれには葵とミサも俺の背中からのぞき込む。
こいつら猫が苦手でいつも背中に隠れてるんだよな。
たぶん最初の印象が怖かったせいかな。
ワイルドソーセージはクセが強いが美味かった。
「中級ポーション各種、ワイルドドッグシリーズ装備、ドッグキャンデーが解放されたよ。おめでとう、人族。 これからも御贔屓に」
「キャンデー!?」
おっとこれには木実ちゃん思わずにっこりだ。
だがドッグキャンデーってぇ!?
原材料はなんですかぁーー!?
とりあえずみんなの装備を更新だな。
俺は装備は大丈夫だけど、中級ポーションと食料はいっぱい買っておこう。
「おもったよりゴワゴワしないな」
「ミサちゃん似合うよ!」
ワイルドドッグシリーズは赤茶色のちょっとゴツゴツしたセット装備だ。
ノービスシリーズは青色を基調としてて、どこか学生っぽさがあったが、こちらは蛮族っぽさがある。
似合うのは褒められているのか……?
ローブを着た葵はあまり変化なし。
玉木さんはフェアリードレスのままだ。精霊との親和性がいいらしい。
他には木実ちゃんとミサがメイスを購入。 ちょっとごつくなって重そうだけど、今の二人なら扱えるだろう。
木実ちゃんまだ味見してないのに、そんなにドッグキャンデー買って大丈夫?
ドッグキャンデーは赤色の丸いタイプだ。
駄菓子屋でみかけるちょっと大きめの飴玉。
口に入れたときにその自己主張が邪魔なにくいやつ。
個人的にはシュワシュワしたやつが好き。
お土産も買ったし、戦果も十分。
さて、東雲東高校に凱旋といきますか!
◇◆◇
その日、東雲東高校では多くの避難してきた人がグラウンドから逃げ惑った。
空から魔王が舞い降りたからだ。
魔王は黒の輝きを発しながら、なぜかその両腕に美少女を乗せゆっくりと下降してきた。
圧倒的オーラ。
まるで狼のような鋭い眼光。 金の瞳に見つめられれば男も女も関係なくちょびるだろう。
背まで伸びた紺碧と白銀の髪。
サラサラと風で靡くたびに輝く。
もし、普通の登場をしていたら、勇者や英雄に見えなくもない。
だがしかし、美少女四人を肩に担ぎ空から黒い粒子の輝きと共にゆっくりと下降してくる、筋骨隆々の強面フェイスではダメだ。
どう見ても魔王の登場シーンである。
それもサイコパス系である。
「アマミク様じゃぁーー!!」
アマミク様が魔王を従えって帰ってきたぞぉーー!と老婆の大絶叫が響いた。
集まりだした信者たちによって魔王襲来の誤解は解けそうだ。
いや、魔王の誤解は解けないのだが。
アマミク様は集まった信者にキャンデーを配る。
恭しく受け取る信者たちは嬉しそうであった。
「おかえりなさい、鬼頭さん!」
可愛らしい男の子が犬っころのように魔王に近寄った。今にもおいしくいただかれそうだ。狼属性を得た魔王は可愛い男の子ならおいしくいただきそうな雰囲気がある。
一部の慎之介君ファンのお姉さんから黄色い声が漏れる。いや腐食色か。
「えぇえええええ! 魔結晶をもう手に入れたんですかっ!? っつしかも二つっうううううう!?!?」
大きな戦果と共に魔王の凱旋パーティーが始まる。
大人気のママノエBBQだ。
ドッグキャンデーも大人気。 ほどほどの甘さで舐めると疲れが吹き飛びパワーが漲ってくるのだ。
これは大ヒット商品間違いなしだ。
「僕たちも頑張ります!」
東雲東高校の戦闘組もまた侵攻拠点を発見し、攻略法を試しているところだった。
慎之介は話しを聞きたいようだが、残念!
魔王は口下手である。
聞き出すよりも自分たちで考えたほうが楽かもしれない。
それに聞いても参考にはならないだろう。
久しぶりの明るいニュースに、東雲東高校は盛り上がった。
魔王協賛のBBQは大成功だった。
次は俺たちだと一致団結するのであった。
しかし、夜になるとムラムラして眠れない若者たちが続出したという……。
鏡に映った自分が一瞬解らなかった。
髪型が変わってるし、なによりその色が現実離れしている。
ベルセルク化した時の体毛の色である紺碧色と銀髪のミックス。
しかも銀髪部分がファンタジー感が凄い。
普通に染めたんじゃ無理だ。
だってキラキラしてるし……。
(めっちゃ派手ぇ……)
犬耳もなんかいつもと違うし。狼っぽい。あれ、これ……浸食されたままじゃね?
もし俺も浸食されてたら、まさかずっと……?
「……驚きですねぇ。まさかネームドを倒すとは……愉快っ! 実に愉快ですよ? 犬どもの焦る顔が目に浮かびますねぇ、クフフっクフフフフ!」
猫の万屋はほんと野犬が嫌いだよね。
ドロップアイテムの査定。
それに黒炎の怪物のドロップアイテムも魔結晶なのか確認してもらった。
その間に姿見に映った自分に驚いていたのだけど。
「魔結晶はお売りいただけないのですねぇ? 残念ですが、領地化を目指すなら致し方ありません。こちらのユニークの物なら10万クレジットで買い取るのですが? ……残念ですねぇ」
10万クレジットあったらママノエが1万瓶買えちゃう。
魅力的な提案だが、今回はなしだ。
「炎属性が二つですから、残りの魔結晶は別の属性がよろしいでしょうな。領地の特性に反映しますからねぇ。 まぁ領地を増やす際にも追加できますから、あまり気にしなくてもよろしいですが、人族は水がないと不便でしょう?」
しかしこの帽子を被ったアメショ猫さんはよく喋る。
お嬢様学校の黒髪ロング曰く、あっちの近くの『猫の手』の主人は寡黙らしい。
不思議な店だ。
「一定以上のドロップアイテムを売却頂きましたので、アイテムのラインナップを更新しますね」
おっとこれには葵とミサも俺の背中からのぞき込む。
こいつら猫が苦手でいつも背中に隠れてるんだよな。
たぶん最初の印象が怖かったせいかな。
ワイルドソーセージはクセが強いが美味かった。
「中級ポーション各種、ワイルドドッグシリーズ装備、ドッグキャンデーが解放されたよ。おめでとう、人族。 これからも御贔屓に」
「キャンデー!?」
おっとこれには木実ちゃん思わずにっこりだ。
だがドッグキャンデーってぇ!?
原材料はなんですかぁーー!?
とりあえずみんなの装備を更新だな。
俺は装備は大丈夫だけど、中級ポーションと食料はいっぱい買っておこう。
「おもったよりゴワゴワしないな」
「ミサちゃん似合うよ!」
ワイルドドッグシリーズは赤茶色のちょっとゴツゴツしたセット装備だ。
ノービスシリーズは青色を基調としてて、どこか学生っぽさがあったが、こちらは蛮族っぽさがある。
似合うのは褒められているのか……?
ローブを着た葵はあまり変化なし。
玉木さんはフェアリードレスのままだ。精霊との親和性がいいらしい。
他には木実ちゃんとミサがメイスを購入。 ちょっとごつくなって重そうだけど、今の二人なら扱えるだろう。
木実ちゃんまだ味見してないのに、そんなにドッグキャンデー買って大丈夫?
ドッグキャンデーは赤色の丸いタイプだ。
駄菓子屋でみかけるちょっと大きめの飴玉。
口に入れたときにその自己主張が邪魔なにくいやつ。
個人的にはシュワシュワしたやつが好き。
お土産も買ったし、戦果も十分。
さて、東雲東高校に凱旋といきますか!
◇◆◇
その日、東雲東高校では多くの避難してきた人がグラウンドから逃げ惑った。
空から魔王が舞い降りたからだ。
魔王は黒の輝きを発しながら、なぜかその両腕に美少女を乗せゆっくりと下降してきた。
圧倒的オーラ。
まるで狼のような鋭い眼光。 金の瞳に見つめられれば男も女も関係なくちょびるだろう。
背まで伸びた紺碧と白銀の髪。
サラサラと風で靡くたびに輝く。
もし、普通の登場をしていたら、勇者や英雄に見えなくもない。
だがしかし、美少女四人を肩に担ぎ空から黒い粒子の輝きと共にゆっくりと下降してくる、筋骨隆々の強面フェイスではダメだ。
どう見ても魔王の登場シーンである。
それもサイコパス系である。
「アマミク様じゃぁーー!!」
アマミク様が魔王を従えって帰ってきたぞぉーー!と老婆の大絶叫が響いた。
集まりだした信者たちによって魔王襲来の誤解は解けそうだ。
いや、魔王の誤解は解けないのだが。
アマミク様は集まった信者にキャンデーを配る。
恭しく受け取る信者たちは嬉しそうであった。
「おかえりなさい、鬼頭さん!」
可愛らしい男の子が犬っころのように魔王に近寄った。今にもおいしくいただかれそうだ。狼属性を得た魔王は可愛い男の子ならおいしくいただきそうな雰囲気がある。
一部の慎之介君ファンのお姉さんから黄色い声が漏れる。いや腐食色か。
「えぇえええええ! 魔結晶をもう手に入れたんですかっ!? っつしかも二つっうううううう!?!?」
大きな戦果と共に魔王の凱旋パーティーが始まる。
大人気のママノエBBQだ。
ドッグキャンデーも大人気。 ほどほどの甘さで舐めると疲れが吹き飛びパワーが漲ってくるのだ。
これは大ヒット商品間違いなしだ。
「僕たちも頑張ります!」
東雲東高校の戦闘組もまた侵攻拠点を発見し、攻略法を試しているところだった。
慎之介は話しを聞きたいようだが、残念!
魔王は口下手である。
聞き出すよりも自分たちで考えたほうが楽かもしれない。
それに聞いても参考にはならないだろう。
久しぶりの明るいニュースに、東雲東高校は盛り上がった。
魔王協賛のBBQは大成功だった。
次は俺たちだと一致団結するのであった。
しかし、夜になるとムラムラして眠れない若者たちが続出したという……。
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