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第一章:鬼頭神駆は誤解が解けない
二十四話
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>>>無料ガチャを一回引けます。
パチリと、俺は目を覚ました。
辺りは真っ暗。
椅子に座り眠っていたようだ。
「……」
窓から覗いた月はさきほどよりも高い。
地球はちゃんと回っている。
視聴覚室を見渡す。 そこには木実ちゃんの姿は微塵もない。
椅子から立ち上がり、下腹部を確認するがなんともなっていない。
カピカピの不快感が無いのだ。
さっきのは夢だった? 月の魔力が見せた淫夢だったのか?
「装備解除」
裸。
相変わらずの筋肉。
フン、と一つポージングしてからまたタキシードを着た。
別にナルシストな訳ではなく、傷を確認しただけだ。
+++++++++++++++++++++++++++++++
メニュー
鬼頭 神駆
★魂魄
魂魄ランク:ノーマル
保有魂魄:21ポイント
★スキル
スキル購入
スキル:【自然治癒力強化Lv.1】【槍術Lv.1】【身体強化Lv.1】【忍術Lv.1】
固有スキル:【ガチャLv.1】
★魔法
魔法購入
魔法:【】
★マップ
『千棘のマーマンロード支配地域』
★称号
【*****の発見者】【ママーミーの天敵】
++++++++++++++++++++++++++++++
ガチャを引く。
ガチャは人前ではダメだ。 危険だ。
一人でこっそりと引こう。
「……ハズレ」
本日の無料分を回すと、白いカプセルがコロコロ転がる。
ハズレ演出に俺のテンションは下がる。
「お?」
現れたのはカード。
三枚のカードだ。
精緻なカードには炎の球が描かれている。
「ファイヤーボール――っ!?」
TCGでもやれと言うことなのか?
イラっとしながらイラストの上に書かれたカードの名を読み上げると、火球が飛び出した。
「やべっ」
ゴオォ! と激しく燃える炎の球は校舎の壁に激突する。
飛び散る炎。 俺は慌てて足で踏み消火する。
危うく大惨事だ。 幸い燃え移ることは無く、すぐに消せたが。
三枚あったカードのうち一枚は、光の粒子を二重螺旋状に煌かせながら消えていく。
俺はその光景を見つめていた。
「ふぅ……」
不注意だったな。
やっぱり一人でガチャしてよかった。 人がいたら火だるまだよ。
残り二枚のカード。
取り扱い注意のリアルスペルカード。
白いカプセルから出てきた。 たぶんハズレだと思うんだけど、なにぶん説明不足だからなぁ。
俺は炎の当たった壁を見つめる。 暗くてよく分からないが、壁は黒く煤けているようだ。 これも時間が経てば修復されるのかな?
「……」
現在着ている服、赤から出たタキシードはSRだった。
正確にはSR【バトラータキシード】。 演出も派手だった。 詳細は不明だけど。
魔法みたいなスペルカードがハズレの白から出たのは、魔法も覚えられるからかな?
俺が魔法購入で見た時はどれも必要な魂魄が高すぎた。 でも人によっては低コストで購入できるのかも。
逆に購入しづらい俺からすればアタリだと思う。
まぁ一回で一枚消費だと、バンバン使うのは難しいが。 でも切り札として遠距離攻撃ができるのは戦略的に大きい。
(後二回引けるな)
スキルを購入していったほうがいい気がする。
俺は椅子に腰を掛け、メニューとにらめっこだ。
まるで今月のガチャ代がヤバいのにさらなる課金をつぎ込もうとするダメ人間。 こうなったらもうダメだ。 ガチャをしないという選択肢は消えない。 その時は良くても、時間が経てばしたくてしたくてたまらない負のスパイラル。
「一回だけ……」
ガチャをタップすると、帽子を被った猫がニヤリと笑いレバーを下げる。小憎らしい笑みだ。 ガチャンと鳴り、コロコロとカプセルは転がる。
その色は緑。 初めて見る色。
「おぉ……」
カプセルの周りは僅かなエメラルド色で光る。
派手なエフェクトではないね。
ガチャのウィンドウが閉じると同時に、アイテムがポンと出現する。
「……」
オレンジ色のカメラのフィルムケースのような入れ物。 中には白い粒。
薬だろうか?
怪しすぎる……。
なんの薬なんだよ。 せめて出たアイテムの詳細は表示すべきだろう。 どんだけ不親切なんだよ!
と思ったけど、ケースにラベルが貼ってあった。
『万能薬』
……。
俺のコミュ障にも効くかな?
万能薬ねぇ……。 どんな病気も治せる薬ってこと? だったら超レアアイテムじゃね??
「ふむ……」
波が来ている気がする。
俺は机にケースをコツコツ当てながら、再度ガチャウィンドウを開く。 月明りに照らされ、ガチャをタップしようとする俺はニヤけるのを止められない。
そして指も止められない。
現れた帽子を被った猫も、ニヤついている。
コロコロと転がるカプセル。
その色は青。
「!」
青色と眩い白のエフェクトが輝く。
未知への期待。
俺は万能薬の入ったケースを握り締める。 ミキッと嫌な音がしたがそれどころではない。
「おお!?」
ウィンドウが消え光が俺を包み込む。
赤玉からでたタキシードと同じだ。 あの時は羽根が舞っていたが、今回は無し。 白<緑<青<赤って感じか?
「……あれ?」
光は収まった。
俺は体を隅々まで見渡すが、どこにも変化がない。
少し考えて思いついたのは、装備解除したときのタキシードと同じくどこかにしまわれている可能性。
一旦装備解除で素っ裸になってから、装備と念じてみる。
>>>SR【バトラータキシード】を装着しますか?
>>>R【ガードドッグイヤー】を装着しますか?
犬耳?
これは同時に装着はできないのか?
裸に犬耳とかヤバいだろう……。
「よし」
試しにやってみると両方とも装着できた。
頭を触ると、ふさふさの耳がついている。 垂れ型ではなくピンとしたタイプ。 これで俺の恐怖度も軽減されるに違いない。
好感度アップアイテムかっ!
パチリと、俺は目を覚ました。
辺りは真っ暗。
椅子に座り眠っていたようだ。
「……」
窓から覗いた月はさきほどよりも高い。
地球はちゃんと回っている。
視聴覚室を見渡す。 そこには木実ちゃんの姿は微塵もない。
椅子から立ち上がり、下腹部を確認するがなんともなっていない。
カピカピの不快感が無いのだ。
さっきのは夢だった? 月の魔力が見せた淫夢だったのか?
「装備解除」
裸。
相変わらずの筋肉。
フン、と一つポージングしてからまたタキシードを着た。
別にナルシストな訳ではなく、傷を確認しただけだ。
+++++++++++++++++++++++++++++++
メニュー
鬼頭 神駆
★魂魄
魂魄ランク:ノーマル
保有魂魄:21ポイント
★スキル
スキル購入
スキル:【自然治癒力強化Lv.1】【槍術Lv.1】【身体強化Lv.1】【忍術Lv.1】
固有スキル:【ガチャLv.1】
★魔法
魔法購入
魔法:【】
★マップ
『千棘のマーマンロード支配地域』
★称号
【*****の発見者】【ママーミーの天敵】
++++++++++++++++++++++++++++++
ガチャを引く。
ガチャは人前ではダメだ。 危険だ。
一人でこっそりと引こう。
「……ハズレ」
本日の無料分を回すと、白いカプセルがコロコロ転がる。
ハズレ演出に俺のテンションは下がる。
「お?」
現れたのはカード。
三枚のカードだ。
精緻なカードには炎の球が描かれている。
「ファイヤーボール――っ!?」
TCGでもやれと言うことなのか?
イラっとしながらイラストの上に書かれたカードの名を読み上げると、火球が飛び出した。
「やべっ」
ゴオォ! と激しく燃える炎の球は校舎の壁に激突する。
飛び散る炎。 俺は慌てて足で踏み消火する。
危うく大惨事だ。 幸い燃え移ることは無く、すぐに消せたが。
三枚あったカードのうち一枚は、光の粒子を二重螺旋状に煌かせながら消えていく。
俺はその光景を見つめていた。
「ふぅ……」
不注意だったな。
やっぱり一人でガチャしてよかった。 人がいたら火だるまだよ。
残り二枚のカード。
取り扱い注意のリアルスペルカード。
白いカプセルから出てきた。 たぶんハズレだと思うんだけど、なにぶん説明不足だからなぁ。
俺は炎の当たった壁を見つめる。 暗くてよく分からないが、壁は黒く煤けているようだ。 これも時間が経てば修復されるのかな?
「……」
現在着ている服、赤から出たタキシードはSRだった。
正確にはSR【バトラータキシード】。 演出も派手だった。 詳細は不明だけど。
魔法みたいなスペルカードがハズレの白から出たのは、魔法も覚えられるからかな?
俺が魔法購入で見た時はどれも必要な魂魄が高すぎた。 でも人によっては低コストで購入できるのかも。
逆に購入しづらい俺からすればアタリだと思う。
まぁ一回で一枚消費だと、バンバン使うのは難しいが。 でも切り札として遠距離攻撃ができるのは戦略的に大きい。
(後二回引けるな)
スキルを購入していったほうがいい気がする。
俺は椅子に腰を掛け、メニューとにらめっこだ。
まるで今月のガチャ代がヤバいのにさらなる課金をつぎ込もうとするダメ人間。 こうなったらもうダメだ。 ガチャをしないという選択肢は消えない。 その時は良くても、時間が経てばしたくてしたくてたまらない負のスパイラル。
「一回だけ……」
ガチャをタップすると、帽子を被った猫がニヤリと笑いレバーを下げる。小憎らしい笑みだ。 ガチャンと鳴り、コロコロとカプセルは転がる。
その色は緑。 初めて見る色。
「おぉ……」
カプセルの周りは僅かなエメラルド色で光る。
派手なエフェクトではないね。
ガチャのウィンドウが閉じると同時に、アイテムがポンと出現する。
「……」
オレンジ色のカメラのフィルムケースのような入れ物。 中には白い粒。
薬だろうか?
怪しすぎる……。
なんの薬なんだよ。 せめて出たアイテムの詳細は表示すべきだろう。 どんだけ不親切なんだよ!
と思ったけど、ケースにラベルが貼ってあった。
『万能薬』
……。
俺のコミュ障にも効くかな?
万能薬ねぇ……。 どんな病気も治せる薬ってこと? だったら超レアアイテムじゃね??
「ふむ……」
波が来ている気がする。
俺は机にケースをコツコツ当てながら、再度ガチャウィンドウを開く。 月明りに照らされ、ガチャをタップしようとする俺はニヤけるのを止められない。
そして指も止められない。
現れた帽子を被った猫も、ニヤついている。
コロコロと転がるカプセル。
その色は青。
「!」
青色と眩い白のエフェクトが輝く。
未知への期待。
俺は万能薬の入ったケースを握り締める。 ミキッと嫌な音がしたがそれどころではない。
「おお!?」
ウィンドウが消え光が俺を包み込む。
赤玉からでたタキシードと同じだ。 あの時は羽根が舞っていたが、今回は無し。 白<緑<青<赤って感じか?
「……あれ?」
光は収まった。
俺は体を隅々まで見渡すが、どこにも変化がない。
少し考えて思いついたのは、装備解除したときのタキシードと同じくどこかにしまわれている可能性。
一旦装備解除で素っ裸になってから、装備と念じてみる。
>>>SR【バトラータキシード】を装着しますか?
>>>R【ガードドッグイヤー】を装着しますか?
犬耳?
これは同時に装着はできないのか?
裸に犬耳とかヤバいだろう……。
「よし」
試しにやってみると両方とも装着できた。
頭を触ると、ふさふさの耳がついている。 垂れ型ではなくピンとしたタイプ。 これで俺の恐怖度も軽減されるに違いない。
好感度アップアイテムかっ!
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