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第一章:鬼頭神駆は誤解が解けない
一話:プロローグ
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俺は無口キャラというやつなんじゃないだろうか?。
「す、すす、すんません!!」
「……」
今しがた廊下で少し服が触れ合った程度で土下座しながら謝罪している男子学生のことを、俺は知らない。
同じ学年の誰か。 学ランを着た高一男子に土下座で平伏させ謝罪をさせている男が俺こと、『鬼頭神駆』である。
「うわぁ……」
「また、【笑いオーガ】かよ……」
「かわいそう……」
可哀そうなのは俺だ。
俺が土下座して謝れと言ったわけではない。
勝手に土下座しているのだ。 本当に勘弁してほしい。 迷惑です、土下座暴力反対!
「……去ね」
「は、はい! すんませんしたあああああ!!」
『もういいから頭を上げて、お願いだから!』と、言おうとおもったら二文字しか口にしていなかった。 思っていることを言葉にするのはいと難しい。 たいてい二文字しか喋れない。
俺が教室に入ると先ほどまでギャアギャア騒がしかった室内は、ピタリと静寂に包まれる。
俺は教師ではないのだが、教師なんかよりよっぽど生徒を黙らせられる。
まぁ、教師も俺を前にすると静かなんだけども。
「お、おはよう。 鬼頭君……」
「……」
天使キタコレ。
俺が挨拶を返そうとテンパっているうちに、天使こと『雪城 木実』 ちゃんが慌てて去って行ってしまった。
ぐぅかわ。
ボブカットの似合う女の子。
小さい背丈に、制服をはち切れんばかりに押し上げる巨乳。
清純オーラと天然オーラを併せ持つ、二・五次元ガール。
俺の天使、木実ちゃんである。
はぁ……癒される……。
こんな俺にも挨拶をしてくれるなんて。 東雲東高校に来て良かった。 運命の出会いだと思うのですよ、俺は。
「木実っ! 大丈夫? 変なことされなかった!?」
「うん、大丈夫だよ?」
「……危ない」
木実ちゃんの友人たちがただクラスメイトと挨拶を交わしただけの彼女をめちゃくちゃ心配しとる。
解せぬ。
俺が彼女に変なことなどするわけないというのに。
「あ゛?」
『変なことなんてしないよ。 僕、無害だよ』 そう睨みつけてきた友人A――褐色肌の体育会系ガールに訴える。 訴えが通じたのか友人Aはすぐに窓の方を向いた。
「おー……今日もうちのクラスは静かね~~! 偉い、偉い♪ ……ごめんなさい、鬼頭君。 先生調子に乗ったの謝るから、睨まないでっ! お願いしますぅーー!」
別に睨んでない。
俺の顔が厳ついのは祖父譲りだ。
婿養子である祖父、鬼頭・ジェイソンのせいだ。
俺がクオーターであると知っている人って、このクラスでいるのかなぁ……。
小さい頃、幼稚園の頃なんかはそれこそ天使のように可愛かったらしい。 実際、写真で見るとハリウッドとかに出てきそうなサラサラ金髪ヘアーの可愛らしい男の子である。
現在は両親の愛に恵まれ、体はメキメキと育ち百八十センチオーバーの筋肉ムキムキ。 どちらかと言えばインドア派なんだが。 ゲーム大好きだし。 むしろゲーマーと言ってもいい。
今月の課金代請求に親の雷がおっこちないか心配している、ただの高校一年生だ。 今月ガチャしすぎてマジヤバイ……。 ガチャとはなんなのか。 なぜクソゲと分かっていてガチャガチャしてしまうのか。 ゲームですら無口キャラな俺はガチャがしたくてゲームをしているのか……。
一旦、ガチャの話は置いておこう。
俺の顔立ちは日本人離れしたホリの深いイケメン。 ごめん、嘘。 ちょっと怖い顔だ。
本当は【笑いオーガ】なんてニックネームがついちゃうくらい怖いらしいけど。
自分の顔が怖いかどうかなんて、わかりゃしない。
ただ真ん中一番前の席である俺と目が合う、新任教師の『新垣 香織』先生がガクブルしているので相当に怖いらしいね!
「……赦す」
「あ、ありがとうございます!!」
そんないつもの朝礼。
『起立』
と、生徒の一人が声を掛けた時だった。
――――――ッッ!?
頭痛。
それに立ち上がろうとしてた、生徒たちがみな床に倒れた。
立っていた新垣先生も教壇の上に崩れ落ちた。
ボォォォ…………
そんな間延びした音が響く。
一瞬にして窓の外は暗闇に支配され、闇の狭間から顔をだしたナニカ。
「なんだ?」
俺はそのナニカと目があった。
ボォォォ…………
「――ぐっ!?」
激しい頭痛。
俺もまた抗えない力に従うように――ブラックアウトした。
◇◆◇
この日、世界は変わった。
いや、世界が生まれ変わったと言うべきだろうか。
目覚めた俺たちは選択を迫られる。
戦わずして死ぬか、生きるために戦うか……。
「……護る」
「鬼頭君!!」
俺は護る為に戦う。
どんな世界でも、君と一緒ならきっと明るい未来が待っている。
「【笑いオーガ】……」
だから俺は――笑うんだ。
「はっ、ははっ、ははははっ!!」
『鬼頭 神駆』は笑い続ける。
「す、すす、すんません!!」
「……」
今しがた廊下で少し服が触れ合った程度で土下座しながら謝罪している男子学生のことを、俺は知らない。
同じ学年の誰か。 学ランを着た高一男子に土下座で平伏させ謝罪をさせている男が俺こと、『鬼頭神駆』である。
「うわぁ……」
「また、【笑いオーガ】かよ……」
「かわいそう……」
可哀そうなのは俺だ。
俺が土下座して謝れと言ったわけではない。
勝手に土下座しているのだ。 本当に勘弁してほしい。 迷惑です、土下座暴力反対!
「……去ね」
「は、はい! すんませんしたあああああ!!」
『もういいから頭を上げて、お願いだから!』と、言おうとおもったら二文字しか口にしていなかった。 思っていることを言葉にするのはいと難しい。 たいてい二文字しか喋れない。
俺が教室に入ると先ほどまでギャアギャア騒がしかった室内は、ピタリと静寂に包まれる。
俺は教師ではないのだが、教師なんかよりよっぽど生徒を黙らせられる。
まぁ、教師も俺を前にすると静かなんだけども。
「お、おはよう。 鬼頭君……」
「……」
天使キタコレ。
俺が挨拶を返そうとテンパっているうちに、天使こと『雪城 木実』 ちゃんが慌てて去って行ってしまった。
ぐぅかわ。
ボブカットの似合う女の子。
小さい背丈に、制服をはち切れんばかりに押し上げる巨乳。
清純オーラと天然オーラを併せ持つ、二・五次元ガール。
俺の天使、木実ちゃんである。
はぁ……癒される……。
こんな俺にも挨拶をしてくれるなんて。 東雲東高校に来て良かった。 運命の出会いだと思うのですよ、俺は。
「木実っ! 大丈夫? 変なことされなかった!?」
「うん、大丈夫だよ?」
「……危ない」
木実ちゃんの友人たちがただクラスメイトと挨拶を交わしただけの彼女をめちゃくちゃ心配しとる。
解せぬ。
俺が彼女に変なことなどするわけないというのに。
「あ゛?」
『変なことなんてしないよ。 僕、無害だよ』 そう睨みつけてきた友人A――褐色肌の体育会系ガールに訴える。 訴えが通じたのか友人Aはすぐに窓の方を向いた。
「おー……今日もうちのクラスは静かね~~! 偉い、偉い♪ ……ごめんなさい、鬼頭君。 先生調子に乗ったの謝るから、睨まないでっ! お願いしますぅーー!」
別に睨んでない。
俺の顔が厳ついのは祖父譲りだ。
婿養子である祖父、鬼頭・ジェイソンのせいだ。
俺がクオーターであると知っている人って、このクラスでいるのかなぁ……。
小さい頃、幼稚園の頃なんかはそれこそ天使のように可愛かったらしい。 実際、写真で見るとハリウッドとかに出てきそうなサラサラ金髪ヘアーの可愛らしい男の子である。
現在は両親の愛に恵まれ、体はメキメキと育ち百八十センチオーバーの筋肉ムキムキ。 どちらかと言えばインドア派なんだが。 ゲーム大好きだし。 むしろゲーマーと言ってもいい。
今月の課金代請求に親の雷がおっこちないか心配している、ただの高校一年生だ。 今月ガチャしすぎてマジヤバイ……。 ガチャとはなんなのか。 なぜクソゲと分かっていてガチャガチャしてしまうのか。 ゲームですら無口キャラな俺はガチャがしたくてゲームをしているのか……。
一旦、ガチャの話は置いておこう。
俺の顔立ちは日本人離れしたホリの深いイケメン。 ごめん、嘘。 ちょっと怖い顔だ。
本当は【笑いオーガ】なんてニックネームがついちゃうくらい怖いらしいけど。
自分の顔が怖いかどうかなんて、わかりゃしない。
ただ真ん中一番前の席である俺と目が合う、新任教師の『新垣 香織』先生がガクブルしているので相当に怖いらしいね!
「……赦す」
「あ、ありがとうございます!!」
そんないつもの朝礼。
『起立』
と、生徒の一人が声を掛けた時だった。
――――――ッッ!?
頭痛。
それに立ち上がろうとしてた、生徒たちがみな床に倒れた。
立っていた新垣先生も教壇の上に崩れ落ちた。
ボォォォ…………
そんな間延びした音が響く。
一瞬にして窓の外は暗闇に支配され、闇の狭間から顔をだしたナニカ。
「なんだ?」
俺はそのナニカと目があった。
ボォォォ…………
「――ぐっ!?」
激しい頭痛。
俺もまた抗えない力に従うように――ブラックアウトした。
◇◆◇
この日、世界は変わった。
いや、世界が生まれ変わったと言うべきだろうか。
目覚めた俺たちは選択を迫られる。
戦わずして死ぬか、生きるために戦うか……。
「……護る」
「鬼頭君!!」
俺は護る為に戦う。
どんな世界でも、君と一緒ならきっと明るい未来が待っている。
「【笑いオーガ】……」
だから俺は――笑うんだ。
「はっ、ははっ、ははははっ!!」
『鬼頭 神駆』は笑い続ける。
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