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プロローグ・リンディ視点
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子供の頃からリンディ・ヴィータは小さな村のお姫様だった。
両親に甘やかされ可愛がられていた私は外の世界を知らなかった。
初めて連れ出してくれたのは無愛想な幼馴染みだった。
明るい茶髪の私とは違い赤黒い髪の綺麗な少年だった。
私の両親と少年…トーマの両親は仲が良かった。
だからかよくトーマと遊んでいた、私の初めての友達で初恋だった。
トーマは最高ランクなのに最低ランクの私をバカにしたりしなかった。
それどころかZランクになりたかったと言った。
嘘ではないのだろう、トーマの悲しげな顔が印象的だった。
トーマが魔法学園に入学してからは会わなくなった。
今どうしているのだろうと馬車の窓から外の景色を眺める。
この世界の女性の成人は18歳、男性は20歳となる。
今日が私の誕生日で成人した。
そして今まで優しかった両親は少し厳しめに言った。
「リンディ、お前はもう成人だ…しかしまだ村を継ぐに相応しいとは思えない…だから一年間王都で学びなさい…立派な姫になって帰ってくるのをパパは待ってるからな」
両親は涙ぐみながら私を見送った。
王都に着くまで丸1日が掛かる。
王都にはトーマがいるからトーマに頼ればいいだろうが、これは立派な姫になるための修行だ…あまり誰かに頼るのは良くないだろう。
甘やかされて育ったが、常識知らずの世間を舐めたような性格にはなっていない。
両親は甘いが教育係がとても厳しい女性で飴と鞭の絶妙なバランスで育った。
王都に着いたらまずは泊まる下宿先に向かい、下宿先の宿屋の手伝いをしながら姫になるための修行をしよう。
ガタガタと馬車が揺れる中、王都に着いたと王都で手紙を送るため紙の上でペンが走る。
小さな村だから知らない人が多いだろうが私はお忍びで来ている、だから服も普通の一般的な服だった。
村には学校はなく、王都の学校も見て回りたい…市場もあるんだっけ…いろいろ見たい物が多くてワクワクしていた。
遊びに来たわけではないのは分かっているが息抜きも大切だと頷く。
「お嬢ちゃん、王都が見えたよ」
「本当ですか!?」
運転手のおじさんに言われ、書き終わった手紙を封筒に入れて窓を開ける。
長い髪が風に吹かれまっすぐ見つめて目を輝かせた。
あれが王都……村が沢山あってもおさまらないほど大きな場所だった。
さすが世界の中心と呼ばれるだけはある。
トランクを持ち馬車から降りた。
今から私の物語が動き始めた。
私はまだ自分の不思議な能力の事は知らなかった。
両親が何故私の力を知っているかといえば、私の母も同じ契約の魔法使いだった。
そして私が本当に好きな人と初めて口付けを交わし、能力を知る方が私のためにいいと思い何も言わなかった。
もし能力を知れば優しい私の事だ、誰かを助けるために好きでもない相手と口付けを交わしてしまう。
いずれはそうなってしまっても初めてだけは…そう思っていた。
私は下宿先に向かって歩き出した。
これが、全ての物語のプロローグだ。
両親に甘やかされ可愛がられていた私は外の世界を知らなかった。
初めて連れ出してくれたのは無愛想な幼馴染みだった。
明るい茶髪の私とは違い赤黒い髪の綺麗な少年だった。
私の両親と少年…トーマの両親は仲が良かった。
だからかよくトーマと遊んでいた、私の初めての友達で初恋だった。
トーマは最高ランクなのに最低ランクの私をバカにしたりしなかった。
それどころかZランクになりたかったと言った。
嘘ではないのだろう、トーマの悲しげな顔が印象的だった。
トーマが魔法学園に入学してからは会わなくなった。
今どうしているのだろうと馬車の窓から外の景色を眺める。
この世界の女性の成人は18歳、男性は20歳となる。
今日が私の誕生日で成人した。
そして今まで優しかった両親は少し厳しめに言った。
「リンディ、お前はもう成人だ…しかしまだ村を継ぐに相応しいとは思えない…だから一年間王都で学びなさい…立派な姫になって帰ってくるのをパパは待ってるからな」
両親は涙ぐみながら私を見送った。
王都に着くまで丸1日が掛かる。
王都にはトーマがいるからトーマに頼ればいいだろうが、これは立派な姫になるための修行だ…あまり誰かに頼るのは良くないだろう。
甘やかされて育ったが、常識知らずの世間を舐めたような性格にはなっていない。
両親は甘いが教育係がとても厳しい女性で飴と鞭の絶妙なバランスで育った。
王都に着いたらまずは泊まる下宿先に向かい、下宿先の宿屋の手伝いをしながら姫になるための修行をしよう。
ガタガタと馬車が揺れる中、王都に着いたと王都で手紙を送るため紙の上でペンが走る。
小さな村だから知らない人が多いだろうが私はお忍びで来ている、だから服も普通の一般的な服だった。
村には学校はなく、王都の学校も見て回りたい…市場もあるんだっけ…いろいろ見たい物が多くてワクワクしていた。
遊びに来たわけではないのは分かっているが息抜きも大切だと頷く。
「お嬢ちゃん、王都が見えたよ」
「本当ですか!?」
運転手のおじさんに言われ、書き終わった手紙を封筒に入れて窓を開ける。
長い髪が風に吹かれまっすぐ見つめて目を輝かせた。
あれが王都……村が沢山あってもおさまらないほど大きな場所だった。
さすが世界の中心と呼ばれるだけはある。
トランクを持ち馬車から降りた。
今から私の物語が動き始めた。
私はまだ自分の不思議な能力の事は知らなかった。
両親が何故私の力を知っているかといえば、私の母も同じ契約の魔法使いだった。
そして私が本当に好きな人と初めて口付けを交わし、能力を知る方が私のためにいいと思い何も言わなかった。
もし能力を知れば優しい私の事だ、誰かを助けるために好きでもない相手と口付けを交わしてしまう。
いずれはそうなってしまっても初めてだけは…そう思っていた。
私は下宿先に向かって歩き出した。
これが、全ての物語のプロローグだ。
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