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愛しい君・グラン視点
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初めてあったその日、羽根を失った美しい天使に出会った。
彼の名はアルト・シグナム…悪逆無道と恐れられている悪魔の血を引いた天使。
愛らしいくりくりの瞳に黒いさらさらの髪、においもお花の良いにおいで体に顔を埋めてスーハーにおいを堪能する。
あんな悪事に手を染めまくっていたシグナム公爵からこんな可愛い子が生まれるとは思わなかった。
もしかしたら血が繋がってないのかと疑ってしまう。
その疑いもある意味間違いではないかもとアルト様の世話係になりすぐに思った。
アルト様に一度も顔を見せに来ない両親、忙しいのかと思ったが姉のヴィクトリアはとても可愛がっている。
そこで彼の笑顔を守るのは自分だけだと、そしていつか悪魔の家から彼を連れ出し一緒に暮らすんだ!
シグナム公爵にはZランクの自分にいろいろと教えてもらった恩があるが、それはそれこれはこれだ。
アルト様の周りに誰も寄り付かないように大切に大切に育ててきたんだ。
だからアルト様の好物や好きなもの、将来の夢など全て把握していた。
しかし、アルト様デビューのあの社交場でまさかアルト様をたぶらかす男が現れるなんて思わなかった。
無知なアルト様は優しいからすぐに狼に食べられてしまう!
アルト様が早くあの男を忘れるように花は内緒で処分した。
お友達?そんなのこのグラン・クアトロがなってあげます。
友達恋人家族なんでもなれるからもう寂しくありませんよ。
アルト様の笑顔は僕だけが独り占め出来る筈だった。
隣でアルト様が規則正しい寝息を立てている、睫毛長い…唇…小さい。
まさかこんなに早くアルト様と離れ離れになるなんて思いもしなかった。
当然嫌だと言った、アルト様の世話係はどうするのかと…
シグナム公爵はこれを断るとこの家から追い出し二度とアルト様と会わせないと言った。
アルト様は後一年したら一般学校に入学するからもう世話係はいらないとそう言った。
一年はあの小さな方をほったらかしにするのかと拳を握り唇を噛んだ。
今逆らうと二度とアルト様に会えない、ヴィクトリア様の傍に居ればシグナム家と繋がれる…いつかアルト様と会える。
二度と会えないか、一時的会えないかなんて考えるまでもない…頷くしかなかった。
頬に触れるとぷにぷにとした柔らかい感触が気持ちいい。
いつもアルト様の寝顔を見るとつい頬に触れたくなる。
しかもいつもより顔の距離が近くて少し動くだけで唇が触れそうになりドキドキする。
淡白に見られがちだが自分だって男だ、別に小さな男の子に興味はないがアルト様だとしたら思うとつい元気に…
「き、キスだけだったら…いいよね」
誰に許可を取ってるのか分からないが、アルト様のファーストキスぐらい自分がほしい。
顔も名も知らない奴に取られるくらいならビンタされても自分が…
唇に柔らかい感触がして、いいにおいが鼻をくすぐる。
すぐに離れて顔がゆでダコのように真っ赤になった。
きっきききキスをしてしまった!!天にも昇る嬉しさだがベッドで暴れるとさすがにアルト様が起きてしまうから自重する。
なんか唇が魔力を感じたようにピリリと痛みが走ったがアルト様は魔力がないからきっと気のせいだろう。
気付かず幸せな気分で寝ているアルト様を眺めて今なら良い夢を見られるかもしれないとアルト様の横で瞳を閉じた。
「グラン、グーラーン」
「あ、アルト様?」
アルト様が優しく身体を揺すり起こしてくれた、あぁ…目覚めてアルト様がいて…幸せだ。
ほんの少し前まで言葉も喋れない赤子だったのにこんなに大きくなられて…
ってあれ?なんかいつもの可愛い上目遣いの目線じゃない?
歳はそう変わらないほど大人びていてくりくりの瞳は若干幼さが残っているがキリッと男らしくて…
どんなアルト様でも可愛いし、愛せる自信がある!
大人なアルト様にドキドキ…
そうか、年少期のお姿は遠い過去の記憶だったのか。
今現在の僕達二人は起こし合う間柄なんだな、知らなかった。
凛々しいアルト様を見つめて微笑む、あぁ…今すぐ抱きしめて…
「グラン、俺…結婚するんだ」
「……へ?」
ずっと甘い雰囲気だったのが笑顔が一気に凍りつき固まる。
いったい何故何処かどうしてそうなっているんだ!?
なにか言わなきゃいけないのに言葉が詰まり出ない。
戸惑っていたらアルト様に影が掛かり誰かがアルト様を抱きしめた。
ソイツは金髪ウルフヘアーに耳にピアスが沢山ついていていかにも遊んでそうな男だった。
最悪だ、なんでよりにもよってソイツがアルト様の傍にいるんだ!
「グラン、俺…この人と結婚するんだ」
「グランお父さん、息子さんを俺に下さい」
「いいわけあるかぁぁ!!!二度とアルト様に近付くなけだものが!!」
半笑いでこちらを見る男に近くにあったものを投げつけようとした。
そこでハッと夢から覚醒して目を覚ました、チュンチュンと鳥の囀りが聞こえる。
手には投げつけようとした枕がくたって握られていた。
顔を埋めるとアルト様のにおいがして少し安らいだ。
まさか久しく会っていない昔の知り合いを最悪な形で思い出すとは思わなかった。
あのけだものがアルト様に近付いたりなんかしたらと思うとおぞましい!…アルト様が妊娠してしまう!
男だからないとは思いたいが、アイツ変な薬の研究してるからあり得なくはない。
一気に危機感を覚えて鳥肌が立ち目線でアルト様を探す。
そしてアルト様を見つけ安堵するが、この時は知らなかった。
後に悪夢ワードである「結婚」と本人の口から聞くまでは…
彼の名はアルト・シグナム…悪逆無道と恐れられている悪魔の血を引いた天使。
愛らしいくりくりの瞳に黒いさらさらの髪、においもお花の良いにおいで体に顔を埋めてスーハーにおいを堪能する。
あんな悪事に手を染めまくっていたシグナム公爵からこんな可愛い子が生まれるとは思わなかった。
もしかしたら血が繋がってないのかと疑ってしまう。
その疑いもある意味間違いではないかもとアルト様の世話係になりすぐに思った。
アルト様に一度も顔を見せに来ない両親、忙しいのかと思ったが姉のヴィクトリアはとても可愛がっている。
そこで彼の笑顔を守るのは自分だけだと、そしていつか悪魔の家から彼を連れ出し一緒に暮らすんだ!
シグナム公爵にはZランクの自分にいろいろと教えてもらった恩があるが、それはそれこれはこれだ。
アルト様の周りに誰も寄り付かないように大切に大切に育ててきたんだ。
だからアルト様の好物や好きなもの、将来の夢など全て把握していた。
しかし、アルト様デビューのあの社交場でまさかアルト様をたぶらかす男が現れるなんて思わなかった。
無知なアルト様は優しいからすぐに狼に食べられてしまう!
アルト様が早くあの男を忘れるように花は内緒で処分した。
お友達?そんなのこのグラン・クアトロがなってあげます。
友達恋人家族なんでもなれるからもう寂しくありませんよ。
アルト様の笑顔は僕だけが独り占め出来る筈だった。
隣でアルト様が規則正しい寝息を立てている、睫毛長い…唇…小さい。
まさかこんなに早くアルト様と離れ離れになるなんて思いもしなかった。
当然嫌だと言った、アルト様の世話係はどうするのかと…
シグナム公爵はこれを断るとこの家から追い出し二度とアルト様と会わせないと言った。
アルト様は後一年したら一般学校に入学するからもう世話係はいらないとそう言った。
一年はあの小さな方をほったらかしにするのかと拳を握り唇を噛んだ。
今逆らうと二度とアルト様に会えない、ヴィクトリア様の傍に居ればシグナム家と繋がれる…いつかアルト様と会える。
二度と会えないか、一時的会えないかなんて考えるまでもない…頷くしかなかった。
頬に触れるとぷにぷにとした柔らかい感触が気持ちいい。
いつもアルト様の寝顔を見るとつい頬に触れたくなる。
しかもいつもより顔の距離が近くて少し動くだけで唇が触れそうになりドキドキする。
淡白に見られがちだが自分だって男だ、別に小さな男の子に興味はないがアルト様だとしたら思うとつい元気に…
「き、キスだけだったら…いいよね」
誰に許可を取ってるのか分からないが、アルト様のファーストキスぐらい自分がほしい。
顔も名も知らない奴に取られるくらいならビンタされても自分が…
唇に柔らかい感触がして、いいにおいが鼻をくすぐる。
すぐに離れて顔がゆでダコのように真っ赤になった。
きっきききキスをしてしまった!!天にも昇る嬉しさだがベッドで暴れるとさすがにアルト様が起きてしまうから自重する。
なんか唇が魔力を感じたようにピリリと痛みが走ったがアルト様は魔力がないからきっと気のせいだろう。
気付かず幸せな気分で寝ているアルト様を眺めて今なら良い夢を見られるかもしれないとアルト様の横で瞳を閉じた。
「グラン、グーラーン」
「あ、アルト様?」
アルト様が優しく身体を揺すり起こしてくれた、あぁ…目覚めてアルト様がいて…幸せだ。
ほんの少し前まで言葉も喋れない赤子だったのにこんなに大きくなられて…
ってあれ?なんかいつもの可愛い上目遣いの目線じゃない?
歳はそう変わらないほど大人びていてくりくりの瞳は若干幼さが残っているがキリッと男らしくて…
どんなアルト様でも可愛いし、愛せる自信がある!
大人なアルト様にドキドキ…
そうか、年少期のお姿は遠い過去の記憶だったのか。
今現在の僕達二人は起こし合う間柄なんだな、知らなかった。
凛々しいアルト様を見つめて微笑む、あぁ…今すぐ抱きしめて…
「グラン、俺…結婚するんだ」
「……へ?」
ずっと甘い雰囲気だったのが笑顔が一気に凍りつき固まる。
いったい何故何処かどうしてそうなっているんだ!?
なにか言わなきゃいけないのに言葉が詰まり出ない。
戸惑っていたらアルト様に影が掛かり誰かがアルト様を抱きしめた。
ソイツは金髪ウルフヘアーに耳にピアスが沢山ついていていかにも遊んでそうな男だった。
最悪だ、なんでよりにもよってソイツがアルト様の傍にいるんだ!
「グラン、俺…この人と結婚するんだ」
「グランお父さん、息子さんを俺に下さい」
「いいわけあるかぁぁ!!!二度とアルト様に近付くなけだものが!!」
半笑いでこちらを見る男に近くにあったものを投げつけようとした。
そこでハッと夢から覚醒して目を覚ました、チュンチュンと鳥の囀りが聞こえる。
手には投げつけようとした枕がくたって握られていた。
顔を埋めるとアルト様のにおいがして少し安らいだ。
まさか久しく会っていない昔の知り合いを最悪な形で思い出すとは思わなかった。
あのけだものがアルト様に近付いたりなんかしたらと思うとおぞましい!…アルト様が妊娠してしまう!
男だからないとは思いたいが、アイツ変な薬の研究してるからあり得なくはない。
一気に危機感を覚えて鳥肌が立ち目線でアルト様を探す。
そしてアルト様を見つけ安堵するが、この時は知らなかった。
後に悪夢ワードである「結婚」と本人の口から聞くまでは…
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