2 / 116
オープニングは赤子から
しおりを挟むギチギチと締め上げているとルノさんにスポッと奪われてしまった。
「イジメは駄目だよシーナ、こんなに可愛いのに可哀想じゃないか」
助けられて嬉しそうにルノさんの手の上で跳ねている。
「可愛くないっ!!どうしてルノさんがそれを持っているんですか!!」
ルノさんの手の上に乗っかっている物、それはレイニート様に渡したはずの俺の人形だ。
特に何の効果もなかったから渡したのになんで喋ってんだよ!!しかも……しかも……こっ恥ずかしい!!
「レイニート様がくれたんだ。シーナが神に連れて行かれた時、この子がずっと俺を抑えてくれてたから」
レイニート様が抑えてくれていたと思ってレイニート様凄いと見直していたのに違ったのか。しかしレイニート様に渡した時も喋りも動きもしなかったのに……。
「シーナがドラゴンステーキを幸せそうに食べていたからこの子も食べるかと思ったけど……食事はしないみたいだな」
所詮人形ですからね。
『ルノさんの気持ちだけでお腹いっぱい、満たされます!!』
ルノさんの手から人形を奪い取ると収納鞄に収納した。永遠に肥やしとして生きていろ。
勝手に奪って怒られるかと思ったけどルノさんの態度は変わらない。
「可愛がってあげてくれ」
自分の人形を可愛がる趣味は無いので受け流したけど……ルノさんは可愛がってくれていたわけではないんだな。
十分堪能したドラゴンステーキを収納袋へしまい、コンロや食器を布巾で拭いて片付けた。
「お腹も膨れたし、もう寝ますか?」
「そうだね。今日はいっぱい叫んで疲れただろう?ゆっくり休もう」
テントを取り出して組み立てる。
お手製にしたおかげで寝心地は上がったし、隠密効果もついてテントの中にいると魔物から気付かれないので見張りも必要なく、ゆっくり休める様になった。
「1番の目的は達成できたから……次は……」
「1度詰所に戻りませんか?隊長や皆にもドラゴンステーキ食べてもらいたい……あ!!でも狩ったのはルノさんだから、ルノさんが駄目って言うなら、いいんですけど」
1番の理由はベッドが恋しい、だけど。
ーーーーーー
それから数日かけて全ての魔物をルノさんが瞬殺してイージーモードで詰所に戻り、懐かしの我が家よと詰所の入り口を潜った俺達を待っていたのは……。
「あ?もう帰って来たのかよ。早過ぎだろ……もっとゆっくりしてくりゃいいものを……」
という隊長の歓迎ムード皆無の言葉とどこかよそよそしい隊員達の態度と……家財道具が全て無くなったルノさんの部屋だった。
俺達の居場所が……無くなっていた。
からっぽの部屋を見て愕然とする俺に困った様に隊長は頭を掻きながら俺の肩を叩いた。
「あのな「どういう事ですか!?ルノさんは除隊扱いにはならないって言ってたじゃないですか!!」
「待て、待てっ!!説明するから泣くな!!」
ここは俺の居場所で皆も俺を受け入れてくれているんだと思ってた。皆大好きな家族だと思ってたのに……。
「神様の家まで押し掛けて俺を引き止めてくれたのにいきなり追い出すとか酷い!!邪魔なら邪魔だってはっきり言ってくれたら良かったんだ!!皆がドラゴン肉を食べる姿を想像して楽しみにしながら帰ってきたのに……」
隊長の胸を何度も叩くけど俺の手が痛いだけで隊長には何も伝わらないだろう。
「落ち着きたまえ。君はもう少し自分がどれだけ危険な存在か認識した方が良い」
後ろから脇の下に手を入れられて、体を持ち上げられた。
「レイニート様?」
「ルノルトスも、二人で旅をして多少の絆でも繋げてくるかと思ったが何も成長はして来なかった様だな」
レイニート様は俺の剣を抜いてルノさんに突き付けていた。
「シーナ君、君は言っても聞かないだろうから、君達が居ない間に勝手に事を進めさせて貰っていた。君の家を用意していたんだ……まさかこんなに早く帰ってくるとは思わなかったからまだ準備段階だがな」
「家なんて……俺の家はここだし、俺の為にルノさんまで……」
「そう言うと思ったから勝手に進めた。ルノルトスもついてきたまえ、君達の家に案内しよう」
そう言うと、反論は許さないという表情のまま、俺を小脇に抱えてレイニート様は詰所を後にした。
俺のせいでルノさんが……そこを自覚した行動をするか、ルノさんの心に余裕が持てる関係を築け等、チクチクと説教を受けながら北区を抜け……中央区を抜けて、西区へ入る。
「シーナ君……神のお告げにより隊員達は自分の道を歩き出そうとしている。警備隊を除隊する者……新たに派遣されてくる者……君にとって居心地の良かっただろう詰所がこの先も続くかは分からない……君の為にも皆の為にも、いつでも歩き出せる新たな道を用意しておくべきだとは思わないか」
畑の中にポツンと建った一軒家。
この街のどの建物とも違う、だけど俺にはどこか懐かしい感じのする雰囲気の木造建築。
「レイニート様……この家は……」
「どんな家にするか考えていた時、神託が下った……全く、石なら魔法で一瞬だったのに、神に愛されている者は厄介だ」
引き戸を開けたレイニート様に連れられて中に入る。
田舎の……随分古風な家だが日本家屋はやはり馴染みやすい。
「キッチンの設備辺りが神託で告げられた物の再現が難しくて上手くいってないんだが、もう住むには問題無い」
靴のまま上がろうとしたレイニート様を慌てて止めた。
「靴を脱ぐのか。やはりこの家はシーナ君の為だけに神が告げてきたものなんだな」
レイニート様に床の上に降ろされ、玄関で靴を脱いで室内に上がるとレイニート様とルノさんも同じ様に靴を脱いだ。
側にあった障子を開けると畳っぽい床の部屋だ。
微妙に畳とは違うけど、ここまで再現してくれたんだ。
「レイニート様、ありがとうございます」
「お礼を言うなら皆にもな。皆で知恵を出し合って作ったんだ……ルノルトス、お前もだ。皆お前の事も思い計画したんだ」
レイニート様の言葉にルノさんは深く頭を下げた。
「俺……勝手に追い出されたと思って隊長責めた……」
「あれぐらいで怒る人ではないよ。隊長にとっては子どもにぐずられたぐらいにしか思ってないだろう」
俺が気にしないように気遣ってくれているんだろうけど、相変わらず一言余計だ。
ルノさんにあの人形を渡した事は俺の胸の中にしまって置く事にした。
「今頃まだ、誰が詰所の留守番をするか揉めている頃だろう。騒がしくなる前に家の中を二人で見ておくが良い」
俺とルノさんを残してレイニート様は家を出て行った。
残された俺とルノさん。
何も喋らないルノさんを見上げた。
「なんかいろいろ話が急に進んじゃってて……ルノさんは良かったんですか?」
「俺はシーナと一緒にいられるなら、どこでだって……いや……シーナとこの場所で新しい生活を初められるなんて幸せだよ。ここは俺にとって大切な場所だから……」
本当に嬉しそうな、少し潤んだ瞳のルノさんに俺も笑顔を返した。
ルノさんにとって大切な場所、それは……。
「シーナと出会えた大切な場所だ」
そう……俺が熊に齧られた場所ですね。
俺にとっては呪いの地だけど……こんな笑顔を向けられたら笑うしかないよね。
ここからまた、俺の新たな生活が始まる。
宝物の様に抱き締められ、近付いた頬にそっと唇で触れた。
よろしくお願いしますと、ありったけの想いを込めて……。
「イジメは駄目だよシーナ、こんなに可愛いのに可哀想じゃないか」
助けられて嬉しそうにルノさんの手の上で跳ねている。
「可愛くないっ!!どうしてルノさんがそれを持っているんですか!!」
ルノさんの手の上に乗っかっている物、それはレイニート様に渡したはずの俺の人形だ。
特に何の効果もなかったから渡したのになんで喋ってんだよ!!しかも……しかも……こっ恥ずかしい!!
「レイニート様がくれたんだ。シーナが神に連れて行かれた時、この子がずっと俺を抑えてくれてたから」
レイニート様が抑えてくれていたと思ってレイニート様凄いと見直していたのに違ったのか。しかしレイニート様に渡した時も喋りも動きもしなかったのに……。
「シーナがドラゴンステーキを幸せそうに食べていたからこの子も食べるかと思ったけど……食事はしないみたいだな」
所詮人形ですからね。
『ルノさんの気持ちだけでお腹いっぱい、満たされます!!』
ルノさんの手から人形を奪い取ると収納鞄に収納した。永遠に肥やしとして生きていろ。
勝手に奪って怒られるかと思ったけどルノさんの態度は変わらない。
「可愛がってあげてくれ」
自分の人形を可愛がる趣味は無いので受け流したけど……ルノさんは可愛がってくれていたわけではないんだな。
十分堪能したドラゴンステーキを収納袋へしまい、コンロや食器を布巾で拭いて片付けた。
「お腹も膨れたし、もう寝ますか?」
「そうだね。今日はいっぱい叫んで疲れただろう?ゆっくり休もう」
テントを取り出して組み立てる。
お手製にしたおかげで寝心地は上がったし、隠密効果もついてテントの中にいると魔物から気付かれないので見張りも必要なく、ゆっくり休める様になった。
「1番の目的は達成できたから……次は……」
「1度詰所に戻りませんか?隊長や皆にもドラゴンステーキ食べてもらいたい……あ!!でも狩ったのはルノさんだから、ルノさんが駄目って言うなら、いいんですけど」
1番の理由はベッドが恋しい、だけど。
ーーーーーー
それから数日かけて全ての魔物をルノさんが瞬殺してイージーモードで詰所に戻り、懐かしの我が家よと詰所の入り口を潜った俺達を待っていたのは……。
「あ?もう帰って来たのかよ。早過ぎだろ……もっとゆっくりしてくりゃいいものを……」
という隊長の歓迎ムード皆無の言葉とどこかよそよそしい隊員達の態度と……家財道具が全て無くなったルノさんの部屋だった。
俺達の居場所が……無くなっていた。
からっぽの部屋を見て愕然とする俺に困った様に隊長は頭を掻きながら俺の肩を叩いた。
「あのな「どういう事ですか!?ルノさんは除隊扱いにはならないって言ってたじゃないですか!!」
「待て、待てっ!!説明するから泣くな!!」
ここは俺の居場所で皆も俺を受け入れてくれているんだと思ってた。皆大好きな家族だと思ってたのに……。
「神様の家まで押し掛けて俺を引き止めてくれたのにいきなり追い出すとか酷い!!邪魔なら邪魔だってはっきり言ってくれたら良かったんだ!!皆がドラゴン肉を食べる姿を想像して楽しみにしながら帰ってきたのに……」
隊長の胸を何度も叩くけど俺の手が痛いだけで隊長には何も伝わらないだろう。
「落ち着きたまえ。君はもう少し自分がどれだけ危険な存在か認識した方が良い」
後ろから脇の下に手を入れられて、体を持ち上げられた。
「レイニート様?」
「ルノルトスも、二人で旅をして多少の絆でも繋げてくるかと思ったが何も成長はして来なかった様だな」
レイニート様は俺の剣を抜いてルノさんに突き付けていた。
「シーナ君、君は言っても聞かないだろうから、君達が居ない間に勝手に事を進めさせて貰っていた。君の家を用意していたんだ……まさかこんなに早く帰ってくるとは思わなかったからまだ準備段階だがな」
「家なんて……俺の家はここだし、俺の為にルノさんまで……」
「そう言うと思ったから勝手に進めた。ルノルトスもついてきたまえ、君達の家に案内しよう」
そう言うと、反論は許さないという表情のまま、俺を小脇に抱えてレイニート様は詰所を後にした。
俺のせいでルノさんが……そこを自覚した行動をするか、ルノさんの心に余裕が持てる関係を築け等、チクチクと説教を受けながら北区を抜け……中央区を抜けて、西区へ入る。
「シーナ君……神のお告げにより隊員達は自分の道を歩き出そうとしている。警備隊を除隊する者……新たに派遣されてくる者……君にとって居心地の良かっただろう詰所がこの先も続くかは分からない……君の為にも皆の為にも、いつでも歩き出せる新たな道を用意しておくべきだとは思わないか」
畑の中にポツンと建った一軒家。
この街のどの建物とも違う、だけど俺にはどこか懐かしい感じのする雰囲気の木造建築。
「レイニート様……この家は……」
「どんな家にするか考えていた時、神託が下った……全く、石なら魔法で一瞬だったのに、神に愛されている者は厄介だ」
引き戸を開けたレイニート様に連れられて中に入る。
田舎の……随分古風な家だが日本家屋はやはり馴染みやすい。
「キッチンの設備辺りが神託で告げられた物の再現が難しくて上手くいってないんだが、もう住むには問題無い」
靴のまま上がろうとしたレイニート様を慌てて止めた。
「靴を脱ぐのか。やはりこの家はシーナ君の為だけに神が告げてきたものなんだな」
レイニート様に床の上に降ろされ、玄関で靴を脱いで室内に上がるとレイニート様とルノさんも同じ様に靴を脱いだ。
側にあった障子を開けると畳っぽい床の部屋だ。
微妙に畳とは違うけど、ここまで再現してくれたんだ。
「レイニート様、ありがとうございます」
「お礼を言うなら皆にもな。皆で知恵を出し合って作ったんだ……ルノルトス、お前もだ。皆お前の事も思い計画したんだ」
レイニート様の言葉にルノさんは深く頭を下げた。
「俺……勝手に追い出されたと思って隊長責めた……」
「あれぐらいで怒る人ではないよ。隊長にとっては子どもにぐずられたぐらいにしか思ってないだろう」
俺が気にしないように気遣ってくれているんだろうけど、相変わらず一言余計だ。
ルノさんにあの人形を渡した事は俺の胸の中にしまって置く事にした。
「今頃まだ、誰が詰所の留守番をするか揉めている頃だろう。騒がしくなる前に家の中を二人で見ておくが良い」
俺とルノさんを残してレイニート様は家を出て行った。
残された俺とルノさん。
何も喋らないルノさんを見上げた。
「なんかいろいろ話が急に進んじゃってて……ルノさんは良かったんですか?」
「俺はシーナと一緒にいられるなら、どこでだって……いや……シーナとこの場所で新しい生活を初められるなんて幸せだよ。ここは俺にとって大切な場所だから……」
本当に嬉しそうな、少し潤んだ瞳のルノさんに俺も笑顔を返した。
ルノさんにとって大切な場所、それは……。
「シーナと出会えた大切な場所だ」
そう……俺が熊に齧られた場所ですね。
俺にとっては呪いの地だけど……こんな笑顔を向けられたら笑うしかないよね。
ここからまた、俺の新たな生活が始まる。
宝物の様に抱き締められ、近付いた頬にそっと唇で触れた。
よろしくお願いしますと、ありったけの想いを込めて……。
69
お気に入りに追加
3,060
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】家も家族もなくし婚約者にも捨てられた僕だけど、隣国の宰相を助けたら囲われて大切にされています。
cyan
BL
留学中に実家が潰れて家族を失くし、婚約者にも捨てられ、どこにも行く宛てがなく彷徨っていた僕を助けてくれたのは隣国の宰相だった。
家が潰れた僕は平民。彼は宰相様、それなのに僕は恐れ多くも彼に恋をした。
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!

嫌われ変異番の俺が幸せになるまで
深凪雪花
BL
候爵令息フィルリート・ザエノスは、王太子から婚約破棄されたことをきっかけに前世(お花屋で働いていた椿山香介)としての記憶を思い出す。そしてそれが原因なのか、義兄ユージスの『運命の番』に変異してしまった。
即結婚することになるが、記憶を取り戻す前のフィルリートはユージスのことを散々見下していたため、ユージスからの好感度はマイナススタート。冷たくされるが、子どもが欲しいだけのフィルリートは気にせず自由気ままに過ごす。
しかし人格の代わったフィルリートをユージスは次第に溺愛するようになり……?
※★は性描写ありです。

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます
オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。
魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!
かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。
その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。
両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。
自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。
自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。
相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと…
のんびり新連載。
気まぐれ更新です。
BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意!
人外CPにはなりません
ストックなくなるまでは07:10に公開
3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

【完結済み】乙男な僕はモブらしく生きる
木嶋うめ香
BL
本編完結済み(2021.3.8)
和の国の貴族の子息が通う華学園の食堂で、僕こと鈴森千晴(すずもりちはる)は前世の記憶を思い出した。
この世界、前世の僕がやっていたBLゲーム「華乙男のラブ日和」じゃないか?
鈴森千晴なんて登場人物、ゲームには居なかったから僕のポジションはモブなんだろう。
もうすぐ主人公が転校してくる。
僕の片思いの相手山城雅(やましろみやび)も攻略対象者の一人だ。
これから僕は主人公と雅が仲良くなっていくのを見てなきゃいけないのか。
片思いだって分ってるから、諦めなきゃいけないのは分ってるけど、やっぱり辛いよどうしたらいいんだろう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる