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仲間と共に開く道
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作戦決行日当日、屋敷はいつも以上に騒がしく使用人達が走り回っていた。
俺は片手に薬、もう片方に大砲を持ちその時が来るのを待っていた。
ガリュー先生は直前まで合流出来ないと言っていたから俺と騎士さん二人だけで最初はシグナム家の仲間のふりをしなくてはならない。
深呼吸して落ち着かせるとドアノブが回り部屋のドアが開いた。
この部屋に遠慮なくやって来る人なんて騎士さん以外あり得ないから騎士さんがやってきたのだろう。
騎士さんはゼロの魔法使いが敵に襲われないように護衛をする役割がある。
だから俺の傍に居ても何の違和感もない。
騎士さんが部屋に入ってきて、俺は騎士さんに近付くと後ろに誰かがいる事に気付いた。
作戦決行日だし、同じ駒だから居ても不思議ではなかったが俺の部屋に訪れた事が驚いた。
「…姉さん」
「………」
騎士さんは「お前からアルトに会わせろって言ったんだろ」と姉の背中を押した。
一歩姉が部屋に入り騎士さんは入らずドアを閉めた。
沈黙が俺達を包み込む。
姉は俯いていた。
あのままの姿だとアレだから姉はいつものように綺麗な髪質と黒いドレスを着ていた。
俺の黒い服とお揃いだった。
「えっと、とりあえず…座ろうか」
「…ねぇ、本当にトーマを助けられるのよね」
姉はそうはっきりと俺に言った。
俺が頷くのを確認してため息を吐いた。
そして涙を流した。
俺は姉の小刻みに震える姉の背中を優しく撫でた。
「…一緒に戦おう」とそれだけを言った。
小さく姉は頷いた。
トーマ達はもう動いただろうか、姉も参加するという手紙を送り、連絡は俺が送った伝書鳩がトーマに届いた事を知らせる手紙だけだった。
何度も送るわけにはいかないが、マイナスばかり考えていたら成功するものも難しくなるだろう。
「行こう、終わらせるために」
シグナム家の関係者全員で塔を上る。
周りに注意をしながら一歩一歩近付く。
俺の役目はシグナム家当主を一人にする事、そしてなるべく兵士の数を減らす事だ。
殺さなくていい、怪我を負わすだけでいい。
父を守るために周りを囲う騎士達、どうやったら離れるか難しかった。
頭の中では何度も練習したが、実際にやるのはこれが初めてだ。
俺はガリュー先生にもらった薬を飲み込み塔の頂上までたどり着いた。
上を眺めていると真っ青な空を飛び交う黒い物体で不気味になっていた。
あれは全てシグナム家が飼育している魔獣だ。
火を噴き、人を喰らう凶悪な龍。
真竜ほどの力はないがそれでも一般人にとったら恐ろしいものだ。
今街には誰もいない筈だから龍が街を襲っても被害者は少ないだろう。
それにシグナム家は魔獣を飼育出来た、だから魔獣を眠りにつかせる事が出来る。
この国の王族は代々力が強い一族みたいでかつて真竜を手懐けた力があり、若い王族達がトラップを仕掛けているらしい。
魔獣の被害は最小限に抑える事が出来るだろう。
俺と騎士さん、姉は塔の中心にいた。
端には両親がいて魔獣を暴れさせるだけの力を与えていた。
俺は膝を付いた、ガリュー先生が合流して駆け寄る。
演技しないとバレるからな、セリフは棒読みになるだろうから言うなと騎士さんにクギを刺されてしまった。
呻くだけにした、周りは俺の行動を特に気にした様子はなかった。
「さぁ、始めようか…シグナム家が勝利するその時は目の前だ」
『全てはシグナム家のために!!』
全員が声を高々に上げた。
俺達も、始めようか…
ガリュー先生はナイフを、騎士さんは剣を、姉は手に魔力を込めて、俺は大砲を構えた。
シグナム家の人間達に向かって武器を構え俺達は背中を合わせた。
両親以外のシグナム家の人間は俺達が裏切るとは思っていなかったのか俺達から離れようと塔の周りに避難していた。
両親は冷静に俺達を見ていた、まだ余裕そうだ。
「それで、そんなおもちゃで何をするつもりなんだ?お前らは」
「貴方達だけで、私達をどうにか出来るなんて思っていたのかしら?」
「…さすがに思ってないよ」
両親を捕まえるのは俺の役目ではない。
俺は大砲を下に向けた。
それを合図に全員自分の武器に魔力を込めて一気に下に向かって放出した。
地鳴りが響き、ミシミシと床にヒビが入った。
それがだんだん大きくなり、皆塔から逃げようとした。
しかし塔の入り口から離れたからか入り口に届く事はなかった。
俺達が立っている足場から崩れていき、塔が崩れる。
ガリュー先生が俺の腰を抱き、騎士さんと姉が後を追う。
ここからなら半分以上兵士を減らせるだろう。
両親までは無理だ、後はトーマに頼もう。
ガリュー先生が飛び降りて俺を離した。
トーマのところに帰るんだ!
俺は片手に薬、もう片方に大砲を持ちその時が来るのを待っていた。
ガリュー先生は直前まで合流出来ないと言っていたから俺と騎士さん二人だけで最初はシグナム家の仲間のふりをしなくてはならない。
深呼吸して落ち着かせるとドアノブが回り部屋のドアが開いた。
この部屋に遠慮なくやって来る人なんて騎士さん以外あり得ないから騎士さんがやってきたのだろう。
騎士さんはゼロの魔法使いが敵に襲われないように護衛をする役割がある。
だから俺の傍に居ても何の違和感もない。
騎士さんが部屋に入ってきて、俺は騎士さんに近付くと後ろに誰かがいる事に気付いた。
作戦決行日だし、同じ駒だから居ても不思議ではなかったが俺の部屋に訪れた事が驚いた。
「…姉さん」
「………」
騎士さんは「お前からアルトに会わせろって言ったんだろ」と姉の背中を押した。
一歩姉が部屋に入り騎士さんは入らずドアを閉めた。
沈黙が俺達を包み込む。
姉は俯いていた。
あのままの姿だとアレだから姉はいつものように綺麗な髪質と黒いドレスを着ていた。
俺の黒い服とお揃いだった。
「えっと、とりあえず…座ろうか」
「…ねぇ、本当にトーマを助けられるのよね」
姉はそうはっきりと俺に言った。
俺が頷くのを確認してため息を吐いた。
そして涙を流した。
俺は姉の小刻みに震える姉の背中を優しく撫でた。
「…一緒に戦おう」とそれだけを言った。
小さく姉は頷いた。
トーマ達はもう動いただろうか、姉も参加するという手紙を送り、連絡は俺が送った伝書鳩がトーマに届いた事を知らせる手紙だけだった。
何度も送るわけにはいかないが、マイナスばかり考えていたら成功するものも難しくなるだろう。
「行こう、終わらせるために」
シグナム家の関係者全員で塔を上る。
周りに注意をしながら一歩一歩近付く。
俺の役目はシグナム家当主を一人にする事、そしてなるべく兵士の数を減らす事だ。
殺さなくていい、怪我を負わすだけでいい。
父を守るために周りを囲う騎士達、どうやったら離れるか難しかった。
頭の中では何度も練習したが、実際にやるのはこれが初めてだ。
俺はガリュー先生にもらった薬を飲み込み塔の頂上までたどり着いた。
上を眺めていると真っ青な空を飛び交う黒い物体で不気味になっていた。
あれは全てシグナム家が飼育している魔獣だ。
火を噴き、人を喰らう凶悪な龍。
真竜ほどの力はないがそれでも一般人にとったら恐ろしいものだ。
今街には誰もいない筈だから龍が街を襲っても被害者は少ないだろう。
それにシグナム家は魔獣を飼育出来た、だから魔獣を眠りにつかせる事が出来る。
この国の王族は代々力が強い一族みたいでかつて真竜を手懐けた力があり、若い王族達がトラップを仕掛けているらしい。
魔獣の被害は最小限に抑える事が出来るだろう。
俺と騎士さん、姉は塔の中心にいた。
端には両親がいて魔獣を暴れさせるだけの力を与えていた。
俺は膝を付いた、ガリュー先生が合流して駆け寄る。
演技しないとバレるからな、セリフは棒読みになるだろうから言うなと騎士さんにクギを刺されてしまった。
呻くだけにした、周りは俺の行動を特に気にした様子はなかった。
「さぁ、始めようか…シグナム家が勝利するその時は目の前だ」
『全てはシグナム家のために!!』
全員が声を高々に上げた。
俺達も、始めようか…
ガリュー先生はナイフを、騎士さんは剣を、姉は手に魔力を込めて、俺は大砲を構えた。
シグナム家の人間達に向かって武器を構え俺達は背中を合わせた。
両親以外のシグナム家の人間は俺達が裏切るとは思っていなかったのか俺達から離れようと塔の周りに避難していた。
両親は冷静に俺達を見ていた、まだ余裕そうだ。
「それで、そんなおもちゃで何をするつもりなんだ?お前らは」
「貴方達だけで、私達をどうにか出来るなんて思っていたのかしら?」
「…さすがに思ってないよ」
両親を捕まえるのは俺の役目ではない。
俺は大砲を下に向けた。
それを合図に全員自分の武器に魔力を込めて一気に下に向かって放出した。
地鳴りが響き、ミシミシと床にヒビが入った。
それがだんだん大きくなり、皆塔から逃げようとした。
しかし塔の入り口から離れたからか入り口に届く事はなかった。
俺達が立っている足場から崩れていき、塔が崩れる。
ガリュー先生が俺の腰を抱き、騎士さんと姉が後を追う。
ここからなら半分以上兵士を減らせるだろう。
両親までは無理だ、後はトーマに頼もう。
ガリュー先生が飛び降りて俺を離した。
トーマのところに帰るんだ!
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