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アルトの幸せ・トーマ視点
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「ちっ、まぁいい…ゲームを知ってるなら話は早い…アルトのためにお前がアルトを殺せ」
「……なんだと?」
「アルトの幸せはゲームのように自分の使命を果たし死ぬ事だ」
そう言い切った男に眉を寄せる。
何故それがアルトの幸せだと言うのか。
アルトの使命ってなんだ?ゲームでは確かアルトはリンディを誘拐して俺がアルトを……
しかしアルトがリンディを誘拐するなんてあり得ない、俺がアルトを手に掛ける事もあり得ない。
もしアルトが悩んでいるなら一緒に解決したいし、アルトが道を踏み外してしまいそうになったら全力で止める。
だから、ゲーム通りになんて絶対にならない。
「お前がゲーム通りにしたいのはアルトのためなんだろ?何となく分かる……俺がゲーム以外でアルトを幸せにする」
「何故、そこまでアルトにこだわる?…お前は幸せになりたくはないのか?」
「アルトが幸せなら俺も幸せだ、愛しているから」
「っ!?」
俺も言い切り男をまっすぐと見つめた。
驚き目を見開いていた。
そんなに驚く事だろうか、愛しているなら相手の幸せを願うのは当然の事だろうに…
それでもまだ、アルトが死ぬ事を望むというなら…俺はこいつを止める。
今まで気付かなかったが、一対一で会話をしてなんとなく分かった。
殺しはしない…だって彼は…
「君の名前は?」
「……」
「瓜二つとは言わないが何となくアルト…姫に似てる、兄弟のような…そんな感じで」
「当たり前だ、俺はアイツなんだから」
「………そっか」
自分がアルトだと言う事は隠す気がないのか素直にそう言った。
彼はゲームのアルトなのだろう、だから平気で悪事を出来る。
じゃあ今の姫は…別のアルトなのだろうか。
うーんと考えると、目の前のアルトは戦意喪失したのかだらんと大砲を持つ手を下げた。
……根っからの悪い奴ではなさそうだ、全て姫のため…そんな気がした。
ちょっと俺の知らないところで二人が繋がっているようでムッとした。
「愛だの何だのと、お前らはバカだ…この世界の事を理解していない」
「理解している、俺とアルト姫の愛の物語だ」
「………あぁ、バカじゃなくてアホか」
俺は真面目で言ったんだけどな。
そしてなにかの気配に気付き前をまっすぐと見た。
がさがさと茂みが揺れた。
目の前のアルトは舌打ちしてその場を離れようとした。
俺は何となく背中に向けて声を掛けた。
鬱陶しそうにチラッとこちらを見た。
あの惨劇を再び起こさないように俺は口を開いた。
「姫を想っているなら、一度寄宿舎に来い…お前の力が必要だ」
何も答えなかった、そのまま小さくなる背中を眺めて茂みから現れる人物を待った。
「……なんだと?」
「アルトの幸せはゲームのように自分の使命を果たし死ぬ事だ」
そう言い切った男に眉を寄せる。
何故それがアルトの幸せだと言うのか。
アルトの使命ってなんだ?ゲームでは確かアルトはリンディを誘拐して俺がアルトを……
しかしアルトがリンディを誘拐するなんてあり得ない、俺がアルトを手に掛ける事もあり得ない。
もしアルトが悩んでいるなら一緒に解決したいし、アルトが道を踏み外してしまいそうになったら全力で止める。
だから、ゲーム通りになんて絶対にならない。
「お前がゲーム通りにしたいのはアルトのためなんだろ?何となく分かる……俺がゲーム以外でアルトを幸せにする」
「何故、そこまでアルトにこだわる?…お前は幸せになりたくはないのか?」
「アルトが幸せなら俺も幸せだ、愛しているから」
「っ!?」
俺も言い切り男をまっすぐと見つめた。
驚き目を見開いていた。
そんなに驚く事だろうか、愛しているなら相手の幸せを願うのは当然の事だろうに…
それでもまだ、アルトが死ぬ事を望むというなら…俺はこいつを止める。
今まで気付かなかったが、一対一で会話をしてなんとなく分かった。
殺しはしない…だって彼は…
「君の名前は?」
「……」
「瓜二つとは言わないが何となくアルト…姫に似てる、兄弟のような…そんな感じで」
「当たり前だ、俺はアイツなんだから」
「………そっか」
自分がアルトだと言う事は隠す気がないのか素直にそう言った。
彼はゲームのアルトなのだろう、だから平気で悪事を出来る。
じゃあ今の姫は…別のアルトなのだろうか。
うーんと考えると、目の前のアルトは戦意喪失したのかだらんと大砲を持つ手を下げた。
……根っからの悪い奴ではなさそうだ、全て姫のため…そんな気がした。
ちょっと俺の知らないところで二人が繋がっているようでムッとした。
「愛だの何だのと、お前らはバカだ…この世界の事を理解していない」
「理解している、俺とアルト姫の愛の物語だ」
「………あぁ、バカじゃなくてアホか」
俺は真面目で言ったんだけどな。
そしてなにかの気配に気付き前をまっすぐと見た。
がさがさと茂みが揺れた。
目の前のアルトは舌打ちしてその場を離れようとした。
俺は何となく背中に向けて声を掛けた。
鬱陶しそうにチラッとこちらを見た。
あの惨劇を再び起こさないように俺は口を開いた。
「姫を想っているなら、一度寄宿舎に来い…お前の力が必要だ」
何も答えなかった、そのまま小さくなる背中を眺めて茂みから現れる人物を待った。
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