57 / 116
アルトの力
しおりを挟む
目の前にトーマがいた筈なのに、気が付いたら自室のベランダに座っていた。
俺の目の前にはガリュー先生がいた、転送してくれたのか。
ガリュー先生は焦った様子で汗を掻いていた。
ピッピから見てて俺の状況は分かってるから心配掛けてしまった。
説教を覚悟していたら、何も言わずガリュー先生は俺を抱き寄せた。
震えるガリュー先生の背中に手を回す。
「良かった、本当に…」
「心配掛けて、ごめんなさい」
「坊っちゃんが無事なら、それでいい」
俺の肩にピッピが乗っている、いつの間にいたんだろう。
ガリュー先生に強引にズボンを脱がされ、俺は椅子に座り傷の手当てをしてもらう。
いつもは見上げるのに今はガリュー先生を見下ろしている、変な感じがした。
怪我は決して浅いものではなかったと知っているガリュー先生は浅い傷に驚いていた。
多分トーマだと思うが、どうしようか…ピッピがいつからいたのか分からないがもう誤魔化せないだろうか。
ガリュー先生の治癒魔法で痛みが嘘のように引いていく。
「あの、ガリュー先生」
「言わなくていい、坊っちゃんが何故外に行ったのか分かってるから……この傷を治した相手は見ていないが、アイツだろう」
全てお見通しのガリュー先生に何も言えなかった。
ガリュー先生は裏切り者の俺をどうするだろうか、父に突き出す?それとも殺されるのかな。
殺すなら痛みがない方がありがたいな…と考えていた。
不思議とあの騎士達に殺される瞬間より怖くなかった。
ガリュー先生は俺の大切な家族だからかな、ガリュー先生になら俺…
考えが顔に出ていたのだろうか、ガリュー先生はため息を吐きグリグリと俺の頭を少々乱暴に撫でた。
「誰にもこの事を言うつもりはない、だから安心しろ」
「でも俺、敵であるトーマに話しちゃったし」
「寝ている相手に話したって向こうは覚えてないだろう、それに俺はそんな事よりもっと重要な事があるんだ」
「…重要な、事?」
ガリュー先生は立ち上がり俺に顔を近付けた。
びっくりして目を丸くする。
ガリュー先生のその瞳が、その顔がとても真剣でちょっと怖かった。
トーマに作戦がバレるより大事な事っていったいなんだろう。
そういえば騎士さんがいない、まだ話しているのだろうか。
…そちらも気になっていた。
「坊っちゃんって確か、生まれながらに魔力ゼロなんだっけ?」
「え?うん、0歳の魔力検査で魔力なしだって」
「…俺、医者の他に魔力研究所の研究員でもあるんだよ」
それは初めてガリュー先生と会った時に聞いたから知っている。
ガリュー先生は研究員の中でかなり上の人物だと教えてもらった。
子供の頃は何だがガリュー先生がかっこよく見えてキラキラした目で見ていたっけ。
今も尊敬は変わらない。
でもそれは今関係ない話だと思うんだけどと首を傾げる。
ガリュー先生は内緒話をするように小声で「これは研究所内でしか知らない極秘情報なんです」と言われた。
そんな極秘情報を俺なんかが知ってて良いのだろうかと不安だったがガリュー先生は「坊っちゃんは当事者だから特別」と言われた。
また首を傾げる。
「坊っちゃん、もしかして坊っちゃんは…ゼロの魔法使いなのか?」
「……ゼロの、魔法使い?」
何だろうそれ、ゲームにもそんなワードは存在しない。
理解していない俺にガリュー先生は一つ一つ丁寧に説明してくれた。
ゼロの魔法使い誕生の話を…
研究所内に保管されていて研究員と閲覧した数少ない人物以外知られていない存在、それがゼロの魔法使いだった。
当てはまる事はいくらでもあった。
魔力がないなんて普通じゃありえない、でもこうして俺がいる。
キスで魔力を分け与えるのは…もしかしてトーマとキスした時いつも変な違和感があった…これの事だったのか、そう思うと納得してしまう。
でも、悪役で終わる俺がそんな貴重な存在でいいのかと疑問だ。
自分で魔力は使えないから相手に貢ぐための力…
トーマの魔力放出と相性はいいが、キスで…となると力をあげるからキスして!なんて恥ずかしい事言えない。
なんか下心が見え見えの気がして頬が赤くなる。
照れている俺とは反対でガリュー先生は深刻な顔をしていた。
「坊っちゃん、坊っちゃんがゼロの魔法使いだと誰にも言わないで」
「…え?なんで?」
「言い方が悪いけど、坊っちゃんは例えるなら無限で溢れてくる銃の弾丸だ…今まで弾数があって無駄撃ちが出来なかったものが無限に撃てるようになる、シグナム様は坊っちゃんの力を知ったら利用するだろう」
それを想像してゾクッと鳥肌が立った。
もし、利用されたら…俺は人を殺す道具にされる?
直接手は出さなくても俺が補充した力で人が死ぬかもしれない。
それはもしかしたらグランやリカルド…トーマかもしれない。
嫌だ、そんな力……悪い事に使いたくない、使うなら昔話みたいに困ってる人を助ける力になりたい。
父ならきっと利用するだろう、だって父は利用できるものは血が繋がっていても利用するだろう。
「大丈夫だ、俺はたまたま坊っちゃんがトーマ・ラグナロクにキスをして不思議な光が出ているところを見てもしかしてって思ったんだから…それさえ見せなければ、ね」
「…う、ん」
不安げに揺れる俺の頭を撫でて「腹が減っただろ?夕食にしよう」と言ってガリュー先生は夕食を取りに部屋を出ていった。
残された俺は傷一つ残さず綺麗に治った足を眺めていた。
俺の力があればトーマの助けになるかもしれない。
トーマは言いふらす人ではないが、ガリュー先生みたいに誰かに見られて…それが父の耳に入ってしまうと思ったら一歩が踏み出せない。
今日の俺の行動でなにかが変わったならいいけど、寄宿舎の警備が厳重になるくらいだろうかとため息を吐く。
この力、何の意味があるんだ……争いの種になるかもしれないだけじゃないか。
椅子の上で足を曲げて小さくなる。
騎士さんは俺の力を知ってるのだろうか。
いや、多分知らない…騎士さんはゲーム内容しかわからないからゲームに出てきていないゼロの魔法使いの事は知らないだろう。
知ってたら多分、利用されていたからそれは良かったのだろうか。
ガチャと部屋のドアが開いた。
ガリュー先生だと思って椅子から立ち上がった。
「…騎士さん」
「話がある、来い」
今まで何処にいたのか分からない騎士さんが部屋に入ってきたと思ったら俺の返事を聞かずに腕を掴まれ部屋から出された。
強く握られ腕が痛かったが、言える雰囲気じゃなく黙って着いていく。
なんか騎士さん、ちょっとイライラしてる?
何処に連れてかれるのか分からなかったが、いつもの廊下とは雰囲気が違い薄暗い廊下を歩き多分この屋敷の中で一番デカい扉の前に立っていた。
変に緊張しながら騎士さんが扉を開けるのを待っていたら扉を開けてすぐに俺を中に押し込んだ。
足が絡まり転けると騎士さんが続いて入り扉を閉めた。
目の前を見て驚愕した。
広い部屋にいたのはシグナム家の戦闘用の使用人数名と姉と両親が揃っていた。
床に寝たままの俺を騎士さんが服の襟を掴み立たせる。
首が締まりぐえっと変な声が出てしまった、恥ずかしい。
周りは俺なんか眼中になくてすぐに父の方に向いた。
「全員揃ったな、それでは作戦会議を始める」
とうとうこの時が来たようだ。
ゲームの運命が変わる英雄ラグナロク暗殺計画。
俺の目の前にはガリュー先生がいた、転送してくれたのか。
ガリュー先生は焦った様子で汗を掻いていた。
ピッピから見てて俺の状況は分かってるから心配掛けてしまった。
説教を覚悟していたら、何も言わずガリュー先生は俺を抱き寄せた。
震えるガリュー先生の背中に手を回す。
「良かった、本当に…」
「心配掛けて、ごめんなさい」
「坊っちゃんが無事なら、それでいい」
俺の肩にピッピが乗っている、いつの間にいたんだろう。
ガリュー先生に強引にズボンを脱がされ、俺は椅子に座り傷の手当てをしてもらう。
いつもは見上げるのに今はガリュー先生を見下ろしている、変な感じがした。
怪我は決して浅いものではなかったと知っているガリュー先生は浅い傷に驚いていた。
多分トーマだと思うが、どうしようか…ピッピがいつからいたのか分からないがもう誤魔化せないだろうか。
ガリュー先生の治癒魔法で痛みが嘘のように引いていく。
「あの、ガリュー先生」
「言わなくていい、坊っちゃんが何故外に行ったのか分かってるから……この傷を治した相手は見ていないが、アイツだろう」
全てお見通しのガリュー先生に何も言えなかった。
ガリュー先生は裏切り者の俺をどうするだろうか、父に突き出す?それとも殺されるのかな。
殺すなら痛みがない方がありがたいな…と考えていた。
不思議とあの騎士達に殺される瞬間より怖くなかった。
ガリュー先生は俺の大切な家族だからかな、ガリュー先生になら俺…
考えが顔に出ていたのだろうか、ガリュー先生はため息を吐きグリグリと俺の頭を少々乱暴に撫でた。
「誰にもこの事を言うつもりはない、だから安心しろ」
「でも俺、敵であるトーマに話しちゃったし」
「寝ている相手に話したって向こうは覚えてないだろう、それに俺はそんな事よりもっと重要な事があるんだ」
「…重要な、事?」
ガリュー先生は立ち上がり俺に顔を近付けた。
びっくりして目を丸くする。
ガリュー先生のその瞳が、その顔がとても真剣でちょっと怖かった。
トーマに作戦がバレるより大事な事っていったいなんだろう。
そういえば騎士さんがいない、まだ話しているのだろうか。
…そちらも気になっていた。
「坊っちゃんって確か、生まれながらに魔力ゼロなんだっけ?」
「え?うん、0歳の魔力検査で魔力なしだって」
「…俺、医者の他に魔力研究所の研究員でもあるんだよ」
それは初めてガリュー先生と会った時に聞いたから知っている。
ガリュー先生は研究員の中でかなり上の人物だと教えてもらった。
子供の頃は何だがガリュー先生がかっこよく見えてキラキラした目で見ていたっけ。
今も尊敬は変わらない。
でもそれは今関係ない話だと思うんだけどと首を傾げる。
ガリュー先生は内緒話をするように小声で「これは研究所内でしか知らない極秘情報なんです」と言われた。
そんな極秘情報を俺なんかが知ってて良いのだろうかと不安だったがガリュー先生は「坊っちゃんは当事者だから特別」と言われた。
また首を傾げる。
「坊っちゃん、もしかして坊っちゃんは…ゼロの魔法使いなのか?」
「……ゼロの、魔法使い?」
何だろうそれ、ゲームにもそんなワードは存在しない。
理解していない俺にガリュー先生は一つ一つ丁寧に説明してくれた。
ゼロの魔法使い誕生の話を…
研究所内に保管されていて研究員と閲覧した数少ない人物以外知られていない存在、それがゼロの魔法使いだった。
当てはまる事はいくらでもあった。
魔力がないなんて普通じゃありえない、でもこうして俺がいる。
キスで魔力を分け与えるのは…もしかしてトーマとキスした時いつも変な違和感があった…これの事だったのか、そう思うと納得してしまう。
でも、悪役で終わる俺がそんな貴重な存在でいいのかと疑問だ。
自分で魔力は使えないから相手に貢ぐための力…
トーマの魔力放出と相性はいいが、キスで…となると力をあげるからキスして!なんて恥ずかしい事言えない。
なんか下心が見え見えの気がして頬が赤くなる。
照れている俺とは反対でガリュー先生は深刻な顔をしていた。
「坊っちゃん、坊っちゃんがゼロの魔法使いだと誰にも言わないで」
「…え?なんで?」
「言い方が悪いけど、坊っちゃんは例えるなら無限で溢れてくる銃の弾丸だ…今まで弾数があって無駄撃ちが出来なかったものが無限に撃てるようになる、シグナム様は坊っちゃんの力を知ったら利用するだろう」
それを想像してゾクッと鳥肌が立った。
もし、利用されたら…俺は人を殺す道具にされる?
直接手は出さなくても俺が補充した力で人が死ぬかもしれない。
それはもしかしたらグランやリカルド…トーマかもしれない。
嫌だ、そんな力……悪い事に使いたくない、使うなら昔話みたいに困ってる人を助ける力になりたい。
父ならきっと利用するだろう、だって父は利用できるものは血が繋がっていても利用するだろう。
「大丈夫だ、俺はたまたま坊っちゃんがトーマ・ラグナロクにキスをして不思議な光が出ているところを見てもしかしてって思ったんだから…それさえ見せなければ、ね」
「…う、ん」
不安げに揺れる俺の頭を撫でて「腹が減っただろ?夕食にしよう」と言ってガリュー先生は夕食を取りに部屋を出ていった。
残された俺は傷一つ残さず綺麗に治った足を眺めていた。
俺の力があればトーマの助けになるかもしれない。
トーマは言いふらす人ではないが、ガリュー先生みたいに誰かに見られて…それが父の耳に入ってしまうと思ったら一歩が踏み出せない。
今日の俺の行動でなにかが変わったならいいけど、寄宿舎の警備が厳重になるくらいだろうかとため息を吐く。
この力、何の意味があるんだ……争いの種になるかもしれないだけじゃないか。
椅子の上で足を曲げて小さくなる。
騎士さんは俺の力を知ってるのだろうか。
いや、多分知らない…騎士さんはゲーム内容しかわからないからゲームに出てきていないゼロの魔法使いの事は知らないだろう。
知ってたら多分、利用されていたからそれは良かったのだろうか。
ガチャと部屋のドアが開いた。
ガリュー先生だと思って椅子から立ち上がった。
「…騎士さん」
「話がある、来い」
今まで何処にいたのか分からない騎士さんが部屋に入ってきたと思ったら俺の返事を聞かずに腕を掴まれ部屋から出された。
強く握られ腕が痛かったが、言える雰囲気じゃなく黙って着いていく。
なんか騎士さん、ちょっとイライラしてる?
何処に連れてかれるのか分からなかったが、いつもの廊下とは雰囲気が違い薄暗い廊下を歩き多分この屋敷の中で一番デカい扉の前に立っていた。
変に緊張しながら騎士さんが扉を開けるのを待っていたら扉を開けてすぐに俺を中に押し込んだ。
足が絡まり転けると騎士さんが続いて入り扉を閉めた。
目の前を見て驚愕した。
広い部屋にいたのはシグナム家の戦闘用の使用人数名と姉と両親が揃っていた。
床に寝たままの俺を騎士さんが服の襟を掴み立たせる。
首が締まりぐえっと変な声が出てしまった、恥ずかしい。
周りは俺なんか眼中になくてすぐに父の方に向いた。
「全員揃ったな、それでは作戦会議を始める」
とうとうこの時が来たようだ。
ゲームの運命が変わる英雄ラグナロク暗殺計画。
47
お気に入りに追加
3,060
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】家も家族もなくし婚約者にも捨てられた僕だけど、隣国の宰相を助けたら囲われて大切にされています。
cyan
BL
留学中に実家が潰れて家族を失くし、婚約者にも捨てられ、どこにも行く宛てがなく彷徨っていた僕を助けてくれたのは隣国の宰相だった。
家が潰れた僕は平民。彼は宰相様、それなのに僕は恐れ多くも彼に恋をした。
【完結】だから俺は主人公じゃない!
美兎
BL
ある日通り魔に殺された岬りおが、次に目を覚ましたら別の世界の人間になっていた。
しかもそれは腐男子な自分が好きなキャラクターがいるゲームの世界!?
でも自分は名前も聞いた事もないモブキャラ。
そんなモブな自分に話しかけてきてくれた相手とは……。
主人公がいるはずなのに、攻略対象がことごとく自分に言い寄ってきて大混乱!
だから、…俺は主人公じゃないんだってば!

嫌われ変異番の俺が幸せになるまで
深凪雪花
BL
候爵令息フィルリート・ザエノスは、王太子から婚約破棄されたことをきっかけに前世(お花屋で働いていた椿山香介)としての記憶を思い出す。そしてそれが原因なのか、義兄ユージスの『運命の番』に変異してしまった。
即結婚することになるが、記憶を取り戻す前のフィルリートはユージスのことを散々見下していたため、ユージスからの好感度はマイナススタート。冷たくされるが、子どもが欲しいだけのフィルリートは気にせず自由気ままに過ごす。
しかし人格の代わったフィルリートをユージスは次第に溺愛するようになり……?
※★は性描写ありです。

魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます
オカメ颯記
BL
田舎の王国出身のランドルフ・コンラートは、小さいころに自分を養子に出した実家に呼び戻される。行方不明になった兄弟の身代わりとなって、魔道学園に通ってほしいというのだ。
魔法なんて全く使えない抗議したものの、丸め込まれたランドルフはデリン大公家の公子ローレンスとして学園に復学することになる。無口でおとなしいという触れ込みの兄弟は、学園では悪役令息としてわがままにふるまっていた。顔も名前も知らない知人たちに囲まれて、因縁をつけられたり、王族を殴り倒したり。同室の相棒には偽物であることをすぐに看破されてしまうし、どうやって学園生活をおくればいいのか。混乱の中で、何の情報もないまま、王子たちの勢力争いに巻き込まれていく。

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!
かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。
その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。
両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。
自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。
自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。
相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと…
のんびり新連載。
気まぐれ更新です。
BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意!
人外CPにはなりません
ストックなくなるまでは07:10に公開
3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

【完結済み】乙男な僕はモブらしく生きる
木嶋うめ香
BL
本編完結済み(2021.3.8)
和の国の貴族の子息が通う華学園の食堂で、僕こと鈴森千晴(すずもりちはる)は前世の記憶を思い出した。
この世界、前世の僕がやっていたBLゲーム「華乙男のラブ日和」じゃないか?
鈴森千晴なんて登場人物、ゲームには居なかったから僕のポジションはモブなんだろう。
もうすぐ主人公が転校してくる。
僕の片思いの相手山城雅(やましろみやび)も攻略対象者の一人だ。
これから僕は主人公と雅が仲良くなっていくのを見てなきゃいけないのか。
片思いだって分ってるから、諦めなきゃいけないのは分ってるけど、やっぱり辛いよどうしたらいいんだろう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる