20 / 49
第4章
四 決断
しおりを挟む
四
会議を終えて、芽依はオフィスを出た。
駅へ向かっていた最中に芽依のスマホが鳴り、林田から現行の物語制作の正式なNGが下されたとの連絡を受けた。
あまりに早すぎる決定だった。
腑に落ちない状況に、芽依のストレスがつのる。
続けて、テーマは同じまま、内容を一新させたプロットを、明後日までに欲しいというなかなかハードな依頼を受けることになった。芽依は断ることもできず、それを了承して通話を終えた。
(やっぱり、松井さんには逆らえないんだな)
ビルとビルの間に立ちながら、芽依はそんなことを感じていた。
けれど、もしかしたら物語の一新は不可避なことだったのかもしれない。
林田には言えていなかったが、モデルにした夜カフェ〈金木犀〉に、もしかしたら身バレしたかもしれないということ。あのカフェラテ店主の反応の悪さ、少なからず、何かを悟っているふしがあった。
やはりきちんと許可を取るべきだったのかもしれない。だが、今となってはどうしようもないことだった。
それにこれは遊びではない。大学時代に、思うままに綴った物語作りとは訳が違う。お金が絡むビジネスなのだ。
そして芽依は作家でも何でもない。要望されたものを形にするために動員された、素人の書き手だ。
あれこれ何を思おうと、林田そして松井の意図を表現できないのなら、不必要な人間なのである。
(でも、私は書きたかった……)
終電を逃し、途方に暮れた中で見つけた灯り。
店の中に広がっていた空間は、芽依にとって物語のはじまりに似ていた。
そういう場所が東京にもあるのだと、あの夜感じた安堵感は忘れられたものではなかった。
「あれ……、いつのまに」
いつのまにか、芽依は駅ではなく夜カフェ〈金木犀〉の前に居た。
(駅と方向が逆じゃん! 知らぬうちにここに来ちゃうなんて重症でしょ、私)
当然、店は閉まっていたが、ガラス越しから見えた店内に、昨晩忘れた芽依の傘が、傘立てに入ったまま残っていた。
(私の傘だ……)
芽依はそれを見ながら、大きく悩み出す。
(一新っていわれても、頭の中はゼロにならない)
この店に、大きな憧れを膨らませし過ぎてしまった。
なんども言うようだが、芽依はこの店の物語を書きたかった。
——やっぱり来たか。
「えっ……」
そのとき、そばに誰もいないにもかかわらず、幻聴が聞こえた。
(また……、聞こえる)
どういうわけか、最近頻度が増しているような気がする。
(やっぱり来たかって、何?)
確かに、さっきの打ち合わせはストレスだったが、今日は打ち合わせ前に薬を飲んで臨んだ。それなのに、薬が効かなくなっているのだろうか。
(困ったな。まだ、やらなきゃならないことがあるのに)
幻聴は、昼夜問わずに起こる。このままでは、物語の執筆にも支障が出てしまうのではないだろうか。
そう思い、芽依はスマホでかかりつけのクリニックを検索し、電話をかけた。
「すみません。本日、伺いたいのですが可能でしょうか」
芽依はクリニックの予約をいれると、すぐにその場を去った。
…………
……
天童は、傘立てに残したままにした芽依の傘を手にとると、店から去っていく芽依の後ろ姿を見つめていた。
(やっぱり来たな)
それは天童の仕掛けた一つ目の罠だった。
「お前の正体、必ず暴いてやるからな。あやかし様をなめんなよ」
*****
都内某所の心療内科。
林田との打ち合わせの後、夜カフェ〈金木犀〉の前で妙な発作が起こった芽依は、かかりつけの病院に当日予約を入れ、順番を待っていた。
昨今の心療内科は、新規予約が取れないこともあり、そこはようやく確保できたクリニックでもあった。
芽依は上京してから通院をした身だが、自身が心療内科に通っていることは、実家の誰にも打ち明けてはいない。
その日の院内は、やや混雑していた。
受付に並行するように並べられている待合室の長椅子は四列あり、すでに三十分ほど待機している状態だった。
芽依は持参していた文庫を読むなどして時間を潰す。
すると、クリニックの自動ドアが開き、新たに男性がひとり入ってきた。
何気なく顔を上げ、その人物へ視線を向けた芽依は、思わず声をあげそうになったのを必死に押さえながら、驚きを隠せず目を見開いた。
(嘘でしょ!)
入ってきたのはロイヤルミルクティーだった。
その日も、オーバーサイズの白Tシャツに黒のジレ、ダメージジーンズには黒のブーツを合わせていた。
受付に診察券を出しているその姿は、相変わらず物憂げな様子で、以前よりも目元の隈が目立っているように見える。
そして、受付が終わると、ロイヤルミルクティ―男子は座れそうな席がないか、待合室を見渡す。芽依は気付かれないようにと顔を下に向け、読書に専念した。
(ロイヤルミルクティー男子もクリニックに通っていたなんて。ていうか、やっぱり何か心の病でも抱えてるんだ)
物憂げな雰囲気に見せていたそのオーラは、鬱々としていたためだったのだろうか。芽依は不謹慎ながらも妙な親近感を抱いてしまった。
——なんでこんなことに。
「!」
そのとき、芽依の頭の中に低音の声が響いた。
——なんでこんなことに。——なんでこんなことに。
(うう、きっつ……!)
ぼわんと鼓膜を震わせる妙な幻聴。芽依はとっさに両耳を抑える。
持っていた文庫が床に落ち、隣に座っていた患者が気を使って拾ってくれた。
「あの……、大丈夫ですか?」
繰り返し響くその言葉に、吐き気がしてくる。
強い恨みと後悔の混じったような声に、芽依はその場に崩れ落ちてしまった。
「だ、大丈夫ですか!」
待合室で順番待ちをする患者たちが、いっせいに芽依へ視線を向けた。
芽依のもとへ看護士が駆け寄ってくる。
「ご気分でも悪くなりましたか?」
「……すみません。ちょっと、幻聴が」
「大丈夫ですよ、奥にベッドがありますのでご案内します。立てそうですか?」
「はい……、ありがとうございます」
突然の発作を起こした芽依に、ロイヤルミルクティー男子も気付いて案じる様子で見つめている。
芽依は看護士に支えられながら別室へと案内された。
「薬はお持ちですか?」
「はい。でも、ここへ来る前に飲んでしまっていて……」
「そうですか。わかりました。先生に伝えてきますので、順番が来ましたらお呼びしますね。それまで少しゆっくりなさってくださいね」
「ありがとうございます。お手数おかけします」
「いいえ。何かありましたら遠慮なく呼んでくださいね」
ありがたいことに、芽依は、別室に設けられていたベッドに横になることができた。
幸い、その頃になると声は聞こえなくなっていた。
吐き気も起きていないし、少し落ち着いた様子がある。
今のはなんだったのだろうか。
(こんなの初めてだ……)
芽依はふと、実家のことを考えていた。
(私が心療内科に通ってるなんていったら、なんて言われるかな……)
もしかしたら、自分はかなり無理をしているのだろうか。
これは、諦めて実家に帰れというお告げなのだろうか。
(まさか、本当に実家の祟り……)
そんなことを考えると、頭がクラクラしてきた。
(やめよう。今は落ち着かなきゃ)
芽依は病院のベッドに横たわりながら深呼吸し、しばらく目を閉じ体を休ませた。
会議を終えて、芽依はオフィスを出た。
駅へ向かっていた最中に芽依のスマホが鳴り、林田から現行の物語制作の正式なNGが下されたとの連絡を受けた。
あまりに早すぎる決定だった。
腑に落ちない状況に、芽依のストレスがつのる。
続けて、テーマは同じまま、内容を一新させたプロットを、明後日までに欲しいというなかなかハードな依頼を受けることになった。芽依は断ることもできず、それを了承して通話を終えた。
(やっぱり、松井さんには逆らえないんだな)
ビルとビルの間に立ちながら、芽依はそんなことを感じていた。
けれど、もしかしたら物語の一新は不可避なことだったのかもしれない。
林田には言えていなかったが、モデルにした夜カフェ〈金木犀〉に、もしかしたら身バレしたかもしれないということ。あのカフェラテ店主の反応の悪さ、少なからず、何かを悟っているふしがあった。
やはりきちんと許可を取るべきだったのかもしれない。だが、今となってはどうしようもないことだった。
それにこれは遊びではない。大学時代に、思うままに綴った物語作りとは訳が違う。お金が絡むビジネスなのだ。
そして芽依は作家でも何でもない。要望されたものを形にするために動員された、素人の書き手だ。
あれこれ何を思おうと、林田そして松井の意図を表現できないのなら、不必要な人間なのである。
(でも、私は書きたかった……)
終電を逃し、途方に暮れた中で見つけた灯り。
店の中に広がっていた空間は、芽依にとって物語のはじまりに似ていた。
そういう場所が東京にもあるのだと、あの夜感じた安堵感は忘れられたものではなかった。
「あれ……、いつのまに」
いつのまにか、芽依は駅ではなく夜カフェ〈金木犀〉の前に居た。
(駅と方向が逆じゃん! 知らぬうちにここに来ちゃうなんて重症でしょ、私)
当然、店は閉まっていたが、ガラス越しから見えた店内に、昨晩忘れた芽依の傘が、傘立てに入ったまま残っていた。
(私の傘だ……)
芽依はそれを見ながら、大きく悩み出す。
(一新っていわれても、頭の中はゼロにならない)
この店に、大きな憧れを膨らませし過ぎてしまった。
なんども言うようだが、芽依はこの店の物語を書きたかった。
——やっぱり来たか。
「えっ……」
そのとき、そばに誰もいないにもかかわらず、幻聴が聞こえた。
(また……、聞こえる)
どういうわけか、最近頻度が増しているような気がする。
(やっぱり来たかって、何?)
確かに、さっきの打ち合わせはストレスだったが、今日は打ち合わせ前に薬を飲んで臨んだ。それなのに、薬が効かなくなっているのだろうか。
(困ったな。まだ、やらなきゃならないことがあるのに)
幻聴は、昼夜問わずに起こる。このままでは、物語の執筆にも支障が出てしまうのではないだろうか。
そう思い、芽依はスマホでかかりつけのクリニックを検索し、電話をかけた。
「すみません。本日、伺いたいのですが可能でしょうか」
芽依はクリニックの予約をいれると、すぐにその場を去った。
…………
……
天童は、傘立てに残したままにした芽依の傘を手にとると、店から去っていく芽依の後ろ姿を見つめていた。
(やっぱり来たな)
それは天童の仕掛けた一つ目の罠だった。
「お前の正体、必ず暴いてやるからな。あやかし様をなめんなよ」
*****
都内某所の心療内科。
林田との打ち合わせの後、夜カフェ〈金木犀〉の前で妙な発作が起こった芽依は、かかりつけの病院に当日予約を入れ、順番を待っていた。
昨今の心療内科は、新規予約が取れないこともあり、そこはようやく確保できたクリニックでもあった。
芽依は上京してから通院をした身だが、自身が心療内科に通っていることは、実家の誰にも打ち明けてはいない。
その日の院内は、やや混雑していた。
受付に並行するように並べられている待合室の長椅子は四列あり、すでに三十分ほど待機している状態だった。
芽依は持参していた文庫を読むなどして時間を潰す。
すると、クリニックの自動ドアが開き、新たに男性がひとり入ってきた。
何気なく顔を上げ、その人物へ視線を向けた芽依は、思わず声をあげそうになったのを必死に押さえながら、驚きを隠せず目を見開いた。
(嘘でしょ!)
入ってきたのはロイヤルミルクティーだった。
その日も、オーバーサイズの白Tシャツに黒のジレ、ダメージジーンズには黒のブーツを合わせていた。
受付に診察券を出しているその姿は、相変わらず物憂げな様子で、以前よりも目元の隈が目立っているように見える。
そして、受付が終わると、ロイヤルミルクティ―男子は座れそうな席がないか、待合室を見渡す。芽依は気付かれないようにと顔を下に向け、読書に専念した。
(ロイヤルミルクティー男子もクリニックに通っていたなんて。ていうか、やっぱり何か心の病でも抱えてるんだ)
物憂げな雰囲気に見せていたそのオーラは、鬱々としていたためだったのだろうか。芽依は不謹慎ながらも妙な親近感を抱いてしまった。
——なんでこんなことに。
「!」
そのとき、芽依の頭の中に低音の声が響いた。
——なんでこんなことに。——なんでこんなことに。
(うう、きっつ……!)
ぼわんと鼓膜を震わせる妙な幻聴。芽依はとっさに両耳を抑える。
持っていた文庫が床に落ち、隣に座っていた患者が気を使って拾ってくれた。
「あの……、大丈夫ですか?」
繰り返し響くその言葉に、吐き気がしてくる。
強い恨みと後悔の混じったような声に、芽依はその場に崩れ落ちてしまった。
「だ、大丈夫ですか!」
待合室で順番待ちをする患者たちが、いっせいに芽依へ視線を向けた。
芽依のもとへ看護士が駆け寄ってくる。
「ご気分でも悪くなりましたか?」
「……すみません。ちょっと、幻聴が」
「大丈夫ですよ、奥にベッドがありますのでご案内します。立てそうですか?」
「はい……、ありがとうございます」
突然の発作を起こした芽依に、ロイヤルミルクティー男子も気付いて案じる様子で見つめている。
芽依は看護士に支えられながら別室へと案内された。
「薬はお持ちですか?」
「はい。でも、ここへ来る前に飲んでしまっていて……」
「そうですか。わかりました。先生に伝えてきますので、順番が来ましたらお呼びしますね。それまで少しゆっくりなさってくださいね」
「ありがとうございます。お手数おかけします」
「いいえ。何かありましたら遠慮なく呼んでくださいね」
ありがたいことに、芽依は、別室に設けられていたベッドに横になることができた。
幸い、その頃になると声は聞こえなくなっていた。
吐き気も起きていないし、少し落ち着いた様子がある。
今のはなんだったのだろうか。
(こんなの初めてだ……)
芽依はふと、実家のことを考えていた。
(私が心療内科に通ってるなんていったら、なんて言われるかな……)
もしかしたら、自分はかなり無理をしているのだろうか。
これは、諦めて実家に帰れというお告げなのだろうか。
(まさか、本当に実家の祟り……)
そんなことを考えると、頭がクラクラしてきた。
(やめよう。今は落ち着かなきゃ)
芽依は病院のベッドに横たわりながら深呼吸し、しばらく目を閉じ体を休ませた。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
黒龍の神嫁は溺愛から逃げられない
めがねあざらし
BL
「神嫁は……お前です」
村の神嫁選びで神託が告げたのは、美しい娘ではなく青年・長(なが)だった。
戸惑いながらも黒龍の神・橡(つるばみ)に嫁ぐことになった長は、神域で不思議な日々を過ごしていく。
穏やかな橡との生活に次第に心を許し始める長だったが、ある日を境に彼の姿が消えてしまう――。
夢の中で響く声と、失われた記憶が導く、神と人の恋の物語。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
『イケメンイスラエル大使館員と古代ユダヤの「アーク探し」の5日間の某国特殊部隊相手の大激戦!なっちゃん恋愛小説シリーズ第1弾!』
あらお☆ひろ
キャラ文芸
「なつ&陽菜コンビ」にニコニコ商店街・ニコニコプロレスのメンバーが再集結の第1弾!
もちろん、「なっちゃん」の恋愛小説シリーズ第1弾でもあります!
ニコニコ商店街・ニコニコポロレスのメンバーが再集結。
稀世・三郎夫婦に3歳になったひまわりに直とまりあ。
もちろん夏子&陽菜のコンビも健在。
今作の主人公は「夏子」?
淡路島イザナギ神社で知り合ったイケメン大使館員の「MK」も加わり10人の旅が始まる。
ホテルの庭で偶然拾った二つの「古代ユダヤ支族の紋章の入った指輪」をきっかけに、古来ユダヤの巫女と化した夏子は「部屋荒らし」、「ひったくり」そして「追跡」と謎の外人に追われる!
古代ユダヤの支族が日本に持ち込んだとされる「ソロモンの秘宝」と「アーク(聖櫃)」に入れられた「三種の神器」の隠し場所を夏子のお告げと客観的歴史事実を基に淡路、徳島、京都、長野、能登、伊勢とアークの追跡が始まる。
もちろん最後はお決まりの「ドンパチ」の格闘戦!
アークと夏子とMKの恋の行方をお時間のある人はゆるーく一緒に見守ってあげてください!
では、よろひこー (⋈◍>◡<◍)。✧♡!
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
迷子のあやかし案内人 〜京都先斗町の猫神様〜
紫音@キャラ文芸大賞参加中!
キャラ文芸
【キャラ文芸大賞に参加中です。投票よろしくお願いします!】
やさしい神様とおいしいごはん。ほっこりご当地ファンタジー。
*あらすじ*
人には見えない『あやかし』の姿が見える女子高生・桜はある日、道端で泣いているあやかしの子どもを見つける。
「”ねこがみさま”のところへ行きたいんだ……」
どうやら迷子らしい。桜は道案内を引き受けたものの、”猫神様”の居場所はわからない。
迷いに迷った末に彼女たちが辿り着いたのは、京都先斗町の奥にある不思議なお店(?)だった。
そこにいたのは、美しい青年の姿をした猫又の神様。
彼は現世(うつしよ)に迷い込んだあやかしを幽世(かくりよ)へ送り帰す案内人である。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる