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どうやら俺は学年一、二番目の女子と遊ぶことは出来ないらしい
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俺の名前は荒川涼真、北海道に住む普通の高校一年生だ。
俺の通っている北嶺高校は俺の住む町から少し離れた田舎の方にある。
毎日電車に揺られて登校して、授業を受ける。
そんな日々を2か月ほど過ごした。
俺には幼馴染が居た、名前は中山胡桃。
反対から読むとみるくになる、だから昔から胡桃の事をみるくと呼んでいた。今でこそ恥ずかしいが、昔は何も感じず「みるく!みるく!」と呼んでいた。もちろん、中学校でも読んでいたさ。そのせいか、たまにからかわれたりもしたけどね。
しかし、みるくも俺と同じ北嶺高校に入学したはずなんだが、高校に入ってからその姿は一度も見ていない。
親から聞いたが、おばさんとおじさんが事故で亡くなったらしい。俺も最初は声を掛けようと思ったが傷をえぐるようなことはしないでおこうと思い、声を掛けるのは辞めた。
聞きなれたチャイムの音がなる。小学、中学と変わらない音、そしてこの帰りのHRも9年間ずっと変わらない。いや多少は変わってるかもしれない、小学と中学は帰りの会だった、けど今はHRだ。俺も少しは成長したなと思う今日この頃。
「じゃあ今日はこれで終了、日直、号令」
担任の声に合わせて日直が号令をする。
「起立、気を付け、さようなら」
「「「さようなら!」」」
クラスメイト一同揃って帰りのあいさつをする。挨拶をした後は各自でバラバラに行動する。担当区域の掃除を行ったり寄り道の予定など各々で話し合ったり一人で帰る一匹狼もいる。寄り道すると言っても北嶺高校はガチで山の方にある。一応近くにちょっとでかいスーパーはあるがそれ以外はコンビニか駅、もしくはパチンコ店しかない、カラオケに行くとしても電車、ショッピングセンターに行くとしても電車。そう電車を使うしかないのだ。
そんな事をしみじみと思っていると「涼真、お前今日暇?」と不意に後ろから声がした
声の正体は友達の長谷部亮。こいつとは中学は違ったのだが「同じりょう同士じゃん!!」とノリと勢いで仲良くなった。
「全然暇だけど、どした?」
「暇か、そうかそうか。実はさ、今日宮下とあかねの三人でカラオケ行く予定なんだけどさ~、お前も来る?」
亮はドヤ顔で誘ってきやがった。
そんなもん行きたいに決まってるじゃねぇか……!相手はクラスで男子の中で1、2番目に可愛いと言われてるあの宮下さんと如月さんだぞ!
宮下心々音、入学当初可愛いと騒がれてた人物だ。その反響は凄くて他クラスからも告白されるし先輩からも告白されてたらしい。しかし、全部振ったんだとか。もう、ギャルゲーのヒロインじゃんそんなの。あれでしょ、モブキャラには厳しくて主人公にだけベタベタな設定なんでしょ?あーもう、そんなの分かってますよ、はいはい。てか、なんで亮は宮下さんを誘えたんだ……?
もう一人の五十嵐紅音も凄い、宮下さんほどではないが宮下さんと同様凄い告白されたらしい。でも「私、もう運命の人が居るんで!」と100点スマイルで全員振ったらしい。まさか、運命の人って亮のことじゃないよな。なぜか亮の事だけ下の名前で呼んでるし。
さぁ、誰にしてるかわからない説明も終わった所で返答しようじゃないか、この天国への招待を受け取ろうじゃないか!
「マジか!行きたい、めっちゃ行きたい!」
「おっけ~、じゃあ隣町のカラオケ屋で良いか?」
「良いよ、楽しみだなぁ~」
亮はスマホを取り出した、どうやら連絡してるらしい。
「やっべ、二人とも待ってるっぽいわ。早く行こうぜ」
二人とも待っているのか、それは早くしなければ。端麗なお二人を待たすわけにはいかないからな。
廊下を駆け足で移動し階段に差し掛かった。
一年生のクラスは3階にあり、階段を使わなければならない。
面倒と思いながら階段を下っていると担任に呼び止められた。
「おう~、荒川。丁度良い所に居た。」
マジかよ、ここで呼び止められるのかよ。
俺は亮に「先に行ってて」と言い先生と話した。
「どうしました、先生」
「いや~実は先生、中山の家が分からなくてさ~」
「は、はぁ……?」
「だから、このプリント届けてくれないかい?」
おいおい、マジですか。せっかく天国が待っていると思っていたのに待っていたのは地獄。最悪です、あーもう最悪です。
しかし、俺は気づいた。カラオケ終わった後に渡しに行けば良いやんと。なんだ、それなら安心だな。
一瞬天国への道が閉ざされたと思った。結構焦った。
「分かりました。特に期限とかあるものはないですよね?」
「いや~それが中山、入学式も来てないから早急に取り扱わないといけないプリントが一枚あってさ、だからもう、今すぐに行って欲しいんだ。」
はい、やっぱり待っていたのは地獄でした。対戦ありがとうございました。なんで?小中ともに何もイベントなんて無かった。高校入って初めてのイベントだよ!?宮下さんや五十嵐さんと距離を縮めれるチャンスだったんだよ!あわよくば「私と付き合って!」なんてイベントもあったかもしれないのに、くそう。
俺は顔を引き攣らせながら「分かりました……」と渋々了承した。
一階に着くと亮だけが待っていた。
「ごめんごめん、なんか呼び止められちゃってさぁ」
「なんも、それでなんかあったのか……?」
俺は亮に一連の流れを説明した。正直みるくに対してかなり腹が立っていたが、なんとか抑えた。
「そっか、残念だな。宮下もあかねも楽しみにしてたからさ」
「いや、ほんとすまん!この埋め合わせは必ずするから!」
「おっけ、じゃあ二人には連絡入れとくわ、あと今度4人で遊ぼうな!」
「あぁ、ありがとう」
やっば、この人優しすぎるんですけど。普通だったら絶対「は?お前ノリわる。そんなの断れよ。」とか威圧的な事言うでしょ、普通。普通?ごめんやっぱ普通じゃないかもしれない、ギャルゲーに夢見てたかも。
「じゃあ、楽しんでくるわ」
「くっそっ、羨ましすぎる。」
「へへーん、じゃあな。また月曜日!」
「おう、また月曜!」
亮を見送ってから少しして俺も歩き出す。
みるくに対することでぶつぶつ文句を言いながら歩いていたが、周りの生徒から気味悪がられたのでやめた。
少し歩いて榎し野駅に着いた、丁度電車が来る時間だったのか踏切が遮断し始めた。いつも人の群れについて行って電車に乗るから時間とかよくわかんないんだよなぁ、前とか、人についていって電車乗ったら間違えて全く違う電車に乗っちゃったし。
小さな階段を上り、錆びれたホームに出た。ホームに居た人ほとんどというか、全員北嶺高校の生徒だった。そんな中にさっき話した亮が居た。周りには宮下さんと五十嵐さんがいた、きっと俺の事を悪く言っているに違いない。怖い、そして気まずい。俺は怖くなって狭いホームの中、亮とは少し距離を置いた位置についた。電車が来た、いつもは2両編成なのに今日は1両だった。仕方ないと思い、亮とは遅れて電車に乗り込んだ。
切符を機械から取り、中に入った。中は老人が3人ほど、あとはほとんど学生という成人と未成年の割合がとても激しい状態になっていた。亮に見つからないように、席には座らずつり革を掴んだ。
「おや、あなたは……?」と後ろから声がした。話しかけられてるのは俺じゃないと思いシカトする。
しかし、話しかけられているのは俺だったらしく、肩をポンポンと叩かれた。
振り返るとそこにはとても可憐な学生が立っていた。宮下心々音が居た。
「確か、同じクラスの荒川君でしたよね……?」
くそっ、くるみにプリントを届ける用事さえ出来なければ今こんなことにはならず宮下さんや五十嵐さんと楽しく話しているはずだったのに、なぜこんな出会い方になってしまったんだ。
否定するわけにもいかないと思い「そうですが、どうしました?」と答えた。
「確か、今日は用事があるからカラオケには行けないと亮くんから伺ったのですが……」
「あぁ、その件はすまん。実は俺、幼馴染が居て……ほら、一度も学校に来てない中山胡桃って子がクラスに居るじゃん?」
「はい、胡桃さんですね。確かに居ます。」
「その子にプリントを早急に渡さなくていけなくなってしまいましてね」
宮下さんは納得したのか手をパチンと叩き「そうだったのですか!」と少し大きな声で言った。その声に周りが反応したので「静かにしましょ、宮下さん」と注意した。
「あぁ、すみません。てかなぜ、私にさんづけするのですか?」
「まぁ、まだ友達じゃないし」
俺の問いに対し、宮下さんは「あはは、不思議な事を言いますね。」とまた大きな声で言った。こやつ、反省しないタイプだな。俺はまた注意をした。
宮下さんはおでこに手を当て「てへっ」とあざとくごまかした。これがまた可愛いからずるい。
アナウンスで「次は大泉~、大泉~」と鳴った。
「あぁ、じゃあ私、亮くんの所行くね。」
「あぁ、うん。それじゃあ」
「ばいばい、涼真くん。後で亮くんからLINE貰っとくね。」
不覚にもドキッとしてしまった。てか、俺宮下さんから下の名前で呼ばれた……?やばいやばい。
宮下さんから下の名前で呼ばれたり、あのあざといポーズを貰った余韻に浸っているといつの間にか最寄り駅にについていた。
俺は慌てて電車から降りた。
「セーフ。」
独り言を吐き、歩き始めた。と言っても100mほど歩けば俺の家なんですけどね。今日は荷物が意外にも多かったので、一度荷物を置いてからみるくの家に来た。
中学卒業以来一度も会ってないからか、謎に緊張しながら俺はみるくの家のチャイムを鳴らした。
俺の通っている北嶺高校は俺の住む町から少し離れた田舎の方にある。
毎日電車に揺られて登校して、授業を受ける。
そんな日々を2か月ほど過ごした。
俺には幼馴染が居た、名前は中山胡桃。
反対から読むとみるくになる、だから昔から胡桃の事をみるくと呼んでいた。今でこそ恥ずかしいが、昔は何も感じず「みるく!みるく!」と呼んでいた。もちろん、中学校でも読んでいたさ。そのせいか、たまにからかわれたりもしたけどね。
しかし、みるくも俺と同じ北嶺高校に入学したはずなんだが、高校に入ってからその姿は一度も見ていない。
親から聞いたが、おばさんとおじさんが事故で亡くなったらしい。俺も最初は声を掛けようと思ったが傷をえぐるようなことはしないでおこうと思い、声を掛けるのは辞めた。
聞きなれたチャイムの音がなる。小学、中学と変わらない音、そしてこの帰りのHRも9年間ずっと変わらない。いや多少は変わってるかもしれない、小学と中学は帰りの会だった、けど今はHRだ。俺も少しは成長したなと思う今日この頃。
「じゃあ今日はこれで終了、日直、号令」
担任の声に合わせて日直が号令をする。
「起立、気を付け、さようなら」
「「「さようなら!」」」
クラスメイト一同揃って帰りのあいさつをする。挨拶をした後は各自でバラバラに行動する。担当区域の掃除を行ったり寄り道の予定など各々で話し合ったり一人で帰る一匹狼もいる。寄り道すると言っても北嶺高校はガチで山の方にある。一応近くにちょっとでかいスーパーはあるがそれ以外はコンビニか駅、もしくはパチンコ店しかない、カラオケに行くとしても電車、ショッピングセンターに行くとしても電車。そう電車を使うしかないのだ。
そんな事をしみじみと思っていると「涼真、お前今日暇?」と不意に後ろから声がした
声の正体は友達の長谷部亮。こいつとは中学は違ったのだが「同じりょう同士じゃん!!」とノリと勢いで仲良くなった。
「全然暇だけど、どした?」
「暇か、そうかそうか。実はさ、今日宮下とあかねの三人でカラオケ行く予定なんだけどさ~、お前も来る?」
亮はドヤ顔で誘ってきやがった。
そんなもん行きたいに決まってるじゃねぇか……!相手はクラスで男子の中で1、2番目に可愛いと言われてるあの宮下さんと如月さんだぞ!
宮下心々音、入学当初可愛いと騒がれてた人物だ。その反響は凄くて他クラスからも告白されるし先輩からも告白されてたらしい。しかし、全部振ったんだとか。もう、ギャルゲーのヒロインじゃんそんなの。あれでしょ、モブキャラには厳しくて主人公にだけベタベタな設定なんでしょ?あーもう、そんなの分かってますよ、はいはい。てか、なんで亮は宮下さんを誘えたんだ……?
もう一人の五十嵐紅音も凄い、宮下さんほどではないが宮下さんと同様凄い告白されたらしい。でも「私、もう運命の人が居るんで!」と100点スマイルで全員振ったらしい。まさか、運命の人って亮のことじゃないよな。なぜか亮の事だけ下の名前で呼んでるし。
さぁ、誰にしてるかわからない説明も終わった所で返答しようじゃないか、この天国への招待を受け取ろうじゃないか!
「マジか!行きたい、めっちゃ行きたい!」
「おっけ~、じゃあ隣町のカラオケ屋で良いか?」
「良いよ、楽しみだなぁ~」
亮はスマホを取り出した、どうやら連絡してるらしい。
「やっべ、二人とも待ってるっぽいわ。早く行こうぜ」
二人とも待っているのか、それは早くしなければ。端麗なお二人を待たすわけにはいかないからな。
廊下を駆け足で移動し階段に差し掛かった。
一年生のクラスは3階にあり、階段を使わなければならない。
面倒と思いながら階段を下っていると担任に呼び止められた。
「おう~、荒川。丁度良い所に居た。」
マジかよ、ここで呼び止められるのかよ。
俺は亮に「先に行ってて」と言い先生と話した。
「どうしました、先生」
「いや~実は先生、中山の家が分からなくてさ~」
「は、はぁ……?」
「だから、このプリント届けてくれないかい?」
おいおい、マジですか。せっかく天国が待っていると思っていたのに待っていたのは地獄。最悪です、あーもう最悪です。
しかし、俺は気づいた。カラオケ終わった後に渡しに行けば良いやんと。なんだ、それなら安心だな。
一瞬天国への道が閉ざされたと思った。結構焦った。
「分かりました。特に期限とかあるものはないですよね?」
「いや~それが中山、入学式も来てないから早急に取り扱わないといけないプリントが一枚あってさ、だからもう、今すぐに行って欲しいんだ。」
はい、やっぱり待っていたのは地獄でした。対戦ありがとうございました。なんで?小中ともに何もイベントなんて無かった。高校入って初めてのイベントだよ!?宮下さんや五十嵐さんと距離を縮めれるチャンスだったんだよ!あわよくば「私と付き合って!」なんてイベントもあったかもしれないのに、くそう。
俺は顔を引き攣らせながら「分かりました……」と渋々了承した。
一階に着くと亮だけが待っていた。
「ごめんごめん、なんか呼び止められちゃってさぁ」
「なんも、それでなんかあったのか……?」
俺は亮に一連の流れを説明した。正直みるくに対してかなり腹が立っていたが、なんとか抑えた。
「そっか、残念だな。宮下もあかねも楽しみにしてたからさ」
「いや、ほんとすまん!この埋め合わせは必ずするから!」
「おっけ、じゃあ二人には連絡入れとくわ、あと今度4人で遊ぼうな!」
「あぁ、ありがとう」
やっば、この人優しすぎるんですけど。普通だったら絶対「は?お前ノリわる。そんなの断れよ。」とか威圧的な事言うでしょ、普通。普通?ごめんやっぱ普通じゃないかもしれない、ギャルゲーに夢見てたかも。
「じゃあ、楽しんでくるわ」
「くっそっ、羨ましすぎる。」
「へへーん、じゃあな。また月曜日!」
「おう、また月曜!」
亮を見送ってから少しして俺も歩き出す。
みるくに対することでぶつぶつ文句を言いながら歩いていたが、周りの生徒から気味悪がられたのでやめた。
少し歩いて榎し野駅に着いた、丁度電車が来る時間だったのか踏切が遮断し始めた。いつも人の群れについて行って電車に乗るから時間とかよくわかんないんだよなぁ、前とか、人についていって電車乗ったら間違えて全く違う電車に乗っちゃったし。
小さな階段を上り、錆びれたホームに出た。ホームに居た人ほとんどというか、全員北嶺高校の生徒だった。そんな中にさっき話した亮が居た。周りには宮下さんと五十嵐さんがいた、きっと俺の事を悪く言っているに違いない。怖い、そして気まずい。俺は怖くなって狭いホームの中、亮とは少し距離を置いた位置についた。電車が来た、いつもは2両編成なのに今日は1両だった。仕方ないと思い、亮とは遅れて電車に乗り込んだ。
切符を機械から取り、中に入った。中は老人が3人ほど、あとはほとんど学生という成人と未成年の割合がとても激しい状態になっていた。亮に見つからないように、席には座らずつり革を掴んだ。
「おや、あなたは……?」と後ろから声がした。話しかけられてるのは俺じゃないと思いシカトする。
しかし、話しかけられているのは俺だったらしく、肩をポンポンと叩かれた。
振り返るとそこにはとても可憐な学生が立っていた。宮下心々音が居た。
「確か、同じクラスの荒川君でしたよね……?」
くそっ、くるみにプリントを届ける用事さえ出来なければ今こんなことにはならず宮下さんや五十嵐さんと楽しく話しているはずだったのに、なぜこんな出会い方になってしまったんだ。
否定するわけにもいかないと思い「そうですが、どうしました?」と答えた。
「確か、今日は用事があるからカラオケには行けないと亮くんから伺ったのですが……」
「あぁ、その件はすまん。実は俺、幼馴染が居て……ほら、一度も学校に来てない中山胡桃って子がクラスに居るじゃん?」
「はい、胡桃さんですね。確かに居ます。」
「その子にプリントを早急に渡さなくていけなくなってしまいましてね」
宮下さんは納得したのか手をパチンと叩き「そうだったのですか!」と少し大きな声で言った。その声に周りが反応したので「静かにしましょ、宮下さん」と注意した。
「あぁ、すみません。てかなぜ、私にさんづけするのですか?」
「まぁ、まだ友達じゃないし」
俺の問いに対し、宮下さんは「あはは、不思議な事を言いますね。」とまた大きな声で言った。こやつ、反省しないタイプだな。俺はまた注意をした。
宮下さんはおでこに手を当て「てへっ」とあざとくごまかした。これがまた可愛いからずるい。
アナウンスで「次は大泉~、大泉~」と鳴った。
「あぁ、じゃあ私、亮くんの所行くね。」
「あぁ、うん。それじゃあ」
「ばいばい、涼真くん。後で亮くんからLINE貰っとくね。」
不覚にもドキッとしてしまった。てか、俺宮下さんから下の名前で呼ばれた……?やばいやばい。
宮下さんから下の名前で呼ばれたり、あのあざといポーズを貰った余韻に浸っているといつの間にか最寄り駅にについていた。
俺は慌てて電車から降りた。
「セーフ。」
独り言を吐き、歩き始めた。と言っても100mほど歩けば俺の家なんですけどね。今日は荷物が意外にも多かったので、一度荷物を置いてからみるくの家に来た。
中学卒業以来一度も会ってないからか、謎に緊張しながら俺はみるくの家のチャイムを鳴らした。
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