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53.私は何の為に恋人をしているんだろう
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「うわっ……!」
反射的に扉を閉めてしまった。
こうゆう時どうすれば良いのか分からない。
ゆっくりと扉を開け声を掛ける、それとも見なかったことにしてこの場を立ち去る。
どうしたら良いのか分からずあたふたしていると目の前の扉が開いた。
「どうしたの?はーちゃん」
絵梨香は何事も無かったかのように洗面所から出て来た。
考えていた事が一度リセットされてしまい、どうすれば良いのかもっと分からなくなってしまった。
「おーい、はーちゃん?」
「だ、大丈夫」
何か言葉を返さないといけないと思いとりあえず適当に言葉を返したが、さぁここからどうすれば良い。
「大丈夫」と呪文のように唱えてここから立ち去るか、それか無言で逃亡するか。
私が迷っていると絵梨香に手を掴まれ脱衣所に連れ込まれた。
「ねぇ、はーちゃんぼーっとしてどうしたの?」
私はもう分からなくなってしまい「扉開けたら全裸の絵梨香が居たからわけわかんなくなっちゃった」と小声で伝えた。
「ははは……!はーちゃんこんなことでおどおどしてたの!?もう裸を見せ合った仲なのに、初々しいねぇ」
「う、うるさいな!大体絵梨香が攻め過ぎなんだよ!普通のカップルが何カ月も付き合ってからするような事を絵梨香は平気で初日にやろうとしたじゃん」
「だってそれははーちゃんが可愛いし幼馴染だから少しならハメ外しても良いかなって思っただけで……」
「理由になってない!てか服着て!」
少しヒートアップしてしまったが少し怒れば絵梨香も少しは反省するだろうと思った。
だけど、絵梨香に怒っただけじゃ何も変わらない事を実感する。
絵梨香は「服なんて着ないよ。それよりさ……」と言い私の方に近寄ってくる。
そして「一緒にお風呂入ろ!」と誘って来た。
異様に明るい表情、何か裏があるかもしれないと思いながら私は「嫌だ」と絵梨香を拒絶した。
この人は覚えていないのだろうか、付き合った初日に「お風呂に入ろう!」と誘って私がそれを拒絶した結果喧嘩になったことを。
確かに今と昔じゃ状況が違う、それにいくら裸を見せ合ったり触れ合った仲だとしても一緒にお風呂に入ることは何故か抵抗があった。
しかし、そんな私の心情などお構いなしに絵梨香は私の手首を掴んだ。
かなり力が入っているのか解くことは出来ず、普通に痛い。
「ねぇはーちゃん?なんで黙ってるの?」
「い、痛いって!離して絵梨香!」
「じゃあ一緒にお風呂入るって事で良い?」
「そ、それはまだ考え中で……ひぎっ!?」
手首に込められている力がより一層強くなった。
どうして絵梨香はこんなに力が強いのか分からないが、柔道経験者の私ですら痛いと思ってしまう。
例えるなら背負い投げされた時に上手く受け身を取れず、手首で体を支えようとして打撲する時の痛みに近かった。
私はあまりの痛みに「わかったから、離して」と絵梨香に懇願する。
絵梨香は納得したのか私の手を離し「じゃあ、お風呂場で待ってるから。来なかったら夜、お仕置きだからね」と耳元で囁き、お風呂場に入っていった。
私はどうした良いのか分からずその場に崩れ落ちた。
このまま絵梨香の尻に敷かれて恋人を続けていくのか、絵梨香との恋人生活はこのまま続けて良いのか、そもそも私は今何の為に絵梨香と恋人を続けているのか。
目的が分からくなってきてしまった。
だけど、こんな尻に敷かれている生活でも一部幸せを感じてしまっている自分がいる。
きっと私はとんだヘンタイなのだろう。
何もかもが馬鹿馬鹿しくなった私は立ち上がり、服をバスケットの中に放り込んだ。
そしてお風呂場の扉を開けて中に入った。
中には湯船に浸かっている満面の笑みをした絵梨香が居た。
「待ってたよ、はーちゃん。はらおいで?」
絵梨香が手を広げて私を待って居る。
それに応えるかのように私は絵梨香のいる浴槽に入った。
反射的に扉を閉めてしまった。
こうゆう時どうすれば良いのか分からない。
ゆっくりと扉を開け声を掛ける、それとも見なかったことにしてこの場を立ち去る。
どうしたら良いのか分からずあたふたしていると目の前の扉が開いた。
「どうしたの?はーちゃん」
絵梨香は何事も無かったかのように洗面所から出て来た。
考えていた事が一度リセットされてしまい、どうすれば良いのかもっと分からなくなってしまった。
「おーい、はーちゃん?」
「だ、大丈夫」
何か言葉を返さないといけないと思いとりあえず適当に言葉を返したが、さぁここからどうすれば良い。
「大丈夫」と呪文のように唱えてここから立ち去るか、それか無言で逃亡するか。
私が迷っていると絵梨香に手を掴まれ脱衣所に連れ込まれた。
「ねぇ、はーちゃんぼーっとしてどうしたの?」
私はもう分からなくなってしまい「扉開けたら全裸の絵梨香が居たからわけわかんなくなっちゃった」と小声で伝えた。
「ははは……!はーちゃんこんなことでおどおどしてたの!?もう裸を見せ合った仲なのに、初々しいねぇ」
「う、うるさいな!大体絵梨香が攻め過ぎなんだよ!普通のカップルが何カ月も付き合ってからするような事を絵梨香は平気で初日にやろうとしたじゃん」
「だってそれははーちゃんが可愛いし幼馴染だから少しならハメ外しても良いかなって思っただけで……」
「理由になってない!てか服着て!」
少しヒートアップしてしまったが少し怒れば絵梨香も少しは反省するだろうと思った。
だけど、絵梨香に怒っただけじゃ何も変わらない事を実感する。
絵梨香は「服なんて着ないよ。それよりさ……」と言い私の方に近寄ってくる。
そして「一緒にお風呂入ろ!」と誘って来た。
異様に明るい表情、何か裏があるかもしれないと思いながら私は「嫌だ」と絵梨香を拒絶した。
この人は覚えていないのだろうか、付き合った初日に「お風呂に入ろう!」と誘って私がそれを拒絶した結果喧嘩になったことを。
確かに今と昔じゃ状況が違う、それにいくら裸を見せ合ったり触れ合った仲だとしても一緒にお風呂に入ることは何故か抵抗があった。
しかし、そんな私の心情などお構いなしに絵梨香は私の手首を掴んだ。
かなり力が入っているのか解くことは出来ず、普通に痛い。
「ねぇはーちゃん?なんで黙ってるの?」
「い、痛いって!離して絵梨香!」
「じゃあ一緒にお風呂入るって事で良い?」
「そ、それはまだ考え中で……ひぎっ!?」
手首に込められている力がより一層強くなった。
どうして絵梨香はこんなに力が強いのか分からないが、柔道経験者の私ですら痛いと思ってしまう。
例えるなら背負い投げされた時に上手く受け身を取れず、手首で体を支えようとして打撲する時の痛みに近かった。
私はあまりの痛みに「わかったから、離して」と絵梨香に懇願する。
絵梨香は納得したのか私の手を離し「じゃあ、お風呂場で待ってるから。来なかったら夜、お仕置きだからね」と耳元で囁き、お風呂場に入っていった。
私はどうした良いのか分からずその場に崩れ落ちた。
このまま絵梨香の尻に敷かれて恋人を続けていくのか、絵梨香との恋人生活はこのまま続けて良いのか、そもそも私は今何の為に絵梨香と恋人を続けているのか。
目的が分からくなってきてしまった。
だけど、こんな尻に敷かれている生活でも一部幸せを感じてしまっている自分がいる。
きっと私はとんだヘンタイなのだろう。
何もかもが馬鹿馬鹿しくなった私は立ち上がり、服をバスケットの中に放り込んだ。
そしてお風呂場の扉を開けて中に入った。
中には湯船に浸かっている満面の笑みをした絵梨香が居た。
「待ってたよ、はーちゃん。はらおいで?」
絵梨香が手を広げて私を待って居る。
それに応えるかのように私は絵梨香のいる浴槽に入った。
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