私の恋人は幼馴染(♀)

竜田優乃

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48. 買い忘れてました

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 いつ寝たのか分からないが、とりあえず目が覚めた。
 隣では絵梨香が寝息をたてて寝ている。
 またこの光景だ、昨日と同じく寝落ちしてしまったらしい。
 だけど、絵梨香は裸じゃないし私も裸じゃない。
 すぐに寝てしまったのだろうか、キスをしたまでは記憶はあるがそれ以降は無い。
 それにしても絵梨香の寝顔はとても可愛い。
 学校ではThe女子からもモテます見たいな感じでキリッとカッコよくしてるけど、寝てる時は普通の女の子なんだなって感じ。
 この寝顔を見れるのも私だけなんだなぁと思うと少し優越感が出てくる。
 ジーっと絵梨香の寝顔を見つめていると目が開いた。
 
 「うおぉ」

 私は驚いて変な声を出してしまった。

 「ふふっ、はーちゃん何変な声出してるの?」
 「そ、それは絵梨香が急に目を開けるからで……」
 「恥ずかしがってるはーちゃん可愛い」
 「そ、そんな事言われるともっと恥ずかしくなると言うかなんと言うか……てか、絵梨香は簡単に言いすぎなんだよ!」
 「何が?」
 「照れずに普通のトーンでカッコ良い事を言ったり、無自覚に人を照れさせてさ……」
 「無自覚じゃないよ」
 「え?」
 「照れてるはーちゃんが見たいから言ってるんだよ、私だって少しは恥ずかしいよ」
 「そ、そうなんだ……」
 「また照れた、可愛い」

 ダメだ、どんどん絵梨香にペースを持ってかれてしまう。
 これじゃあ何も出来ずにただ絵梨香に溺れるだけ、溺れないようにするため救命胴衣は着けているがその救命胴衣部分までもが破壊されつつある。
 とりあえず、絵梨香と一緒に居ると調子が狂う。
 私はベッドから立ち上がり、リビングに向かった。
 
 リビングに来ると、カーテンは開いており窓からお台場の夜景を楽しむことが出来るだろう。
 だがここは4階だ、楽しむことなんて全く出来ない。
 しかし朝だと思っていたが実はまだ日付は変わっていなかったらしい。
 まぁ、よくよく考えてみれば絵梨香と行為を始めたのは10時過ぎぐらいだったので納得は出来る。
 今は午後6時過ぎ。
 多分このまま行くと昼夜逆転生活になるだろう。
 だどしてもお腹が空いても何もできない。
 夜ご飯を作ろうと思い冷蔵庫を開けてみると、野菜や調味料はあったが肉や魚など主食になるものが一つも無かった。
 小太郎に家の事を任せていたからすっかり買い物の事を忘れていた。
 買い物ついでに外食で済まそうと今日は決めた。
 
 「絵梨香~、外食で良い?」
 「良いよー、どこ行くの?」
 「うーん、いつもはアクアシティとかで済ましてるけど絵梨香はどこか行きたいとこある?」
 「はーちゃんの決めたとこで良いよ」
 
 いつもはアクアシティで適当な店に入って食べてるから今回もそれでいっか。

 「じゃあ、アクアシティ行こうか」
 「わかった、はーちゃん着替えよ?」
 「あ、うん」

 私と絵梨香は脱衣所に向かった。
 私は絵梨香に選んでもらったサマードレスを着たかったがあれは刺された時に刺された場所が血で真っ赤に染まってしまったので凄く惜しんだが捨てた。
 私は山田さんに選んでもらった洋服一式を取り出してそれに着替える。
 一方絵梨香は私服を何着か持ってきているのか洋服をトランクケースから取り出してそれに着替えていた。
 今不思議に思ったがこのトランクケース、いつからあるんだ?
 私を迎えに来てくれた時、絵梨香はほぼ手ぶらに近かった。
 持っていたのは財布とスマホだけ。
 なのに家から帰ってくるとなぜかトランクケースはあった。
 私は小太郎がまた関与していると思いトランクケースには触れないことにした。

 二人とも着替えが終わったので外に出る準備をする。 
 といっても財布とスマホそしてエコバックをカバンに詰めるだけだ。
 絵梨香に関してはズボンのポケットにスマホを財布を突っ込んだだけ。
 今日の絵梨香の服装は「AngelofSmile」というロゴの入った黒色のTシャツとベージュ色のワイドパンツ。おまけでバケットハットを被っていた。
 病院に居た時、あまりに暇過ぎてファッションについて調べたから少しは分かるようになってきた。
 だけど、ファッションセンスもあり自分に合った服装を着こなしている絵梨香が私には輝いているように見えた。

 「はーちゃん、やっぱり似合ってる。加菜恵にはまだまだ勝てないなぁ」
 「絵梨香が選んでくれたやつも気にい入ってたんだけど……」
 「まぁまぁ、仕方ないよ。また今度選びに行こ?」
 「うん、絵梨香忘れ物無い?」
 「うん、大丈夫。行こうか、はーちゃん」

 絵梨香は手を差し出して来た。
 その手に応え、私はそっと握り返す。
 いつもならちゃんとオートロックが出来ているか確認するのに、今日は胸が高鳴っていたせいか確認するのを忘れた。
 だけど、そんな簡単な事はどうでも良い。
 だって、私は今この瞬間がとても幸せだから。
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