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33.筑前煮
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部屋に戻って来た。
体が熱くて、鼓動も早い。
まさか、あの看護師さんに見られていたなんて。
すっごく恥ずかしい。
でも看護師さんたちの服の乱れ方、絶対大人なチックな事してたでしょ・・
けど、私も絵梨香とキスばっかしてるし、もうなんなのこの感じ。
「体変だし、宿題も終わった、やることないから寝るか。」
病院に来てからというもの、私以外に人がいないとすっごく暇になる。
人間常に暇と戦っているって私は考えてる。
テレビとかスマホとかいじれば良いじゃんって思うかもしれないけど、一人だと何をするにしても面白くない。
楽しめる人もいるかもしれないが、私には無理だ。
なんかラノベは読む気が起きないし、外には出れないし、やりたいことがなくなったら私は寝る。
誰に向かって言っているか分からなくなってきた、それじゃあおやすみ。
私は目を閉じて、眠りについた。
体が痛い。
体の痛みで私は目を覚ました。
特に夢を見ることもなく、ぐっすりと眠れたようだ。
「うぐっ・・・」
急に尿意が迫ったので、私はトイレに行くため病室を出た。
ギリギリだったがなんとかトイレに着き、出すものを出せた。
普通に危なかった。
病室に戻り、再びベッドに入る。
早く退院して、絵梨香とか望海ちゃんとかと遊びたいな。
時刻は6時前。
なんだかんだで、かなり寝たな。
夜ちゃんと眠れるか不安になりながら、私はスマホを手に取りネットニュースを眺めていた。
売れっ子アイドルが電撃引退からの結婚とか、人気俳優が不倫とか、毎日色んな事が起きてるな。
私の事は一切出て来なくなったなって、犯人捕まったから当たり前か。
今日はもう絵梨香も来なそうだし、することも無いし、どうしよ。
そんなことを考えていると、ノックもなく病室のドアが開いた。
誰だと思い、ドアの方を見ると私の診察をした先生がいた。
「急にすまないね、明日検査をして特に問題がなかったら退院できそうなんだが、君はどうしたいかなと思ってここに来た。」
いきなり来たから、びっくりしたけど深刻そうなことじゃなかったし、今この人退院って言ったよね!?
「私は早く退院したいから、明日検査お願いします。」
「わかったよ、とりあえず明日検査して結果次第で退院するか決めよう。」
てか、なんであの時2週間かかるって言ってたんだ・・?
「あの、ひとつ聞きたいんですけど・・」
「なんだい?」
「前の診察?の時は2週間ぐらいかかるって言ってたじゃないですか・・?」
「あれは、予定だからね。正確な情報じゃなかったな、悪かったね。」
「あ、いえいえ。私は早く退院して遊びたいんで。」
「そうだよなぁ早く遊びたいよなぁ、ほんと事件に巻き込まれるとか災難だな。明日何もないと良いね。」
「はい、なので明日はよろしくお願いします。」
先生は「わかりましたよ、それじゃあ」と頭を下げて病室から出て行った。
なんかめっちゃ愛想良くて、良い先生だったな。
あの先生は看護師さんの間でいちゃいちゃしている事とか知っているのかな。
てか、明日退院できるかもしれないじゃん・・!!
めっちゃ嬉しい、早く絵梨香とかと遊びたいなぁ。
私が、飛び跳ねていると「失礼します」という言葉と同時にドアが開いた。
「あっ・・すみません・・」
真面目そうな看護師さんが、いつも通りメニュー表を持ってきた。
そうかもうご飯の時間か。
てか、めっちゃ気まずい。
「あっ、すみません。なんか明日で退院できるかもしれないっていう話を聞いたらつい・・」
「い、いえ。それより、あの昼頃ににあったことなんですが・・!」
「は、はい!」
真面目そうな看護師さんは声を少し大きく、そして怒っているような口調で声を上げた。
「あの事は他言無用でお願いしますね・・??」
「は、はいぃ・・」
なんというか、気迫に押されてしまった。
「こちら、今日のメニューです。」
「あ、ありがとうございます。」
今日は、おでんか筑前煮。
筑前煮ってなんだ・・?
おでんは結構食べるし、筑前煮にするか。
「筑前煮にします。」
「分かりました、私がちゃんと持って行きますので決して受付には来ないように。」
「わ、分かりました。待ってます・・」
目が、目が怖いよ看護師さん。
10分ほどして看護師さんが戻って来た。
「どうぞ、筑前煮です。」
「ありがとございます。」
「食べ終わったら、受付に来ないでナースコールを押してくださいね。」
「は、はい」
「では」と言い、看護師さんは病室から出て行った。
うげぇ・・
怖かったなぁ、あの看護師さん。
よっぽど見られたのが嫌だったのかな、いやまず行為とか見てないし服装乱れてただけであんな風になるかな普通。
少し不満に思いながら筑前煮を口に運ぶ。
なにこれ、めっちゃうまい。
味が濃い・・!
いや分かんない、もしかしたら薄味に慣れ過ぎてちょっとでも味が濃かったら濃く感じるようになったのか。
そんなことはどうでも良い。
しっかりと煮込まれた鶏肉、ほくほくのジャガイモ、少し苦みのあるえんどう豆。
すべてがマッチしていて、凄くおいしい。
こんなものが日本にあるとは思いもしませんでした・・!
世界に感謝、日本に感謝、そして筑前煮に感謝。
あっという間に食べ終えてしまった。
私はナースコールを押した。
少しして真面目そうじゃない、いつもの看護師さんが来た。
「うい、どうした。」
「なんか、おぼんを返すならナースコールを押せって真面目そうな看護師さんに言われて・・」
「真面目そうな・・ふぷっ・・」
いつもの看護師さんは急に笑いだしてしまった、何か変な事をいっただろうか。
「いやぁ、ごめんね。そっかぁ、あの子が真面目かぁ、なんか面白いなぁ。」
「いや、だって真面目そうじゃないですか。」
「まぁ、確かに真面目かもしれないけど、仕事終わりはいっつも私に抱き着きながら泣いてるんだよ・・?」
「えぇ・・?」
「それで泣きながら、また患者さんに嫌われたぁ~って泣いて私が慰めてやっと落ち着くんだから。」
ギャップの差凄いな。
「あの子も努力はしてるんだろうけどね、だからまぁ、嫌わないでちょうだい。」
「わ、分かりました。」
「あと、明日何もなかったら退院するんでしょ?」
「まぁ、そうですね。でもどこで・・」
看護師さんは、指を口に当てると「ひ・み・つ。」と言いおぼんをもって出て行ってしまった。
別に秘密にしなくても良いと思うんだけどなぁ。
時刻は7時前。
今日はシャワーを使おうか迷ったが、明日退院出来そうだし出来なかったら明日使えば良いと思ったのでやめた。
「兄守護」の3巻を読破し、今日は早めに寝ることにした。
少し寝ていたから、眠れるか不安だったが案外すぐに眠りについた。
体が熱くて、鼓動も早い。
まさか、あの看護師さんに見られていたなんて。
すっごく恥ずかしい。
でも看護師さんたちの服の乱れ方、絶対大人なチックな事してたでしょ・・
けど、私も絵梨香とキスばっかしてるし、もうなんなのこの感じ。
「体変だし、宿題も終わった、やることないから寝るか。」
病院に来てからというもの、私以外に人がいないとすっごく暇になる。
人間常に暇と戦っているって私は考えてる。
テレビとかスマホとかいじれば良いじゃんって思うかもしれないけど、一人だと何をするにしても面白くない。
楽しめる人もいるかもしれないが、私には無理だ。
なんかラノベは読む気が起きないし、外には出れないし、やりたいことがなくなったら私は寝る。
誰に向かって言っているか分からなくなってきた、それじゃあおやすみ。
私は目を閉じて、眠りについた。
体が痛い。
体の痛みで私は目を覚ました。
特に夢を見ることもなく、ぐっすりと眠れたようだ。
「うぐっ・・・」
急に尿意が迫ったので、私はトイレに行くため病室を出た。
ギリギリだったがなんとかトイレに着き、出すものを出せた。
普通に危なかった。
病室に戻り、再びベッドに入る。
早く退院して、絵梨香とか望海ちゃんとかと遊びたいな。
時刻は6時前。
なんだかんだで、かなり寝たな。
夜ちゃんと眠れるか不安になりながら、私はスマホを手に取りネットニュースを眺めていた。
売れっ子アイドルが電撃引退からの結婚とか、人気俳優が不倫とか、毎日色んな事が起きてるな。
私の事は一切出て来なくなったなって、犯人捕まったから当たり前か。
今日はもう絵梨香も来なそうだし、することも無いし、どうしよ。
そんなことを考えていると、ノックもなく病室のドアが開いた。
誰だと思い、ドアの方を見ると私の診察をした先生がいた。
「急にすまないね、明日検査をして特に問題がなかったら退院できそうなんだが、君はどうしたいかなと思ってここに来た。」
いきなり来たから、びっくりしたけど深刻そうなことじゃなかったし、今この人退院って言ったよね!?
「私は早く退院したいから、明日検査お願いします。」
「わかったよ、とりあえず明日検査して結果次第で退院するか決めよう。」
てか、なんであの時2週間かかるって言ってたんだ・・?
「あの、ひとつ聞きたいんですけど・・」
「なんだい?」
「前の診察?の時は2週間ぐらいかかるって言ってたじゃないですか・・?」
「あれは、予定だからね。正確な情報じゃなかったな、悪かったね。」
「あ、いえいえ。私は早く退院して遊びたいんで。」
「そうだよなぁ早く遊びたいよなぁ、ほんと事件に巻き込まれるとか災難だな。明日何もないと良いね。」
「はい、なので明日はよろしくお願いします。」
先生は「わかりましたよ、それじゃあ」と頭を下げて病室から出て行った。
なんかめっちゃ愛想良くて、良い先生だったな。
あの先生は看護師さんの間でいちゃいちゃしている事とか知っているのかな。
てか、明日退院できるかもしれないじゃん・・!!
めっちゃ嬉しい、早く絵梨香とかと遊びたいなぁ。
私が、飛び跳ねていると「失礼します」という言葉と同時にドアが開いた。
「あっ・・すみません・・」
真面目そうな看護師さんが、いつも通りメニュー表を持ってきた。
そうかもうご飯の時間か。
てか、めっちゃ気まずい。
「あっ、すみません。なんか明日で退院できるかもしれないっていう話を聞いたらつい・・」
「い、いえ。それより、あの昼頃ににあったことなんですが・・!」
「は、はい!」
真面目そうな看護師さんは声を少し大きく、そして怒っているような口調で声を上げた。
「あの事は他言無用でお願いしますね・・??」
「は、はいぃ・・」
なんというか、気迫に押されてしまった。
「こちら、今日のメニューです。」
「あ、ありがとうございます。」
今日は、おでんか筑前煮。
筑前煮ってなんだ・・?
おでんは結構食べるし、筑前煮にするか。
「筑前煮にします。」
「分かりました、私がちゃんと持って行きますので決して受付には来ないように。」
「わ、分かりました。待ってます・・」
目が、目が怖いよ看護師さん。
10分ほどして看護師さんが戻って来た。
「どうぞ、筑前煮です。」
「ありがとございます。」
「食べ終わったら、受付に来ないでナースコールを押してくださいね。」
「は、はい」
「では」と言い、看護師さんは病室から出て行った。
うげぇ・・
怖かったなぁ、あの看護師さん。
よっぽど見られたのが嫌だったのかな、いやまず行為とか見てないし服装乱れてただけであんな風になるかな普通。
少し不満に思いながら筑前煮を口に運ぶ。
なにこれ、めっちゃうまい。
味が濃い・・!
いや分かんない、もしかしたら薄味に慣れ過ぎてちょっとでも味が濃かったら濃く感じるようになったのか。
そんなことはどうでも良い。
しっかりと煮込まれた鶏肉、ほくほくのジャガイモ、少し苦みのあるえんどう豆。
すべてがマッチしていて、凄くおいしい。
こんなものが日本にあるとは思いもしませんでした・・!
世界に感謝、日本に感謝、そして筑前煮に感謝。
あっという間に食べ終えてしまった。
私はナースコールを押した。
少しして真面目そうじゃない、いつもの看護師さんが来た。
「うい、どうした。」
「なんか、おぼんを返すならナースコールを押せって真面目そうな看護師さんに言われて・・」
「真面目そうな・・ふぷっ・・」
いつもの看護師さんは急に笑いだしてしまった、何か変な事をいっただろうか。
「いやぁ、ごめんね。そっかぁ、あの子が真面目かぁ、なんか面白いなぁ。」
「いや、だって真面目そうじゃないですか。」
「まぁ、確かに真面目かもしれないけど、仕事終わりはいっつも私に抱き着きながら泣いてるんだよ・・?」
「えぇ・・?」
「それで泣きながら、また患者さんに嫌われたぁ~って泣いて私が慰めてやっと落ち着くんだから。」
ギャップの差凄いな。
「あの子も努力はしてるんだろうけどね、だからまぁ、嫌わないでちょうだい。」
「わ、分かりました。」
「あと、明日何もなかったら退院するんでしょ?」
「まぁ、そうですね。でもどこで・・」
看護師さんは、指を口に当てると「ひ・み・つ。」と言いおぼんをもって出て行ってしまった。
別に秘密にしなくても良いと思うんだけどなぁ。
時刻は7時前。
今日はシャワーを使おうか迷ったが、明日退院出来そうだし出来なかったら明日使えば良いと思ったのでやめた。
「兄守護」の3巻を読破し、今日は早めに寝ることにした。
少し寝ていたから、眠れるか不安だったが案外すぐに眠りについた。
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