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27.会いたかった理由
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もう、気まずいなぁ。
そう思い廊下を歩く。
なぜ小太郎が望海に会いたいのか全く分からない。
何か思入れがあるのだろうか、それとも過去に一度会っているのだろうか。
望海の部屋の前に着いた。
「コンコン」と扉をノックして、部屋に入る。
望海は何か片付けをしていたのか、部屋の隅の方に居た。
私に気づくと「あ、波瑠先輩~!」と駆け寄って来た。
さっき泣いていたのが嘘のような元気の良さ。
「先輩にぎゅ~ってしちゃいます。」
そう言うと望海は、私に抱き着いて来た。
何この、小動物みたいな可愛さ。
こんなの会う度されたらキュン死にするわ。
「望海ちゃん~?まさか、会う度にぎゅ~ってするの・・?」
私が聞くと望海ちゃんはニヤリと笑みを浮かべ「そんなの当たり前じゃないですか~?」と煽り口調でいった。
こんなの絵梨香に見られたらどうなっちゃうんだろう、またお仕置きされちゃうのかな。
そんな私と望海のやり取りを見ていた、小太郎が一声上げた。
「姉貴、話させてもらって良いかな?」
「あぁ・・ごめん」と言い、私が避けると小太郎は望海の前に行った。
「久しぶりです。リーダー研修以来ですね。」
望海は思い出したのか「あぁ・・!先輩の苗字を聞いたことがあると思ったら小太郎くんのお姉さんだったのですか!」と驚いた。
なるほど。
5月頃、小太郎は学級委員長という事でリーダー研修と言うものに3日ほど行っていた。
きっとその時、望海も委員長という理由なのかは分からないが小太郎と会ったのだろう。
確かに、リーダー研修から小太郎が帰って来た時ルンルンだったのを覚えている。
まさか、恋・・!?
小太郎は今まで彼女を作ったことが無い。
いや、裏では作っていたのかもしれないが私が知る限り小太郎に彼女が居たことは無い。
「その、姉貴から聞いて望海がここに居るって言うから・・」
小太郎はそう言うと、いつの間にか持っていたピンクのポーチを望海に渡した。
「あぁ・・これ・・!」
「前会った時に、これ落としたの見て拾ったんだけど、渡そうとしたらもう居なくなってて・・・」
「それで・・ずっと持っててくれたの・・?」
「まぁ・・そんな感じです・・」
今日の小太郎は私と話している時とは全く違う。
こう、おどおどしている感じがする。
これがいわゆる「コミュ障」と言うものなのか。
けど、クラスの女子や男子とはちゃんと話せると言っていたし、家に小太郎の女子友達が来た時も普通に話していた。
まぁ、いいや。気にしないでおこう。
「もしかして、中身見た・・?」
どうやら会話はまだ続いているようだ。
「まぁ、名前を確認するために少し見させてもらったかな・・」
望海は小太郎に近づき
「女子のポーチの中身見るとか、小太郎くんはとんだ『ヘンタイ』さんなんだねぇ・・」
と耳元で囁いたようだ。
正確には聞こえなかったが、小太郎は「あ・・あぅ・・・あ・・」と顔を真っ赤にしてきょどっている。
もう、今のは犯罪でしょ。
あんなに顔近づけられて可愛い声で「ヘンタイ」なんて言われたら一発で照れちゃうでしょ、女の私でも普通に照れちゃうかもしれない。
「ふふふ・・小太郎くんも波瑠先輩と似ていて可愛いですね。」
望海はミステリアスな雰囲気を醸し出して嬉しそうにポーチの中身を確認した。
「中身はちゃんとありました。小太郎くん、今度お礼したいので連絡先交換しませんか?」
「あっ、はい!是非、交換したいです・・!」
二人はスマホを取り出して、小太郎は嬉しそうに連絡先を交換したようだ。
なんか、小太郎が女子相手にここまで慎重だと、新鮮で逆に面白くなってきた。
「小太郎、用事は終わった・・?」
「あ、あぁ・・じゃあ俺はこれで。あの、今度から望海って呼び捨てにしても良いかな・・?」
「はい、全然良いですよ!じゃあ、私は小太郎くんって言わせてもらいますね!」
「ありがとう、それじゃあ今度こそ。」
「はい、じゃあね小太郎くん、それと波瑠先輩。今日はありがとうございました。」
「あ、うん。じゃあね、望海。」
私と小太郎は望海に手を振り、病室を出た。
「あんた、望海ちゃんに恋しちゃったでしょ・・?」
小太郎は体をビクっとさせて「ははは・・やっぱりバレてたか・・」と言い首をガクッと落とした。
「まぁ、バレバレと言うかクラスの女子が遊びに来た時、あんた普通に話してたでしょ。」
「そうだよなぁ・・」
「はぁ・・」と小太郎はため息をつくと、「俺の初恋なんだよ、望海は」と真剣な声で言った。
『初恋』かぁ、よく初恋は叶わないなんて言われてるけどどうなんだろうなぁ。
実際、私の初恋は成功したし、このまま小太郎の初恋も成功してほしいなぁ。
望海は良い子だし。
「俺は望海に『一目惚れ』したんだよ。あんなに可愛い子初めて見たし、リーダー研修の時も凄く活発な子で性格も良さそうだったし・・」
「はいはい、恋愛話は部屋で存分に話してくれたまえ。」
「おう、ちゃんと聞いてくれよ。」
病室の前まできて、扉を開ける。
扉を開けたその先には、絵梨香が居た。
私の部屋、扉開けたら人が居る事多くない・・・?
そう思い廊下を歩く。
なぜ小太郎が望海に会いたいのか全く分からない。
何か思入れがあるのだろうか、それとも過去に一度会っているのだろうか。
望海の部屋の前に着いた。
「コンコン」と扉をノックして、部屋に入る。
望海は何か片付けをしていたのか、部屋の隅の方に居た。
私に気づくと「あ、波瑠先輩~!」と駆け寄って来た。
さっき泣いていたのが嘘のような元気の良さ。
「先輩にぎゅ~ってしちゃいます。」
そう言うと望海は、私に抱き着いて来た。
何この、小動物みたいな可愛さ。
こんなの会う度されたらキュン死にするわ。
「望海ちゃん~?まさか、会う度にぎゅ~ってするの・・?」
私が聞くと望海ちゃんはニヤリと笑みを浮かべ「そんなの当たり前じゃないですか~?」と煽り口調でいった。
こんなの絵梨香に見られたらどうなっちゃうんだろう、またお仕置きされちゃうのかな。
そんな私と望海のやり取りを見ていた、小太郎が一声上げた。
「姉貴、話させてもらって良いかな?」
「あぁ・・ごめん」と言い、私が避けると小太郎は望海の前に行った。
「久しぶりです。リーダー研修以来ですね。」
望海は思い出したのか「あぁ・・!先輩の苗字を聞いたことがあると思ったら小太郎くんのお姉さんだったのですか!」と驚いた。
なるほど。
5月頃、小太郎は学級委員長という事でリーダー研修と言うものに3日ほど行っていた。
きっとその時、望海も委員長という理由なのかは分からないが小太郎と会ったのだろう。
確かに、リーダー研修から小太郎が帰って来た時ルンルンだったのを覚えている。
まさか、恋・・!?
小太郎は今まで彼女を作ったことが無い。
いや、裏では作っていたのかもしれないが私が知る限り小太郎に彼女が居たことは無い。
「その、姉貴から聞いて望海がここに居るって言うから・・」
小太郎はそう言うと、いつの間にか持っていたピンクのポーチを望海に渡した。
「あぁ・・これ・・!」
「前会った時に、これ落としたの見て拾ったんだけど、渡そうとしたらもう居なくなってて・・・」
「それで・・ずっと持っててくれたの・・?」
「まぁ・・そんな感じです・・」
今日の小太郎は私と話している時とは全く違う。
こう、おどおどしている感じがする。
これがいわゆる「コミュ障」と言うものなのか。
けど、クラスの女子や男子とはちゃんと話せると言っていたし、家に小太郎の女子友達が来た時も普通に話していた。
まぁ、いいや。気にしないでおこう。
「もしかして、中身見た・・?」
どうやら会話はまだ続いているようだ。
「まぁ、名前を確認するために少し見させてもらったかな・・」
望海は小太郎に近づき
「女子のポーチの中身見るとか、小太郎くんはとんだ『ヘンタイ』さんなんだねぇ・・」
と耳元で囁いたようだ。
正確には聞こえなかったが、小太郎は「あ・・あぅ・・・あ・・」と顔を真っ赤にしてきょどっている。
もう、今のは犯罪でしょ。
あんなに顔近づけられて可愛い声で「ヘンタイ」なんて言われたら一発で照れちゃうでしょ、女の私でも普通に照れちゃうかもしれない。
「ふふふ・・小太郎くんも波瑠先輩と似ていて可愛いですね。」
望海はミステリアスな雰囲気を醸し出して嬉しそうにポーチの中身を確認した。
「中身はちゃんとありました。小太郎くん、今度お礼したいので連絡先交換しませんか?」
「あっ、はい!是非、交換したいです・・!」
二人はスマホを取り出して、小太郎は嬉しそうに連絡先を交換したようだ。
なんか、小太郎が女子相手にここまで慎重だと、新鮮で逆に面白くなってきた。
「小太郎、用事は終わった・・?」
「あ、あぁ・・じゃあ俺はこれで。あの、今度から望海って呼び捨てにしても良いかな・・?」
「はい、全然良いですよ!じゃあ、私は小太郎くんって言わせてもらいますね!」
「ありがとう、それじゃあ今度こそ。」
「はい、じゃあね小太郎くん、それと波瑠先輩。今日はありがとうございました。」
「あ、うん。じゃあね、望海。」
私と小太郎は望海に手を振り、病室を出た。
「あんた、望海ちゃんに恋しちゃったでしょ・・?」
小太郎は体をビクっとさせて「ははは・・やっぱりバレてたか・・」と言い首をガクッと落とした。
「まぁ、バレバレと言うかクラスの女子が遊びに来た時、あんた普通に話してたでしょ。」
「そうだよなぁ・・」
「はぁ・・」と小太郎はため息をつくと、「俺の初恋なんだよ、望海は」と真剣な声で言った。
『初恋』かぁ、よく初恋は叶わないなんて言われてるけどどうなんだろうなぁ。
実際、私の初恋は成功したし、このまま小太郎の初恋も成功してほしいなぁ。
望海は良い子だし。
「俺は望海に『一目惚れ』したんだよ。あんなに可愛い子初めて見たし、リーダー研修の時も凄く活発な子で性格も良さそうだったし・・」
「はいはい、恋愛話は部屋で存分に話してくれたまえ。」
「おう、ちゃんと聞いてくれよ。」
病室の前まできて、扉を開ける。
扉を開けたその先には、絵梨香が居た。
私の部屋、扉開けたら人が居る事多くない・・・?
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