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26.疑問
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何とか、望海を悲しませずに告白の返事は返せた。
いや、悲しませたな。
何を言っているのかな私。
あんなに、私の事を思ってくれて大声で泣いた望海が悲しくなっていないわけ無い。
望海には嫌な思いをさせてしまったが、あれが一番望海を悲しませない方法だった。
しかし、私に抱き着いて来た時の望海の表情が鮮明に残っている。
望海が泣いている時、望海の顔に寂しさの表情、そしてうっすらと悲しそうな顔をしていた。
望海には友達が居ないのだろうか。
決してバカにしているわけじゃない、喘息の影響で望海は入退院を繰り返している。
そうなると、勉強もついて行けない。
そしてなにより、学校生活に支障が出る。
入退院を繰り返していると、友達との交友関係もいつの間にか解消され「ぼっち」になっているのもありえなくはないだろう。
だから、望海は私が「友達では居たい」と行った時、嬉しそうな顔をしたのだろうか。
あれだけ可愛いと、妬まれたりもするのだろうか。
男子からの人気は凄そうだが、それを妬んだ女子からイジメられるという典型的なパターンが望海には当てはまりそう。
今度、聞いてみるのも良さそうだ。
私がトボトボ歩いて病室に帰ると、小太郎が居た。
あれ?今日は月曜日。
なぜ居るのか分からない。
「あれ、小太郎。何で居るの・・?」
私が声を掛けると、小太郎は「あぁ、今日開校記念日だからな。」と理由を教えてくれた。
小太郎の手には、前来た時と同じような紙袋が握られていた。
「なにそれ。」
小太郎は「あぁ、これか。」と言うと中から、小さなボトルを取り出した。
「シャンプーとリンスとボディソープ。LIMUで持ってきてって言ってただろ?」
完全に忘れてた。
最近あった出来事の内容が濃すぎて、小太郎にLIMUを送ったことを忘れていた。
「あぁ、ありがとう。」
「姉貴、何か疲れてる?」
「まぁね・・」と相槌を打ち、私はベッドに座った。
「まぁ、相談ってレベルじゃないけどさ、話はしたいかな。」
「そうか、話してみて。」
私は小太郎に告白の返事をして来た事を言った。
小太郎は私に追及せずに「お疲れさん」と一言だけ言ってくれた。
「望海ちゃんも可愛いけどさ、やっぱり『浮気してください!』って言われても浮気は出来ないよね・・」
小太郎は望海と言う名前に聞き覚えがあるのか、体を反応させ「その子の苗字は何だ!」と食い気味で聞いて来た。
私が「請川って苗字だけど・・」と言うと、小太郎は「会わせて欲しい」と真剣な顔で言った。
「望海ちゃんと何か接点あるの・・?」
私が不思議そうに聞くと、「あぁ、少しな。」とカッコつけて言いやがった。
なんなん、この人。
私は望海ちゃんのLIMUに「弟が会いたいらしいって言ってるんだけど良い?」とメッセージを送った。
ぶっーっとスマホが震え、スマホのポップアップには「よく分かりませんが、先輩の頼みならOKです!」と出てきた。
「はぁ・・」とため息をつき、私は小太郎に「何で、会いたいの?」と聞いた。
小太郎は「教えられない」と口を開かなかった。
「じゃあ、会わせてあげない。」
「なんで、別に減るもんじゃないだろ。」
なんで、こんなに小太郎が望海ちゃんに会いたいのかは分からない。
会わせる義理なんて無いが、小太郎には恩を売っているし望海ちゃんも良いと言っているから良いか。
「はぁ・・」と私はまたため息をつき「分かったよ、行くよ」と一声かけて、小太郎と病室を出た。
いや、悲しませたな。
何を言っているのかな私。
あんなに、私の事を思ってくれて大声で泣いた望海が悲しくなっていないわけ無い。
望海には嫌な思いをさせてしまったが、あれが一番望海を悲しませない方法だった。
しかし、私に抱き着いて来た時の望海の表情が鮮明に残っている。
望海が泣いている時、望海の顔に寂しさの表情、そしてうっすらと悲しそうな顔をしていた。
望海には友達が居ないのだろうか。
決してバカにしているわけじゃない、喘息の影響で望海は入退院を繰り返している。
そうなると、勉強もついて行けない。
そしてなにより、学校生活に支障が出る。
入退院を繰り返していると、友達との交友関係もいつの間にか解消され「ぼっち」になっているのもありえなくはないだろう。
だから、望海は私が「友達では居たい」と行った時、嬉しそうな顔をしたのだろうか。
あれだけ可愛いと、妬まれたりもするのだろうか。
男子からの人気は凄そうだが、それを妬んだ女子からイジメられるという典型的なパターンが望海には当てはまりそう。
今度、聞いてみるのも良さそうだ。
私がトボトボ歩いて病室に帰ると、小太郎が居た。
あれ?今日は月曜日。
なぜ居るのか分からない。
「あれ、小太郎。何で居るの・・?」
私が声を掛けると、小太郎は「あぁ、今日開校記念日だからな。」と理由を教えてくれた。
小太郎の手には、前来た時と同じような紙袋が握られていた。
「なにそれ。」
小太郎は「あぁ、これか。」と言うと中から、小さなボトルを取り出した。
「シャンプーとリンスとボディソープ。LIMUで持ってきてって言ってただろ?」
完全に忘れてた。
最近あった出来事の内容が濃すぎて、小太郎にLIMUを送ったことを忘れていた。
「あぁ、ありがとう。」
「姉貴、何か疲れてる?」
「まぁね・・」と相槌を打ち、私はベッドに座った。
「まぁ、相談ってレベルじゃないけどさ、話はしたいかな。」
「そうか、話してみて。」
私は小太郎に告白の返事をして来た事を言った。
小太郎は私に追及せずに「お疲れさん」と一言だけ言ってくれた。
「望海ちゃんも可愛いけどさ、やっぱり『浮気してください!』って言われても浮気は出来ないよね・・」
小太郎は望海と言う名前に聞き覚えがあるのか、体を反応させ「その子の苗字は何だ!」と食い気味で聞いて来た。
私が「請川って苗字だけど・・」と言うと、小太郎は「会わせて欲しい」と真剣な顔で言った。
「望海ちゃんと何か接点あるの・・?」
私が不思議そうに聞くと、「あぁ、少しな。」とカッコつけて言いやがった。
なんなん、この人。
私は望海ちゃんのLIMUに「弟が会いたいらしいって言ってるんだけど良い?」とメッセージを送った。
ぶっーっとスマホが震え、スマホのポップアップには「よく分かりませんが、先輩の頼みならOKです!」と出てきた。
「はぁ・・」とため息をつき、私は小太郎に「何で、会いたいの?」と聞いた。
小太郎は「教えられない」と口を開かなかった。
「じゃあ、会わせてあげない。」
「なんで、別に減るもんじゃないだろ。」
なんで、こんなに小太郎が望海ちゃんに会いたいのかは分からない。
会わせる義理なんて無いが、小太郎には恩を売っているし望海ちゃんも良いと言っているから良いか。
「はぁ・・」と私はまたため息をつき「分かったよ、行くよ」と一声かけて、小太郎と病室を出た。
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