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18.お風呂
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スマホを取った私はLIMUを開いて、絵梨香に「今日の昼ごはん断ったの絵梨香?」とメッセージを送った。
今日は両親とご飯を食べると言ってたから直ぐには既読はつかないと思っていたが、スマホを机の上に置いてから20秒ほどしてバイブレーションによってスマホが震えた。
通知が来たと思い私はまたスマホを手に取って通知を確認する。
内容は絵梨香からのLIMUだった。
LIMUを開いてメッセージを確認すると「そうだけど、どうした?」と返信が来た。
「なんで起こしてくれなかったの?」と私が送ると、メッセージ画面を開いているのかすぐに既読がついた後、私の寝ている写真と「可愛いかったから」と送られて来た。
すやすやと寝ている私が送られてきて、確かに他の人からみたら可愛いって言われるかもしれない。
けど、自分の寝顔を見るのは恥ずかしいし、それを撮られて保存されているとなると相当恥ずかしい。
私は「消して」と送ったが絵梨香は「絶対に消さないからね♡」と返してきた。
なにこのハートマーク。
凄いムカつくし消してもらえないし、もう散々だ。
画面を見ると「消してほしい?」と絵梨香から送られてきていた。
「消してほしい」と私が送ると、絵梨香は「じゃあ、退院したら一つなんでもお願い聞いてくれる?」
と送られて来た。
もう、何様なんだよ。凄い腹立つ。
だけど、心のどこかで「もし、お願い聞くと言ったらどんなことをされるだろう」と変に期待している自分も居た。
あぁもう、絵梨香と付き合ってから『自分』が増えた気がする。
結局、私は「お願い聞くから消して。」と絵梨香にメッセージを送った。
「ほんとに?やったー!」と言う文言と太陽に顔が付いていて笑っているスタンプが送られて来た。
「ほんとに消したの?あと、凄いムカつく」と私が送ると「さぁ?」とだけ帰って来た。
私は「もう!」とだけ送ってスマホを机の上に置いた。
あーもう、絵梨香はおちょくってくるし体は何かベトベトして気持ち悪い。
前調べたとき、入院中は風呂には入れないって書いてあったし、もう最悪。
バケツにお湯をためて、足や手だけ浸かることも出来るらしいが専用のバケツとかがいるらしく、浸かるにはネットで頼まないといけない。
あと12日ぐらい、風呂なしで耐えるのは辛い。
本当に入れないのかなと思い、私はベットから立ち上がり受付に向かった。
風呂の事を聞くだけなのにナースコールを押していちいち看護師さんを呼ぶのは迷惑だと思ったので今回は歩いていく。
受付はトイレの手前の通路を曲がって少し歩いたところにある。
歩くと言っても80ⅿほどなので遠いわけではない。
受付に行く最中には望海の部屋もある。
会えないかなと思い、部屋の前を通ったが楽しそうな話し声が聞こえたのでそのまま通り過ぎた。
廊下を歩き、受付に着いた。
受付には二人、看護師さんがいたのでお風呂に入れないか聞いた。
「お疲れ様です。あの、聞きたいことがあって来たんですけど。」
「どうされました?」
「お風呂って入れないのかな~と思いまして・・」
「お風呂・・ですか。」
看護師さんは少し難しそうな顔をするがすぐに真面目な顔に切り替えて
「お湯に浸かることは出来ませんが、シャワールームがありますのでそちらで体を洗う事は出来ます、利用されますか?」
なるほど、バスタブは無いけど体は洗えるのか。
正直、面倒くさくてシャワーで済ます日とかも普通にあったから、シャワーを浴びれるだけで嬉しい。
体も凄く気持ち悪かったので看護師さんにすぐに使えるか聞いた。
「今すぐ使えますか・・?」
「ちょっと待っててください」と言い看護師さんは裏の方に消えてった。
隣に居たもう一人の看護師さんが私に話しかけてきた。
年齢は30代と言ったところだろうか。
「あなた、入院は初めてなの?」
いきなり話しかけられたせいか、少し体がビクっとなった。
「あ、はい・・今まで柔道やってたんですけど骨とか折った事無くて・・」
「そうなんだ、だからご飯とかシャワーの事とか分かんなかったんだ。」
なんで、この人ご飯のこと知ってるの?と思いよく顔を見てみるとナースコールを押した時やご飯を持ってきてくれたりする人だった。
「あ、はい・・迷惑かけてすみません。」
「フフフ、いいのよ。大体そんなものだから、入院したことある人でも病院によって対応が違うからほとんどの人が入院中どうすれば良いか聞いてくるから。あんまり気にしてると毒よ?」
「そうですかね・・」
「それに、お見舞いに来てくれる友達もいるみたいだし。」
入院生活は今日で2日目。
まだ2日しか入院していないが、絵梨香は毎日来てくれる。
明日も来てくれるのだろうか。
「がこっ」という音に私は注意を向ける。
どうやら裏に行っていた看護師さんが戻って来たようだ。
「今確認してきたんですが、シャワールーム2部屋空いてるので使えますよ。」
「本当ですか、使います。」
「では、こちらに名前の記入と使用時間の記入をお願いします。使用時間につきましては、大体の時間で良いですので。」
「わかりました。」
私は看護師さんからボールペンを借りて名前と使用時間を記入した。
「ありがとうございます。シャンプーなどの洗剤はありますか?」
うーん、全然ない。
お風呂なんて入れると思って無かったし、第一最初の説明の時風呂の説明なんて無かったし。
あーもう最悪、せっかく体流せると思ってたのに。
困っている私に見かねたのか、私の部屋に来てくれる看護師さんが「これ使いなさい」と二つのボトルを差し出してくれた。
「これは・・?」と困った顔をしていると看護師さんは
「シャンプーとボディソープ、困った顔してたからさ、無いなら使って?」
ありがたい、ありがたすぎる・・!
私は顔をときめかせながら看護師さんに感謝を伝えた。
「ありがとうございます!」
「いいのよ、若い子には優しくしないとね。」
これを見ていた、隣の若い看護師さんが
「先輩、またですか!」
とツッコミを入れた。
私の部屋に来てくれている看護師さんは「フフフ」と笑いながら「シャワールームは受付の先にあるからね」と言ってくれた。
「ありがとうございます、帰りに返しに来ます。」と言いタオルと借りたシャンプーなどを持って私はシャワールームに向かった。
今日は両親とご飯を食べると言ってたから直ぐには既読はつかないと思っていたが、スマホを机の上に置いてから20秒ほどしてバイブレーションによってスマホが震えた。
通知が来たと思い私はまたスマホを手に取って通知を確認する。
内容は絵梨香からのLIMUだった。
LIMUを開いてメッセージを確認すると「そうだけど、どうした?」と返信が来た。
「なんで起こしてくれなかったの?」と私が送ると、メッセージ画面を開いているのかすぐに既読がついた後、私の寝ている写真と「可愛いかったから」と送られて来た。
すやすやと寝ている私が送られてきて、確かに他の人からみたら可愛いって言われるかもしれない。
けど、自分の寝顔を見るのは恥ずかしいし、それを撮られて保存されているとなると相当恥ずかしい。
私は「消して」と送ったが絵梨香は「絶対に消さないからね♡」と返してきた。
なにこのハートマーク。
凄いムカつくし消してもらえないし、もう散々だ。
画面を見ると「消してほしい?」と絵梨香から送られてきていた。
「消してほしい」と私が送ると、絵梨香は「じゃあ、退院したら一つなんでもお願い聞いてくれる?」
と送られて来た。
もう、何様なんだよ。凄い腹立つ。
だけど、心のどこかで「もし、お願い聞くと言ったらどんなことをされるだろう」と変に期待している自分も居た。
あぁもう、絵梨香と付き合ってから『自分』が増えた気がする。
結局、私は「お願い聞くから消して。」と絵梨香にメッセージを送った。
「ほんとに?やったー!」と言う文言と太陽に顔が付いていて笑っているスタンプが送られて来た。
「ほんとに消したの?あと、凄いムカつく」と私が送ると「さぁ?」とだけ帰って来た。
私は「もう!」とだけ送ってスマホを机の上に置いた。
あーもう、絵梨香はおちょくってくるし体は何かベトベトして気持ち悪い。
前調べたとき、入院中は風呂には入れないって書いてあったし、もう最悪。
バケツにお湯をためて、足や手だけ浸かることも出来るらしいが専用のバケツとかがいるらしく、浸かるにはネットで頼まないといけない。
あと12日ぐらい、風呂なしで耐えるのは辛い。
本当に入れないのかなと思い、私はベットから立ち上がり受付に向かった。
風呂の事を聞くだけなのにナースコールを押していちいち看護師さんを呼ぶのは迷惑だと思ったので今回は歩いていく。
受付はトイレの手前の通路を曲がって少し歩いたところにある。
歩くと言っても80ⅿほどなので遠いわけではない。
受付に行く最中には望海の部屋もある。
会えないかなと思い、部屋の前を通ったが楽しそうな話し声が聞こえたのでそのまま通り過ぎた。
廊下を歩き、受付に着いた。
受付には二人、看護師さんがいたのでお風呂に入れないか聞いた。
「お疲れ様です。あの、聞きたいことがあって来たんですけど。」
「どうされました?」
「お風呂って入れないのかな~と思いまして・・」
「お風呂・・ですか。」
看護師さんは少し難しそうな顔をするがすぐに真面目な顔に切り替えて
「お湯に浸かることは出来ませんが、シャワールームがありますのでそちらで体を洗う事は出来ます、利用されますか?」
なるほど、バスタブは無いけど体は洗えるのか。
正直、面倒くさくてシャワーで済ます日とかも普通にあったから、シャワーを浴びれるだけで嬉しい。
体も凄く気持ち悪かったので看護師さんにすぐに使えるか聞いた。
「今すぐ使えますか・・?」
「ちょっと待っててください」と言い看護師さんは裏の方に消えてった。
隣に居たもう一人の看護師さんが私に話しかけてきた。
年齢は30代と言ったところだろうか。
「あなた、入院は初めてなの?」
いきなり話しかけられたせいか、少し体がビクっとなった。
「あ、はい・・今まで柔道やってたんですけど骨とか折った事無くて・・」
「そうなんだ、だからご飯とかシャワーの事とか分かんなかったんだ。」
なんで、この人ご飯のこと知ってるの?と思いよく顔を見てみるとナースコールを押した時やご飯を持ってきてくれたりする人だった。
「あ、はい・・迷惑かけてすみません。」
「フフフ、いいのよ。大体そんなものだから、入院したことある人でも病院によって対応が違うからほとんどの人が入院中どうすれば良いか聞いてくるから。あんまり気にしてると毒よ?」
「そうですかね・・」
「それに、お見舞いに来てくれる友達もいるみたいだし。」
入院生活は今日で2日目。
まだ2日しか入院していないが、絵梨香は毎日来てくれる。
明日も来てくれるのだろうか。
「がこっ」という音に私は注意を向ける。
どうやら裏に行っていた看護師さんが戻って来たようだ。
「今確認してきたんですが、シャワールーム2部屋空いてるので使えますよ。」
「本当ですか、使います。」
「では、こちらに名前の記入と使用時間の記入をお願いします。使用時間につきましては、大体の時間で良いですので。」
「わかりました。」
私は看護師さんからボールペンを借りて名前と使用時間を記入した。
「ありがとうございます。シャンプーなどの洗剤はありますか?」
うーん、全然ない。
お風呂なんて入れると思って無かったし、第一最初の説明の時風呂の説明なんて無かったし。
あーもう最悪、せっかく体流せると思ってたのに。
困っている私に見かねたのか、私の部屋に来てくれる看護師さんが「これ使いなさい」と二つのボトルを差し出してくれた。
「これは・・?」と困った顔をしていると看護師さんは
「シャンプーとボディソープ、困った顔してたからさ、無いなら使って?」
ありがたい、ありがたすぎる・・!
私は顔をときめかせながら看護師さんに感謝を伝えた。
「ありがとうございます!」
「いいのよ、若い子には優しくしないとね。」
これを見ていた、隣の若い看護師さんが
「先輩、またですか!」
とツッコミを入れた。
私の部屋に来てくれている看護師さんは「フフフ」と笑いながら「シャワールームは受付の先にあるからね」と言ってくれた。
「ありがとうございます、帰りに返しに来ます。」と言いタオルと借りたシャンプーなどを持って私はシャワールームに向かった。
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