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5.コーディネート
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ホームを上がり駅構内に出た。
さすが池袋と言えるほど人は多い、スーツを着た会社員、どこの制服か分からない学生、大学生ぐらいのカップルといろんな人がいる。
「はーちゃん、パルコで揃えようか。あそこなら店舗数も多いし色んな洋服があるから。」
「分かんないから、絵梨香に任せるよ。」
「じゃあ、行こう。」
そう言い絵梨香は手に少し力を入れて私の手を離れないようにする。
北改札を抜けて歩き始める。
パルコは、一度一人で来たみたことがあるが、入り口までしか行けなかった。
別に、入りたくなかった訳じゃない。
入りたかった、凄く入りたかった。しかし、周りの人とのオーラとかが違い過ぎて諦めた。
「私目線、はーちゃんにはサマードレスをオススメするかな。」
絵梨香は自信満々に言う。
しかし、サマードレスと言われても全然分かんない。
ドレスと言うのだからウエディングドレスみたいなものなのだろうか。
「ど、ドレスはダメだよ・・!てかドレス何て来てる人いないじゃん!」
「はーちゃん・・何言ってんの・・?」
「え、だって絵梨香がドレスって言うから・・」
「はーちゃんはどんなドレスを想像してんの・・?」
「お姫様とかが着るやつ。」
私の返答に絵梨香は笑った。
「ちょ、はーちゃん・・お姫様みたいなやつって・・ちょっとまって、お腹痛いんだけど・・」
「もう!笑わないで!」
「仕方ないじゃん・・はーちゃんが全然流行りに乗れてないから、つい・・」
絵梨香に笑われ、サマードレスはどんな物か分からなかった、なんなんだよもう。
絵梨香と喋っているうちにパルコに着いた。
「よし、着いた。入ろう?」
「うん」
いつの間にか、繋いでいた手も離れていた。
私の心は少し寂しくなった。
「なんて言うお店行くの?」
「NOJITAってとこ、私がいつも服買ってるとこなんだ~」
「そうなんだ。」
「安心して、もう目星はつけてあるから。」
「うん」
「店は地下2階にあるから、ねぇ」
「なに?」
「地下2階って地図とかの表記ってB2Fじゃん」
「うん」
「問題です、ででん。このB2FのBとFは何て意味でしょうか!」
うん、全然分かんない。
辛うじて、Fはフロアという英語だと思うけど、Bってなに。
考えていると、「ざんね~ん、時間切れです。」と聞こえた。
「全然分かんない、Fはフロアだと思うけど・・」
「おー片方は分かったか、因みにBはbasement。地下って意味ね。」
「そうなんだ。」
付き合う前だったら、普通にイラっとしてたと思う。
けど、今はこの何気ない会話が凄く楽しい。
これが恋なのかと思った。
「あ、着いたよ。山田さんいますかー?」
「ちょっとまってて」と言い、絵梨香は店内に入っていく。
少しして絵梨香が一人の店員を連れてきた。
「どうも、山田 加菜恵です。あなたが波瑠ちゃん?」
「は、初めまして・・西嶋波瑠です・・」
なんだこの、友達の家に行った時友達の母親と遭遇してしまったみたいな感じのこの会話。
「はーちゃん、この人は私の従姉妹の加菜恵ちゃん。まぁ私がコーディネートするけど、一応店員の加菜恵にも見てもらおうと思って連絡しといた。」
「そうなんだ。」
私は、加菜恵さんの前に行って「お願いします」と頭を下げた。
「ふふっ、何か面接に来た子みたいだね。」
と加菜恵さんは笑っていた。
店内に入る。
店内には、最近流行っているであろう音楽がBGMとして流れている。
店の中央には、流行りの服装なのか、マネキンに服が着せられている、そして壁にはサマーセール開催中!と大きく紙が貼ってある。
店の端まで行く、そこで何着か服を渡された。
「絵梨香から、予算は聞いてあるよ。それと、これが私が選んだ洋服でこっちが絵梨香が選んだ洋服。とりあえず着てみよっか。」
隣が丁度更衣室なので中に入り、洋服を受け取る。
最初は、加菜恵さんが選んだ洋服。
トップスは学校で着ているYシャツのような物、Yシャツと違う点は袖部分がぶかぶかしているという点。
ポトムズは長いズボン、タグを見るとリブパンツと書いてあった。
さっきの私なら、勘違いをしていただろう。
制服を脱ぎ、ズボン(リブパンツ)を履く、その後にシャツを着る。
(こんな感じかな・・)
受け取った洋服を着て更衣室から出る。
「え、凄い似合ってる・・」
絵梨香は呆然とし、加菜恵さんは「やっぱりな・・」と小さな声で言った。
「どう・・ですか・・?」
「うん、凄い似合ってる、けどシャツは全部ズボンの中に入れるんじゃなくて、前の方を少しだけ入れて他の場所は全部出す、その方ががもっと良いよ。」
加菜恵さんがそう言ったので言われた通り試してみる。
「こんな・・感じですか・・?」
「そんな感じね。うん、凄く可愛いじゃない!」
「そ、そうですか・・?えへへ・・照れるなぁ・・」
「加菜恵、はーちゃんは私のだからね・・!」
「分かってるって。じゃあ、次に絵梨香が選んだの着てもらえる?」
「はい。」と私は洋服を受けとった。
受け取った洋服は、白いワンピース。
頭を通せば切れるはずなのに、長いので着るのに手間取った。
ようやく着れたので更衣室から出る。
「どう・・ですか・・?」
先ほどと同じく、絵梨香は呆然としている。
「うん、凄く似合ってる。あ、ちょっとまってて。」
と加菜恵さんはどこかに行ってしまった。
「絵梨香、似合ってる・・?」
「うん・・凄く可愛い・・」
「えへへ・・何か嬉しい・・」
そんな会話をしていると、加菜恵さんが戻って来た。
「波瑠ちゃん、これ着けてみて。」
加菜恵さんが渡してきたのは、ピアスのような物。
「私、ピアス穴なんて開けてないですよ・・?」
「これは、イヤーカフって言って、簡単に言えば穴が無くても着けれるピアスみたいな物ね。」
「そんなものもあるんだ・・」
加菜恵さんは絵梨香に「ほら、絵梨香つけてあげれば?」とニヤけながらイヤーカフを渡した。
そんな大胆に言われるとは絵梨香は思っていなかったのか、絵梨香は赤面した。
もちろん、私の顔も真っ赤になった。
「ちょちょちょ、加菜恵・・!そんなにおちょくらないでよ・・!」
「ふふっ・・、動揺する絵梨香面白いね・・」
「だぁー、もう!ムカつく・・!」
「ほら、彼女さん待ってるよ・・?」
絵梨香はバッっとこちらに顔を向ける。
「その・・私は・・絵梨香に着けて欲しい・・かな・・」
「・・・!わ、わかったよ!もう・・」
絵梨香は照れながらも、こちらにやってくる。
私は絵梨香に近づいて、耳を傾ける。
イヤーカフはステンレスなのか、少し冷たい。
「はい・・着けたよ・・」
「あ、ありがとう・・それで・・似合ってる・・?」
「す、凄く似合ってる・・」
絵梨香は、照れ隠しなのか手で口を覆いながら褒めてくれた。
「波瑠ちゃん、このままどっちか着て行く・・?」
「え、じゃあ・・今着てるやつって着て行けますか・・?」
「全然着ていけるわよ。」
「じゃあ、お願いします。あと代金は・・」
「それなら、もう頂いてるから安心して。」
「え・・?」
「まぁまぁ、タグだけ切らせてね。」
加菜恵さんはハサミを持ってきて、スカートの中に両手を突っ込んだ。
『パチン』という音と同時にタグが落ちてくるのを確認して、加菜恵さんはタグを拾い上げる。
「はい、これで着て行けるよ。」
「ありがとうございます。」
加菜恵さんに感謝の気持ちを込めて、頭を下げる。
「ふふっ、波瑠ちゃんは礼儀正しくて面白いね。」
「そうですかね・・?」
「うん、東京でこんな礼儀正しい人あんまり見ないよ?あ、全員が礼儀正しく無いってわけじゃないよ。」
言われてみれば、昨日電車の中で絵梨香はおばあさんに席を譲っていたけど、周りの人は絵梨香に見向きもしなかった。
「はい、じゃあ私が選んだ方と制服入れといたから。」
加菜恵さんはいつの間にか私の制服をまとめて紙袋に入れてくれていた。
「あ、ありがとうございます。あの、代金は誰が・・」
「え?一人しかいないじゃない。」
「え?」
「あなたの隣にいる、カッコよくて可愛い彼氏さんだよ・・?」
隣を見ると絵梨香がまた顔を真っ赤にしていた。
「ちょ、加菜恵!なんて事言うの!」
「まぁまぁ、ほら彼女さんが待ってるよ・・?」
「ふん、もう行くよ!はーちゃん」と私の手を掴み私たちはNOJITAを後にした。
さすが池袋と言えるほど人は多い、スーツを着た会社員、どこの制服か分からない学生、大学生ぐらいのカップルといろんな人がいる。
「はーちゃん、パルコで揃えようか。あそこなら店舗数も多いし色んな洋服があるから。」
「分かんないから、絵梨香に任せるよ。」
「じゃあ、行こう。」
そう言い絵梨香は手に少し力を入れて私の手を離れないようにする。
北改札を抜けて歩き始める。
パルコは、一度一人で来たみたことがあるが、入り口までしか行けなかった。
別に、入りたくなかった訳じゃない。
入りたかった、凄く入りたかった。しかし、周りの人とのオーラとかが違い過ぎて諦めた。
「私目線、はーちゃんにはサマードレスをオススメするかな。」
絵梨香は自信満々に言う。
しかし、サマードレスと言われても全然分かんない。
ドレスと言うのだからウエディングドレスみたいなものなのだろうか。
「ど、ドレスはダメだよ・・!てかドレス何て来てる人いないじゃん!」
「はーちゃん・・何言ってんの・・?」
「え、だって絵梨香がドレスって言うから・・」
「はーちゃんはどんなドレスを想像してんの・・?」
「お姫様とかが着るやつ。」
私の返答に絵梨香は笑った。
「ちょ、はーちゃん・・お姫様みたいなやつって・・ちょっとまって、お腹痛いんだけど・・」
「もう!笑わないで!」
「仕方ないじゃん・・はーちゃんが全然流行りに乗れてないから、つい・・」
絵梨香に笑われ、サマードレスはどんな物か分からなかった、なんなんだよもう。
絵梨香と喋っているうちにパルコに着いた。
「よし、着いた。入ろう?」
「うん」
いつの間にか、繋いでいた手も離れていた。
私の心は少し寂しくなった。
「なんて言うお店行くの?」
「NOJITAってとこ、私がいつも服買ってるとこなんだ~」
「そうなんだ。」
「安心して、もう目星はつけてあるから。」
「うん」
「店は地下2階にあるから、ねぇ」
「なに?」
「地下2階って地図とかの表記ってB2Fじゃん」
「うん」
「問題です、ででん。このB2FのBとFは何て意味でしょうか!」
うん、全然分かんない。
辛うじて、Fはフロアという英語だと思うけど、Bってなに。
考えていると、「ざんね~ん、時間切れです。」と聞こえた。
「全然分かんない、Fはフロアだと思うけど・・」
「おー片方は分かったか、因みにBはbasement。地下って意味ね。」
「そうなんだ。」
付き合う前だったら、普通にイラっとしてたと思う。
けど、今はこの何気ない会話が凄く楽しい。
これが恋なのかと思った。
「あ、着いたよ。山田さんいますかー?」
「ちょっとまってて」と言い、絵梨香は店内に入っていく。
少しして絵梨香が一人の店員を連れてきた。
「どうも、山田 加菜恵です。あなたが波瑠ちゃん?」
「は、初めまして・・西嶋波瑠です・・」
なんだこの、友達の家に行った時友達の母親と遭遇してしまったみたいな感じのこの会話。
「はーちゃん、この人は私の従姉妹の加菜恵ちゃん。まぁ私がコーディネートするけど、一応店員の加菜恵にも見てもらおうと思って連絡しといた。」
「そうなんだ。」
私は、加菜恵さんの前に行って「お願いします」と頭を下げた。
「ふふっ、何か面接に来た子みたいだね。」
と加菜恵さんは笑っていた。
店内に入る。
店内には、最近流行っているであろう音楽がBGMとして流れている。
店の中央には、流行りの服装なのか、マネキンに服が着せられている、そして壁にはサマーセール開催中!と大きく紙が貼ってある。
店の端まで行く、そこで何着か服を渡された。
「絵梨香から、予算は聞いてあるよ。それと、これが私が選んだ洋服でこっちが絵梨香が選んだ洋服。とりあえず着てみよっか。」
隣が丁度更衣室なので中に入り、洋服を受け取る。
最初は、加菜恵さんが選んだ洋服。
トップスは学校で着ているYシャツのような物、Yシャツと違う点は袖部分がぶかぶかしているという点。
ポトムズは長いズボン、タグを見るとリブパンツと書いてあった。
さっきの私なら、勘違いをしていただろう。
制服を脱ぎ、ズボン(リブパンツ)を履く、その後にシャツを着る。
(こんな感じかな・・)
受け取った洋服を着て更衣室から出る。
「え、凄い似合ってる・・」
絵梨香は呆然とし、加菜恵さんは「やっぱりな・・」と小さな声で言った。
「どう・・ですか・・?」
「うん、凄い似合ってる、けどシャツは全部ズボンの中に入れるんじゃなくて、前の方を少しだけ入れて他の場所は全部出す、その方ががもっと良いよ。」
加菜恵さんがそう言ったので言われた通り試してみる。
「こんな・・感じですか・・?」
「そんな感じね。うん、凄く可愛いじゃない!」
「そ、そうですか・・?えへへ・・照れるなぁ・・」
「加菜恵、はーちゃんは私のだからね・・!」
「分かってるって。じゃあ、次に絵梨香が選んだの着てもらえる?」
「はい。」と私は洋服を受けとった。
受け取った洋服は、白いワンピース。
頭を通せば切れるはずなのに、長いので着るのに手間取った。
ようやく着れたので更衣室から出る。
「どう・・ですか・・?」
先ほどと同じく、絵梨香は呆然としている。
「うん、凄く似合ってる。あ、ちょっとまってて。」
と加菜恵さんはどこかに行ってしまった。
「絵梨香、似合ってる・・?」
「うん・・凄く可愛い・・」
「えへへ・・何か嬉しい・・」
そんな会話をしていると、加菜恵さんが戻って来た。
「波瑠ちゃん、これ着けてみて。」
加菜恵さんが渡してきたのは、ピアスのような物。
「私、ピアス穴なんて開けてないですよ・・?」
「これは、イヤーカフって言って、簡単に言えば穴が無くても着けれるピアスみたいな物ね。」
「そんなものもあるんだ・・」
加菜恵さんは絵梨香に「ほら、絵梨香つけてあげれば?」とニヤけながらイヤーカフを渡した。
そんな大胆に言われるとは絵梨香は思っていなかったのか、絵梨香は赤面した。
もちろん、私の顔も真っ赤になった。
「ちょちょちょ、加菜恵・・!そんなにおちょくらないでよ・・!」
「ふふっ・・、動揺する絵梨香面白いね・・」
「だぁー、もう!ムカつく・・!」
「ほら、彼女さん待ってるよ・・?」
絵梨香はバッっとこちらに顔を向ける。
「その・・私は・・絵梨香に着けて欲しい・・かな・・」
「・・・!わ、わかったよ!もう・・」
絵梨香は照れながらも、こちらにやってくる。
私は絵梨香に近づいて、耳を傾ける。
イヤーカフはステンレスなのか、少し冷たい。
「はい・・着けたよ・・」
「あ、ありがとう・・それで・・似合ってる・・?」
「す、凄く似合ってる・・」
絵梨香は、照れ隠しなのか手で口を覆いながら褒めてくれた。
「波瑠ちゃん、このままどっちか着て行く・・?」
「え、じゃあ・・今着てるやつって着て行けますか・・?」
「全然着ていけるわよ。」
「じゃあ、お願いします。あと代金は・・」
「それなら、もう頂いてるから安心して。」
「え・・?」
「まぁまぁ、タグだけ切らせてね。」
加菜恵さんはハサミを持ってきて、スカートの中に両手を突っ込んだ。
『パチン』という音と同時にタグが落ちてくるのを確認して、加菜恵さんはタグを拾い上げる。
「はい、これで着て行けるよ。」
「ありがとうございます。」
加菜恵さんに感謝の気持ちを込めて、頭を下げる。
「ふふっ、波瑠ちゃんは礼儀正しくて面白いね。」
「そうですかね・・?」
「うん、東京でこんな礼儀正しい人あんまり見ないよ?あ、全員が礼儀正しく無いってわけじゃないよ。」
言われてみれば、昨日電車の中で絵梨香はおばあさんに席を譲っていたけど、周りの人は絵梨香に見向きもしなかった。
「はい、じゃあ私が選んだ方と制服入れといたから。」
加菜恵さんはいつの間にか私の制服をまとめて紙袋に入れてくれていた。
「あ、ありがとうございます。あの、代金は誰が・・」
「え?一人しかいないじゃない。」
「え?」
「あなたの隣にいる、カッコよくて可愛い彼氏さんだよ・・?」
隣を見ると絵梨香がまた顔を真っ赤にしていた。
「ちょ、加菜恵!なんて事言うの!」
「まぁまぁ、ほら彼女さんが待ってるよ・・?」
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