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第1章
4 魔法とかやっぱり気になるじゃん?
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はい、アトリシア・グーテンベルクですこんにちは。
というわけで異世界転生(含むTS)なんてしてみたわけですが。
やっぱりこうなったからには楽しめそうなことにはどんどんチャレンジしていこうかと!
まあ、今さら騒いでもどうしようもないしね。
なので早速ですが、魔法に挑戦です。
魔法といったらやっぱりこの人、ダンフォード兄様。
我がグーテンベルク家公爵家の次男坊、御年20歳。
濃い目の茶髪と、眼鏡の下の涼しげな瞳が特徴的な好男子です。
そんなダンフォード兄様は魔法が得意です。
魔法の大学で勉強中です。
そんな兄様に魔法を教えてもらおうというのが今回の試みです。
まあ知識があるので、多分こうやれば魔法を使えそうだなっていうのはわかるんだけどね。
ただ、予定外にチートをもらってしまったので、そういうわけにもいかないかなと。
事故は怖い。
それに俺の中にある記憶では、そこまで才気煥発の極みって感じでもないんだよな、アトリシア。
流石はグーテンベルク公爵家のお嬢様!
っていうそこ止まりというか。
というわけで一度ちゃんと魔法の取り扱いを教わり直しておこうと思いました。
そうして兄様にお願いして、現在は屋敷の中庭に居ます。
メイドさんにお願いしてお茶を飲みながら、ゆったりとした時間が流れます。
「珍しいね、アトリから魔法を教えてほしいなんて」
アトリシアは公爵家の令嬢として、なんでもちゃんと頑張る娘でした。
でも貴族令嬢にとって魔法の技量というのはそこまで重要視されてないので、あくまでそこそこ。
わざわざこうして教えを請うたりはして来なかったので、兄様から疑問が。
「そうですね、でも今度からは学院生ですので」
「なるほど、それは良い心がけだ」
そういってにっこり笑う兄様。
社交界では冷たそうって言われてる兄様ですが、家族の前ではよく笑います。
まあそれは置いておいて。
「魔気呼吸から始める?」
「はい」
魔気呼吸っていうのは、大気中にあるとされる魔素、これを体内に取り込んで自分の支配下に置くってやつ。
そもそも、体内には常にこの支配下魔素っていうのがある。
イメージ的にはゲームのMPかな。
それだけだとどうしても少ないので外から持ってこようってことになるんだけど、そううまくはいかない。
何せ人間が操れるのは支配下魔素だけなのだが、支配下に置くのにも時間がかかる。
それを少しでも早めるための訓練が魔気呼吸だ。
だから魔法修練の基礎中の基礎とされている。
されているだけで本当に実行しているかどうかは人それぞれ。
一度習得してしまえば、無意識下で行っている部分もあるのだ。
自動MP回復の原理みたいなものかな。
そう考えると確かに大事ではあるんだけど、いかんせん訓練したからといって劇的に向上するというわけでもないのだ。
「じゃあまずは周囲の魔素を感じて」
場所は変わらず椅子に座ったままです。
リラックスするのも重要なのです。
兄様が言うのに合わせて、精神を集中させる。
すると漠然と漂う魔素を感じる。
初めてのはずなのに、当たり前のように出来る。
むしろアトリシアの記憶の中のそれよりも鮮明だ。
この辺もチートの影響かな。
「それを自分の中に取り込んで」
来いって念じると、少しずつ身体に流れ込んでくるのを感じる。
さっき言ったように、取り込んだからといってすぐに支配下に置けるわけじゃない。
ないのだけど、取り込んだ端から全て自分の魔力になっている気がする。
ふと見ると兄様の表情がさっきまでのにこにこ笑顔から真剣な顔に。
あ、やべ。
慌てて吸入を止める。
「アトリはそんなに魔力容量が大きかったかな?」
「ちょっと吸いすぎました……」
そう応え気分が悪いような顔をしつつ自前の魔力を吐き出していく。
今度はやりすぎないように少しずつ、少しずつ。
「そう、魔素は取り込みすぎると身体に毒だからね。吐き出しすぎてもそうだけど」
グラスに水を注ぎ過ぎれば溢れる。
いや、風船とかの方が近いかな。
入れれば入れただけ膨らみはするけど、限界を超えれば破裂してしまう。
そうなる前に警告が出るのだ。
「もう大丈夫です」
「そう、じゃあ魔力操作にいこうか」
魔力操作の訓練は魔力、つまり支配下魔素を使う。
まずは目に魔力を集める。
こうすることで魔力を視ることが出来る。
そして兄様の魔力が何かを形作る。
初めは簡単に、紅茶を入れたカップ。
カップを持つ形の指先から、輪郭をなぞるように線が走る。
そうして出来たカップのフレームの間に膜を張るように魔力を満たしていく。
それを見て自分の魔力でも同じものを作る。
頭で考えると難しそうではあるが、自然と出来る。
「うん、いいね」
そんなことを言いつつ魔力で作ったカップをテーブルに置く兄様。
そのまま次のものを作っていく。
こうして魔力視のように魔力を肉体と接続しつつ、細かい操作をしつつ、それを崩さないように維持しつつ、また他の操作をする。
この練習には魔力操作に必要ないくつもの要素が凝縮されている。
最後に庭に咲いている花を作ってお終い。
テーブルの上に置かれていた色々なものがふっと消える。
ちなみにこれくらいの作業で使った魔力はそのまま持ち主の元に還る。
ちょっと形を変えただけで、魔素自体は変化していないからね。
これが魔法みたいに全く別の事象を起こさせる基にされたりすると、元には戻らない。
「この基礎練習さえちゃんとしておけば、学院レベルの授業では問題ないよ」
うん、そうなんだけどね。
そうじゃないんだよ兄様。
出来ないのを出来るようにするんじゃなくて、出来すぎるのを抑えたいんだ。
まあでも、思ったよりも難しくはなかったし、感覚もつかめたし、いっか。
「ありがとう、兄様♪」
あれ、胸を押さえてどうしたんだろう?
というわけで異世界転生(含むTS)なんてしてみたわけですが。
やっぱりこうなったからには楽しめそうなことにはどんどんチャレンジしていこうかと!
まあ、今さら騒いでもどうしようもないしね。
なので早速ですが、魔法に挑戦です。
魔法といったらやっぱりこの人、ダンフォード兄様。
我がグーテンベルク家公爵家の次男坊、御年20歳。
濃い目の茶髪と、眼鏡の下の涼しげな瞳が特徴的な好男子です。
そんなダンフォード兄様は魔法が得意です。
魔法の大学で勉強中です。
そんな兄様に魔法を教えてもらおうというのが今回の試みです。
まあ知識があるので、多分こうやれば魔法を使えそうだなっていうのはわかるんだけどね。
ただ、予定外にチートをもらってしまったので、そういうわけにもいかないかなと。
事故は怖い。
それに俺の中にある記憶では、そこまで才気煥発の極みって感じでもないんだよな、アトリシア。
流石はグーテンベルク公爵家のお嬢様!
っていうそこ止まりというか。
というわけで一度ちゃんと魔法の取り扱いを教わり直しておこうと思いました。
そうして兄様にお願いして、現在は屋敷の中庭に居ます。
メイドさんにお願いしてお茶を飲みながら、ゆったりとした時間が流れます。
「珍しいね、アトリから魔法を教えてほしいなんて」
アトリシアは公爵家の令嬢として、なんでもちゃんと頑張る娘でした。
でも貴族令嬢にとって魔法の技量というのはそこまで重要視されてないので、あくまでそこそこ。
わざわざこうして教えを請うたりはして来なかったので、兄様から疑問が。
「そうですね、でも今度からは学院生ですので」
「なるほど、それは良い心がけだ」
そういってにっこり笑う兄様。
社交界では冷たそうって言われてる兄様ですが、家族の前ではよく笑います。
まあそれは置いておいて。
「魔気呼吸から始める?」
「はい」
魔気呼吸っていうのは、大気中にあるとされる魔素、これを体内に取り込んで自分の支配下に置くってやつ。
そもそも、体内には常にこの支配下魔素っていうのがある。
イメージ的にはゲームのMPかな。
それだけだとどうしても少ないので外から持ってこようってことになるんだけど、そううまくはいかない。
何せ人間が操れるのは支配下魔素だけなのだが、支配下に置くのにも時間がかかる。
それを少しでも早めるための訓練が魔気呼吸だ。
だから魔法修練の基礎中の基礎とされている。
されているだけで本当に実行しているかどうかは人それぞれ。
一度習得してしまえば、無意識下で行っている部分もあるのだ。
自動MP回復の原理みたいなものかな。
そう考えると確かに大事ではあるんだけど、いかんせん訓練したからといって劇的に向上するというわけでもないのだ。
「じゃあまずは周囲の魔素を感じて」
場所は変わらず椅子に座ったままです。
リラックスするのも重要なのです。
兄様が言うのに合わせて、精神を集中させる。
すると漠然と漂う魔素を感じる。
初めてのはずなのに、当たり前のように出来る。
むしろアトリシアの記憶の中のそれよりも鮮明だ。
この辺もチートの影響かな。
「それを自分の中に取り込んで」
来いって念じると、少しずつ身体に流れ込んでくるのを感じる。
さっき言ったように、取り込んだからといってすぐに支配下に置けるわけじゃない。
ないのだけど、取り込んだ端から全て自分の魔力になっている気がする。
ふと見ると兄様の表情がさっきまでのにこにこ笑顔から真剣な顔に。
あ、やべ。
慌てて吸入を止める。
「アトリはそんなに魔力容量が大きかったかな?」
「ちょっと吸いすぎました……」
そう応え気分が悪いような顔をしつつ自前の魔力を吐き出していく。
今度はやりすぎないように少しずつ、少しずつ。
「そう、魔素は取り込みすぎると身体に毒だからね。吐き出しすぎてもそうだけど」
グラスに水を注ぎ過ぎれば溢れる。
いや、風船とかの方が近いかな。
入れれば入れただけ膨らみはするけど、限界を超えれば破裂してしまう。
そうなる前に警告が出るのだ。
「もう大丈夫です」
「そう、じゃあ魔力操作にいこうか」
魔力操作の訓練は魔力、つまり支配下魔素を使う。
まずは目に魔力を集める。
こうすることで魔力を視ることが出来る。
そして兄様の魔力が何かを形作る。
初めは簡単に、紅茶を入れたカップ。
カップを持つ形の指先から、輪郭をなぞるように線が走る。
そうして出来たカップのフレームの間に膜を張るように魔力を満たしていく。
それを見て自分の魔力でも同じものを作る。
頭で考えると難しそうではあるが、自然と出来る。
「うん、いいね」
そんなことを言いつつ魔力で作ったカップをテーブルに置く兄様。
そのまま次のものを作っていく。
こうして魔力視のように魔力を肉体と接続しつつ、細かい操作をしつつ、それを崩さないように維持しつつ、また他の操作をする。
この練習には魔力操作に必要ないくつもの要素が凝縮されている。
最後に庭に咲いている花を作ってお終い。
テーブルの上に置かれていた色々なものがふっと消える。
ちなみにこれくらいの作業で使った魔力はそのまま持ち主の元に還る。
ちょっと形を変えただけで、魔素自体は変化していないからね。
これが魔法みたいに全く別の事象を起こさせる基にされたりすると、元には戻らない。
「この基礎練習さえちゃんとしておけば、学院レベルの授業では問題ないよ」
うん、そうなんだけどね。
そうじゃないんだよ兄様。
出来ないのを出来るようにするんじゃなくて、出来すぎるのを抑えたいんだ。
まあでも、思ったよりも難しくはなかったし、感覚もつかめたし、いっか。
「ありがとう、兄様♪」
あれ、胸を押さえてどうしたんだろう?
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