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番ことも
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締め切った扉を、侍従たちが慌てて開け放ち、中にいた卵の無事を確認する。
寝台の上で微かにゆらゆらと揺れる卵を確認すると、侍従たちは手を取り合って喜んだ。主様からお咎めを受けずに済んだと。
フィートルは、落ち着いてからようやくソファーに座り、侍従にお茶を出してもらった。本当は自分でいれてもよかったのだが、それでは侍従の仕事が無くなるので、とりあえず世話にはなる方向でここにいる。
「少し疲れたかな」
お茶を飲みながら、フィートルは首を鳴らした。実に久しぶりに魔力を、育児?意外に使ったのだ。体も動かして少しだるい気もする。
全身をソファーに預けるように座っていると、なにやら侍従が慌ててやってきた。
「番様、主様がお帰りになりました」
扉の向こう側からの声にもかかわらず、かなりハッキリと聞こえるのは、何かしらの魔力のなせる技なのだろうか?城に寄り付かなかったフィートルにとって、侍従から言付けをされることはどうにも慣れなかった。
程なくして、正面の窓の方からリシュデリュアルがやってきた。どこかに出かけた時は、必ず扉からではなく窓の方から帰ってくる。
わざわざ確認をする必要は無いが、リシュデリュアルの外出は成体の竜の姿である。だから、庭に降り立ち獣人の姿になって入ってくるのだ。
「何かあったみたいだね」
優しく訪ねるけれど、あきらかにリシュデリュアルは怒っていた。自分の留守に大切な番と卵を襲われた。自分がそこにいたのなら、相手を殺してもいいほどの事案だ。
「ああ、呼んでもいないのに客が来たよ」
答えるのさえ面倒だと言わんばかりの返事をして、フィートルはリシュデリュアルを手招きした。
「怪我でもしたの?」
駆け寄ってハグをしてく事はただの一度もないけれど、それでも今日は様子が違う。
「久しぶりに、動いて疲れた」
心配しておでこをつけたところで、そう言って首に手を回してきた。
「ん、本当だ。魔力が少し少ないね」
皮膚から感じる限り、いつもよりだいぶ少ない。卵に魔力を与えたよりかなり減っている。
「外に他の竜の気配が残っていたよ」
首に回された手をそのままに、リシュデリュアルは話を続ける。
「なにやら俺が気に入らないらしい」
「怪我はしてない?」
「あの程度で怪我はしないな」
「本来なら、番に手を出された場合は相手を殺してもいいんだけど」
「じゃあ、俺が殺しておけばよかったな」
そう言ってフィートルは片方だけの唇を上げて笑った。
「ごめんね、守れなくて」
「守られてやっていいほど弱くはない」
首にまわした手を引き寄せて、フィートルはリシュデリュアルの顔を引き寄せた。
「っん、……ふ」
かなり強引に引き寄せて、舌が輪郭をなぞってきた。
息継ぎがてらに開けば、そこから中に入って内側の柔らかい部分を舐めとっていく。
「ふぁ、ん……ぅん」
相変わらず舌の付け根を丹念に舐めるので、唾液が大量にこぼれていく。それを、美味しそうに喉を鳴らして飲んでいる相手の顔は扇情的なのに、目が合うとその目は笑っているのだ。
自分の高ぶる感情を押さえつけるようなその目が、先に進むことを許してはくれない。
唇を、合わせる時間がいつも長い。
「魔力足りるかな?」
フィートルは卵の殻にを当てて、ゆっくりと魔力を注いだ。卵はリシュデリュアルの髪の色に似た輝きを放って、また微かに揺れた。
「今日の分は足りたかな?」
フィートルはそのまま卵の隣に寝転んだ。
「夕飯は、何か希望あるかな?」
リシュデリュアルが聞くと、フィートルは首を横に振った。フィートルは、食に対してほとんど興味がないらしい。王族であると言うのに、特に好物もなく出されたものを黙って食べる。少し食が細いのが気になるところだ。
「あのね、天帝様に挨拶に行かないと、なんだけど」
言いにくそうにリシュデリュアルが切り出した。
「正式に番と認めてもらうためか?」
「うん、そうしないと、また誰かが来てしまうから」
「興味ないんだがな」
「僕は、ちゃんとしたい。僕のだよって…」
リシュデリュアルが力説しようとした途端、フィートルかリシュデリュアルの髪を引いた。
そのままフィートルの上に倒れ込むような体勢になってしまった。
「案外可愛いことを言うんだな」
リシュデリュアルが、フィートルの胸に顔をつけている体勢になって、フィートルがリシュデリュアルの頭を撫でる。
「天帝の前でなにかするのか?」
「天帝様の名のもとに番の宣言をするんだよ」
「なるほど」
「卵を成しているから、遅くなっちゃったけど、初めての発情期で卵を成せるって凄いことなんだよ?」
「お前がやりたいようにすればいい」
フィートルが優しく頭を撫でるので、リシュデリュアルはそれに甘えた。自分の望みを聞いてくれる年下の大切な番。
宣誓をすることによって、守れるのだから、しない訳にはいかないだろう。
天帝のいる城には、各浮島から転移門が用意されていた。
天帝に挨拶をするための服を、リシュデリュアルはこっそりと用意しておいた。ここに来るまでの間にフィートルが着ていた服から、何とかサイズを計って仕立てさせたのだ。
ゆったりとした長衣は、竜族特有のデザインで、フィートルの物は黒を基調とした作りになっている。そこに差し色でリシュデリュアルの色である青を入れると、揃いの服はとても良い出来栄えになっていた。
服を着させられることに慣れていないフィートルは、初めは拒んだが、着方が分からなかったのか、最終的には素直に着させられてくれた。
「僕の番が今日は特別に綺麗だ」
フードを被らず、少し伸びた黒髪に飾りを付けられ、慣れない竜族の衣装を着ているフィートルは、人形のように美しかった。
天帝の元に行くにあたり、先付けをしているためか、先頭に侍従がつきすれ違うものたちは膝をついて頭を下げる。
五本爪の竜族が番連れてきた。
それだけで城の中はザワついていた。
「よく来た」
部屋に入り、すぐさま膝をつき頭を下げる。
御簾の向こうに座る天帝は、フィートルをじっくりとみつめていた。
「面をあげよ」
言われてリシュデリュアルとフィートルは顔を上げた。両脇には五本爪の竜族が鎮座している。その中に、この間フィートルを、襲ったものの姿はなかった。
「この度は、シヴィシス帝国が第三王子を我が番と定めました。既に卵も産まれ孵化を待っております」
顔を上げると同時にリシュデリュアルはそう述べる。
回りに鎮座している竜族たちから小さなざわめきが起こった。
「ニンゲンたちの間で噂のかの王子か」
言われて、顔はあげてはいたが、目線はかなり遠くにしていたフィートルはうんざりして仕方なく御簾の向こうにいるであろう天帝を見た。その姿は見えないが、目線はそちらに向けてみた。
「ほぅ」
天帝が小さく声を漏らしたことで、フィートルは嫌な予感しかしなかった。
「また、珍しい人族と番ったものだな」
黒髪黒目は確かに珍しい。竜族には産まれないこともないが、天帝が、そこまで思うほどではないと回りにいる竜族たちは思っているのだろう。
「リシュデリュアル、その珍しい色を持つ番、我に献上する気は無いか?」
天帝が、突然とんでもないことを言い出した。
「は?」
予想しなかった言葉に、思わずリシュデリュアルは間抜けな声しか出なかった。天帝は今なんと言った?
「天帝様、闇属性の黒髪ならば探せばまだおります」
さすがに、リシュデリュアルが長いこと番を見つけられなかった事を知っている竜族たちが口を挟む。
「そうでは無い」
天帝は、何故か御簾を自らあげて前に出てきた。
「何事ですか?」
リシュデリュアルは突然のことに思わずフィートルと、天帝の間に入った。番を守ることは竜族にとって何よりも優先するべきことだ。
「このように珍しい色は我も初めて見る」
天帝はそう言って、フィートルに手を伸ばした。
リシュデリュアルはその手を阻止しようとしたが、それより早く後ろからチッという舌打ちが聞こえた。
「え、なに?」
驚いて振り返ると、大切な番が不機嫌そうな顔をして天帝を睨みつけていた。
だが、その髪も目も、リシュデリュアルの知る色ではなくなっていた。
寝台の上で微かにゆらゆらと揺れる卵を確認すると、侍従たちは手を取り合って喜んだ。主様からお咎めを受けずに済んだと。
フィートルは、落ち着いてからようやくソファーに座り、侍従にお茶を出してもらった。本当は自分でいれてもよかったのだが、それでは侍従の仕事が無くなるので、とりあえず世話にはなる方向でここにいる。
「少し疲れたかな」
お茶を飲みながら、フィートルは首を鳴らした。実に久しぶりに魔力を、育児?意外に使ったのだ。体も動かして少しだるい気もする。
全身をソファーに預けるように座っていると、なにやら侍従が慌ててやってきた。
「番様、主様がお帰りになりました」
扉の向こう側からの声にもかかわらず、かなりハッキリと聞こえるのは、何かしらの魔力のなせる技なのだろうか?城に寄り付かなかったフィートルにとって、侍従から言付けをされることはどうにも慣れなかった。
程なくして、正面の窓の方からリシュデリュアルがやってきた。どこかに出かけた時は、必ず扉からではなく窓の方から帰ってくる。
わざわざ確認をする必要は無いが、リシュデリュアルの外出は成体の竜の姿である。だから、庭に降り立ち獣人の姿になって入ってくるのだ。
「何かあったみたいだね」
優しく訪ねるけれど、あきらかにリシュデリュアルは怒っていた。自分の留守に大切な番と卵を襲われた。自分がそこにいたのなら、相手を殺してもいいほどの事案だ。
「ああ、呼んでもいないのに客が来たよ」
答えるのさえ面倒だと言わんばかりの返事をして、フィートルはリシュデリュアルを手招きした。
「怪我でもしたの?」
駆け寄ってハグをしてく事はただの一度もないけれど、それでも今日は様子が違う。
「久しぶりに、動いて疲れた」
心配しておでこをつけたところで、そう言って首に手を回してきた。
「ん、本当だ。魔力が少し少ないね」
皮膚から感じる限り、いつもよりだいぶ少ない。卵に魔力を与えたよりかなり減っている。
「外に他の竜の気配が残っていたよ」
首に回された手をそのままに、リシュデリュアルは話を続ける。
「なにやら俺が気に入らないらしい」
「怪我はしてない?」
「あの程度で怪我はしないな」
「本来なら、番に手を出された場合は相手を殺してもいいんだけど」
「じゃあ、俺が殺しておけばよかったな」
そう言ってフィートルは片方だけの唇を上げて笑った。
「ごめんね、守れなくて」
「守られてやっていいほど弱くはない」
首にまわした手を引き寄せて、フィートルはリシュデリュアルの顔を引き寄せた。
「っん、……ふ」
かなり強引に引き寄せて、舌が輪郭をなぞってきた。
息継ぎがてらに開けば、そこから中に入って内側の柔らかい部分を舐めとっていく。
「ふぁ、ん……ぅん」
相変わらず舌の付け根を丹念に舐めるので、唾液が大量にこぼれていく。それを、美味しそうに喉を鳴らして飲んでいる相手の顔は扇情的なのに、目が合うとその目は笑っているのだ。
自分の高ぶる感情を押さえつけるようなその目が、先に進むことを許してはくれない。
唇を、合わせる時間がいつも長い。
「魔力足りるかな?」
フィートルは卵の殻にを当てて、ゆっくりと魔力を注いだ。卵はリシュデリュアルの髪の色に似た輝きを放って、また微かに揺れた。
「今日の分は足りたかな?」
フィートルはそのまま卵の隣に寝転んだ。
「夕飯は、何か希望あるかな?」
リシュデリュアルが聞くと、フィートルは首を横に振った。フィートルは、食に対してほとんど興味がないらしい。王族であると言うのに、特に好物もなく出されたものを黙って食べる。少し食が細いのが気になるところだ。
「あのね、天帝様に挨拶に行かないと、なんだけど」
言いにくそうにリシュデリュアルが切り出した。
「正式に番と認めてもらうためか?」
「うん、そうしないと、また誰かが来てしまうから」
「興味ないんだがな」
「僕は、ちゃんとしたい。僕のだよって…」
リシュデリュアルが力説しようとした途端、フィートルかリシュデリュアルの髪を引いた。
そのままフィートルの上に倒れ込むような体勢になってしまった。
「案外可愛いことを言うんだな」
リシュデリュアルが、フィートルの胸に顔をつけている体勢になって、フィートルがリシュデリュアルの頭を撫でる。
「天帝の前でなにかするのか?」
「天帝様の名のもとに番の宣言をするんだよ」
「なるほど」
「卵を成しているから、遅くなっちゃったけど、初めての発情期で卵を成せるって凄いことなんだよ?」
「お前がやりたいようにすればいい」
フィートルが優しく頭を撫でるので、リシュデリュアルはそれに甘えた。自分の望みを聞いてくれる年下の大切な番。
宣誓をすることによって、守れるのだから、しない訳にはいかないだろう。
天帝のいる城には、各浮島から転移門が用意されていた。
天帝に挨拶をするための服を、リシュデリュアルはこっそりと用意しておいた。ここに来るまでの間にフィートルが着ていた服から、何とかサイズを計って仕立てさせたのだ。
ゆったりとした長衣は、竜族特有のデザインで、フィートルの物は黒を基調とした作りになっている。そこに差し色でリシュデリュアルの色である青を入れると、揃いの服はとても良い出来栄えになっていた。
服を着させられることに慣れていないフィートルは、初めは拒んだが、着方が分からなかったのか、最終的には素直に着させられてくれた。
「僕の番が今日は特別に綺麗だ」
フードを被らず、少し伸びた黒髪に飾りを付けられ、慣れない竜族の衣装を着ているフィートルは、人形のように美しかった。
天帝の元に行くにあたり、先付けをしているためか、先頭に侍従がつきすれ違うものたちは膝をついて頭を下げる。
五本爪の竜族が番連れてきた。
それだけで城の中はザワついていた。
「よく来た」
部屋に入り、すぐさま膝をつき頭を下げる。
御簾の向こうに座る天帝は、フィートルをじっくりとみつめていた。
「面をあげよ」
言われてリシュデリュアルとフィートルは顔を上げた。両脇には五本爪の竜族が鎮座している。その中に、この間フィートルを、襲ったものの姿はなかった。
「この度は、シヴィシス帝国が第三王子を我が番と定めました。既に卵も産まれ孵化を待っております」
顔を上げると同時にリシュデリュアルはそう述べる。
回りに鎮座している竜族たちから小さなざわめきが起こった。
「ニンゲンたちの間で噂のかの王子か」
言われて、顔はあげてはいたが、目線はかなり遠くにしていたフィートルはうんざりして仕方なく御簾の向こうにいるであろう天帝を見た。その姿は見えないが、目線はそちらに向けてみた。
「ほぅ」
天帝が小さく声を漏らしたことで、フィートルは嫌な予感しかしなかった。
「また、珍しい人族と番ったものだな」
黒髪黒目は確かに珍しい。竜族には産まれないこともないが、天帝が、そこまで思うほどではないと回りにいる竜族たちは思っているのだろう。
「リシュデリュアル、その珍しい色を持つ番、我に献上する気は無いか?」
天帝が、突然とんでもないことを言い出した。
「は?」
予想しなかった言葉に、思わずリシュデリュアルは間抜けな声しか出なかった。天帝は今なんと言った?
「天帝様、闇属性の黒髪ならば探せばまだおります」
さすがに、リシュデリュアルが長いこと番を見つけられなかった事を知っている竜族たちが口を挟む。
「そうでは無い」
天帝は、何故か御簾を自らあげて前に出てきた。
「何事ですか?」
リシュデリュアルは突然のことに思わずフィートルと、天帝の間に入った。番を守ることは竜族にとって何よりも優先するべきことだ。
「このように珍しい色は我も初めて見る」
天帝はそう言って、フィートルに手を伸ばした。
リシュデリュアルはその手を阻止しようとしたが、それより早く後ろからチッという舌打ちが聞こえた。
「え、なに?」
驚いて振り返ると、大切な番が不機嫌そうな顔をして天帝を睨みつけていた。
だが、その髪も目も、リシュデリュアルの知る色ではなくなっていた。
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