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礼をするには
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フィートルは飛ぶ前の森に戻っていた。
アイゼファルが災厄と戦ったことで森はだいぶ荒れていた。
しばらく歩いていると魔素溜まりが見つかった。大きさから言って災厄が出現したのがこれだろう。
フィートルは棒を手に持ち、魔素溜まりをかき混ぜ始めた。災厄が出たばかりだからなのか、魔素溜まりは重たかった。最初の一手がなかなか動かず手こずるが、動き始めればその勢いで棒を回すことが容易くなる。
しばらくして、フードを外していた事に気が付き、片手でフードを被り直した。
ひたすらに混ぜ続ける作業をしていると、汗がじんわりと滲んでくる。流れる程ではないけれど。
随分と時間がかかったと気づいたのは、森の木々の間から見える赤い夕日の光からだった。
夜が来る前に作業を終わらせなくてはならない。フィートルは棒握る手に更に魔力を込めて流し込む。
森の中に光が届かなくなった頃、ようやくフィートルの前に大地が現れた。時間はギリギリで良くない気配が動き始めていた。
腰のポーチから小さな回復薬を取り出し飲み干すと、手の震えが治まった。魔力切れ寸前の症状は何とか治まったものの、手のひらは驚くほど白くなっていた。
何かの気配を感じたので、咄嗟に防御を張ろうとしたところ、
「みーつけた」
声がして、何かが自身の上に落ちてきた。
軽い衝撃と、温かな何かはフィートルの全身を包み込んだ。
「お前」
近すぎる距離に知っている顔があった。知っているとは言っても、ほんの少し前に知った程度の顔だ。
「僕はまだ、お礼をしてないからいいんだよね?」
首に回された手が邪魔で、顔を動かせないままでいたらそのまま地面にくずれおちた。
「あれ?」
支えて貰えなかった事にリシュデリュアルは首を傾げた。自分より小柄ではあるものの、人族としては平均的な体格をしていたと思う。外でこうして活動をしているだけに、筋肉もあるし、骨格もしっかりしていると思っていたのに。
「もしかして、魔力切れ?」
下にいる顔を覗き込むと言うより、既に額がくっついている。触れ合う肌から魔力の流れを感じるが、その程度で補えるとは思えないほど下にいる人族からは力を感じなかった。
「……そうだな」
黒い瞳が納得したように見ている。
「うん、なぁに?」
リシュデリュアルは嬉しそうにフィートルを見た。
「礼をしてくれると言うのなら、お前の魔力をよこせ」
長い髪を後ろで一つに編み飲んでいたリシュデリュアルの、その髪をフィートルは引っ張った。
「え、痛い……ん」
髪を引っ張られるなんて、そうそうありえない経験で、リシュデリュアルは思わず声が出た。
開いた口に触れたそれが、そのまま輪郭を舐めとり、中に入ってきた。
肌よりも粘膜からの方が効率よく摂取できるとは知っていた。
知っていたが、こうして自分が摂取される側に回るとは思っていなかったため、自分の意思と関係なく口の中を蠢くものが分からないし、飲み込めないままの唾液が下にいる人族の口の中に流れていくことさえ信じられなかった。
いつの間にかに人族の手は髪から後頭部に移動していて、魔力切れを起こしていたらしいので、まだ冷たくその冷たさがリシュデリュアルの頭を冷静に引き戻す。
けれども、自分の喉の近くで、別の誰かが喉を鳴らす音が聞こえて、どうにも落ち着かないのは何故だろう。
確かに魔力をよこせと言われて、讓渡しているのだ。これはその行為であって、それ以上の意味は持たない。持たないはずなのだけれど、リシュデリュアルには経験が無さすぎて対処が、分からなかった。
とりあえず、礼をしているのだから受け入れるのが正しいのだろう。しかしながら、自分の中で好き勝手に動き回る相手がいるというのはなれるものでは無い。
しかも、効率よく取りたいというのがよくわかるほど、粘膜をゆっくりと舐めとるように動いていく。
止められない唾液の流れも、恥ずかしぐらいに量があるような気がして、狼狽えるものの大人しくするしか無かった。
日が落ちていたせいで、時間の流れが分からなかった。
どれぐらいそうしていたのか考えるのがしんどかった。
ようやく離れた口に、糸がひいているのが至近距離で見えてしまい暗いのになぜそれだけが見えてしまったのか気恥しさで目を逸らした。
何よりも、下にいる人族はリシュデリュアルの髪を引っ張って引き離すとか、自分勝手な行動をとっている。痛いとか、言ってもいいのか考えていると、
「重い、どけ」
下にいる人族は、更に自分勝手なことを言ってきた。
「乱暴」
リシュデリュアルは少しだけ涙目になりながら、人族の上から退いた。
横に座るように退けると、人族はゆっくりと上体を起こした。どう見ても竜族であるリシュデリュアルより年下で、体も小さいというのに、態度のでかさは信じられないほどだ。
「礼は受け取った。お前に用はない」
片手で追い払うような仕草を取られれば、竜族としての矜持が多少なりとも傷ついた。
「え、それって…」
確かに礼をするまでは帰らなくていいと言われてはきたが、こんなにもあっさりと終わりにさせられるとは思ってもいなかった。
そもそも、自分が与えられたのは貴重なまなの実で、それも二つもだ。それの礼が魔力の讓渡だと言うのなら、お得すぎるとしか言いようがない。
「飛べないほど魔力を貰ったつもりはないが?」
目の前の人族は、睨むような目線をリシュデリュアルに向けてきていた。早く帰れと、そう言う目をしている。
「え、でも、まなの実二つ分のお礼がこれだけなんて」
リシュデリュアルが困ったような顔をしていると、人族は軽く笑った。
「動けなかったお前が動ける程度の魔力を回復した事に対する礼なんだろう?ならば、俺も今魔力切れで動けなかった」
まるで何事も無かったかのように人族は立ち上がると、リシュデリュアルに背を向けて森の中へと、歩き出した。
「え、なにそれ?」
ちょっとカッコイイとリシュデリュアルは思ってしまった。竜族が相手でも自分を通すのだ。
「あ、待ってよぉ」
礼はもう、受け取ってはくれないようなので、そうでなくついて行くことを許可してもらいたい。
少し走ったところで、直ぐに追いつけた。
本当に歩いていただけのようで、どこかに飛ぶつもりはなかったらしい。
「ねぇ、着いて行ってもいい?」
言いながら既に手を繋いでいた。
最初からスキンシップが過ぎるほどにしてきたが、嫌がる素振りがなかったので、今回も大丈夫なのだろう。振りほどこうとする意思が感じられない。
「好きにしろ」
立ち止まらず、こちらを見るわけでもなく気持ちの分かりにくい答えが帰ってきた。
「嬉しいなぁ」
リシュデリュアルは自分の感情を素直に述べると、繋いだ手に力を込めた。
「どこ行くの?」
「黙って着いてくればいい」
まるきりこちらを見ないので、少し覗き込むようにフードの中を確認すると、暗がりでもほんのり耳が赤いのが確認出来た。
触れ合うのに慣れていないのが分かって嬉しくなった。
「もう夜だよ。どこで休むの?」
「だから、黙れ」
「はーい」
チッという小さな舌打ちが聞こえたけれど、リシュデリュアルはかまわず両腕でしっかりと手を繋ぎ直した。
「歩きにくい」
頭一つ分大きいリシュデリュアルが、寄りかかるようになり少しよろけながらもまだ歩くと、ようやく休める場所に着いたようだった。
「普段は…」
魔力で鍵をしているらしく、ドアノブに手を出した時に軽く光ったのが見えた。
「ベッドは一つしかないからな」
「うん、僕気にしないよ」
「なぜ、お前と寝なくちゃならない」
「えー、ソファーとかありえない」
リシュデリュアルの主張に目を見開いて驚いた顔をしたが、また、チッという舌打ちが聞こえた。
「風呂に入ってから食事にする」
「僕背中流すよ」
「いらん」
ついに手を振りほどかれて、リシュデリュアルは置いていかれた。
魔力でお湯が沸き、風呂は快適だった。
食事もポーチから鍋ごと出てきて、それを台所で温めて皿によそった。パンもチーズも出てきてリシュデリュアルはその光景に目を見開いた。そもそもリシュデリュアルの寝巻きさえ、そのポーチから出てきたのだ。
「すごいね、それ」
「わかりやすく言えば空間魔法の一種だが、根本は闇魔法の重力と時間操作が絡んでいる」
「ふーん、僕には作れないんだ」
「そうだな、闇魔法の使い手にしかこの手のアイテムは作れない」
「それで高値がつくんだ」
リシュデリュアルは納得して、目の前の食事に手を出した。
「すごいね、これ。そこにしまっておくとそのまま保存されるんだ」
「基本、腐ったり壊れたりすることはない」
誰かと食事をするのが久しぶりすぎて、しばらく忘れていた味わうということを少し思い出した。
そうして、ようやく寝る時になりリシュデリュアルをベッドに押し込むと、ここの主であるはずの人族は、
「朝まで絶対にこの部屋を出るなよ」
そう言い残して出ていってしまった。
「一緒に寝たかったな」
リシュデリュアルは多少不満ではあったが、人族の匂いがするベッドに頭まで潜り込み色々ありすぎた一日だったため、疲れて直ぐに寝入ってしまった。
地上で寝るのは初めてなのに、何の恐怖も感じないのはここの主のおかげなのだろう。
アイゼファルが災厄と戦ったことで森はだいぶ荒れていた。
しばらく歩いていると魔素溜まりが見つかった。大きさから言って災厄が出現したのがこれだろう。
フィートルは棒を手に持ち、魔素溜まりをかき混ぜ始めた。災厄が出たばかりだからなのか、魔素溜まりは重たかった。最初の一手がなかなか動かず手こずるが、動き始めればその勢いで棒を回すことが容易くなる。
しばらくして、フードを外していた事に気が付き、片手でフードを被り直した。
ひたすらに混ぜ続ける作業をしていると、汗がじんわりと滲んでくる。流れる程ではないけれど。
随分と時間がかかったと気づいたのは、森の木々の間から見える赤い夕日の光からだった。
夜が来る前に作業を終わらせなくてはならない。フィートルは棒握る手に更に魔力を込めて流し込む。
森の中に光が届かなくなった頃、ようやくフィートルの前に大地が現れた。時間はギリギリで良くない気配が動き始めていた。
腰のポーチから小さな回復薬を取り出し飲み干すと、手の震えが治まった。魔力切れ寸前の症状は何とか治まったものの、手のひらは驚くほど白くなっていた。
何かの気配を感じたので、咄嗟に防御を張ろうとしたところ、
「みーつけた」
声がして、何かが自身の上に落ちてきた。
軽い衝撃と、温かな何かはフィートルの全身を包み込んだ。
「お前」
近すぎる距離に知っている顔があった。知っているとは言っても、ほんの少し前に知った程度の顔だ。
「僕はまだ、お礼をしてないからいいんだよね?」
首に回された手が邪魔で、顔を動かせないままでいたらそのまま地面にくずれおちた。
「あれ?」
支えて貰えなかった事にリシュデリュアルは首を傾げた。自分より小柄ではあるものの、人族としては平均的な体格をしていたと思う。外でこうして活動をしているだけに、筋肉もあるし、骨格もしっかりしていると思っていたのに。
「もしかして、魔力切れ?」
下にいる顔を覗き込むと言うより、既に額がくっついている。触れ合う肌から魔力の流れを感じるが、その程度で補えるとは思えないほど下にいる人族からは力を感じなかった。
「……そうだな」
黒い瞳が納得したように見ている。
「うん、なぁに?」
リシュデリュアルは嬉しそうにフィートルを見た。
「礼をしてくれると言うのなら、お前の魔力をよこせ」
長い髪を後ろで一つに編み飲んでいたリシュデリュアルの、その髪をフィートルは引っ張った。
「え、痛い……ん」
髪を引っ張られるなんて、そうそうありえない経験で、リシュデリュアルは思わず声が出た。
開いた口に触れたそれが、そのまま輪郭を舐めとり、中に入ってきた。
肌よりも粘膜からの方が効率よく摂取できるとは知っていた。
知っていたが、こうして自分が摂取される側に回るとは思っていなかったため、自分の意思と関係なく口の中を蠢くものが分からないし、飲み込めないままの唾液が下にいる人族の口の中に流れていくことさえ信じられなかった。
いつの間にかに人族の手は髪から後頭部に移動していて、魔力切れを起こしていたらしいので、まだ冷たくその冷たさがリシュデリュアルの頭を冷静に引き戻す。
けれども、自分の喉の近くで、別の誰かが喉を鳴らす音が聞こえて、どうにも落ち着かないのは何故だろう。
確かに魔力をよこせと言われて、讓渡しているのだ。これはその行為であって、それ以上の意味は持たない。持たないはずなのだけれど、リシュデリュアルには経験が無さすぎて対処が、分からなかった。
とりあえず、礼をしているのだから受け入れるのが正しいのだろう。しかしながら、自分の中で好き勝手に動き回る相手がいるというのはなれるものでは無い。
しかも、効率よく取りたいというのがよくわかるほど、粘膜をゆっくりと舐めとるように動いていく。
止められない唾液の流れも、恥ずかしぐらいに量があるような気がして、狼狽えるものの大人しくするしか無かった。
日が落ちていたせいで、時間の流れが分からなかった。
どれぐらいそうしていたのか考えるのがしんどかった。
ようやく離れた口に、糸がひいているのが至近距離で見えてしまい暗いのになぜそれだけが見えてしまったのか気恥しさで目を逸らした。
何よりも、下にいる人族はリシュデリュアルの髪を引っ張って引き離すとか、自分勝手な行動をとっている。痛いとか、言ってもいいのか考えていると、
「重い、どけ」
下にいる人族は、更に自分勝手なことを言ってきた。
「乱暴」
リシュデリュアルは少しだけ涙目になりながら、人族の上から退いた。
横に座るように退けると、人族はゆっくりと上体を起こした。どう見ても竜族であるリシュデリュアルより年下で、体も小さいというのに、態度のでかさは信じられないほどだ。
「礼は受け取った。お前に用はない」
片手で追い払うような仕草を取られれば、竜族としての矜持が多少なりとも傷ついた。
「え、それって…」
確かに礼をするまでは帰らなくていいと言われてはきたが、こんなにもあっさりと終わりにさせられるとは思ってもいなかった。
そもそも、自分が与えられたのは貴重なまなの実で、それも二つもだ。それの礼が魔力の讓渡だと言うのなら、お得すぎるとしか言いようがない。
「飛べないほど魔力を貰ったつもりはないが?」
目の前の人族は、睨むような目線をリシュデリュアルに向けてきていた。早く帰れと、そう言う目をしている。
「え、でも、まなの実二つ分のお礼がこれだけなんて」
リシュデリュアルが困ったような顔をしていると、人族は軽く笑った。
「動けなかったお前が動ける程度の魔力を回復した事に対する礼なんだろう?ならば、俺も今魔力切れで動けなかった」
まるで何事も無かったかのように人族は立ち上がると、リシュデリュアルに背を向けて森の中へと、歩き出した。
「え、なにそれ?」
ちょっとカッコイイとリシュデリュアルは思ってしまった。竜族が相手でも自分を通すのだ。
「あ、待ってよぉ」
礼はもう、受け取ってはくれないようなので、そうでなくついて行くことを許可してもらいたい。
少し走ったところで、直ぐに追いつけた。
本当に歩いていただけのようで、どこかに飛ぶつもりはなかったらしい。
「ねぇ、着いて行ってもいい?」
言いながら既に手を繋いでいた。
最初からスキンシップが過ぎるほどにしてきたが、嫌がる素振りがなかったので、今回も大丈夫なのだろう。振りほどこうとする意思が感じられない。
「好きにしろ」
立ち止まらず、こちらを見るわけでもなく気持ちの分かりにくい答えが帰ってきた。
「嬉しいなぁ」
リシュデリュアルは自分の感情を素直に述べると、繋いだ手に力を込めた。
「どこ行くの?」
「黙って着いてくればいい」
まるきりこちらを見ないので、少し覗き込むようにフードの中を確認すると、暗がりでもほんのり耳が赤いのが確認出来た。
触れ合うのに慣れていないのが分かって嬉しくなった。
「もう夜だよ。どこで休むの?」
「だから、黙れ」
「はーい」
チッという小さな舌打ちが聞こえたけれど、リシュデリュアルはかまわず両腕でしっかりと手を繋ぎ直した。
「歩きにくい」
頭一つ分大きいリシュデリュアルが、寄りかかるようになり少しよろけながらもまだ歩くと、ようやく休める場所に着いたようだった。
「普段は…」
魔力で鍵をしているらしく、ドアノブに手を出した時に軽く光ったのが見えた。
「ベッドは一つしかないからな」
「うん、僕気にしないよ」
「なぜ、お前と寝なくちゃならない」
「えー、ソファーとかありえない」
リシュデリュアルの主張に目を見開いて驚いた顔をしたが、また、チッという舌打ちが聞こえた。
「風呂に入ってから食事にする」
「僕背中流すよ」
「いらん」
ついに手を振りほどかれて、リシュデリュアルは置いていかれた。
魔力でお湯が沸き、風呂は快適だった。
食事もポーチから鍋ごと出てきて、それを台所で温めて皿によそった。パンもチーズも出てきてリシュデリュアルはその光景に目を見開いた。そもそもリシュデリュアルの寝巻きさえ、そのポーチから出てきたのだ。
「すごいね、それ」
「わかりやすく言えば空間魔法の一種だが、根本は闇魔法の重力と時間操作が絡んでいる」
「ふーん、僕には作れないんだ」
「そうだな、闇魔法の使い手にしかこの手のアイテムは作れない」
「それで高値がつくんだ」
リシュデリュアルは納得して、目の前の食事に手を出した。
「すごいね、これ。そこにしまっておくとそのまま保存されるんだ」
「基本、腐ったり壊れたりすることはない」
誰かと食事をするのが久しぶりすぎて、しばらく忘れていた味わうということを少し思い出した。
そうして、ようやく寝る時になりリシュデリュアルをベッドに押し込むと、ここの主であるはずの人族は、
「朝まで絶対にこの部屋を出るなよ」
そう言い残して出ていってしまった。
「一緒に寝たかったな」
リシュデリュアルは多少不満ではあったが、人族の匂いがするベッドに頭まで潜り込み色々ありすぎた一日だったため、疲れて直ぐに寝入ってしまった。
地上で寝るのは初めてなのに、何の恐怖も感じないのはここの主のおかげなのだろう。
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