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さまよう
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「っこれは、本当に」
森の中に一歩踏み入れた途端に思わず声が出た。
だが、何がそうなのか、まるで分からなかった。
腰に下げている一本の棒、それさえも使い方が分からない。肌に感じる魔物の気配が、こんな棒一本で太刀打ちできるとは到底思えなかった。
だがしかし、持ち合わせている武器と呼べるのはこの棒一本しかない。
仕方なくそれを手にしてみると、よく手に馴染んでいた。手のひらから、使い方を全て理解した。この棒が伸びること、そして、この棒に魔力を乗せることを。
「はあっ」
左手で棒を握りしめ、振り抜きざまに伸ばし魔力を乗せる。なぎ払うように棒を動かすと、乗せた魔力が周りにいる魔物を打ち消した。乗せた魔力が当たった魔物は、何をするでもなくそのまま霧散した。
その後に赤い石が落ちたが、男はそれが何が分からなかった。とりあえず拾い集め腰に着いている袋にしまい込む。赤い石を入れてもいっぱいにならないし、手を入れると違うものが取り出せた。
水の入った水筒が欲しかったわけではないが、何かを口に含むことで、気持ちが落ち着いた。
「人の気配……」
少し離れたところに複数の気配があった。
何かを知りたくて、男はそちらに向かって歩き出した。
オオカミ型の魔物十匹程に、冒険者と思しき男たちが対峙していた。
前衛に剣を構える剣士と、後衛に魔道士がいる典型的なパーティだった。
だが、四人は戦い慣れていないのか、前衛二人の剣士が魔物に剣を振っている間に、後衛の魔道士が補助の魔法を放つのがやや遅い。連携が上手く取れていないのか、ジリジリと距離が縮められていく。安全な距離間が今にもなくなりそうになっていた。
冒険者のプライドを傷付けるのも如何なものかと思ったが、目の前に死人が出る方が後味が悪いと判断して、魔力を放った。
棒に乗せた魔力は、オオカミ型の魔物たちを一瞬で霧散させた。後にはまた魔石が散らばる。
「嘘だろ…」
目の前で起きたことを信じられず、冒険者たちはその向こうに佇む人物を見た。
黒いフードで顔を隠した、中肉中背の男が棒を一本手にして立っていた。
フードから、少しだけ見えるのは黒髪だった。
この世界において、髪の色は己の魔力を示す色。
黒はすなわち闇魔法。使い手は多くない。ギルドに紹介を出せば、闇魔法の使い手は世界中から声がかかるぐらい希少な存在だ。
しかも、ここまで圧倒的な魔力を振るえる人物はそうそういない。剣ではなく棒一本でここまでの力を放てる人物。ギルドに登録されず、かつ世界中が知り得るただ一人の人物。
冒険者たちは、目の前にいる男の正体を正しく理解しながらも、言葉に出せないでいた。
「すまない、勝手をした」
抑揚のない声ではあったが、耳によく通る綺麗な声だった。訛りのない話し方から地方の者でないと理解出来る。
男はそう言いながら、手にしていた棒を腰に提げる。先程まで男の身長ほどあったはずなのに、腰に提げた時には短剣ほどの長さになっていた。
冒険者たちは、その動きをたた見ていた。礼を言わねばとは思いつつも、言葉を発することが躊躇われた。
「恐れながら……」
ようやく、剣士が口を開いた。
確認しなくてはならない大切なことだ。
「うん?」
フードで隠れて表情は見えないが、軽く小首を傾げた仕草をしたようだ。
「まさかとは思いますが、シヴィシス帝国の第三王子でいらっしゃいますか?」
剣士からの意外な言葉に、男は黙った。
「冒険者のため、あまり畏まれないことを許して欲しい。助かった。ありがとう」
「…ああ」
男は返事をしつつも考える。
(俺が王子?)
「世間に出回る噂だと、シヴィシス帝国の第三王子は黒髪に黒い瞳、類稀なる闇魔法の使い手となっている。フードから見える髪が真っ黒だ。そこまでの黒髪はそうそういない」
剣士がつらつらと喋るので、男はようやく理解した。
世間に流れる噂だけで聞く第三王子の特徴を持っているから、そうなのではないか?という推測をぶつけてきたのだ。当たっていれば一大事ということだろう。
「闇魔法を操れる人物が希少だ」
更に付け足された項目に、男は納得した。覚えてはいないが、使い方は自然だった。
忘れてはいるが、どこかに行こうとしていた。
しかしながら、国の名前を聞いたところで帰り方が分からない。そもそもここがどこなのか?
「…ならば」
声に出してから考える。何が、得策なのか。
「俺にあったことを忘れろ。それはお前たちにくれてやる」
「わ、わかっ、た」
静かな物言いだが、気圧されるような言葉に剣士がようやく返事をした。魔道士は杖を握りしめて立っているのがやっとの様子。
男は踵を返し森の中に消えていった。
男の気配が完全に無くなったのを確認して、ようやく冒険者たちは動いた。
「あ、あの、助かった?」
杖を握りしめたまま魔道士がその場にへたり込んだ。支えがあっても立ってはいられなかったようだ。
「礼も言ったし、名前を呼ばなかったから大丈夫だろう」
剣を片手にようやく戦士が目の前の魔石を拾い始めた。
「口止め料?」
「王子様にとってはこの程度の魔石は不必要ってことなんだろう」
「俺たちからしたら、お宝なんだがな」
傷のない魔石が十数個、価値は高い。売ればパーティ四人で一ヶ月は楽に暮らせる。毎晩酒も飲めるだろう。
「依頼も達成してるし、とにかく街に帰ろう」
冒険者たちは、魔物の気配に気を配りなが、森をあとにした。
「お疲れ、仕事は出来たのか?」
「お陰様で」
街の入口にいる門番に、ギルドカードを見せるとお約束の会話になる。
冒険者が夕方に戻ってくると言うことは、依頼がこなされたということだろう。
ギルドに向かって歩いていると、顔見知りの冒険者が駆け寄ってきた。
「おい!」
肩を掴んで険しい顔をされたので、思わず眉根を寄せた。何事なのか?
「どうしたんだ?」
「お前たち、森にいってたんだよな?」
「ああ、そうだけど」
「ギルドに兵士が来てるんだ。森に入った冒険者に片っ端から接触してきてる」
「まじか?」
先程森であったことが脳裏によぎり、剣士は唾を飲み込んだ。
「なんか、大事みたいなんだ。素直に対応した方がいいぜ」
「ありがとな」
片手で例を言いつつも、仲間と顔を見合わせる。
魔石は各自で分配した後だ。
目線で確認をしながら、そのままギルドに向かう。冒険者として達成した依頼を報告しない訳にはいかない。
ギルドに入ると、確かに兵士がいた。普段見かけないような高級な服を着た文官らしき人物が椅子に座っている。
それを横目で見つつ、カウンターで依頼の達成報告をして報酬を受け取る。いつもならその流れで魔石を鑑定して買取を頼むところだが、今日に限っては怖くて出来なかった。
カウンターを離れたところで、兵士が近づいてきた。
「話がある」
有無を言わせない態度に従うしか無かった。
連れていかれたのは、やはり文官らしき人物の前だった。
「お前たちは、今日森に行ったか?」
予想していた質問に、パーティメンバーで顔を見合わせる。
「はい」
代表してやはり戦士が答えた。
「森で誰かに会わなかったか?」
ニヤリと笑いながら文官が聞いてきた。
その言い方は、まるで何か知っているふうにも聞こえた。
冒険者たちは、森であったことを自分の内で反復する。既に受け取ってしまった物がある以上、返答につまる。
「森の中で闇魔法を行使した反応があった」
その言葉に剣士の喉が上下する。
文官はいやらしくも、それを見ていた。
「何、大丈夫だ。不義理にはならん」
文官の言い方に戦士の肩が震えた。魔道士は隣のメンバーの服を握りしめている。
周りにいる冒険者たちは、そのやり取りを見守っていた。
「森の中で、闇魔法を見たか?」
確かに、その質問は約束の反故にはあたらなかった。
戦士は横目でパーティメンバーを見ると、深呼吸をしてから答えた。
「見ました」
森の中に一歩踏み入れた途端に思わず声が出た。
だが、何がそうなのか、まるで分からなかった。
腰に下げている一本の棒、それさえも使い方が分からない。肌に感じる魔物の気配が、こんな棒一本で太刀打ちできるとは到底思えなかった。
だがしかし、持ち合わせている武器と呼べるのはこの棒一本しかない。
仕方なくそれを手にしてみると、よく手に馴染んでいた。手のひらから、使い方を全て理解した。この棒が伸びること、そして、この棒に魔力を乗せることを。
「はあっ」
左手で棒を握りしめ、振り抜きざまに伸ばし魔力を乗せる。なぎ払うように棒を動かすと、乗せた魔力が周りにいる魔物を打ち消した。乗せた魔力が当たった魔物は、何をするでもなくそのまま霧散した。
その後に赤い石が落ちたが、男はそれが何が分からなかった。とりあえず拾い集め腰に着いている袋にしまい込む。赤い石を入れてもいっぱいにならないし、手を入れると違うものが取り出せた。
水の入った水筒が欲しかったわけではないが、何かを口に含むことで、気持ちが落ち着いた。
「人の気配……」
少し離れたところに複数の気配があった。
何かを知りたくて、男はそちらに向かって歩き出した。
オオカミ型の魔物十匹程に、冒険者と思しき男たちが対峙していた。
前衛に剣を構える剣士と、後衛に魔道士がいる典型的なパーティだった。
だが、四人は戦い慣れていないのか、前衛二人の剣士が魔物に剣を振っている間に、後衛の魔道士が補助の魔法を放つのがやや遅い。連携が上手く取れていないのか、ジリジリと距離が縮められていく。安全な距離間が今にもなくなりそうになっていた。
冒険者のプライドを傷付けるのも如何なものかと思ったが、目の前に死人が出る方が後味が悪いと判断して、魔力を放った。
棒に乗せた魔力は、オオカミ型の魔物たちを一瞬で霧散させた。後にはまた魔石が散らばる。
「嘘だろ…」
目の前で起きたことを信じられず、冒険者たちはその向こうに佇む人物を見た。
黒いフードで顔を隠した、中肉中背の男が棒を一本手にして立っていた。
フードから、少しだけ見えるのは黒髪だった。
この世界において、髪の色は己の魔力を示す色。
黒はすなわち闇魔法。使い手は多くない。ギルドに紹介を出せば、闇魔法の使い手は世界中から声がかかるぐらい希少な存在だ。
しかも、ここまで圧倒的な魔力を振るえる人物はそうそういない。剣ではなく棒一本でここまでの力を放てる人物。ギルドに登録されず、かつ世界中が知り得るただ一人の人物。
冒険者たちは、目の前にいる男の正体を正しく理解しながらも、言葉に出せないでいた。
「すまない、勝手をした」
抑揚のない声ではあったが、耳によく通る綺麗な声だった。訛りのない話し方から地方の者でないと理解出来る。
男はそう言いながら、手にしていた棒を腰に提げる。先程まで男の身長ほどあったはずなのに、腰に提げた時には短剣ほどの長さになっていた。
冒険者たちは、その動きをたた見ていた。礼を言わねばとは思いつつも、言葉を発することが躊躇われた。
「恐れながら……」
ようやく、剣士が口を開いた。
確認しなくてはならない大切なことだ。
「うん?」
フードで隠れて表情は見えないが、軽く小首を傾げた仕草をしたようだ。
「まさかとは思いますが、シヴィシス帝国の第三王子でいらっしゃいますか?」
剣士からの意外な言葉に、男は黙った。
「冒険者のため、あまり畏まれないことを許して欲しい。助かった。ありがとう」
「…ああ」
男は返事をしつつも考える。
(俺が王子?)
「世間に出回る噂だと、シヴィシス帝国の第三王子は黒髪に黒い瞳、類稀なる闇魔法の使い手となっている。フードから見える髪が真っ黒だ。そこまでの黒髪はそうそういない」
剣士がつらつらと喋るので、男はようやく理解した。
世間に流れる噂だけで聞く第三王子の特徴を持っているから、そうなのではないか?という推測をぶつけてきたのだ。当たっていれば一大事ということだろう。
「闇魔法を操れる人物が希少だ」
更に付け足された項目に、男は納得した。覚えてはいないが、使い方は自然だった。
忘れてはいるが、どこかに行こうとしていた。
しかしながら、国の名前を聞いたところで帰り方が分からない。そもそもここがどこなのか?
「…ならば」
声に出してから考える。何が、得策なのか。
「俺にあったことを忘れろ。それはお前たちにくれてやる」
「わ、わかっ、た」
静かな物言いだが、気圧されるような言葉に剣士がようやく返事をした。魔道士は杖を握りしめて立っているのがやっとの様子。
男は踵を返し森の中に消えていった。
男の気配が完全に無くなったのを確認して、ようやく冒険者たちは動いた。
「あ、あの、助かった?」
杖を握りしめたまま魔道士がその場にへたり込んだ。支えがあっても立ってはいられなかったようだ。
「礼も言ったし、名前を呼ばなかったから大丈夫だろう」
剣を片手にようやく戦士が目の前の魔石を拾い始めた。
「口止め料?」
「王子様にとってはこの程度の魔石は不必要ってことなんだろう」
「俺たちからしたら、お宝なんだがな」
傷のない魔石が十数個、価値は高い。売ればパーティ四人で一ヶ月は楽に暮らせる。毎晩酒も飲めるだろう。
「依頼も達成してるし、とにかく街に帰ろう」
冒険者たちは、魔物の気配に気を配りなが、森をあとにした。
「お疲れ、仕事は出来たのか?」
「お陰様で」
街の入口にいる門番に、ギルドカードを見せるとお約束の会話になる。
冒険者が夕方に戻ってくると言うことは、依頼がこなされたということだろう。
ギルドに向かって歩いていると、顔見知りの冒険者が駆け寄ってきた。
「おい!」
肩を掴んで険しい顔をされたので、思わず眉根を寄せた。何事なのか?
「どうしたんだ?」
「お前たち、森にいってたんだよな?」
「ああ、そうだけど」
「ギルドに兵士が来てるんだ。森に入った冒険者に片っ端から接触してきてる」
「まじか?」
先程森であったことが脳裏によぎり、剣士は唾を飲み込んだ。
「なんか、大事みたいなんだ。素直に対応した方がいいぜ」
「ありがとな」
片手で例を言いつつも、仲間と顔を見合わせる。
魔石は各自で分配した後だ。
目線で確認をしながら、そのままギルドに向かう。冒険者として達成した依頼を報告しない訳にはいかない。
ギルドに入ると、確かに兵士がいた。普段見かけないような高級な服を着た文官らしき人物が椅子に座っている。
それを横目で見つつ、カウンターで依頼の達成報告をして報酬を受け取る。いつもならその流れで魔石を鑑定して買取を頼むところだが、今日に限っては怖くて出来なかった。
カウンターを離れたところで、兵士が近づいてきた。
「話がある」
有無を言わせない態度に従うしか無かった。
連れていかれたのは、やはり文官らしき人物の前だった。
「お前たちは、今日森に行ったか?」
予想していた質問に、パーティメンバーで顔を見合わせる。
「はい」
代表してやはり戦士が答えた。
「森で誰かに会わなかったか?」
ニヤリと笑いながら文官が聞いてきた。
その言い方は、まるで何か知っているふうにも聞こえた。
冒険者たちは、森であったことを自分の内で反復する。既に受け取ってしまった物がある以上、返答につまる。
「森の中で闇魔法を行使した反応があった」
その言葉に剣士の喉が上下する。
文官はいやらしくも、それを見ていた。
「何、大丈夫だ。不義理にはならん」
文官の言い方に戦士の肩が震えた。魔道士は隣のメンバーの服を握りしめている。
周りにいる冒険者たちは、そのやり取りを見守っていた。
「森の中で、闇魔法を見たか?」
確かに、その質問は約束の反故にはあたらなかった。
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