【完結】白雪姫ってそんなんだけど、俺は絶対お断りだ

久乃り

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七人の小人?

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 さて、隣の国に逃げるにはこの森を抜けて、さらに山をこえなくてはならない。
 ポーチの中には日持ちする食料と水を沢山入れてきた。まぁ、マジックアイテムなので、中のものは腐るなんてことは無いのだけれど。
 とりあえず、今夜安全に過ごせそうな横穴を探してそこに身を潜めた。
 特に獣が使っている痕跡はなかったので、枯れ枝なんかで入口を塞いだ。
 ポーチから毛布を取り出して、その上に座りサンドイッチを取りだした。飲み物は水。

 今日の行動を考えると、著作権が切れていても強制力が働くとは驚きだ。

 と、なると、どんなに頑張っても俺は7人の小人の住む小屋にたどり着いてしまうのだろう。

 せっかくたくさんの食料や飲み物をポーチに入れて来たというのに。
 お腹なんて空いてないし、ベッドで寝たいとも思っていないのに。

 森の中をサクサクと歩いて、俺は強制力の恐ろしさを思い知らされた。

 雨が降ってきたのだ。

 雨宿りをしなくては。

 傘なんて、用意していなかった。

 そして、強制力様様で、俺はひとつの小屋にたどり着いてしまった。
 ログハウス風の小屋だ。
 雨宿りをするだけなら、軒先で十分なほどの作りになっていた。
 馬小屋もあるので、身を潜めるなら馬小屋にしようと思った。
 とにかく、建物の中に入ってはいけない。
 広い軒先は、おそらく仕事道具なんかを置く場所なのだろう。とりあえずそこに入らせてもらい、雨宿りをした。
 覗いてみると、馬小屋には馬がいない。馬を連れて仕事に行っているということか。
 夜になって、遠くから馬の蹄の音がした。俺は小屋の作りが高床式に近い構造を幸いとし、そこに潜り込んだ。間違っても小人たちに会ってはいけない。
 馬が止まると、後ろにソリが取り付けられていたのが見えた。どうやら移動手段後して、馬にそりを引かせているようだ。
 小人たちは馬を馬小屋に入れ、水と飼い葉を与えて、ソリを小屋の脇にしまって、小屋の中に入って行った。
 下から観察した限り、小人たちは俺より少し小さいぐらいに見えた。声を聞く限り、小人というよりもショタだった。
 声変わりをしていないような高めの声だった。ボーイソプラノとでも言うのだろうか?イメージでは背の低いおじさんたちって、感じだったのだが?
 とりあえず、小屋の下で毛布を羽織って、膝を抱えて眠ることにした。馬小屋にいって、うっかり馬を刺激すると厄介だからな。
 雨の音は少しうるさいが、俺は毛布に包まれて安心して眠りについた。


「………………」
 何故だろう?目の前に小人がいる。
 いや、俺と同じショタだ。
 クリクリお目目の可愛らしい顔をした、ショタが俺を見つめている。
 もう、嫌な予感しかしない。
 多分、合法ショタというやつだろう。
 白雪姫に出てくる小人たちは、先天性の異常のために成長出来なかった人が、森に追いやられて生活していたという設定だったはず。
 で、今目の前にいる小人は、どっからどう見てもショタだ。
「ねぇ、ねぇ、君可愛いね?どうしてこんな所にいるのかなぁ?」
 コテンの首を傾げる仕草は大変に可愛らしい。合法ショタならではの必殺技だ。
「雨宿りを」
「そっかぁ……」
 小人はそう言いつつも、ニコニコと笑い立ち去る気配がない。
 俺は本能的に逃げの選択をした。
 雨は止んでいる。
 食料は持っている。
 もはや、ここに用はない。
「雨も止んでいるので、もうここには用はありませんから」
 俺は軽く礼を述べると、毛布をポーチにしまい込み、床下から外に出た。
 予想通り、外には馬にそりを着けた状態で、他の小人たちが、スタンバっていた。
 6人の目線がいっせいに俺にむく。
「君、可愛いね」
 一人が俺の顔を見て、そう言うと、他も口々に俺を褒める。いや、褒められても何も出ないし、よく見たら他の六人も、合法ショタじゃねーか。
 これはもしかしなくても、BL修正入ってるな。その強制力とかも、いらない。
「雨宿りをしていました。勝手に借りてすみません。雨がやんだようなので、俺はこれで失礼します」
 深々と頭を下げて立ち去ろうとしたら、腕を掴まれた。
「どこに行くのか知らないけれど、良かったら乗っていきなよ」
 そりに乗ることを勧められた。
 いや、それに乗ったらあんたらの仕事場に連れていかれちゃうじゃん。
 確か鉱山で鉱石掘ってるんだよな?
 手伝いとか無理だし。
「いえ、結構です。歩けますから」
 こういう時はハッキリと断らないとな。曖昧なことを言うとつけ込まれる。
 その場を立ち去ろうとしたら、強引に腕を掴まれてそりに引きづりこまれた。
 俺がそりに乗ったのを確認した途端、馬を走らせるのだから確信犯だ。

 ほぼ誘拐に近い。

 俺はろくな抵抗も出来ずに、そりに乗せられてしまった。
「いや、乗らないっていっただろ!」
 俺が文句を言うと、小人たちは気にもとめずに笑顔を俺に向ける。
「少しぐらいいいじゃない」
 合法ショタたちは、すごく積極的で俺の体を押さえつけてくる。まぁ、そりの中で立ち上がったら危ないからな。
 いや、押さえる場所がおかしい。

 股間に触るな。

「言っときますけど、俺は見たまんままだ15の子どもだからな」
 俺がそう言うと、小人たちはだいぶ驚いたようだ。
「え?本物のショタっこと?」
「信じられない、嘘でしょう?」
 口々に勝手を言うが、嘘では無いので俺はムッとした顔をする。
 すると、困ったことに小人たちは確認だ。などど言い出して、俺の下履を取り去った。
「……………」
 小人たちの14の瞳が俺の股間に集中する。
 しばしの沈黙の後、小人たちが叫んだ。
「すごい!ぱいぱん?」
「ピンクで可愛いよ」
「本物だよ、本物!」
 俺はどうにもいたたまれない状況に陥ってしまった。
 まだ子どもの俺の股間は、確かにそんなもんだ。
 体毛が薄いだけで、それなりに生えてはいる。断じて、ショタコン変態エロ親父が剃っていたわけではない。
「で?信じたのか?」
「はーい」
 小人たちの、返事は揃っていた。


 俺は、何とか解放されようとおもったのだが、さすがは鉱山、働く合法ショタである。
 腕力が違った。
 狩人なんて目じゃなかった。
 こりゃあ、白雪姫も、抱かれるわ。
 小人たちは可愛らしい顔に対して、なかなか筋肉のついた逞しい身体をしていたのだ。
 って、俺は筋肉マニアではない。
 まぁ、あのショタコン変態エロ親父と比べたら、小人たちの身体は確かに魅力的ではある。が、俺は好きであんなことをしていた訳では無い。
 生きるために仕方なしにしていただけだ。
 そして今、食べる事に困った訳ではなく、寝る場所がなかった訳でもない。行くところがなくて困ってい訳でもない。

 そう、小人たちの、庇護下に置いて欲しい訳では無いのだ。

 だから、お誘いはお断りだ。

「えーだって君、勝手に小屋の下で寝てたじゃない」
 そんな言いがかりを言われては、どうにもならない。
 あんなところで寝ただけで、関係を迫られるなんてたまったものじゃない。
「床下の地面で寝ていだけで、そんなのむちゃくちゃだ。そりだって強引に引きづりこんだじゃないか」
 俺は猛烈に抗議した。自己主張は大切だ。流されては行けない。

 だいたい、七人も相手になんかできない。

「じゃあ、せめて1回」
 拝まれたが断る。
「俺まだ童貞処女だから、そんなんで失うとかないから」
 ハッキリと、言ってやると小人たちはあからさまに落胆していた。
「じゃあ、舐めるだけ」
 何がじゃあなんだよ。それがじゃあの、内容かよ。
「明日は、鉱石を街に売りに行くんだよ。ついでに街までおくっていくから、ね?」
 うわぁ、ものすごく魅力的なお誘い。これはいい。街まで歩かなくて済む。だがしかし、身体を舐められる。しかも七人、か。
 また何かを失う予感しかない。

 さて、どうする俺?
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