29 / 66
29.秘書の懐旧
しおりを挟む
29
思い返せば、一之瀬義隆という主人は、よくしつけられたドーベルマンのような子どもだった。無駄に泣きわめくことはなく、自分が周囲にどのように見られているのかをよく理解していた。
だから、周囲の子どもがどんなに騒いでいても一人静かにしていたし、そんな場合自分がどのように行動をすれば正解なのかよく理解していた。
だからと言って自己主張が全く無いわけでもなかった。欲しいと思ったものは静かに手に入れるし、邪魔だと思ったものは周囲の大人を利用して綺麗に排除していた。
田中が義隆の自己主張に気がついたきっかけは、ある朝の登校の時の事だった。いつも通り田中は義隆を後部座席に座らせ、シートベルトをしめた。そうしていつもの通学路を走っていると、不意に義隆が口を開いたのだ。
「田中、あの子たちは何故靴の種類がバラバラなんだ?」
赤信号で停車している車の前を、手を挙げて近隣の小学校に登校する子どもたちが歩いていく。いつもの事だから、田中は気にも止めてはいなかった。
「ああ、靴ですか。それはこの辺りの小学校では制服の指定がないからですよ」
なんてことの無い事だと田中がこたえると、義隆はだいぶ驚いたらしい。
「でも、みんな似たようなデザインの靴を履いているみたいだ」
バックミラー越しに義隆の顔を見れば、スっと目を細めて歩道を歩く義隆と歳の近い子どもたちの足元に目線が行っているのがわかった。信号を気にしながら子どもたちの足元を見れば、随分とカラフルな靴を履いているのが分かった。
「男の子は好きなものが似通っていますからね。友だち同士で色違いにしているのかもしれませんね」
走り出してしまったことで、靴のデザインが何なのか確認出来なかったため、田中は当たり障りのない答えを口にした。それで納得したのかどうかは分からないが、義隆はそれきり黙ってしまったのだった。
義隆を送り、戻ってからドライブレコーダーに映し出された登校中の子どもたちの足元を確認した。義隆の身の安全のため、通学路におかしな人物が居ないかをチェックするのは田中の大切な業務だ。
黄色い旗を持つ警備員、それから手を挙げて渡る子どもたち。いつも通りの光景なので、普段ならスルーしておくところではあるが、今日は画像を拡大して念入りにチェックを入れる。そうして田中は子どもたちが履いている靴が何なのか知ることが出来た。そうして急いで義隆の部屋を確認すれば、確かに答えはそこにあった。
「やはり男の子は好きなんですねぇ」
義隆の子どもらしい一面を知り、田中は静かに笑ったのだった。
そうしてその週末、義隆が部屋で静かに本を読んでいると、部屋のドアが突然開いた。ノックもなしに義隆の部屋に入ってくるのは一人しかいない。
「美幸、ドアを開ける前にノックをするよういつも教えているだろう?」
義隆は本を閉じ、椅子から降りて妹の美幸の元へ向かった。まるでワンルームのような造りの子ども部屋であるから、まだ小学校低学年の義隆にとってはだいぶ広い自室だった。
「お父様とお母様が一緒にお出かけしてくださるんですって」
弾んだ妹の声に義隆の動きがピタリと止まった。
父親の運転する車で出かけたのは多分幼稚園の入園式の日だった。と義隆は記憶している。小学校の入学式は、父親が挨拶をする都合で一緒には行かなかった。そう考えると随分と久しぶりである。だが、それが名家一之瀬家に生まれた者にとっての普通である。特に母親はオメガであるから、そう滅多には外出などしない。
着いたのは一之瀬家が管理するショピングモールであった。専用の入口から中に入り、視察ということで前後をショッピングモールの責任者と警備に囲まれている。それでも、父親と母親は手を繋いでいるし、妹は母親と手を繋いでいる。母親と妹はオメガであるから、必然的に義隆は妹と手を繋いだ。家族四人が手を繋いで横に並べは、もう誰もその横を歩くことなど出来なかった。
吹き抜けの反対側の通路には、大勢の人たちが歩いていた。つまり、一之瀬家が来たことによりショッピングモールの通路は大渋滞が起きてしまったのだ。しかしながら、文句を言う人はおらず、それどころか拝んでいる人がいる程だった。
「いらっしゃいませ」
そんな声が聞こえて、義隆がそちらを見れば、そこは靴屋であった。しかも子ども靴の専門店らしい。子どもの目線に合わせて設置された棚には、人気のキャラクターものからブランド物まで、多岐にわたった靴が並べられていた。
「あっ」
そう叫んで美幸が義隆の手を振りほどいて走り出した。慌てて止めようと思ったが、母親が楽しそうにそのあとをついていくのを見て、義隆は立ち止った。妹の美幸が駆け寄ったのは毎日見ているアニメのキャラクターの靴だった。しかし、美幸の通う幼稚園も制服があって靴まで指定されていたはずだ。
(いつ履くつもりなんだ?)
義隆がそう思った時、
「おうちにいるときに履けるわね」
母親がそんなことを口にした。驚いて顔を上げれば、父親と目が合った。
「義隆、お前も選びなさい」
言われて心が跳ねたが、決して顔には出さない。
(黄色い新幹線の靴だ)
静かに歩み寄った棚には、ピカピカに光る靴が並んでいた。あの日見た小学生たちが履いていたものだ。色違い、いや車両違いで現行の新幹線のデザインがすべて揃っていた。義隆の胸が静かに高鳴った。
「サイズはお判りですか?」
驚いて横を見れば、床に膝をついた店員がいた。子どもの目線に合わせた接客なのだろう。見れば美幸にも同じように接客をしている店員がいた。
「サイズ?」
突然の質問に義隆は戸惑った。普段はいている靴にサイズ何て書いてあっただろうか?
「それでは測ってみましょう」
店員は子どもサイズの椅子を持ってきて義隆に座るように促した。
「じゃあ、靴を脱いでこれの上に両足をのせてくださぁい」
カラフルな色合いの板の上に両足を乗せると、踵を合わせるように言われ、そうすると店員が義隆の足を見て言った。
「左足が軸足なのかな?右より少し大きいみたいですね」
そう言って店員は一つの箱を取り出して義隆の前で開いて見せた。
(黄色い新幹線のやつだ)
義隆の喉が鳴った。
「合わせてみましょう」
義隆の両足に黄色い新幹線の靴がはめられた。店員がマジックテープを止めて義隆を見た。
「きつくはないですかぁ?少し歩いてみてくださぁい」
言われて義隆は一歩踏み出した。
「うん」
右が少し緩い気がしたので自分でマジックテープを止めなおしてみる。今度はいい感じで歩くことができた。
「うわぁ、お兄様のかっこいい」
美幸に褒められ悪い気はしなかった。
「いかがですかぁ?」
店員が姿見を見せてきた。そこにはシンプルな外出着を着た義隆が写っていて、足にはピカピカに光る靴があった。
「これからの季節に良さそうな色ね」
「うん、似合っているぞ義隆」
父親と母親に褒められて義隆の頬が紅潮した。
「はい。ありがとうございます」
その後店員が丁寧に包もうとしたが、美幸が駄々をこねてその場で履いてしまった。それを黙って義隆が見つめていると、店員が口を開いた。
「おぼっちゃまもお履きになりますかぁ」
言われた途端、義隆は思わず目をそらした。
「はい、こちらをどうぞ。今はいている靴、紙袋に入れてますね」
その一連の流れが当たり前すぎて、義隆は素直に受け入れた。もちろん、履いていた靴の入った紙袋は田中が受け取っていた。
(自分で持つ。なんて言われなくてよかった)
田中は密かに安堵しつつ、仲睦まじい家族の後ろをそっと歩いたのであった。
後日、黄色い新幹線の靴の箱は、義隆の宝箱の宝箱になったのであった。
思い返せば、一之瀬義隆という主人は、よくしつけられたドーベルマンのような子どもだった。無駄に泣きわめくことはなく、自分が周囲にどのように見られているのかをよく理解していた。
だから、周囲の子どもがどんなに騒いでいても一人静かにしていたし、そんな場合自分がどのように行動をすれば正解なのかよく理解していた。
だからと言って自己主張が全く無いわけでもなかった。欲しいと思ったものは静かに手に入れるし、邪魔だと思ったものは周囲の大人を利用して綺麗に排除していた。
田中が義隆の自己主張に気がついたきっかけは、ある朝の登校の時の事だった。いつも通り田中は義隆を後部座席に座らせ、シートベルトをしめた。そうしていつもの通学路を走っていると、不意に義隆が口を開いたのだ。
「田中、あの子たちは何故靴の種類がバラバラなんだ?」
赤信号で停車している車の前を、手を挙げて近隣の小学校に登校する子どもたちが歩いていく。いつもの事だから、田中は気にも止めてはいなかった。
「ああ、靴ですか。それはこの辺りの小学校では制服の指定がないからですよ」
なんてことの無い事だと田中がこたえると、義隆はだいぶ驚いたらしい。
「でも、みんな似たようなデザインの靴を履いているみたいだ」
バックミラー越しに義隆の顔を見れば、スっと目を細めて歩道を歩く義隆と歳の近い子どもたちの足元に目線が行っているのがわかった。信号を気にしながら子どもたちの足元を見れば、随分とカラフルな靴を履いているのが分かった。
「男の子は好きなものが似通っていますからね。友だち同士で色違いにしているのかもしれませんね」
走り出してしまったことで、靴のデザインが何なのか確認出来なかったため、田中は当たり障りのない答えを口にした。それで納得したのかどうかは分からないが、義隆はそれきり黙ってしまったのだった。
義隆を送り、戻ってからドライブレコーダーに映し出された登校中の子どもたちの足元を確認した。義隆の身の安全のため、通学路におかしな人物が居ないかをチェックするのは田中の大切な業務だ。
黄色い旗を持つ警備員、それから手を挙げて渡る子どもたち。いつも通りの光景なので、普段ならスルーしておくところではあるが、今日は画像を拡大して念入りにチェックを入れる。そうして田中は子どもたちが履いている靴が何なのか知ることが出来た。そうして急いで義隆の部屋を確認すれば、確かに答えはそこにあった。
「やはり男の子は好きなんですねぇ」
義隆の子どもらしい一面を知り、田中は静かに笑ったのだった。
そうしてその週末、義隆が部屋で静かに本を読んでいると、部屋のドアが突然開いた。ノックもなしに義隆の部屋に入ってくるのは一人しかいない。
「美幸、ドアを開ける前にノックをするよういつも教えているだろう?」
義隆は本を閉じ、椅子から降りて妹の美幸の元へ向かった。まるでワンルームのような造りの子ども部屋であるから、まだ小学校低学年の義隆にとってはだいぶ広い自室だった。
「お父様とお母様が一緒にお出かけしてくださるんですって」
弾んだ妹の声に義隆の動きがピタリと止まった。
父親の運転する車で出かけたのは多分幼稚園の入園式の日だった。と義隆は記憶している。小学校の入学式は、父親が挨拶をする都合で一緒には行かなかった。そう考えると随分と久しぶりである。だが、それが名家一之瀬家に生まれた者にとっての普通である。特に母親はオメガであるから、そう滅多には外出などしない。
着いたのは一之瀬家が管理するショピングモールであった。専用の入口から中に入り、視察ということで前後をショッピングモールの責任者と警備に囲まれている。それでも、父親と母親は手を繋いでいるし、妹は母親と手を繋いでいる。母親と妹はオメガであるから、必然的に義隆は妹と手を繋いだ。家族四人が手を繋いで横に並べは、もう誰もその横を歩くことなど出来なかった。
吹き抜けの反対側の通路には、大勢の人たちが歩いていた。つまり、一之瀬家が来たことによりショッピングモールの通路は大渋滞が起きてしまったのだ。しかしながら、文句を言う人はおらず、それどころか拝んでいる人がいる程だった。
「いらっしゃいませ」
そんな声が聞こえて、義隆がそちらを見れば、そこは靴屋であった。しかも子ども靴の専門店らしい。子どもの目線に合わせて設置された棚には、人気のキャラクターものからブランド物まで、多岐にわたった靴が並べられていた。
「あっ」
そう叫んで美幸が義隆の手を振りほどいて走り出した。慌てて止めようと思ったが、母親が楽しそうにそのあとをついていくのを見て、義隆は立ち止った。妹の美幸が駆け寄ったのは毎日見ているアニメのキャラクターの靴だった。しかし、美幸の通う幼稚園も制服があって靴まで指定されていたはずだ。
(いつ履くつもりなんだ?)
義隆がそう思った時、
「おうちにいるときに履けるわね」
母親がそんなことを口にした。驚いて顔を上げれば、父親と目が合った。
「義隆、お前も選びなさい」
言われて心が跳ねたが、決して顔には出さない。
(黄色い新幹線の靴だ)
静かに歩み寄った棚には、ピカピカに光る靴が並んでいた。あの日見た小学生たちが履いていたものだ。色違い、いや車両違いで現行の新幹線のデザインがすべて揃っていた。義隆の胸が静かに高鳴った。
「サイズはお判りですか?」
驚いて横を見れば、床に膝をついた店員がいた。子どもの目線に合わせた接客なのだろう。見れば美幸にも同じように接客をしている店員がいた。
「サイズ?」
突然の質問に義隆は戸惑った。普段はいている靴にサイズ何て書いてあっただろうか?
「それでは測ってみましょう」
店員は子どもサイズの椅子を持ってきて義隆に座るように促した。
「じゃあ、靴を脱いでこれの上に両足をのせてくださぁい」
カラフルな色合いの板の上に両足を乗せると、踵を合わせるように言われ、そうすると店員が義隆の足を見て言った。
「左足が軸足なのかな?右より少し大きいみたいですね」
そう言って店員は一つの箱を取り出して義隆の前で開いて見せた。
(黄色い新幹線のやつだ)
義隆の喉が鳴った。
「合わせてみましょう」
義隆の両足に黄色い新幹線の靴がはめられた。店員がマジックテープを止めて義隆を見た。
「きつくはないですかぁ?少し歩いてみてくださぁい」
言われて義隆は一歩踏み出した。
「うん」
右が少し緩い気がしたので自分でマジックテープを止めなおしてみる。今度はいい感じで歩くことができた。
「うわぁ、お兄様のかっこいい」
美幸に褒められ悪い気はしなかった。
「いかがですかぁ?」
店員が姿見を見せてきた。そこにはシンプルな外出着を着た義隆が写っていて、足にはピカピカに光る靴があった。
「これからの季節に良さそうな色ね」
「うん、似合っているぞ義隆」
父親と母親に褒められて義隆の頬が紅潮した。
「はい。ありがとうございます」
その後店員が丁寧に包もうとしたが、美幸が駄々をこねてその場で履いてしまった。それを黙って義隆が見つめていると、店員が口を開いた。
「おぼっちゃまもお履きになりますかぁ」
言われた途端、義隆は思わず目をそらした。
「はい、こちらをどうぞ。今はいている靴、紙袋に入れてますね」
その一連の流れが当たり前すぎて、義隆は素直に受け入れた。もちろん、履いていた靴の入った紙袋は田中が受け取っていた。
(自分で持つ。なんて言われなくてよかった)
田中は密かに安堵しつつ、仲睦まじい家族の後ろをそっと歩いたのであった。
後日、黄色い新幹線の靴の箱は、義隆の宝箱の宝箱になったのであった。
24
お気に入りに追加
329
あなたにおすすめの小説
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

実はαだった俺、逃げることにした。
るるらら
BL
俺はアルディウス。とある貴族の生まれだが今は冒険者として悠々自適に暮らす26歳!
実は俺には秘密があって、前世の記憶があるんだ。日本という島国で暮らす一般人(サラリーマン)だったよな。事故で死んでしまったけど、今は転生して自由気ままに生きている。
一人で生きるようになって数十年。過去の人間達とはすっかり縁も切れてこのまま独身を貫いて生きていくんだろうなと思っていた矢先、事件が起きたんだ!
前世持ち特級Sランク冒険者(α)とヤンデレストーカー化した幼馴染(α→Ω)の追いかけっ子ラブ?ストーリー。
!注意!
初のオメガバース作品。
ゆるゆる設定です。運命の番はおとぎ話のようなもので主人公が暮らす時代には存在しないとされています。
バースが突然変異した設定ですので、無理だと思われたらスッとページを閉じましょう。
!ごめんなさい!
幼馴染だった王子様の嘆き3 の前に
復活した俺に不穏な影1 を更新してしまいました!申し訳ありません。新たに更新しましたので確認してみてください!
十七歳の心模様
須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない…
ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん
柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、
葵は初めての恋に溺れていた。
付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。
告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、
その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。
※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
幸せな復讐
志生帆 海
BL
お前の結婚式前夜……僕たちは最後の儀式のように身体を重ねた。
明日から別々の人生を歩むことを受け入れたのは、僕の方だった。
だから最後に一生忘れない程、激しく深く抱き合ったことを後悔していない。
でも僕はこれからどうやって生きて行けばいい。
君に捨てられた僕の恋の行方は……
それぞれの新生活を意識して書きました。
よろしくお願いします。
fujossyさんの新生活コンテスト応募作品の転載です。
【完結】ここで会ったが、十年目。
N2O
BL
帝国の第二皇子×不思議な力を持つ一族の長の息子(治癒術特化)
我が道を突き進む攻めに、ぶん回される受けのはなし。
(追記5/14 : お互いぶん回してますね。)
Special thanks
illustration by おのつく 様
X(旧Twitter) @__oc_t
※ご都合主義です。あしからず。
※素人作品です。ゆっくりと、温かな目でご覧ください。
※◎は視点が変わります。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる