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女神ディアマンティアナへの罰
しおりを挟む「あ~ん!やっと終わった~!」
自分の居住区に戻ってくるなり、女神ディアマンティアナは頭の冠を脱ぎ捨て、裸足になった。
柔らかな葉っぱと、いい匂いの花びらが敷き詰められた寝台にごろりと横になる。
「主神ったら、あんなに怒らなくてもいいのにぃ……」
彼女は、さっきまで主神にお説教をされていたのである。
人間の運命にめちゃくちゃ手を出して、下界でも力を使いまくり、結果正体がバレたというのは、神様の世界ではドン引きガチギレ案件。
神様は、人間たちの信仰によって、権能が上がったり下がったりする。
だから、今回のような事件で神様の神聖性が落ちてしまうと、「なーんだ、神様ってしょぼいじゃん」と思われてしまい、信者減少や信仰心希薄化、ひいては神様全体のパワーダウンに繋がるので結構一大事なのだ。
ちなみに、信者数や信仰心が一定ラインを超えると、瞬間移動や巨大化など出来ることがグッと増える。だから神様たちは、人間の前ではカッコよく神秘的に振る舞うのに必死。間違っても「昨日めんどくてお風呂入らなかった」などと言ってはいけないのだ。
話がそれた。
とにかく罰として、ディアマンティアナには『みんなのお手伝い』と『下界の覗き見禁止』が言い渡された。
「あーあ、しばらくはグルグルマップ使えないな~心配だな~ユースレス様たちの状況を見たいのに。まあ、聖女のイルミテラさんがいるから大丈夫だと思うけど」
寝台でごろごろしていたディアマンティアナは、そこでふと思った。
――そういえば、人間の聖女ってなにができるんだろ?
ディアマンティアナは聖女のことをほとんどなにも知らないのだ。
「王宮に連れて行かれるときに聖女の印について話してたから、それっぽいマークをテキトーに手に貼ったんだけど……。女神が加護を授けた人が聖女だって言ってたよね?でも、わたしは聖女なんて選んだことないけどな~」
う~ん、分かんない。
……まあ、いっか!
ディアマンティアナは水盤を開き、プイッターのタイムラインをチェックし始めた。
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