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第11話 さらなる進化
しおりを挟む「ちょっと待ってください。お願いです、許してください。私は、命令されて仕方なくやっただけなんです!」
畜生! 焦ったよ! だって早くスライムから解放されたかったんだもん! どんどん強くなってるから、ゆっくりやってたらおしまいだと思ったんだよ!
ああ! どうしよう。あの人絶対怒ってるよ。日焼けしてて坊主で、目つき鋭いとか、絶対ろくでもない野郎だよ。
どうする? 一か八か奴隷化使うか?
だが失敗したら、とんでもないことになるぞ。
「命令された、か。そのようだね。状態は、デビル・スライムの奴隷、か。ほう。デビル・スライム、うわさでしか聞いたことがない伝説のモンスターじゃないか」
あいつそんなすげえモンスターなのかよ。勘弁してくれよ。
「あなたほどのステータスの人間を従えるとはね。攻撃力500はあると見ていいのでしょうか」
「わかりません。お願いです、許してください!」
「いいですよ。あなたの雇い主の正体と、その奴隷化というスキルについて、説明してくれたらね」
「わかりました。全部言いますから!」
「奴隷化。人を奴隷にする力じゃないですよね。だったら強すぎるし、私に隠れて近づき、奴隷にすればいい。いや、使うすきを窺っている?」
「いえ、違いますよ。そんなスキルじゃないです」
「まあ、使えばいいですよ。私には、スキルはききませんから。フフ、驚いていますね。私は『スキル無効』という力を持っているんですよ」
そんな力があるのか。
「非常に珍しい力ですよ。また強い。教えてあげましょう。攻撃力は400、守備力は500です。デビル・スライムの奴隷だそうですが、そのデビル・スラムでも、私を簡単には、うわああああああ!」
ムギルは悲鳴を上げた。
気づけば、スライムの触手が体に巻き付き、ムギルを締め上げている。
「こいつ、なかなかの攻撃力だな。近づいてるのはわかっていたが、油断していたよ。あっ」
ムギルの首の骨が折れた。
まあ、あのスライムの攻撃力は900だからなあ。でも、危なかったよ。
あいつについて調べてはいたが、スキル無効って能力については、全然知らなかった。
スライムは、なんとムギルを一分ほどで食べ終えた。あれ? 早くなってる?
また俺の前に、スッと、すごいスピードできた。
ん? 嘘だよね? またパワーアップしちゃったの?
ステータスを確認しようとしたら、スライムがピカーと光った。
大きさは変わらないが、真っ白になった。
名前:ルグ・スライム
HP :6000/6000
攻撃力 :3500
守備力 :9000
魔法攻撃力:100
魔法防御力:9000
スキル :魔法反射Lv5 進化Lv5 言語理解Lv5
状態 :ヌカタの主Lv3
うわああああああ!
勘弁してくれよ! どういうことだよ!
さっきのムギルってやつのせいか?
食べる相手が強ければ強いほど、進化するみたいな?
おいおいおい、待ってよ。HP6000!? ふざけんな! 守備力とかとんでもねえことになってるだろうが!
助けてくれ! 誰か!
さっきのムギルってやつ、守備力が400で威張ってたよな? これ、9000って。やばいよね?
え? どういうことなの? てか、俺の言うこと聞いてくれるの?
怖いよ!
「あの、スライムさん、おいしかったですか」
「ああ、すごく美味だったよ」
うわああああああ! 流ちょうにしゃべってる! 勘弁してくれよ。
「ヌカタ、いつも私に、おいしいご馳走を用意してくれてありがとうな」
「あ、いえ」
ひいいいいい! なんか感謝されてる! でも恨まれてないからいいか。恨まれたら、絶対殺されるよ!
攻撃力3500だぜ? 俺の攻撃力120なのに。それでもなかなか強いらしいじゃん!
「じゃあいこうか」
なにおまえが仕切ってんだよ! バカ野郎が! つかさ、声かわいいな。なんか、かわいい女の子みたいな声なんだけど。
なんなの?
まあ低いガラガラ声よりはましだけどさ。
気味悪いんだよ!
「ヌカタ」
「は、はい」
「帰ったら、また、水浴びがしたいな。あの温かい温泉のお湯で、体を洗って、マッサージしてくれ。いいよね?」」
「もちろんですよ」
「フフ、よかった」
笑ってる! このスライム笑ってるぞ! 相当頭がよくなってる! このまま進化させたらヤバイ! さっさと解放されよう。
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