壁。
壁です。目の前で何が起ころうとも、ただ見て聞くことしかできないのが、人生ならぬ壁生の辛いところです。しかしこの壁生、悪いことばかりではありません。壁の前では皆自分の本性を、本心を、曝け出します。壁でなければ絶対に見れなかった、あんな関係やこんな秘め事を、誰にも邪魔されずに特等席で見ることができるのです。私少々、男性同士の恋愛を好む癖がありまして。実は壁の中にはそういった者、少なくないんですよ。そして壁同士には特有の意志伝達手段がありましてね。人間の言葉を借りてKネットワークなんて呼んでます。そこで共有された、同じ癖を持つ壁達からの珠玉の目撃談、興味をそそられませんか?......是非聞いてみたいって?良いでしょう。貴方にだけ、特別ですよ。
目次
感想
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる