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魔王×狼型獣人? ③
しおりを挟む「あふ、あ、あぁ、あっ、ああ゙」
口を閉じることも出来ず、ただただ相手に求められるだけ応える身体。
「マコト、そろそろ堕ちて来い」
プシリ、と先端から透明な液体が飛び出て、身体が縮こまる。
「あひ、ぃいいぃ」
ギュウ、と相手の肩に置いていた手が爪を立てるように食い込む。
対面座位故に、全身の力が抜け相手にもたれ掛かる。
「あ、ぅあ」
ゆさ、ゆさ、とゆっくりまた始まった律動に、目を強く瞑る。
「マコト、聞こえているか?」
「ふ、ふぅ、あ」
顎を持ち上げられ、相手と目が合う。
…キレイ…。
汗の滲んだ仄かに赤い顔。
いつもより強い匂いと、俺を離さない腕。
「ーー」なんだ。
でも、それを有に上回る相手の行動に更に「ーー」だと思ってしまう。
良いの、だろうか。
分からない…分からない、けど。
今捨てられても嫌われても、俺、「ーー」だから。
肩に置いていた両手を相手の頬に持っていく。
俺の方へ導き、俺は相手の鼻先にキスをした。
ピタリと止まった相手を気にせず、おでこや顎にキスをして、口に押付けた。
「好き、だ。ずっと、ずっと」
喘ぎすぎて掠れた声で、言葉を紡ぐ。
「お前、だけなんだ。こんな、好きなんて」
もう一度口に口を押し付け、両腕を相手の首に回し抱き着く。
「あい、してる、愛してるよ、レオ」
「ああ゙あ゙あ゙、あっ、ぅああ」
ベッドに上向きに寝転がらされ、その上からレオに抱きつかれ身動ぎが出来ない。
「も、もぅ、むい、むり、あ、ああ゙」
止まらない抽挿に、もうお尻が馬鹿になってしまっているのでは無いかと思ってしまう。
「マコト、俺を見ろ。俺だけを、見ろ」
「あ、ああ、も、もぉやぁぁ」
ガリガリとレオの背中を引っ掻き、快楽をやり過ごそうとするが、何度も同じ良い場所を攻められては、成す術も無い。
あー、あー、と意味も無い喘ぎ声が木霊し、太腿でレオの引き締まっている腰を挟み込む。
「れ、レオ、イク、も、イク、から」
レオからの口付けを受け入れ、自ら少し腰をヘコリと動かす。
「ああ、マコト、一緒に、な」
拙い腰使いに笑みを浮かべたレオは、追い詰めるかのような早い抽挿に切り替え上り詰める。
「ん、んん、んふ、ふぁ、あ、あ」
思い出したくなかった。
あの日は、俺にもアイツにも辛い日だった。
無理矢理犯され、それを撮影された。
笑いながら何度も侮辱され、暴力を振るわれ、残っていた生きる理由が無くなった。
そんな記憶を上回る、最愛のレオとの別れに、俺は複雑だった。
レオの番は「シン」で、俺ではない。
あの身体は、ただ俺らに与えられた慈悲だ。
「シン」にレオを譲りたくなかった。
でも、俺は人間で、番ったのは「シン」だから。
だから、元に戻す為に別れを告げた。
「ーー」だと。
それでも、俺を選んでくれたレオに、俺は何を返せるのだろう。
疲れ果て、ピクリピクリと動く身体を弛緩させ、レオを見る。
少し息を乱し、前髪をかきあげる色気のあるレオ。
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そう思い、目を閉じた。
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