ペットになった

アンさん

文字の大きさ
上 下
3 / 75

ヒトを飼う

しおりを挟む


早速ヒトを引取りに行き、色々買い込んで家に戻ってきた。


ヒトの入ったゲージを開け、中に居るヒトを確認する。


ギュッとタオルケットを掴み、こちらを見つめ返す目を見て大丈夫そうだと思い、買ってきたものに手を伸ばす。


確か・・・躾はほとんど必要ないと言っていたな。


綺麗好きにより風呂の準備が必要・・・か。


風呂は1人で入れるし、トイレも場所さえ教えれば覚えると聞いた。


隅に居ることが多く、タオルケットは常に持っている・・・と。


大きめのクッションを窓横の隅に置き、ゲージをそちらに移動させる。


今は服を着ていないが、もうすぐ秋になるし、服に慣れさせないといけないな・・・流石にあの柔肌じゃぁ寒さに耐えれないだろ。


というか、俺が嫌だ。


例え種族が違っても、裸でウロウロされたらたまったものじゃない。


マーキング行為を見た時がないとは聞いたが、四六時中そばにいた訳でもないだろ。


ヒトのマーキングは体を擦り付けるらしいし、色々想像したくない。


ヒト用の食器や一部のレトルト食品をキッチンに運び、一緒に入っていたミルクを温める。


飲むかは分からないが、まぁ、水分補給は必要だろう。


ポスポスと音が聞こえ、窓側へ目を向けると、ヒトがクッションを叩いていた。


何をしているんだ?


何度か触り、気に召したのかタオルケットと一緒にクッションに移動した姿を見て、そうだ服、と窓側へ向かう。


まぁ、この黒い服でいいだろう。


近寄っても威嚇することなくこちらを見るだけのヒトに、野生で生きていたのでは無いのか?と疑問が襲う。


訳あり書類には、森にて保護・・・とは書いていたが、野生で生き残れるのか、これは。


こちらとしては都合は良いが。


服を見せると、モゾモゾと動き床に座り服を受け取った。


どうするのかと見ていれば、そのまま服を自分で着れたことに驚いた。


野生のヒトは服を着ない・・・という事は、繁殖個体として生まれて棄てられたのか?


よく分からないが、まぁ、手間が掛からないのは良い事だ。


ゆっくりとクッションに戻る姿を見てから、ミルクを確認しに行く。


そういえば、名前を付けないといけないのか。


何がいいか・・・ネーミングセンスは無いし、安直に黒髪だから『クロ』でいいか。


覚えやすいし。


軽く洗ったコップを拭き、温めたミルクを入れる。


ヒトは猫舌の可能性もあるとどこかで聞いたな。


まぁ、熱かったら冷ます・・・か飲まない、よな。


クロの近くにミルクの入ったコップを置き、他の荷物を開いていく。


とりあえず布類は洗濯するとして、ヒトの図鑑を確認しておかないと。




しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

あいつに無理矢理連れてこられた異世界生活

mio
ファンタジー
 なんやかんや、無理矢理あいつに異世界へと連れていかれました。  こうなったら仕方ない。とにかく、平和に楽しく暮らしていこう。  なぜ、少女は異世界へと連れてこられたのか。  自分の中に眠る力とは何なのか。  その答えを知った時少女は、ある決断をする。 長い間更新をさぼってしまってすいませんでした!

スキル「共感覚」のおかげで最強の魔法使いになったので魔人を集めて魔王になることにしました 〜最恐魔王の手さぐり建国ライフ!〜

熊乃げん骨
ファンタジー
ある日魔法の世界に迷い込んでしまった俺はスキル「共感覚(シナスタジア)」の効果でこの世界全ての魔法を使えるようになる。 魔法を使えるようになり喜ぶ俺だったが、なんとこの世界では魔法を使える人は迫害されていた。 魔法を使えるだけでひどい目に合うなんて間違っている。怒りに燃える俺はそんな彼らを救うため世界中から魔人を集め『魔王国』をつくることを決心する! 平凡なサラリーマンだった俺の元に結集するのは一癖も二癖もある魔人達!! 果たして俺は威厳を保ちつつ国を存続出来るのか!? 新感覚ダークファンタジー、始動!!

【本編完結】魔眼持ちの伯爵令嬢〜2度目のチャンスは好きにやる〜

ロシキ
ファンタジー
魔眼、それは人が魔法を使うために絶的に必要であるが、1万人の人間が居て1人か2人が得られれば良い方という貴重な物 そんな魔眼の最上級の強さの物を持った令嬢は、家族に魔眼を奪い取られ、挙句の果てに処刑台で処刑された 筈だった ※どこまで書ける分からないので、ひとまず長編予定ですが、区切りの良いところで終わる可能性あり ローニャの年齢を5歳から12 歳に引き上げます。 突然の変更になり、申し訳ありません。 ※1章(王国編)(1話〜47話) ※2章(対魔獣戦闘編)(48話〜82話) ※3章前編(『エンドシート学園』編)(83話〜111話)    ※3章後編(『終わり』編)(112話〜145話) ※番外編『王国学園』編(1話〜)

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

異世界でチート能力貰えるそうなので、のんびり牧場生活(+α)でも楽しみます

ユーリ
ファンタジー
仕事帰り。毎日のように続く多忙ぶりにフラフラしていたら突然訪れる衝撃。 何が起こったのか分からないうちに意識を失くし、聞き覚えのない声に起こされた。 生命を司るという女神に、自分が死んだことを聞かされ、別の世界での過ごし方を聞かれ、それに答える そして気がつけば、広大な牧場を経営していた ※不定期更新。1話ずつ完成したら更新して行きます。 7/5誤字脱字確認中。気づいた箇所あればお知らせください。 5/11 お気に入り登録100人!ありがとうございます! 8/1 お気に入り登録200人!ありがとうございます!

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

辺境の街で雑貨店を営む錬金術士少女ノヴァ ~魔力0の捨てられ少女はかわいいモフモフ聖獣とともにこの地では珍しい錬金術で幸せをつかみ取ります~

あきさけ
ファンタジー
とある平民の少女は四歳のときに受けた魔力検査で魔力なしと判定されてしまう。 その結果、森の奥深くに捨てられてしまった少女だが、獣に襲われる寸前、聖獣フラッシュリンクスに助けられ一命を取り留める。 その後、フラッシュリンクスに引き取られた少女はノヴァと名付けられた。 さらに、幼いフラッシュリンクスの子と従魔契約を果たし、その眠っていた才能を開花させた。 様々な属性の魔法が使えるようになったノヴァだったが、その中でもとりわけ珍しかったのが、素材の声を聞き取り、それに応えて別のものに作り替える〝錬金術〟の素養。 ノヴァを助けたフラッシュリンクスは母となり、その才能を育て上げ、人の社会でも一人前になれるようノヴァを導きともに暮らしていく。 そして、旅立ちの日。 母フラッシュリンクスから一人前と見なされたノヴァは、姉妹のように育った末っ子のフラッシュリンクス『シシ』とともに新米錬金術士として辺境の街へと足を踏み入れることとなる。 まだ六歳という幼さで。 ※この小説はカクヨム様、アルファポリス様で連載中です。  上記サイト以外では連載しておりません。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

処理中です...