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泣いていいですか。
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軽々と山越えをし、温暖な地へと降り立った俺は目前に広がる光景に年甲斐もなく(今は少年だけどさ)声をあげた。
エメラルドグリーンの広大な湖が広がっている。
遠くに白い山々が見え、森の新緑とのコントラストが見事だ。
ふわふわ水面に淡い光が舞うのは・・・もしかして、妖精?
幻想的な光景に只々感嘆する。
テレビや写真で見てきた以上の、見事な絶景にテンションが上がる。
あまりのはしゃぎように、早い時間にも関わらず今日はここで休む事となり、いそいそと俺は服を脱ぎ始めた。
こんな綺麗な湖、魔物もおらず安全だと言うならば泳ぐ外ない!
しかも独り占めという贅沢!
ついでに服も洗うとしよう。
「イツキ・・・・せめて何か1枚でも身につけようか・・・」
困惑気味のキーランさんの声がかかるがお構いなし。
残りの2人は黙ってるから問題ないとみた。
泳ぎは得意なんだ。
小さい頃苦手だった水泳は趣味になるまでに上達した。
大会に出れば忙しい両親もばぁちゃんと一緒に応援に来てくれ、結果はともあれ褒めてくれるのが嬉しくて練習しまくった。
趣味というだけあり、泳ぎには自信がある。
ふっふっふ。俺様の華麗な泳ぎを見るがいい!
・
・
・
・
「!?」
「「「イツキ!!」」」
・
・
・
・
溺れた。
25mくらい進んだところで、溺れた。
5歳時の【25mおよげるようになる】はそのまま【25m】だったようだ。
25mしか泳げないって・・・・!神様ぁ!
趣味だった水泳が!!!
この事実は《夫》の次にショックだった。
溺れた俺に人工呼吸でオーランドさんに唇を塞がれた事じゃない。
泳ぎは得意なんだ!って意気揚々と口にしちゃったよ・・・25mで。
・・・因みに1日25mだった。
皆に付き添われ、心配されながら泳ぐ姿は幼子を見守る保護者そのもので・・・今回の件で更に過保護になってしまった。
おかげで溺れる前に救い上げてもらえたけれど、いたたまれない・・・・。
羞恥にプルプルする俺を可愛い子犬でも見るかのような温かい眼差しで心配されるのが堪らず、祈りに没頭した。
逃げたんじゃない。
ちょっぴり頬が濡れたのは、雨が降ったんだ。
日々の祈りが通じたのか、その1週間後、この世界に来て初めての女性に出会った!
しかも美人!
神様、素敵な出会いをありがとう!!
《夫》⇒《妻》聞き入れて下さったんですね!
5人部隊?の彼らはレナルドさんの部下で、連絡は受けたが気になり様子を見に来たそうだ。
3人揃って一月以上戻らないのは初めてらしい。俺のせいですみません。
ルイーズさんは姉御って感じで、エマさんはしとやかな聖女様って感じの2人とも美女さんだ。
後は男性陣が3人、レナルドさんの部下です~って感じの優しそうな方達ばかり。
俺を見て驚いてたけど、何か納得した顔で頷いてた。
仕事任せてるから、話もあるんだろう。
やはり3人は上位、3トップと呼ばれる偉い人達だった。
男性陣は俺を美女2人に任せ、離れて行った。
この夜俺はエマさん、ルイーズさんと至福の時を過ごした。
お嫁さんにはエマさんのような人がいい・・・
「別の種族でも結婚ってできるの?」
無垢な子供の問いにエマさんはニコニコと嬉しそうに答えてくれる。可愛いなぁ。
「種族や性別は関係ないから安心していいわよ」
「そうなんだ」
ふむふむ。ならばこの先誰と一緒になっても問題ないと。
性別…薄々気づいてたけど関係ないんだね。
「魔力が高ければ同性間での子供も時間をかけずに授かれるし。
成長もすぐだろうから年齢なんて気にしなくて大丈夫よ」
「へ・・・・へぇ・・・」
同性間でも子供できちゃうんだ・・・性別関係ないの同様、知りたくなかったよ。
「レナルド様との赤ちゃん、あぁ、楽しみだわぁ」
「そうだな。」
は!? エマさん! ルイーズさん! 何言ってるんですか!?
うっとりした表情で変な想像しないで!
「ちっ違っ!」
「うふふ。照れなくてもいいのよ。皆様本当に素晴らしい方々ですから、誰を選ばれても応援しますわ」
「違っ」
「赤くなって可愛いなぁイツキは。ハイエルフは表情がないとか聞いてたが、間違いだったんだな。
将来の子供が楽しみだな」
やめて下さい! 変なフラグ立てないで!!
3人とも独身って情報も不要です!
俺はエマさんのような清楚な女性がいいんです!!!
「私もそろそろ3人目の赤ちゃん作ろうかなぁ」
え?
エマさん結婚してるんですか?18歳くらいに見えるけど、2人子供いるんですか?
ルイーズさんは獣人の旦那さんがいるんですか・・・・既にひ孫までいるんですね・・・
この世界に来て初めての淡い恋心は見事に打ち砕かれ、俺も子供を授かれるという衝撃の事実が更に追い打ちをかけた。
泣いていいですか・・・・
神様、早く一文字修正させて下さい。
エメラルドグリーンの広大な湖が広がっている。
遠くに白い山々が見え、森の新緑とのコントラストが見事だ。
ふわふわ水面に淡い光が舞うのは・・・もしかして、妖精?
幻想的な光景に只々感嘆する。
テレビや写真で見てきた以上の、見事な絶景にテンションが上がる。
あまりのはしゃぎように、早い時間にも関わらず今日はここで休む事となり、いそいそと俺は服を脱ぎ始めた。
こんな綺麗な湖、魔物もおらず安全だと言うならば泳ぐ外ない!
しかも独り占めという贅沢!
ついでに服も洗うとしよう。
「イツキ・・・・せめて何か1枚でも身につけようか・・・」
困惑気味のキーランさんの声がかかるがお構いなし。
残りの2人は黙ってるから問題ないとみた。
泳ぎは得意なんだ。
小さい頃苦手だった水泳は趣味になるまでに上達した。
大会に出れば忙しい両親もばぁちゃんと一緒に応援に来てくれ、結果はともあれ褒めてくれるのが嬉しくて練習しまくった。
趣味というだけあり、泳ぎには自信がある。
ふっふっふ。俺様の華麗な泳ぎを見るがいい!
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「!?」
「「「イツキ!!」」」
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・
溺れた。
25mくらい進んだところで、溺れた。
5歳時の【25mおよげるようになる】はそのまま【25m】だったようだ。
25mしか泳げないって・・・・!神様ぁ!
趣味だった水泳が!!!
この事実は《夫》の次にショックだった。
溺れた俺に人工呼吸でオーランドさんに唇を塞がれた事じゃない。
泳ぎは得意なんだ!って意気揚々と口にしちゃったよ・・・25mで。
・・・因みに1日25mだった。
皆に付き添われ、心配されながら泳ぐ姿は幼子を見守る保護者そのもので・・・今回の件で更に過保護になってしまった。
おかげで溺れる前に救い上げてもらえたけれど、いたたまれない・・・・。
羞恥にプルプルする俺を可愛い子犬でも見るかのような温かい眼差しで心配されるのが堪らず、祈りに没頭した。
逃げたんじゃない。
ちょっぴり頬が濡れたのは、雨が降ったんだ。
日々の祈りが通じたのか、その1週間後、この世界に来て初めての女性に出会った!
しかも美人!
神様、素敵な出会いをありがとう!!
《夫》⇒《妻》聞き入れて下さったんですね!
5人部隊?の彼らはレナルドさんの部下で、連絡は受けたが気になり様子を見に来たそうだ。
3人揃って一月以上戻らないのは初めてらしい。俺のせいですみません。
ルイーズさんは姉御って感じで、エマさんはしとやかな聖女様って感じの2人とも美女さんだ。
後は男性陣が3人、レナルドさんの部下です~って感じの優しそうな方達ばかり。
俺を見て驚いてたけど、何か納得した顔で頷いてた。
仕事任せてるから、話もあるんだろう。
やはり3人は上位、3トップと呼ばれる偉い人達だった。
男性陣は俺を美女2人に任せ、離れて行った。
この夜俺はエマさん、ルイーズさんと至福の時を過ごした。
お嫁さんにはエマさんのような人がいい・・・
「別の種族でも結婚ってできるの?」
無垢な子供の問いにエマさんはニコニコと嬉しそうに答えてくれる。可愛いなぁ。
「種族や性別は関係ないから安心していいわよ」
「そうなんだ」
ふむふむ。ならばこの先誰と一緒になっても問題ないと。
性別…薄々気づいてたけど関係ないんだね。
「魔力が高ければ同性間での子供も時間をかけずに授かれるし。
成長もすぐだろうから年齢なんて気にしなくて大丈夫よ」
「へ・・・・へぇ・・・」
同性間でも子供できちゃうんだ・・・性別関係ないの同様、知りたくなかったよ。
「レナルド様との赤ちゃん、あぁ、楽しみだわぁ」
「そうだな。」
は!? エマさん! ルイーズさん! 何言ってるんですか!?
うっとりした表情で変な想像しないで!
「ちっ違っ!」
「うふふ。照れなくてもいいのよ。皆様本当に素晴らしい方々ですから、誰を選ばれても応援しますわ」
「違っ」
「赤くなって可愛いなぁイツキは。ハイエルフは表情がないとか聞いてたが、間違いだったんだな。
将来の子供が楽しみだな」
やめて下さい! 変なフラグ立てないで!!
3人とも独身って情報も不要です!
俺はエマさんのような清楚な女性がいいんです!!!
「私もそろそろ3人目の赤ちゃん作ろうかなぁ」
え?
エマさん結婚してるんですか?18歳くらいに見えるけど、2人子供いるんですか?
ルイーズさんは獣人の旦那さんがいるんですか・・・・既にひ孫までいるんですね・・・
この世界に来て初めての淡い恋心は見事に打ち砕かれ、俺も子供を授かれるという衝撃の事実が更に追い打ちをかけた。
泣いていいですか・・・・
神様、早く一文字修正させて下さい。
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