尻拭い、のち、リア充

びやヤッコ

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 重い……

 体の上に何か乗ってる……?

 夢か現実か区別がつかないふわふわとした意識の中、何かに押さえつけられて体の向きが変えられないことに気がつく。

 でもいいや……もうちょっとこのままで……

 ……………………ん?………………………

 なんか……おでこに柔らかいものが……

 重たいまぶたをうっすらと開ける。

 「……起こしちゃったか?おはよう」

 「先輩?……………………」

 ああ、そうだった。昨日は先輩とエッチなことをして……1回で終わるかと思ったら結局夜遅くまで続いて……

 眠すぎてそのままご飯も食べずに寝ちゃったんだ……

 「おはようございます……」

 まだしょぼしょぼとする目を擦る。

 それから改めて先輩を見ると、どうやら先程から重いと思っていたのは先輩の腕であったことが分かった。

 俺を抱くようにして腕を背中に回されている。

 「何時ですか?」

 「10時前だ。疲れてるだろうからもう少し寝たらどうだ?」

 「うーん…………俺も起きます」

 せっかく先輩と一緒にいるんだから寝てたらもったいないし。

 そう思って起き上がろうとした瞬間、全身から痛みを感じ、口から「う゛……」とドスの効いた声が出てしまう。

 「大丈夫か?」

 先輩は俺の腕を持って起き上がるのを手伝ってくれた。

 「体が痛いのか?」

 「正直めっちゃ痛いです……なんか変な場所に力入れてたみたいで筋肉痛になったことがないような場所が筋肉痛になってます……」

 「無理をさせてしまったな……」

 先輩が申し訳なさそうに俺の腰をさする。

 「言い訳じゃないけど、あまりにも緒里が可愛くてタガが外れた……」

 責めていたわけではなかったのに予想外に先輩がシュンとしてしまう。

 俺は慌てて「大丈夫ですよ!」と言って先輩の手を握った。

 「俺もちょっと煽り気味だったし……気持ちよかったので……その……元気だしてください」

 言ってて恥ずかしい…………絶対今顔赤くなってる…………

 しかし俺は先輩にこれ以上しょんぼりして欲しくなかったため、目を逸らさずにしっかりと見つめる。

 「…………緒里がそう言うなら…………でも次からは無理のない程度にしよう」

 「そうですね」

 確かにそうしないとベッドから起き上がれなくなるかも。そしてお尻の穴が確実に使い物にならなくなる。現に腫れてる感じがするし。

 それにしても節々が痛い……

 俺はベッドの縁に座り、そこから立ち上がろうと力を入れてみる。

 「あ、いけそ…………!」

 立ち上がったかと思った瞬間、足に上手く力が入らずにべちゃりと床に座ってしまった。

 「ダメかも……」

 「待って、今行くから」

 先にベッドから降りていた先輩は駆け足でこちらに来るや否や、ひょいっと俺を抱き上げた。

 「ええ?!重いですよ!」

 「大丈夫だ。そこまでじゃない」

 「身長差10センチくらいしかないのに…………あー、筋肉量か……………………」

 昨日先輩の体をしっかりと見る機会があったからめっちゃ観察したけど、予想以上に本格的に筋肉がついてた。

 二の腕は動く度に力こぶ的なやつがムキムキとしてたし、胸も触ってみると硬くて…………

 ベチン!!

 「緒里??」

 「はは、大丈夫です。ちょっと思考が危ないところに行ってたので戻すために自分の顔叩きました」

 危ない危ない…………昨日十分に絞り出されたはずなのに、俺の息子が反応しそうになった…………

 叩いてヒリヒリとする頬に先輩がこれ見よがしにキスをする。

 「赤くなってて可愛い」

 「もう……俺が何しても可愛いって言いそうですね」

 まさか先輩がこんなにも恋人に対して甘々なタイプだとは思わなかった。付き合っても連絡は必要な時だけ、とか、会うのは月に1回、みたいなタイプに見えなくもなかったから意外だ。

 先輩は俺をリビングのソファーに下ろすと今度は反対側の頬にもキスをしてくる。

 「そうだな、緒里なら何をしても可愛い」

 その言葉を聞いて俺はニヤリとする。

 「俺がゲロを吐いてても?」

 「それは可愛いと言うより可哀想だ」

 なるほど、これくらいじゃダメか。

 「じゃあ……俺が1年お風呂に入らずに虫がたかってても?」

 「それでも好きだ。できるなら俺が緒里をお風呂に入れて洗ってあげたい」

 これでもダメか。

 「なら……俺が足の指で鼻を掘ってたら?」

 「それは君の柔軟性に驚くな。でも奇天烈な行動をしてる緒里も可愛い」

 「う……負けた……」

 最初は俺が先輩のドギマギする姿を見るためにいっぱい可愛い可愛いって言ってたのに今度は逆転したな……

 「ふふ、分かったならここで大人しく待ってて。朝ごはん作ってくるから」

 「朝ごはん」というワードを聞いた瞬間、俺の腹は思い出したかのようにぐぅ~~~と間抜けな音を発する。

 俺は急いで仰け反ると誤魔化すように「はは……」と笑って視線を逸らした。

 「知ってました?屈むより仰け反った方がお腹の音が響きにくいんですよ…………」

 何言ってるんだ俺……誤魔化し方どうにかしろよ……

 自分に呆れて頭を抱えそうになっていると、先輩はクスリと笑って俺の頭を撫でる。

 「お腹すいたよな。すぐ作ってくる」

 「ありがとうございます……」

 先輩は満身創痍の俺をソファーに残すとキッチンへ向かって行った。

 本当なら俺も手伝うべきだがなにせ足に力が入らない。

 約立たずは約立たずらしくじっとしてよう。

 俺は時間を潰すためにテレビでもつけようとしたが、視界に映りこんだ青空にハッとする。

 そういえばここはマンションの最上階で見晴らしがいいんだった!

 よく見ると窓の外にはテラスもあり、観葉植物が程よい木陰を作っている。

 ここからだと見えないが、窓のそばに寄って見てみればきっと街の様子が一望できるだろう。

 首を伸ばしていると、キッチンの方からジュワーと何かを焼く音と共に先輩の微かな鼻歌が聞こえてきた。

 なんの歌だろう?それにしても先輩が歌ってるところって初めて聞いた気がする。

 上機嫌そうだな~

 キッチンとリビングに隔たりがないため、こちらからは先輩が作業をしている様子がよく見える。

 先輩と二人暮しとかしたらこんな感じなのかな?

 こっそりそんなことを考えていると、ご飯を用意していた先輩と目が合う。

 ドキッとして固まる俺とは対照的に、先輩はニコリと爽やかな笑みを送ってきた。

 なんて破壊力……

 ここで自然に笑い返せたら最高なのに、いかんせん俺にそんなスキルは持ち合わせていない。

 結局ぎこちなく笑って手を振るくらいしかできなかった。

 




 しばらくすると朝ごはんの用意ができた。

 先輩はトレーに乗せたものをソファー前のローテーブルに置くと、俺に目玉焼き乗りのトーストを渡してきた。テーブルにはまだオニオンスープのようなものとヨーグルトが置いてある。

 「ありがとうございます」

 「これくらいしか用意出来なくてごめんね。あまり凝った料理とかしたことないから」

 「いやいや!食べれればいいんですよ!俺だったらこんな絶妙な焼き加減で目玉焼きを作ることもできないと思うし」

 一口目玉焼きを噛んでみると、ジャリっとした食感に驚いて口の動きを止めた。

 「……どうした?」

 「…………………卵の殻が………………」

 恐る恐る報告すると、案の定先輩は焦った顔で「早く口から出した方がいい」とティッシュを数枚取り、俺の目の前に添える。

 俺はそれを一瞥すると、首を振った。

 「食べれるので大丈夫です」

 先輩が作ってくれたものを俺が吐き出すわけないじゃん。

 意地でも食べてやる!と思いティッシュから顔を背けてひたすら噛み続ける。

 「緒里、お願いだから出してくれ」

 先輩が珍しくオロオロしながら俺を見守る。
 
 卵の殻と言ってもそんなに大きいものが入っていたわけではないため、ジャリっとした食感は噛んでいるうちにすぐになくなった。

 俺はそれをゴクリと飲み込んでみせた。

 「ほら、全く問題ないです」

 「悪い、あまり料理の才能はないみたいだ」

 「卵の殻なんかで才能があるかないかは判断できないですよ!ほら、トーストの方だって美味しそうだし」

 一口噛むと、焦げた香りが口いっぱいに広がる。

 「………………」

 「…………一応聞いておくけど、どうだ?」

 「…………うーんと…………あまり才能はないかも………………?」

 「やっぱりそうか…………」

 見て分かるくらいガックシと肩を落とす先輩。

 俺はガサガサとした焼き目のあるトーストをよく噛んで飲み込むと、改めて先輩に向き直る。

 「あれですよ、人には向き不向きがあるって言うじゃないですか。料理は向いてなかったってだけです」

 「そうだな……俺は別の分野で頑張るとするよ」

 諦めたように笑ってそう言う先輩にホッとする。

 「じゃあ早くご飯食べちゃいましょ」

 「分かった。ちなみにオニオンスープはインスタントだからちゃんと美味しいぞ」

 「えー!そこは水みたいに薄味なスープを期待してました」

 「残念だったな」

 しょうもない言い合いにお互いクスクスと笑う。

 先輩との久しぶりの朝の時間を堪能出来ることがとても嬉しかった。

 ここで俺はそういえばと思い出す。

 「先輩、お母さんの法事はもう終わったんですか?」

 「ああ、ちょうど昨日やったみたいだ」

 「そ、そうだったんですか……」

 先輩のお母さんの法事をしてる時に俺たちはベッドであんなことをしてたなんて……なんだかいたたまれない……

 まあそれは置いといて。

 「やっぱり先輩は参加しなかったんですね。お墓参りはいつ行くんですか?」

 「特に日程を決めていたわけじゃなかったけど…………緒里も行くか?もし行くなら緒里がここにいる間に済ませよう」

 「いいんですか?!俺が行っちゃって……」

 嬉しいような……恐れ多いような……

 「大丈夫だ。それに君を母親に紹介したいし」

 「え……」

 大切なものを見るような、温もりで満ちた先輩の瞳に心拍数が上がる。

 「それは……すごい嬉しいです……」

 今出る精一杯の言葉がこれだった。

 いつも気の利いたことが言えなくて悔しいが、感激で言葉が出ないから許して欲しい……!後で沢山この気持ちを言葉に表すから!

 俺はついに耐えられずに口角が上がってしまう。

 「ニヤニヤしてるな」

 「ニッコリしてるって言ってくださいよ」

 「ふふ、ニヤニヤしてても可愛いよ」

 「ぐぬぬ……先輩だって料理が下手でも可愛いですからね」

 「う……」

 うん、言葉に詰まる姿も可愛いな。

 でもこれ以上は言わないでおこう。謎に競争心が掻き立てられて可愛いところをたくさん言っちゃいそうになるけど、先輩照れると黙っちゃうからな……

 おふざけはさておき、再び話を本題に戻す。

 「ところで、いつお墓参りに行きます?」

 「そうだな……今日はさすがにきついだろうから、体の調子を見て明日か明後日はどうだ?ここから少し離れてるから、長旅になると思う」

 「じゃあ明日はどうですか?特に予定もないし、のんびり行きましょうよ」

 「そうだな」

 こうして先輩との夏休み最初の予定が決まり、俺はいきなり先輩のお母さんにご挨拶をしに行くこととなった。

**********

 ジリジリと照らす太陽。

 一面に広がる緑の絨毯。

 それから四方八方から鳴り響く蝉の声。

 「だいぶ……遠くまで来ましたね……」

 「そうだな。疲れてないか?」

 「座ってただけなので大丈夫ですよ」

 朝早くに先輩の家を出てからはや4時間。

 電車と新幹線とバスに揺られながらやってきたのは先輩のお母さんの実家である新潟の田舎。

 「長旅だとは言ってたけど、まさか新潟だなんて……先輩のお母さんがわざわざ三栄学園に通ってたわけが気になりすぎる……」

 「俺も詳しいことは分からないんだ。祖父母なら知ってるかもしれないけど、もういないし……聞ける人がいない」

 「えっ……おじいちゃんとおばあちゃんも……」

 先輩を育ててくれた2人がもう居ないなんて……

 とても残念な気持ちになる。

 おじいちゃんとおばあちゃんにもお線香あげなきゃね。

 それにしても……

 眩しさで目を細める。

 「……稲が太陽の光を反射してキラキラしてる」
 
 「いいよね、ここの景色。元々は祖父母が使ってた田んぼだったんだけど、今は別の人が買い取って使ってるみたい」

 見渡す限りの田んぼは、まだ収穫の時期ではないため青々としている。

 その遥向こうには山々が連なっていて、自然の壮大さに圧倒される。

 そんな田んぼの脇の道を俺と先輩はのんびりと歩きながら、先輩のお母さんのお墓がある場所を目指す。

 家らしき建物は途中でぽつりぽつりと目にしていたが、お墓はまだ見えない。

 「先輩はここに結構来てるんですか?」

 「いや……祖父母に預けられていた頃はずっとここにいたけど、父親に引き取られた後……つまり、三栄学園に通い始めてからはあまり来てなかった。最後に来たのは確か6年前だ。あの時も法事だった」

 「そうだったんですね。そもそもお母さんのお墓は黒永家に作らなかったんですね」

 「ああ、遺言で書いてあったらしい。死んだら田舎に返して欲しいって」
 
 返して欲しい、か…………きっと先輩のお母さんにとって黒永家は居心地のいい場所ではなかったんだろうな。

 しんみりとしていると、先輩が突然手を繋いでくる。

 「見られちゃいますよ?」

 「人がいなさすぎて見てもらいたくても難しそうだけど?」

 俺は辺りを見渡し、人っ子一人いない田んぼに思わず苦笑いする。

 「本当に難しそうですね」

 俺はギュッと先輩の手を握り返すと、そのまま大きく腕を振ってブラブラとさせる。

 「この田んぼ道いいですね、ずっと歩いてたい」

 「気に入ったなら良かった。でももうすぐで着くよ……ほら」

 先輩の視線を追って道の先を見ると、突如として海の上の孤島のようにお墓が現れた。

 「あれですか?」

 「うん」

 遠くからは島に見えたが、近づいてみるとそれはしっかりと整備された小さな墓地で、墓石がざっと数えて10基ほどある。

 「綺麗にしてありますね」

 「普段は母方の親戚がここを管理してるんだ。それに法事があったばっかりだしね」

 「お花もまだ枯れてないですね」

 「一応水を取り換えて追加で新しいのを挿すか」

 「そうですね」

 俺は背負っていたリュックから水の入ったペットボトルを取り出すと、それを先輩に手渡す。

 先輩がお花の水を換えている間に、俺は線香とライターと先輩のお母さんがよく好んで食べていたというせんべいを用意した。

 「お母さんせんべい好きなの渋いですね」

 「米製品が好きだったみたい」

 「新潟魂ですね」

 先輩はふわっと穏やかな笑みをこぼす。

 「明るい人だったから君と会ったらきっと意気投合してただろうね」

 「そうだったんですね……」

 先輩が新しい花を挿し終わるのを見ると、俺はせんべいを墓石に乗せて、ライターの火をつける。

 「もう線香に火をつけてもいいですか?」

 「大丈夫だ」

 線香の束から数本取り出し、ライターの火を近づける。

 しばらくじっとしていると先っぽに僅かに火が燃え移ったためそれを振って火を消した。

 途端に線香の先端から白い煙がゆらゆらと漂い始め、嗅ぎ慣れない渋い香りがふわりと辺りを包む。

 「これが俗に言うおばあちゃんの匂いですかね」

 「ふふ、確かにそうだった気がする」

 懐かしむように目を細める先輩に線香を数本手渡した。

 泉 千夏

 そう彫られた墓石に俺と先輩は線香を手向け、手を合わせる。

 俺は心の中で先輩のお母さんにめちゃくちゃ話しかけた。

 はじめまして!片倉緒里と申します!

 図々しくも千夏さんの大切な息子さんの恋人をさせてもらってます。

 知ってましたか?先輩はとても千夏さんが大好きです。学校にいる時もほぼ毎晩のように千夏さんが設計した中庭のベンチに座ってます。

 お父さんとの関係は良好ではないみたいですが、先輩が寂しくないように俺がずっとそばにいるつもりです。

 千夏さんは先輩が5歳になる頃までしか成長を見守れなくて悔しいと思いますが、これからは俺がついてますので安心してください。

 と言ってもぽっと出の野郎が何を言っても信憑性がないと思うので、これからも俺たちを見守っててくださいね!

 その方が先輩も嬉しいと思うので!

 あ、良かったらせんべい食べてください。

 また見に来ますからね!

 では!

 「ふぅ……」

 言いたいことを全部言うと、満足して目を開ける。

 すると、先輩がじーっとこちらを見ていることに気がついた。

 「わっ……!ずっと見てたんですか?」

 「うん、何話してたの?」

 「え、えーと……先輩のことは俺に任せろ的な……?」

 「ははっ、それは嬉しいな」

 「先輩は?何か言ったんですか?」

 「君のことを紹介したよ。いいでしょって」

 自慢しちゃうんだ……可愛い。

 「あ、そうだ!先輩のおじいちゃんおばあちゃんにもお線香あげていいですか?」

 「もちろん。2人のお墓はこっちだ」

 先輩のお母さんのお墓の隣に、一回り大きいサイズの墓石があった。

 そこには2人の名前、和伸とコトジと彫られている。

 「同じお墓に眠ってるんですね」

 「2人はおしどり夫婦だったからね。毎日手を繋いでたよ」

 「すごい!歳をとっても熱々だったんですね。もっと長生きして欲しかった……」

 「俺も…………祖母が脳卒中で他界して、祖父も後を追うようにして行っちゃったんだ」

 大切な人がどんどん離れていって……血の繋がった父親には大切にされない……

 神様はなんで先輩にこんな酷い仕打ちをするのだろうか。

 俺は先輩の手をギュッと握る。

 大丈夫、これからは俺がずっといますからね。

 「ありがとう」

 「えっ?!」

 一瞬心で思っていたことを口に出したのかと錯覚した。

 先輩は俺を見つめて優しく微笑む。

 「何となく緒里が思ってることが分かったから。ずっと俺の傍にいてくれるんだよね?」

 「よく……分かりましたね……」

 なんだかむず痒い雰囲気になってくる。

 お互いの唇に何となく視線が向く。

 あ…………これはキスする…………

 しかし俺は首を振って気を取り直した。

 「ここではさすがにまずいですね!!」

 「そ、そうだな」

 急いで線香に火をつけ、手を合わせる。

 ごめんなさい!おじいちゃんおばあちゃん!

 付き合いたてホヤホヤなので見逃してください!

 俺と先輩も2人のように末永くラブラブでいられるように頑張ります!

 目を開けると、先輩も同時に顔を上げた。

 「じゃあ、行くか」

 「ですね」

 カラスなどの生き物に取られないようにせんべいをカバンに戻すと、俺と先輩は通ってきたあぜ道に再び戻る。

 ちょうどその時、ふわっとした風が吹き、稲が楽しそうにザワザワと音を立てた。

 見守られてるのかな?

 俺はもう一度お墓の方を振り向くと、心の中で「また来ますね」と呟いた。
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