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偽恋人作戦 3
しおりを挟む(※この章では近親相姦っぽいことになります!苦手な方は逃げてください!!)
実との作戦会議もひと段落付き、俺はS棟から出て寮に戻った。
エレベーターに乗り込み、「12」のボタンを押す。
しかし事は順調に進まなかった。
扉が閉じようとしたその時、突然何者かの手によってその扉が押さえられたのだ。
うおっ!びっくりした!
扉の隙間からにゅっと現れた手に驚きつつも、その手が挟まれないように急いで「開」のボタンを連打する。
「大丈夫ですか?!」
心配してそう声をかけた1秒後に俺は扉を開けたことに後悔した。
「大丈夫です、おにーちゃん♡」
「……悠里」
ニッコリと笑った悠里はエレベーターに乗り込み、自分の部屋のある14階のボタンを押す。
……そういえば今日からだったな。悠里と東が指導室から出るの。
エレベーターから出ていきたかったが、時すでに遅し。すでに上昇を始めているエレベーターから脱出できる程の能力を俺は持ち合わせていない。
「出てきたなら大人しくしてろよ。これ以上やらかしたら母さんと父さんにも知られるぞ」
「それって今更じゃない?それに知られたところで俺の考えは変わらないよ?」
なんで開き直ってるんだこいつ。指導室で指導されたところで何も変わらないってことか。
「それで?こんな遅くに何してたんだ?待ち伏せでもしてたのか?」
「そうそう、よく分かったね!」
嬉しそうにうなずく悠里にため息がでる。
「何か用があるならメッセージで伝えればいいだろ」
「え~緒里が冷たい!兄弟なのに理由がないと会っちゃあダメなの?」
「兄弟ねぇ」
その兄弟にとんでもないことをしようとしてるおまえがよく言うよ。
俺は一刻も早くこの空間から出ていきたくてモニターを見る。
9……10……11……
もう少しだ。
12
モニターにその数字が表示された瞬間、エレベーターの扉が開く。
「じゃあな。とにかく何もやらかすなよ」
そう言って出ていこうとした刹那、「バチバチッ」という激しく耳障りな音と共に、うなじから全身に渡り電気が走るような痺れに襲われた。
まずいと思った時にはすでに足から力が抜けていて、その場に崩れ落ちてしまった。
「ごめんね?緒里。痛かったよね?」
心配そうに俺の顔を覗き込む悠里の手には、スタンガンらしきものが握られていた。
言ったそばから!クソッ!体が動かない……!
悶えている間に、エレベーターの扉も閉じてしまった。身に危険が迫っていることをひしひしと感じる。
まもなくエレベーターは14階に到着し、俺は悠里によって引きずり出された。
「力が入ってない人間って重いな~」
そう言いながら悠里は部屋の扉の前まで俺を引きずると、鍵を使って扉を開ける。
そういえばこいつの同室のやつはどうした?
部屋は暗く、人の気配がしない。
「ん?ああ、同室の子は俺が嫌いで引っ越しちゃったよ」
俺の表情から思っていたことを察したのか、的確に答えをくれた。
「だから安心して?2人っきりだから」
それが1番まずいんだよ!
俺は試しに指を動かそうとしてみたが、まだ力が入らない。
とうとう部屋の中まで引きずり込まれ、扉が施錠された。
「早くしないと動けるようになっちゃうよね?」
ぶつぶつと言いながら部屋の明かりを点けて俺をベッドの上に乗せると、「これと~これと~」と部屋中から何かをかき集める。
よく見ると、その手にはベルトの様なものや、ボトルに入った透明の液体――ローションのようなものが握られている。
それを見た瞬間に俺は今までにないほどの危機感に襲われる。
そしてそんな危機感を感じながらも、ベッドで大人しく寝っ転がっていることしかできない自分にイライラとする。
逃げなきゃ。あいつは本気でヤるつもりだ。
弟とヤるなんて……そんなの絶対にあってたまるか。
「おまたせ~これから服脱がすね?」
ベッドに上がってきた悠里は俺のベルトに手を当てると、上機嫌そうに鼻歌交じりでそれを解く。
「や…めろ」
身をよじらせるも、あまり思い通りに動かず、すぐに押さえつけられてしまう。
あっという間にスラックスを脱がされると、次は下着にも手をかけてくる。
それは無理!
必死に抵抗しようとするも、「無駄だよ」と笑う悠里によって下着もあっけなく脱がされてしまった。
空気にさらされた下半身はとても心もとなく、すぐに何かで隠してしまいたくなる。そして、その醜態を弟に見られているということにたまらなく悔しさを感じた。
「あは♡これが成長した緒里のちんちんか~見るのは小さい頃に一緒にお風呂に入った時以来だな~」
嬉嬉として俺のそこに手を伸ばしてくる悠里に血の気が引く。
「やめろ…!」
少し力が入るようになり足を閉じるも、やはり軽く抑え込まれてしまう。
「その前に、縛っておかないとね」
そう言うと、悠里は先ほど手にしていた黒いベルトのようなものを俺の前にちらつかせる。
「見て緒里。これ輪っかが2つあるでしょ?これで太ももとふくらはぎを固定して、動けなくするんだよ」
ご丁寧に使い方を説明すると、次は実践だというばかりに俺の脚に取り付けてくる。
「さ、これで完成」
悠里の説明通り、俺のふくらはぎはぴったりと太ももに固定され、どうあがいても開脚をしたポーズとなってしまう。
クソッ!これじゃあ体に力が入るようになっても逃げられない。
「こっちも縛っちゃうか」
その言葉にハッとする。
「腕はやめろ!」
ちょうど短めのベルトを俺の手首に当てていた悠里を睨みつける。
「そんなに怒らないでよ~縛らないとどうせ逃げちゃうんだから仕方ないでしょ?」
やれやれといった風に話す悠里に怒りを感じ、「こんなのレイプと変わらない!」と怒鳴る。
「ちょっと……声が大きいよ緒里。しかたない、口枷でも付けるか」
「えっ」
悠里の手に握られているものにヒヤリとする。
口枷と聞いて、よくあるボール状のものかと思いきや、それは男性器が象られたようなシルエットのものだった。
え、これ口に入れるの……?
無理!死んでも付けたくない!
俺は顎に力を入れ、断固としてそれを受け入れなかった。しかしそんな俺を弄ぶかのように、悠里の手は一転してさらされた下半身に伸びていく。
「やめっ……!」
あ、まずい!
「うぐっ……」
口を開いたその一瞬で、悠里の手に握られていたおぞましいものが口に中にねじ込まれる。
舌で押し返そうとしたが、当然悠里が手で押し込む力の方が強いため、瞬く間に俺の口には口枷が装着された。
「ううう……!」
「ん?どうしたの?似合ってるよ?」
俺の頭をよしよしと撫でると、悠里も服を脱ぎ始める。
ほっそりとした白い体は俺とそっくりだが、下半身の毛がすべて綺麗に剃られていることからより幼く見える。
「緒里のここ、毛が生えてるね」
下腹部からサラッと伝う手にぞわぞわと鳥肌が立つ。
「剃ってあげようか?」
「ううう!」
「え~?嫌なら仕方ないね」
こういう時に限って以心伝心できるのが憎たらしい。
「ははっ、そんなに睨まないでよ。見て、緒里が可愛いから、俺のここもうこんなになちゃった」
悠里は膝立ちすると、勃ち上がったそれを無邪気に笑いながら俺に見せる。
こんな状況でよく勃つなと怒りを通り越して呆れていると、悠里が突然俺のものを軽く握った。
「うう……!」
「大丈夫、緒里のも気持ちよくしてあげるから」
そう言うと慣れた手つきでしごき始める。
最悪だ。なんで弟にこんなことをされてるんだ……
人にされると気持ちいいと聞くが、相手が相手だ。いくら悠里がそれを上下に擦ろうと、まるで死んでしまったかのように硬くなる気配がない。
「もしかしてスタンガンでちんちんまでやられちゃった?」
おまえじゃないんだからこんな状況で勃つわけないだろ!
心の中でそう叫ぶも、残念なことにこういう時だけ以心伝心できない。
「それならこれを使うか」
力なくへにゃっとする俺のものを片手でしごき続けながら、悠里はもう片方の手でローションを手に取る。
……ま、まさか……
蓋を外し、ボトルを逆さまにすると、そのトロリとした液体は直に俺のそこに垂れ落ちてくる。
「うう!」
冷た!
ヌルッとしたものが這う感覚に、全身がゾクゾクとする。
「ちょっと冷たかった?でもこれは効果がありそうだね」
再び悠里の手がそこにあてがわれると、今度は亀頭を軽く撫でられる。
待ってそこは……!
「あれ?感じてる?やっぱりここは敏感だよね。ちょっと芯持ってきたかも」
先端をくりくりといじる手に、竿をしごく手が加わる。
ぐちゅぐちゅと音を立てて刺激を加え続けられるそこは、だんだんと甘い感覚を感じ取るようになってくる。
嫌だ!こんなに無理やり……しかも弟の手で!
感じたくもないのに、自然と反応してしまう自分の体が憎い。
「よかった~ちゃんと勃ってきたよ。ほら、我慢汁も出てきた」
悠里は嬉しそうに鈴口をグリグリと擦る。
あまりの屈辱と羞恥心に、顔に熱が集まってくる。
「緒里、顔が真っ赤で可愛いね。この顔が見たかったんだよね~先に出しちゃおうか」
そう言って熱い視線をよこす悠里はラストスパートとでもいうように、しごく手を小刻みに、そして速くする。
「ううっ……う……」
「がんばって、あと少しだから」
目頭が熱くなる。
嫌だ、嫌だ、誰か。
誰か……助けて……!!
「動くな!」
……!!
絶望の淵に立たされていたその時、突然聞き慣れた声が部屋に響く。
その声に驚いた悠里は手を止めると、声の主が立つ方を振り返った。
「なんであなたが?…………晴仁さん」
晴仁さん……先輩?……まさか本当に黒永先輩?夢じゃないよな?
縛られて起き上がれない俺は直接顔を確認できなかったが、「緒里」と俺を呼ぶ声ですぐに本当だと分かった。
安心すると同時に、自分の今の姿が黒永先輩に見られていることに激しく狼狽する。
太ももをキュッと閉め、縛られた腕で顔を隠す。
気づいたときには目元から熱いものが溢れていた。
「緒里、遅くなって悪かった」
そばに駆け寄り、足のベルトから外していく黒永先輩に首を振る。しかし言葉が出てこない。
「ちょっと待ってくさい、どうやって部屋に入ってきたんですか?それに、なんで緒里がここにいるって知ってるんですか」
恥ずかしげもなく裸のままで黒永先輩に詰め寄る悠里。
しかしそれを相手にせず、先輩はただ一心に俺の体からベルトを外すだけだった。手首のベルトも外すと、俺の腕は優しい手つきで顔から退かされる。
「もう大丈夫だ」
目尻から流れる涙を軽く拭うと、黒永先輩はあのおぞましい口枷を外してくれた。
俺の口からまさかこんなに黒くて長いものが出てくるとは想像してなかったのか、ブツの形をしたそれを見るや否や、先輩の眉間にシワが寄る。
そして俺のさらされた下半身に自分の着ていたカーディガンをかけると、脱ぎ捨てられたスラックスと下着を手に取り、あろうことか俺を抱き上げた。
「せ、せんぱい……」
「大丈夫だ」
不安に駆られる俺をなだめるようにそう言うと、悠里には見向きもせずにその部屋を出て行く。
最後にちらりと見えたのは、全裸で呆然と立ち尽くす悠里の姿だった。
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