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第二話
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でも、私は生まれつき心臓病を患っている。
私が心臓病だと診断されたのは、4歳の時だった。
まだ幼かったからあまり覚えていないけど、樹の家と私の家は隣同士だから良く私が樹の家に行ったり、樹が私の家に来たりしていた。あの日も私は樹と遊んでいた。 私は朝から樹の家で遊んでいて、お母さん達は私の家でおしゃべりに花を咲かせていた。
「樹、樹。鬼ごっこして遊ぼーよ。」
「うん、いいよ。じゃあ、僕が鬼やるね。10数えたら追いかけるから。」私は樹の話を聞いて一目散に逃げ出した。自分が隠れる場所を探して家の中を歩き回っていた。いくら良く遊びに来てるからと言っても、まだリビングのテーブルにも満たないほどの小さな体だ。何もかもが、不思議に見えていた。 そんな事を思っていたのも束の間。10数え終わった樹が後ろの廊下から大きな足音をたてて走ってきた。
「咲見つけた。」私を見つけた樹の顔は今までに無いくらいの笑顔だった。
「来るの早い。ちゃんと数えたの?」
「ちゃんと数えたよ。」そう言いながら樹と私の距離はだんだん縮まってきて、私は樹との距離が僅か私が寝っ転がった位に縮まったときに私は走り出した。
「絶対に捕まらないもん。」
「今日こそは捕まえるよ。」
「絶対ムリ。だって、樹に一回も追いかけっこで負けたことないもん。」そんな事を言いながら私達は家の中をずっと走り回っていた。どれほど長く走り回っていたかは分からないけど、とにかくずっと走り回っていた。それは、小さい頃の私だったから長く感じたのかもしれない。
「はぁ、はぁ、はぁ。樹に、しては、はぁ、やるじゃん。」
「うん、で、も、もうムリ。」そう言うと樹は立ち止まった。
「はぁはぁ。ふん、やっぱりまた、私の勝ちね。」
「うん、咲には勝てないよ。」樹は負けた後いつもこう言う。
「じゃあ、樹のお菓子私に、ちょ、うだい、ね…。」
(えっ?あれ?何かおかしい、急に苦しくなって前もちゃんと見えない。何で?)
「咲!」
樹の声が聞こえたと思ったら私は真っ暗な暗闇の中に入っていった。
私が心臓病だと診断されたのは、4歳の時だった。
まだ幼かったからあまり覚えていないけど、樹の家と私の家は隣同士だから良く私が樹の家に行ったり、樹が私の家に来たりしていた。あの日も私は樹と遊んでいた。 私は朝から樹の家で遊んでいて、お母さん達は私の家でおしゃべりに花を咲かせていた。
「樹、樹。鬼ごっこして遊ぼーよ。」
「うん、いいよ。じゃあ、僕が鬼やるね。10数えたら追いかけるから。」私は樹の話を聞いて一目散に逃げ出した。自分が隠れる場所を探して家の中を歩き回っていた。いくら良く遊びに来てるからと言っても、まだリビングのテーブルにも満たないほどの小さな体だ。何もかもが、不思議に見えていた。 そんな事を思っていたのも束の間。10数え終わった樹が後ろの廊下から大きな足音をたてて走ってきた。
「咲見つけた。」私を見つけた樹の顔は今までに無いくらいの笑顔だった。
「来るの早い。ちゃんと数えたの?」
「ちゃんと数えたよ。」そう言いながら樹と私の距離はだんだん縮まってきて、私は樹との距離が僅か私が寝っ転がった位に縮まったときに私は走り出した。
「絶対に捕まらないもん。」
「今日こそは捕まえるよ。」
「絶対ムリ。だって、樹に一回も追いかけっこで負けたことないもん。」そんな事を言いながら私達は家の中をずっと走り回っていた。どれほど長く走り回っていたかは分からないけど、とにかくずっと走り回っていた。それは、小さい頃の私だったから長く感じたのかもしれない。
「はぁ、はぁ、はぁ。樹に、しては、はぁ、やるじゃん。」
「うん、で、も、もうムリ。」そう言うと樹は立ち止まった。
「はぁはぁ。ふん、やっぱりまた、私の勝ちね。」
「うん、咲には勝てないよ。」樹は負けた後いつもこう言う。
「じゃあ、樹のお菓子私に、ちょ、うだい、ね…。」
(えっ?あれ?何かおかしい、急に苦しくなって前もちゃんと見えない。何で?)
「咲!」
樹の声が聞こえたと思ったら私は真っ暗な暗闇の中に入っていった。
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