サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第3章

33話 いよいよ出国

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「ルオス・イラサール国際料理専門学校」(International School of Culinary Arts of Luos Irazar)で研修を受ける事になった。

その後、入学証明書を元に日本のスペイン大使館でビザがおた。

スペインの美食の街であるサンセバスチャンの「Luos Irazar」ルオス・イラサールと言う有名な国際料理専門学校だ。

英語も初級程度の会話しかできないのに、一人で飛行機に乗っていきなり外国の料理専門学校に行くのが正直、不安だった。

美食の街バスク地方で研修し学校は一九九二年にルオス・イラサールは後の世代に料理技術を広く伝えるために開校した。

そしてサンセバスチャンの旧市街のコンチャ海岸が見える西側に位置していた。

最初のカリキュラムは月曜から金曜日まで九時、または十時~十五時まで教室で研修して、十六時~二十時まで勉強をした。

料理技術インターナショナル料理
レストラン研修
栄養学
ワインの基礎
実習

次は九時から十三時まで教室で勉強して、十五時から二十一時まで自習だった。

上司から頂いた資料とは大幅に違う内容だった。

ルオス・イラサールには毎年スペイン語圏以外の外国人が入学していたが、ルオス・イラサールではスペイン語の授業もあったのですが、私にはどうしても馴染めなかった。

ホテルではフランス料理を主に仕事をしていながら横文字がどうしても苦手だった。

本来なら英語も含めスペイン語中級レベル(B1程度)は必要だったかもしれない。

私が在籍していたクラスは十二名だった。

スペイン語圏以外の国だとアメリカ人三名の内、一人は女性、カナダ人二名は男性、そして日本人は私一人だった。

アメリカ人の三人はスペイン語を既に問題無く話せていたので授業の時に苦労はしていなかったが、カナダ人はスペイン語初級位のレベルだった。

そして私はスペイン語が全く話せなかったので本当に苦労した。

本当だっらスペイン語を先にしっかり勉強してからこの学校に研修した方が良かったと思った。

こんな知らない国に放出されて、最初の内は本当に不安で仕方なかったです。

スペイン大使館が絡んだ事業だったので、とにかくタイトで厳しかった。

こんなに勉強をしたことがないほど詰め込まれた。

ただ、アメリカ人の中の一人の女性とは仲良くなって、私が理解をしていないスペイン語のでは英語に直して教えてくれた。

研修先は自分の希望している所で働ける事もあれば、そうでない場合もあった。

学校の提携先レストランはバスク伝統料理レストランから、フュージョン、ミシュランまで幅広くありサンセバスチャンは多くのレストランで研修生を受け入れていた。

ただ、スペイン国内でもレストランが研修生という名の元に料理人をタダ働きさせているという批判もあった。

私たちのような学校で勉強している料理人とは違い、飛び込みで研修させてくれるところもあると現地で修業をしている人と話す機会があって彼らは基本的に、給料はもらえないとのことだった。

当時のスペインでも雇用契約なしで働くのは例え無給であっても違法とのことだったが、それでも伝手のない人はそういう所で修業を重ねていた。

そのハングリー精神は見習わないといけないと思って彼らを羨望の眼差しで見ていた。

ルオス・イラサールのレストラン研修はカリキュラムに含まれているので問題なかった。

卒業後は直ぐに帰国した。

帰国して上司に挨拶に行くと、ホテルではスペイン料理のフェアをやると言われ、それからの一か月間はホテルに缶詰め状態になり準備を進めた。

つづく
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