147 / 177
第3章
17話 美容師の恭子さん 宅飲みデート
しおりを挟む
お互いに会える時間が二十一時以降という事で、恭子さんの部屋で会う事になった。
待ち合わせ場所で待っていると恭子さんが迎えに来てくれて部屋まで行った。
そしてつまみを昨日から作っていたと言ったので、お土産でまた得意のワインと一万円の商品券を入れたのを渡した。
宅飲みが始まった。
「頂いた、お土産を開けても良いですか?」と言われたのですが、「私が帰ってからにしてもらえませんか?」とニコニコして言った。
素直に「はい」と恭子さんは答えてくれた。
ビールで乾杯してその後はハイボールを飲みました。
アテは、肉じゃが、スパサラダ、鶏の唐揚、長崎皿うどん、キュウリの糠漬け、ほうれん草の白和え、納豆、湯豆腐などだった。
料理がちゃんとできる子なんだと感心して、「全部、美味しいです」とお世辞ではなく言った。
「ありがとうございます」と嬉しそうなんだけど、私はどうしても丁寧語になって、彼女も言葉が崩れないからお互いに硬い言葉になってしまっていた。
一緒に小さなコタツに入って世間話をしながら飲んでいた。
比べて悪いんだけど、京香とはどうしても違うんだよな。
やっぱり、肉体関係がないからなのか、いつまでも裃を着ていて話している感じで礼儀正しいのかもしれない。
兎に角、話しが盛り上がらないから彼女の作った料理を、「美味しいです。美味しいです」と言って全部平らげるしかなかった。
「久々の自炊でこんなに綺麗に食べてもらえて嬉しいです。沢山、食べて下さる男性が好きなので、本当に作り甲斐があります」
「そう言っていただけると」
(京香とは何処が違うのかな?)と考えながら恭子さんを見ていた。
(性的な目ではどうしても見られない)と思いながら。
(恭子さんとしたら、絶対にまた『結婚』を言い出すよな)と思いながら。
色気を感じてしたくなる時って、私の場合はいつも女性の方からだが、恭子さんに言い寄られた時もラブホに連れて行く気持ちにはなれなかった。
恭子さんがこの間の美容師のコンテストの際の動画を見せてくれた。
実に地味なカットの映像だった。
スポーツだったら点数が入ると、お客さんも騒ぐから、褒めるタイミングが分かりやすいが、さすがにカットのコンテストはシーンと張りつめた空気の中でやっていたし、見たこともないので、どこで「凄い!」と言って良いのか分からなかった。
「凄いね!」と言えないまま動画が終了した。
沈黙の後、「格好良かったよ」がやっと出た言葉だった。
その後もつまみを食べ終わったら、何だか居づらくなって、「今日はご馳走様でした」と言って帰らせてもらった。
帰宅すると彼女から電話が来て、「お土産、どうもありがとうございました。今日は楽しかったです。またお逢いしたいです。おやすみなさい」と。
私も「ご馳走様でした。全部美味しかったです。またお逢いしましょう。おやすみなさい」と言った。
その後、京香から「何で留守電にしておくのよ!」との苦情の電話が。
何度も電話をくれていたのは知っていたが、電話をしなかったのを怒っていた。
「ごめん、親戚の葬儀に参列していたからさ」と言って嘘を言った。
「だったらいいんだけど」と納得してくれたが、京香と肉体関係になってからは私に頻繁に連絡をくれるようになっていた。
ちょっと面倒臭いんだけど。と思いつつ。
生意気かな?
つづく
待ち合わせ場所で待っていると恭子さんが迎えに来てくれて部屋まで行った。
そしてつまみを昨日から作っていたと言ったので、お土産でまた得意のワインと一万円の商品券を入れたのを渡した。
宅飲みが始まった。
「頂いた、お土産を開けても良いですか?」と言われたのですが、「私が帰ってからにしてもらえませんか?」とニコニコして言った。
素直に「はい」と恭子さんは答えてくれた。
ビールで乾杯してその後はハイボールを飲みました。
アテは、肉じゃが、スパサラダ、鶏の唐揚、長崎皿うどん、キュウリの糠漬け、ほうれん草の白和え、納豆、湯豆腐などだった。
料理がちゃんとできる子なんだと感心して、「全部、美味しいです」とお世辞ではなく言った。
「ありがとうございます」と嬉しそうなんだけど、私はどうしても丁寧語になって、彼女も言葉が崩れないからお互いに硬い言葉になってしまっていた。
一緒に小さなコタツに入って世間話をしながら飲んでいた。
比べて悪いんだけど、京香とはどうしても違うんだよな。
やっぱり、肉体関係がないからなのか、いつまでも裃を着ていて話している感じで礼儀正しいのかもしれない。
兎に角、話しが盛り上がらないから彼女の作った料理を、「美味しいです。美味しいです」と言って全部平らげるしかなかった。
「久々の自炊でこんなに綺麗に食べてもらえて嬉しいです。沢山、食べて下さる男性が好きなので、本当に作り甲斐があります」
「そう言っていただけると」
(京香とは何処が違うのかな?)と考えながら恭子さんを見ていた。
(性的な目ではどうしても見られない)と思いながら。
(恭子さんとしたら、絶対にまた『結婚』を言い出すよな)と思いながら。
色気を感じてしたくなる時って、私の場合はいつも女性の方からだが、恭子さんに言い寄られた時もラブホに連れて行く気持ちにはなれなかった。
恭子さんがこの間の美容師のコンテストの際の動画を見せてくれた。
実に地味なカットの映像だった。
スポーツだったら点数が入ると、お客さんも騒ぐから、褒めるタイミングが分かりやすいが、さすがにカットのコンテストはシーンと張りつめた空気の中でやっていたし、見たこともないので、どこで「凄い!」と言って良いのか分からなかった。
「凄いね!」と言えないまま動画が終了した。
沈黙の後、「格好良かったよ」がやっと出た言葉だった。
その後もつまみを食べ終わったら、何だか居づらくなって、「今日はご馳走様でした」と言って帰らせてもらった。
帰宅すると彼女から電話が来て、「お土産、どうもありがとうございました。今日は楽しかったです。またお逢いしたいです。おやすみなさい」と。
私も「ご馳走様でした。全部美味しかったです。またお逢いしましょう。おやすみなさい」と言った。
その後、京香から「何で留守電にしておくのよ!」との苦情の電話が。
何度も電話をくれていたのは知っていたが、電話をしなかったのを怒っていた。
「ごめん、親戚の葬儀に参列していたからさ」と言って嘘を言った。
「だったらいいんだけど」と納得してくれたが、京香と肉体関係になってからは私に頻繁に連絡をくれるようになっていた。
ちょっと面倒臭いんだけど。と思いつつ。
生意気かな?
つづく
0
お気に入りに追加
19
あなたにおすすめの小説
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる