サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第3章

14話-2 結婚するなら京香みたいな女性

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店は、京香が探しておいてくれた。

料理の美味しい大衆居酒屋だ。

「私、あまりオシャレなとこ好きじゃないから」と言って連れて行かれた。

私は京香とならどんなところでも楽しめるけど、彼女が一番、気楽に飲めるところが良いから任せておいた。
 
席が狭かったので、近距離で話した。
 
「相変わらずに肌が綺麗だよな?」

「女子としては当たり前だけど、ちゃんと化粧水や乳液を副長の為に塗っているから」と言いながら、付けているリップは艶のあるレッドで私の好きな色だった。

「この色だと、皆から血色が良いって言われて顔色も良く見えるし、副長に褒めてもらったから」

「あぁ、そうだったな」

「副長だっていつも思っていたんだけど、お髭の剃り残しとか、爪が伸びているとか、全く無かったモノね。美容にも関心があるのかと思っていたから」

「そんな事ないよ。ホテルの料理人が髭面で爪が伸びていたら、そんな人の料理なんか食べないだろ?ただそれだけで毎日、ケアをしていただけだよ」

「副長は仕事熱心だもんね。私の使っているハンドクリームやネイルオイルの話しも、昔から興味深そうに聞いてくれていたし、私は美容オタクっぽいので、そんな話ができるのも面白かったな」

「俺はそんなに興味はなかったけど、京香の話しは面白かったからさ」

「電話をしなくてはいけない時には『ごめん、ちょっといい?』って訊いてくれたり、お箸を取ってくれたり、料理もこうやって取り分けてくれたり、マメな男が大好きなの」

「そっか」

「それも心地良かったから副長と一緒に居るのが好きだし、それと話す時は必ず私の目を真っ直ぐそうやってダメだよ、見詰められたら濡れちゃうよ……」

「なんだよ、また俺を褒めて、何か企んでいるのか?」と言って、ずっと見詰めたら照れていながらもテーブルの下では京香は私の足に絡ませていた。

会計を済ませて「ラブホに行こう?」

「うん。そうだね。」と言って手を繋いでコンビニに行き酒を買って、また手を繋いでラブホに行った。

エレベーターの中での京香は私のまとわりついてキスをしてきた。

キスが終わるとドアが開いて歩き出すと、「主人が小さいんだ」

「そうなんだ。初めて聞いたよ」

「だから副長とこうやって歩くと安心だし、キスする時にも背伸びするのが夢だったんだ」

「そっか。京香の唇は柔らかくて気持ちいいよ。フカフカしてスベスベだからさ」

部屋に入ると京香は「凄く綺麗なホテルだよね。気持ちもダダ上がりになるよね?」と言った。

部屋に入って暫くは、座って飲みながらジャレ合っていた。

やっぱり気に入った人でないと、こんな無防備な顔は出来ないし、気に入った人との情交はとても気持ちいいものだ。

「風呂に入ろう!」と言い脱ぎ出すと、京香は私の洋服をハンガーに掛けながら下着は畳んで椅子に置いた。

その後、京香も脱ぎ出して浴室に入った。

こういう所作が人妻は良いのだ。

大人の女性はこういう事を普通にやってのけるから良いのだ。

もっとも若い女性といえば前妻の真凛だけだったが。

つづく
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