サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第3章

14話-1 結婚するなら京香みたいな女性

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あの支配人の録音を聞かされ愛を確かめ合って、そして長年、書いていたブログを読まされた私は、暫くは京香と義母と康子先生とだけと遊ぼうと思っていた。

何故なら、恭子さんのように結婚を迫られる事もなければ、私を男として立ててくれて、心底愛してくれているのが分かるからだ。

打算などと言った事は全く考えていない事が分かっていて安心できた。
 
京香から、「日曜日、ヨロシク!」との電話があった。

「こちらこそ」

「でも雪予報になっているよね」

「本当だ。温かい恰好をしてきなよ!」

「副長はそうやって些細な心遣いをしてくれるから嬉しいの」

「こんな事は旦那だって言うだろ?」

「言う訳ないよ」

「そっか、結婚生活が長くなるとそんなもんなのかな」

「だから、副長みたいな男性と結婚したかったのよ」

「だな。俺も京香と結婚したかったよ」

「ありがとう、じゃぁ、日曜日ね!」

「あぁ」

久々に京香と一日楽しく遊んだ。

本当は一緒にキャンプに行って、自然を満喫したかったが、中々人妻でそんなに時間を取る事が出来ないのが辛い所だった。

 ※
 
待ち合わせの日。

改札前で待っていると、声を掛けられた。

「副長?」

振り返るとそこには、京香が立っていた。

美形には変わりなかったものの何故か髪の毛が金髪だった。

「何だよ、その色は?」

「その言い方はないでしょ?副長の為にイメチェンをしたんだから」

「俺は黒髪が好きだって言っていただろ?」

「そんな事、聞いた事なかったわよ。他の人に言ったんでしょ?」

「行き付けの美容室の子に頼まれてノリで染めたんだけど、こんなに副長から不評を受けてショックを受けたから来月に入ったら戻すから」

「今日は、見納めだと思って拝んでおいて!」

「パートの会社は大丈夫なのかよ?」

「かなりユルいんで、ちょっと怒られただけ」

「ま、似合っている事は似合っているけど、美人は何をやっても似合うもんだよな」

「本当、そう思ってくれるの?」

「あぁ、良く似合っているよ。でもな」

「分かったから、戻すよ」

つづく
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