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第3章
13話-1 職場の元パートの京香 再就職できない理由
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しばらく予定が合わずに電話だけで繋がっていた京香からまた、「いつ逢えるの?」と数日間の予定を伝えて来た。
やっと時間が合ったのでデートした。
「本当は休みの日に遠出しながら、有名な居酒屋で飯食ってその後はキャンプで泊まろうか?」と、言っていたが、そこまでの時間はお互いに取れなくて、いつもの飲み屋街で昼飲みした。
私は酒が好きだけど、常に相手に合わす。
「ワイングラス傾けて」とか「BARでしっぽり」とかも平気だし、職場が新橋に近かったので立ち飲みでワイワイとかもOKだったし、せんべろ酒場をハシゴとかも全然大丈夫だった。
女性でせんべろ酒場が好きな人はあまりいないけど、それでも相手がしたいって言えば幾らでも対応するのが私のポリシーだった。
京香は、赤ちょうちんのお店が大好きと言っていて、知っている店や興味のある店も被っていて、気取らなくて酒の話をしていても楽しかった。
「京香みたいな女性と結婚していれば今でも仲良くやっていたんだろうな」としみじみ言った。
京香も、「本当だね。私も副長みたいな旦那だったら今頃、旦那の悪口なんか言わないで副長の腕の中でいつもまったりとお酒を酌み交わしていたんだろうね。どこでどう間違ったんだろうね」と、ため息を吐いていた。
その後は、相変わらず面白い話しをして、今、行っているパートの職場でドジをした話しをしてくれた。
「しっかりしてそうなのに結構ドジなんだよな、京香は。ま、そこが魅力だったんだけどね」
「そうなのよ。けっこうドジ子なのよ。でも副長よりも年上なんだからね!」
「年上かもしれないけど、この年下に毎回、体の芯から悦ばせてもらっているんだからな!?」
「今日も抱いてくれるんでしょ?」
「あぁ」
そんな他愛のない話しが命の洗濯になるのだ。
会話のテンポは相変わらずでポンポンと進んだ。
そして何故か酔うとちょっと関西弁になる京香だ。
だいたい、私が京香を弄り倒して、彼女がボケて、「なんでやねん!?」という感じで終わる会話だ。
とても気分良く飲めた一日だった。
「相変わらず、あの煙草臭い支配人がいるの?」
「あぁ」
「私さ、副長に話してなかったんだけど、あの支配人から誘われていたのよ。それもしつこく何度もね」
「えっ、そうだったの?」
「メインダイニング全体で飲んだ時に帰りに送るからと言われて、そのタクシーの運ちゃんに、『近くのラブホに行って』と言われたので、私、煙草臭い人が一番嫌いで、その場でタクシーの運ちゃんに、『停めて下さい!』って頼んでその場で降りたの」
「そんな事が有ったんだ。」
「そうしたらさ、その後もしつこく誘われて」
「何で俺に相談しなかったんだよ」
「だって副長は出世する事を考えている人だった事は分かっていたから、上司の事をあの時に話したら責任感旺盛で部下思いの副長の性格だったら直接支配人とやっていたでしょ?だからよ」
「本当にお前って良い女だな。ま、この話しは、有難くお預かりさせてもらうから」
「で、これが証拠の音源よ」
「えっ、嘘だろ、録っていたのかよ?」
「うん。前日に支配人から、『明日は飲み会だから、分かっているよな?』って言われていたから、録音機を靴下の中に入れておいたの、絶対に何かあると思ったから」
「何で今頃、俺に話したんだよ」
「副長が戻って来て欲しいって先日、言っていたけど、戻れない理由を言わなくちゃと思ったから」
「そっかー、そういう事だったんだ」
「うん、でも副長の為にはなったでしょ?」
「あぁ、マジでお前って本当に良い女だよな」
「ありがとう」
「聴いて良いの?」
「アッチでね」
「うん、わかった。ありがとう」
私は直ぐにでも聴きたかったので、会計をしてタクシーを呼んでもらってラブホに向かった。
つづく
やっと時間が合ったのでデートした。
「本当は休みの日に遠出しながら、有名な居酒屋で飯食ってその後はキャンプで泊まろうか?」と、言っていたが、そこまでの時間はお互いに取れなくて、いつもの飲み屋街で昼飲みした。
私は酒が好きだけど、常に相手に合わす。
「ワイングラス傾けて」とか「BARでしっぽり」とかも平気だし、職場が新橋に近かったので立ち飲みでワイワイとかもOKだったし、せんべろ酒場をハシゴとかも全然大丈夫だった。
女性でせんべろ酒場が好きな人はあまりいないけど、それでも相手がしたいって言えば幾らでも対応するのが私のポリシーだった。
京香は、赤ちょうちんのお店が大好きと言っていて、知っている店や興味のある店も被っていて、気取らなくて酒の話をしていても楽しかった。
「京香みたいな女性と結婚していれば今でも仲良くやっていたんだろうな」としみじみ言った。
京香も、「本当だね。私も副長みたいな旦那だったら今頃、旦那の悪口なんか言わないで副長の腕の中でいつもまったりとお酒を酌み交わしていたんだろうね。どこでどう間違ったんだろうね」と、ため息を吐いていた。
その後は、相変わらず面白い話しをして、今、行っているパートの職場でドジをした話しをしてくれた。
「しっかりしてそうなのに結構ドジなんだよな、京香は。ま、そこが魅力だったんだけどね」
「そうなのよ。けっこうドジ子なのよ。でも副長よりも年上なんだからね!」
「年上かもしれないけど、この年下に毎回、体の芯から悦ばせてもらっているんだからな!?」
「今日も抱いてくれるんでしょ?」
「あぁ」
そんな他愛のない話しが命の洗濯になるのだ。
会話のテンポは相変わらずでポンポンと進んだ。
そして何故か酔うとちょっと関西弁になる京香だ。
だいたい、私が京香を弄り倒して、彼女がボケて、「なんでやねん!?」という感じで終わる会話だ。
とても気分良く飲めた一日だった。
「相変わらず、あの煙草臭い支配人がいるの?」
「あぁ」
「私さ、副長に話してなかったんだけど、あの支配人から誘われていたのよ。それもしつこく何度もね」
「えっ、そうだったの?」
「メインダイニング全体で飲んだ時に帰りに送るからと言われて、そのタクシーの運ちゃんに、『近くのラブホに行って』と言われたので、私、煙草臭い人が一番嫌いで、その場でタクシーの運ちゃんに、『停めて下さい!』って頼んでその場で降りたの」
「そんな事が有ったんだ。」
「そうしたらさ、その後もしつこく誘われて」
「何で俺に相談しなかったんだよ」
「だって副長は出世する事を考えている人だった事は分かっていたから、上司の事をあの時に話したら責任感旺盛で部下思いの副長の性格だったら直接支配人とやっていたでしょ?だからよ」
「本当にお前って良い女だな。ま、この話しは、有難くお預かりさせてもらうから」
「で、これが証拠の音源よ」
「えっ、嘘だろ、録っていたのかよ?」
「うん。前日に支配人から、『明日は飲み会だから、分かっているよな?』って言われていたから、録音機を靴下の中に入れておいたの、絶対に何かあると思ったから」
「何で今頃、俺に話したんだよ」
「副長が戻って来て欲しいって先日、言っていたけど、戻れない理由を言わなくちゃと思ったから」
「そっかー、そういう事だったんだ」
「うん、でも副長の為にはなったでしょ?」
「あぁ、マジでお前って本当に良い女だよな」
「ありがとう」
「聴いて良いの?」
「アッチでね」
「うん、わかった。ありがとう」
私は直ぐにでも聴きたかったので、会計をしてタクシーを呼んでもらってラブホに向かった。
つづく
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