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第3章

5-1話 恭子さんと二回目のデート

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また恭子さんから連絡があってデートした。

当日の私はホテルに車で出勤したので、帰りに一旦自宅に戻って電車で行くのも面倒だったので車で迎えに行ったので、今回は私だけアルコールなしのつもりだった。

私の愛車を見た彼女は、「私、このジムニーが欲しかったんです。軽だけど、トルクもあって雪の坂道なんか他の四駆よりもスイスイですものね」と言ってくれた。

私もその経験はしていて、雪の日光で友人が中禅寺湖で勤務していたので、遊びに行った時に豪雪だった。

四駆のベンツやトヨタのランクルなどが、いろは坂入口の馬返しの先の緩やかな坂でさえ、登れなくて、ブレーキをしたらそのまま下に滑り落ちて行ったのを見たが、私の車はスイスイ上って行った。

その時に「車体価格が高いのに意味がないじゃない」と思ったものだった。

そんな話しをしたら、彼女も「本当ですよね。それにこの車は女の子が乗るとカッコ良いんですよ」と言ってくれた。

真凛はいつも「こんな軽じゃなくて大きな乗用車の方がいいんじゃない?」とか、義父からは「俺のクラウンを乗れば」と良く言われていた。

しかし私の当時の趣味はキャンプや乗馬だったので、舗装されてない道を走るのに乗用車ではちょっとと思っていたし、軽だから税金も安く良かった。

趣味も合うようで、◎だった。

有名な中華料理屋さんに行き、駐車場に車を停めて外に出た。

ここは私の行き付けで、座ると同時に彼女はバッグから封筒を出して、「これ、この間のタクシー代のお釣りです」と言って渡された。

「何て良い子なんだ」と思い感動し、そのまま「ありがとうございます!」と言って受け取った。

タクシー代は有難くお言葉に甘えたが、お釣りはキチンと返すと言う誠実さが良かった。

私はとりあえず、「お酒を飲んで良いからね」と言った。

「久留実野さんが飲まないのに悪いです」と気を使ってくれたのですが、「気にしなくていいですから好きな物を飲んで下さい!」と。

「はい、ではお言葉に甘えて、生ビールで」と言った。

そしてメニューを見せて、「ココは何でも美味しいから」と言うと、「私、嫌いな物はなくて好きか大好きかですから、久留実野さんが選んで下さい」と言った。

店員さんを呼んで私は「じゃぁ、まずは五目チャーハン、高菜そば、海鮮餃子、豚の角煮、ナマコのオイスターソース煮、カニ爪フライでお願いします」と注文すると、彼女は「多過ぎじゃないですか?」と言った。

「何を言っているのよ、あのもつ焼き屋さんでは恭子さんは凄かったじゃない?」

「あっ、そうでした」と恥ずかしそうに笑った顔がまた可愛かった。

「大丈夫だよ。残ったら私が食べるから。私はお酒が入らなければ大食漢ですから」

最初に彼女のビールが運ばれてきて、カニ爪フライと海鮮餃子が来て彼女は一口食べると、「美味しい!」と言ってくれた。

「でしょう?」と言ってニコニコして、私も一緒にシェアして食べた。
 
その後は続々と料理が運ばれてきて、私が小丼に分けて上げて、彼女に渡すと、「こんな事までさせてすみません」と言った。

「気にしないで、先日の様に爆食をして下さいよ!」

「レディに向かって、んもぅ……!」と言って口を尖らせたその仕草がまた可愛かった。

三十二歳には見えない、若々しさだった

デザートの杏仁豆腐とマンゴープリンを食べた。

つづく
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