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第2章

25話 結婚に向けて目に見えて動き出す

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仕事を終えて帰宅した。

「私のママから電話があって、『先生のご両親と顔合わせはどうするの?』って訊かれて困って、『未だ、その話しをしていない』って嘘ついちゃった」

「そっか」

「でも、何もしないなら、何もしない理由を説明しなきゃいけないじゃない?」

「急に仕事で行けなくなったって言えばいいから、顔合わせをしたいなら、普通にセッティングをして両親たちを呼ぶよ。その日は叔父夫婦にも仲人として来てもらってさ。でも、私は急に仕事で行かれなくなるというシナリオかな」

「うん」

「実際に料理長だから土日祝日は絶対に休めないし、平日の休日でもホテルに呼ばれて行かなくてはいけない時もあるし、当日は真凛も出席をしなくてもいいし、どうしてもと言われたら、出席するようにすればいいんじゃないのかな?」

「それが一番、スムーズだよね」

「両親同士の顔合わせなんだから、私がいなくても、うちの両親が既に大好きになっている真凛さえいればさ」

「そんなに私の事を先生のご両親は思って下さっているのかな?」

「あの態度だよ。今まで見た事なかったからさ。で、夜に俺も真凛とご両親に合流して食事をすればいいと思っているんだけど」

「うん」

「俺は真凛のご両親や従姉たちと仲良くできればそれでいいからさ」

「それがいいよね」

「その方向で行こうよ」

「でも、結納の代わりに、顔合わせの食事会をするんだよねぇ。本当なら、そこで二人の結婚をそれぞれの両親が認めて、正式に婚約ってことになるんだろうけど、私たちにはこれが精いっぱいだよね」

「そうだな」

「幸いにも、お互いの両親が祝福してくれているんだし、あまり贅沢を言っても仕方ないよね」

「真凛、悪いな」

「気にしないで」

 ※

その晩に二人で食事をしていると、また真凛の母親から電話があった。

義母は「久留実野さんのご実家へ行ったでしょ?ご両親はどういう人だったの?」

真凛「うちと同じ感じだったよ。『二人で好きなようにしなさい』って言って、あとはパパの職業とか会社を訊かれたよ」

真凛「お祝いの話で、引越しなどで、色々なお金が掛かるだろうからお祝い金をくれる事とか、きちんと用意してくれて、お金は銀行振込みでしてくれるって。それも私の口座に振り込むってお義父様が言っていたよ」

真凛は一人娘なので親としても可愛くて仕方ないと言った感じだった。

義母「それで、結婚式の予定とか、新婚旅行はどうするの?」

真凛「結婚式はするけど、新婚旅行まではまだそこまで考えてないなー?」

義母「それじゃ、結婚式もしないとか言い出しそうじゃないの!結婚式ぐらいしなさいよ!」

真凛「ママの頼みとあらば、仕方ない、やりましょう!」と、真凛は恩に着せた言い方をしていた。

いよいよ結婚に向けて私たちは目に見えるように動き出す事になった。

つづく
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