サレ夫が愛した女性たちの追憶

しらかわからし

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第2章

4話 大家さんの奥様からの電話

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奥様が帝王ホテルの近くのホテルに予約をして宿泊するので逢う約束の電話だった。
 
仕事を終えて、奥様が宿泊すると言った部屋に行った。
 
「話は後にして抱いて」と言われたので、いつものように一通りの愛情を込めた愛撫をして奥様が満足するまで徹底的にした。
 
真凛との縁談を話した後なので、奥様は物凄く興奮して狂ったように咆哮の声を上げ気を遣っていた。
 
何度も何度も絶頂に達して、最後には二人でシャワーを浴びて、そのピロートークで、真凛と付き合っていたことに対してイヤミを言われ、「親子丼じゃない!」とも言われた。
 
しかし真凛と結婚しても奥様との関係は続けてほしいと懇願され、「私を絶対に捨てないでね!」と念を押された。

更には「主人が言っていたんだけど、娘と結婚してくれたら、東京に二人のマンションを買うからと言っていたわよ」と。
 
私はまだ真凛との結婚を承諾した訳ではないが、気の早い奥様は既に私が承諾するものと思っているようだった。
 
そうは言われても私は憂鬱だった。
 
私としては奥様とは一生、付き合いたいとは思っていたが、私を裏切り他の男性の所に行った真凛とは、本当に結婚はしたくなかったからだ。
 
相手の男に脅された時に相談してくれれば、いくらでも対処できたと思っていたからだ。
 
この日は奥様と外で食事をして帰り、途中の公衆電話から高校時代の同級生に電話して相談に乗ってもらった。
 
彼は既に年上の奥さんと結婚していて、私は彼よりもその奥さんに相談することが多かったので行った。
 
実は彼らには、大家さんの奥様と男女の関係だという話しもしていて、真凛と結婚を約束してからは二人に紹介もしていたので、状況が分かっていたので相談しやすかったのです。
 
親は開業医で彼の今は医科大学の六年生で、奥さんはスナックでホステスをしていた時に、二人は付き合っていて子供が生まれて、学生結婚したので、子供も今では幼稚園に通っていた。
 
彼は、「ミキトは自分の親に見捨てられているんだし、財産は弟たちの所に行くんでしょ?そんなに望まれているんだから、人助けの為だと思って結婚してあげなよ。その家は資産家なんでしょう?将来的には社長になれるんだから良いと思うよ」とふざけて他人事だと思っていい加減な返答をした。
 
話にならないので、その足で叔父と叔母に相談があると言って向かった。
 
叔母には、彼らに話したことは、何も伝えていないですし、言うつもりもなかった。
 
彼らにも真凛が私と別れた理由は話してなかった。
 
叔母は、「向こうのご両親からも望まれて、その娘さんからも頼まれての結婚だから、幹ちゃんの考え方次第だけど、幸せになる確率は高いと思うよ。でもどうしても幹ちゃんが心配だったら、相手のご両親も本人も心配だろうから、正式に婚約を取り交わして、一年ぐらい普通に付き合ったらどうかな?」と言った。
 
更に能天気な叔父は、「今時だから失敗だと思ったら離婚すればいいんだよ。俺みたいに二回目はこんなに素晴らしい奥さんをもらえるかもしれないぞ!俺たちが仲人をしてやるから」と嬉しそうに言った。

私も仲人は会社の人間に頼むのではなくて、叔父夫婦に頼もうと思っていたのでそれは有難かった。

叔母の言う通りで婚約をして一年ぐらい普通の恋人同士という感じで、昔のように真凛と付き合うのを提案してみようと思った。

つづく
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