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第2章

3話 大家さん夫妻と真凛からの相談

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真凛が高校を中退したことで、以前から奥様と逢う度に愚痴を聞かされていたが、今日は大家さん夫妻に呼ばれて自宅に行き相談された。

手土産を渡して、就職後の近況報告をした。

奥様とは逢瀬の度に、それなりに話していたが、ご主人とは久々に会ったので、詳しく話し休日には乗馬クラブに行ってボランティアもしていると話した。

付き合っていた彼と別れさせたとのことで、真凛は自宅に居て久々に逢った。

随分、化粧や着ている服が派手になって、場末の水商売の女性の様で以前の清純な雰囲気は全くなくなっていた。

「実は話しとは、真凛から聞いたんだが、娘が高校に合格した時から先生と男女の関係で付き合っていたらしいんじゃないか?」と単刀直入にご主人から言われた。

私は嘘を言っても仕方ないので、結婚まで約束をした話をすると、真凛もその事まで話していたので知っていた。

更には私と別れた理由まで話し、その話も聞かしてもらった。

そこでも、ご主人と奥様から真凛と結婚をしてほしいと言われた。

私にとっては青天の霹靂だった。

私は「真凛さんだって私よりもその男性の方が好きでしょうし、ご夫妻に無理やり別れさせられたのでしょうから、まだその彼に未練があると思うので、私は真凛さんとは結婚できません」と言った。

それよりも私と付き合っていた時の真凛ではなく全く違う姿になっている彼女は、私の好みの女性ではなかったからだ。

真凛は、「もう彼には未練はないです。幹斗さんと結婚したいです」と言った。

夫妻は涙を流しながら私に頼み、真凛も涙を流して頼んできた。

頼まれて結婚するのはどんなものなのかと思い、先ほど直ぐに断ったが、また断るのもどうかと思い、「少し考えさせて下さい」と言った。

結婚は本人同士の問題だけではないからだ。

特に私は実の両親からは蔑まれていて、弟たちからも父と一緒になってバカにされていたので、家族に結婚の話しをするのも嫌だったからだ。

とりあえず、真凛と親夫婦の意向を聞いたので、その日は帰った。

つづく
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