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第2章
2話 職場の休日
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叔母や大家の奥様との約束をせずに、ホテルの直属の上司がやっていたボランティアに顔を出すようになっていた。
そのボランティアとは乗馬教室で、身体や知的障害を持った子供たちに対して、乗馬をさせる介助だ。
上司は既に七年間もこの乗馬クラブに通っていて、ヘルパーになりその後、介護福祉士の試験にも合格していた。
そんな上司が、子供たちに接する姿を見て私も彼と一緒に子供たちの為に尽くしたくなっていた。
上司と言えば高校卒業してホテルに就職して既に十二年目のシェフ・ド・パルティで、調理場内では部門シェフで責任者をしていた。
各部門を統括するポジションの料理長で、憧れの存在でもあった。
その上司に、「休日は何をしているの?」と訊かれ、叔母や大家さんの奥様に逢っているなどとは言えず、「部屋でグダグダしています」と答えると、「一緒に遊びに行かないか?」と誘われ、憧れの人に言われたのでご一緒させて頂いた。
調理場内では鬼と言われる厳しい先輩だったが、子供たちに接する目と姿は仏様かと思うほど優しいものだった。
子供たちがいない時には、彼は乗馬をして楽しんでいた。
私も彼に教えてもらいながら初めて乗馬をして、こんなに楽しいものなのかと思ったので、今後も続けさせて頂く旨を申し出ると大変に喜んでくれた。
この事によって、部門シェフだった上司から皆に内緒で直々に料理を学ぶことができ、私としてはこの上ないほどの嬉しさだった。
学生時代の大家さんのご主人もそうだが、良い大人との出会いで人生が決まっていくと思った。
上司とは毎回、休日が一緒になる事はないので、私一人でも乗馬クラブに通い、子供たちの介助をするよりも先にオーナーから、馬の扱いの基本の馬房掃除や馬装の仕方を教わった。
馬房掃除はまさに肉体労働でお陰でたるんでいた体もだいぶシェイプアップしたことで調理場内でもキビキビ動くことができ一石二鳥だった。
そしてこの帰りに叔母の部屋に行き、子供の顔を見て夕食をご馳走になって帰るのが日課になっていた。
叔父と私の血液型は一緒だったので、全く問題にはならなかった。
日に日に叔母同様に美しい顔の男の子になっていき、私のようなブサメンに似ないで良かったと思っていた。
つづく
そのボランティアとは乗馬教室で、身体や知的障害を持った子供たちに対して、乗馬をさせる介助だ。
上司は既に七年間もこの乗馬クラブに通っていて、ヘルパーになりその後、介護福祉士の試験にも合格していた。
そんな上司が、子供たちに接する姿を見て私も彼と一緒に子供たちの為に尽くしたくなっていた。
上司と言えば高校卒業してホテルに就職して既に十二年目のシェフ・ド・パルティで、調理場内では部門シェフで責任者をしていた。
各部門を統括するポジションの料理長で、憧れの存在でもあった。
その上司に、「休日は何をしているの?」と訊かれ、叔母や大家さんの奥様に逢っているなどとは言えず、「部屋でグダグダしています」と答えると、「一緒に遊びに行かないか?」と誘われ、憧れの人に言われたのでご一緒させて頂いた。
調理場内では鬼と言われる厳しい先輩だったが、子供たちに接する目と姿は仏様かと思うほど優しいものだった。
子供たちがいない時には、彼は乗馬をして楽しんでいた。
私も彼に教えてもらいながら初めて乗馬をして、こんなに楽しいものなのかと思ったので、今後も続けさせて頂く旨を申し出ると大変に喜んでくれた。
この事によって、部門シェフだった上司から皆に内緒で直々に料理を学ぶことができ、私としてはこの上ないほどの嬉しさだった。
学生時代の大家さんのご主人もそうだが、良い大人との出会いで人生が決まっていくと思った。
上司とは毎回、休日が一緒になる事はないので、私一人でも乗馬クラブに通い、子供たちの介助をするよりも先にオーナーから、馬の扱いの基本の馬房掃除や馬装の仕方を教わった。
馬房掃除はまさに肉体労働でお陰でたるんでいた体もだいぶシェイプアップしたことで調理場内でもキビキビ動くことができ一石二鳥だった。
そしてこの帰りに叔母の部屋に行き、子供の顔を見て夕食をご馳走になって帰るのが日課になっていた。
叔父と私の血液型は一緒だったので、全く問題にはならなかった。
日に日に叔母同様に美しい顔の男の子になっていき、私のようなブサメンに似ないで良かったと思っていた。
つづく
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