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こころの在り処

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リリヤが手の平をケルベロスに当てた時...


「...ケルベロスよ...」

(この声はハーデス様っ!)

「お前は何故罪なき人間を襲うのか?私とお前の誓約とはその様に脆い物なのか?」

(...いいえっ!決して!決してその様な事はありません!私はただっ...!ただハーデス様の御身のために...っ!)

「お前は阿呆か!私の身に何が有ろうと誓約は遵守ではなかったか!?私はお前とその様に安い約束をしたのか...?...私はお前が好きだ。一人と友として。...だがっ!」

「今のお前は好かんっ!」

(しかし...!)

「...安心せい。私とはゼウスやポセイドンも一緒に囚われておる。だから、父上達もそう手は出せんよ......ケル...ス...頼...ぞ」

(ハーデス様っ!)


.........今のは僕がオリュンポスのハーデスとケルベロスを直接繋いだものだよ.........

(...そうか...汝か...汝のおかげで我は大きな過ちに気が付けた!我は...我はハーデス様を奴等の良いなりでらなく我の意識で助けにいくっ!)



 そして、ケルベロスはゆっくりと4人の方に降りて来た。リリヤと共に。

「...汝ら、我は間違っていた。...今、この天使にハーデス様と話させてもらった。まずは、汝らに詫びを入れたい。すまなかった。」

ケルベロスは雪乃を見て頭を下げたあと(真ん中のみ)直也、ミサ、カツェにも下げた。

ケルベロスは次に浮遊して李広の方にいった。

「...汝にも迷惑をかけた。汝の領民はすぐに返す...。...そこでだ...。我に都合良い話過ぎるのだが、汝の楓月綠神槍、貸してはもらえぬか?奴等に勝つにはその槍が...」

ケルベロスは申し訳なさそうに、それでいて李広の目をしっかり見つめ訴えた。

「...そうか、なら貸さぬでもない。...が。」

そこで李広は間を空けて

「わしも連れて行くがよい!御主の世界に行くにも帝と力が必要であろ?わしも京には是非行ってみたいと思って居ったでの」

その時やっとの事で状況が整理出来たのか、李広の反対側に陣取っていた安東愛季が

「...貴様っ!何故、李広と話などしておるっ!早う殺さぬかっ!何のために貴様を...」

喚いていた愛季の声がいきなり途切れる。

「...汝よ...汝はもはや我の傀儡の主君ではない...!我はハーデス様を助けるまで...この小娘に仕える事にした。」

そう言って雪乃の方に向いた。

「...汝よ、我の主君となっては貰えないか?...そして都合のいい話なんだが、共にハーデス様を助けてくれるなら良いのだが...」

雪乃は困った様に直也の方に向く。直也もまだ雪乃の石で意識が戻ったばかりであったが、

「...助けてやれよ。俺はまだ向こうでやる事があるしな...」

この時の俺はアリスを助ける半分、天使達とムフフな...

「先輩がそう言うのなら...でも、ケルベロスさん。李広さんも連れて行って良いですか?」

「我が主よ、ケルベロスでよい。李広も来たいと言っておるし、我は主がよいならそれでよい。」

ケルベロスはそう言ってから再び愛季の方に行き、

「...直ちに軍を引き、蠣崎領から撤兵せよ...さもなくば我は汝らに武力を用いる...!」

愛季は顔から血の気を引かせて

「...覚えておれっ!貴様の事はクロノスに伝えておく!あとで吠え面かくなよ...バケ犬がっ!」

吐き捨てる様にして軍に退却命令を下した。

「...雪乃殿はまことにすごい人よのぉ!まさかケルベロス殿を味方につけるとは...わしといえども真似できん、まことあっぱれじゃ!」

李広は雪乃に言った後、すぐに全軍に

「皆の者っ ! 勝鬨をあげよっ ! 」

そして、ひとまず雪乃達5人含め李広やケルベロス達は安息の時間を短いながら手に入れる事が出来たのであった。
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