デュアルバース〜アルファでオメガな俺がクズな番のせいで散々な目にあっています〜

はじまり②

「いたいっ、折人、やめろっ……！」
「何言ってるの、こんなに濡れて僕のこと歓迎してるくせにさ！」

　折人はそう言うと、いきなり屹立を根元までぶち込んできた。

「うぅうううう！」

　あまりの衝撃に、俺は思わず腰を浮かせた。
　処女を好きでもない男に無理やり奪われる痛みと、アルファの長大な肉欲を求めるオメガの快楽。
　二つの感覚に同時に襲われ、そのまま中で絶頂してしまった。

「僕のおちんぽ入れられただけでイっちゃったの？　しーちゃん、可愛い」

　悪魔のような男は笑顔で俺に言うと、容赦なく抽挿を開始した。



　かくしてはじめての発情期を幼馴染の男に奪われ、しかも番にまでされた俺は、バース検査とアフターピルを貰うために学校を休んで病院へ行くことになった。

「随分と珍しい体質をお持ちのようだ。
　……デュアルバースと言って、特定の条件下でバース性が変わる人がごく稀に現れるんです。
　あなたの場合はおそらく、時間帯が条件でしょうね。
　昼間はアルファだから最初の検査ではアルファと診断された。
　しかし夜はオメガになる。
　とりあえずアフターピルをお出ししますから、貰ったらすぐに飲んでください」
「まさか……そんな……」

　自分が本当にオメガであることを知り、俺は途方に暮れた。
　それでも薬だけは飲まなければいけないと思い、アフターピルとオメガ用の抑制剤を貰ってその日は帰った。



「しーちゃん、なんで学校来ねーんだよ」

　ガラガラと窓を開けて、折人が部屋に入ってくる。
　一度窓に鍵をかけたことがあったが、その時は窓ガラスを叩き割ってまで侵入してきたので、以降は諦めて鍵を開けっぱなしにしている。

「なんでそんなに普通でいられるんだ。俺は昨日、お前にレイプされたんだぞ」
「あんなの実質合意だよ。しーちゃんだって僕のでイキまくってたし」

　こいつ、濡れてたらどんなレイプも全部合意とか言うクソ野郎かよ。

「さっさと自分の部屋に帰れよ」
「せっかく番になったのにそんなこと言うの？　お腹の赤ちゃん泣いちゃうよ？」

　オメガは発情期にアルファと性交すると、高確率で妊娠する。
　折人は俺のお腹を優しく撫でて、「元気に育つんだぞ」などと話しかけている。

「そこには何もない。病院でアフターピル貰ってきて飲んだからな」
「はぁ？」

　途端に折人はしかめっ面になり、俺の襟元を掴んだ。

「どういうことだよ。何でピルなんて飲んでるんだ」
「俺はお前の子供なんて産みたくない。
　俺はアルファだ。
　いずれは可愛いオメガの子と結婚して、幸せな家庭を築きたい」

　俺の言葉に折人は舌打ちして、そのまま俺の体をベッドに投げとばした。

「しーちゃんは俺の番なのに、いまさら何言ってるの？　今すぐアフターピル、全部吐けよ！」

　折人は俺の顔面と腹を一発ずつ殴った。
　突然襲われた衝撃で固まる俺を押し倒すと、服を全部脱がせて両足を抱え上げた。
　そのまま折人は俺をチングリ返し状態にすると、バキバキの自身の肉棒を取り出した。