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第三章 役立たず付与魔術師、魔術学院に通う
閑話:「どーせチェルシー様のしゅんころよ」
しおりを挟む掲示板 【錬金術科のアグラアト先生】クネシヤ魔術院 453【美魔女すぎてやばい】
337:名無しの冒険者
中庭で決闘、チェルシーさまとミロクのガチンコ勝負
338:名無しの冒険者
チェルシーさまhshs
339:名無しの冒険者
中庭盛り上がってるな、何事や
340:名無しの冒険者
ついに連続襲撃事件の犯人逮捕くるー?
342:名無しの冒険者
(この書き込みは削除されました)
343:名無しの冒険者
クネシヤ魔術院の決闘ルールってなんだっけ
中庭に身代わりの人形を設置して、ダメージを肩代わりしてもらうんだっけ
344:名無しの冒険者
チェルシーさますげえ、さらっと空中に魔法陣固定させてる
色とりどりのチョークが複数魔法陣を描いてるし、処理も詠唱式も中身が違う、これ本物のマルチキャスターじゃん
345:名無しの冒険者
おおお、最近決闘なかったから楽しみ
まだやってるよね?
346:名無しの冒険者
どーせチェルシー様のしゅんころよ
と思ってたけどなんかすごい勝負になってる
347:名無しの冒険者
えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ
348:名無しの冒険者
中庭ってダビデの星あったよね?(セーマン?)
349:名無しの冒険者
こっわ、なにこれ
チョークの色鮮やかな魔法陣が飛び交ってるけど、それよりもっとやばい魔法陣と詠唱が編み込まれてる
350:名無しの冒険者
思ってた勝負と違うwwwww
351:名無しの冒険者
言語学部の連中が沸いてるぞ
てか展開されてる術式がすげえ
曼荼羅かこれ?
352:名無しの冒険者
何が起きてるのか分からんが中庭行けばいいんか?
353:名無しの冒険者
クネシヤ魔術院 最強議論スレより抜粋
○チェルシーさま
・古英語で「チョークが採れる土地」という名前にちなんで、空飛ぶカラフルチョークで自由自在に魔法陣を描き操る
・同じスペルの複製とかじゃなくて同時に二つ以上の別々の術式を編める『ガチ』のマルチキャスター
・自称【大理石の勇者】。魂の位階のランクも97位と2桁ランカー。
・純魔力学部でも屈指の魔術の造詣の深さを誇り、場面に合わせてオールラウンダー的に戦うことが可能
・純魔力学部を主専攻、言語学部、儀式学部を副専攻として三つの分野を勉強している"才女"
354:名無しの冒険者
かっけえええええええええええええええ
魔法が飛び跳ねまわっているうううううううううう
355:名無しの冒険者
ミロク強すぎんか!? 何モノやこいつ!?
356:名無しの冒険者
>351
言語学部だけじゃなくで儀式学部の連中もテンションぶち上げてる
音楽魔術のスコア編成がやべえ
グレゴリオ聖歌をバフ魔術に仕上げて、教会旋法を中心にモード奏法で仕立て上げてるうえに、メリスマ的歌唱をつけてバロック調に整えてる
357:名無しの冒険者
曼荼羅の解析結果速報出た! まだ解析結果出せないって!
金剛界曼荼羅のうち五智(法界体性智、大円鏡智、平等性智、妙観察智、成所作智)をアクショーブヤअक्षोभ्य、ラトナサンバヴァरत्नसम्भव、アミターバअमिताभ、アモーガシッディअमोघसिद्धि の四方守護で飾ってるらしい
358:名無しの冒険者
さっきから回転してるやつマニ車じゃん! 六字大明陀羅尼だこれ!
359:名無しの冒険者
>357
出てないんかい!
360:名無しの冒険者
え、え、旋律優位のホモフォニーなのにポリフォニックか? 対位法か? バロックなのか?
よくわからんがえらいことや
361:名無しの冒険者
トンファーがさっきからすげえ、なんじゃあれ
あれが射爆了で有名なガン=カタか!?
362:名無しの冒険者
序章は入祭唱(イントロイトゥス)
そこから昇階曲(グラドゥアーレ)、 詠唱(アレルヤ/トラクトゥス)、続唱(セクエンツィア)、奉献唱(オッフェルトリウム)、聖体拝領唱(コンムニオ)の編曲構成
363:名無しの冒険者
まさかのメリスマ使いかよ
古代ギリシャ語で「歌」って意味
催眠にかかったような陶酔感を聴き手にもたらす技法として古典古代の文化で多用されたやつ
364:名無しの冒険者
>362
聖体拝領してるってことは御神体をその身におろしてる、禁忌術だこれ
365:名無しの冒険者
>357
サンクス
それ大日如来ふくめたら金剛界五仏だわ
366:名無しの冒険者
暗号科の解析出たぞ
曼荼羅の装飾に古代ドラグロア言語と古代エルヴンロア言語が使われてる
オン・マイタレイヤ・ソワカ(oṃ maitreya svāhā)
須彌山らしき記述あり、色は【瑠璃色】
367:名無しの冒険者
スラヴ諸語じゃん!!
グレゴリアンチャントの中で/r/ や /l/ のほかに、/ŋ/ や /v/ も音節主音的子音として用いてる!!
368:名無しの冒険者
>363
しかも1オクターブを72のモリア(moria)に分割してるっぽいぞ
ビザンティン聖歌理論だ
369:名無しの冒険者
これガチのマジで色号級の魔術師じゃね?
370:名無しの冒険者
>361
ガンカタはちがうやろww あれはコルトパイソンの二丁拳銃使いしか許されへんやつや
371:名無しの冒険者
スレの流れ早すぎてよくわからん
もしかしてチェルシーさま負けてる?
372:名無しの冒険者
これすげえわ、言葉も出ねえ、ミロク本当にS級冒険者説あるかもしらん
373:名無しの冒険者
がんばれえええええええええええええええ
チェルシーさまあああああああああああああああああ
374:名無しの冒険者
スレしか見てないけどミロクって
・グレゴリオ聖歌、ビザンティン聖歌理論=正教の典礼魔術?
・スラヴ諸語=スラヴ語体系?
・金剛曼荼羅、マニ車、金剛界五仏の加護=ヴェーダ神話体系?
・古代ドラグロア言語、古代エルヴンロア言語=???
ってこと?
376:名無しの冒険者
複数のソロとトゥッティの組み合わせから曲が構成されている
今わかった、スラヴ祖語(スラヴ諸語?)が入ってるのは多声コンチェルトの再現だ
歌詞の多くは聖詠(シナイ詩篇)からの引用だし、スラヴ精霊体系を呼び寄せるためにLXX(ヘブライ人の経典の旧約聖書をギリシア語に翻訳した聖書)で運用してる
377:名無しの冒険者
聖杯じゃん、これ
オセティア神話、ジョージア神話、アブハズ神話とナルト叙事詩だ
金属製のカリス(聖杯)を強調するからなんぞこれと思ったが
「じつにこれは、新しくそして永遠なる契りの、私の血のカリスである(Hic est enim calix sanguinis mei)」
378:名無しの冒険者
>374
グレゴリオ聖歌そのものには、ビザンティン聖歌理論のオクトエコスが存在しない
教会旋律をつかってビザンティン聖歌っぽくしてるのは、ジャズ理論に基づいてフレージングを行ったり和声を構成したりする自由度を作る狙いと同時に、ビザンツ(古代ギリシャ)≒ビュザンティオンの原住民トラキア人の言語、スラヴ祖語との調和を図るためっぽい
つーか古代ギリシャのメリスマ技法ってここにかかってるのな
379:名無しの冒険者
ぞくぞくしてきた
世界最初の山ってカフカス山脈の神話(聖杯探求物語の祖、ナルト叙事詩)じゃん
聖歌のサンクトゥスで聖杯(=聖体?)強調してるけど、聖体拝領ってことね
で、山は須弥山とのアナロジーで、須弥山世界観を象る曼荼羅を編み込んでるのね
須弥山で取れる鉱石は瑠璃、だから重要な術式は【瑠璃色】
380:名無しの冒険者
ミロクってマイトレーヤか!
ミトラ教だ!
381:名無しの冒険者
「サンクトゥス」の三唱はアミダー(立祷)でおこなうケドゥーシャ(三聖唱、「神は聖なるかな」と3度唱える行為)の継承
このアミダーと阿弥陀(アミターバअमिताभ)が編み込まれてる
で、古代ギリシャのコンテクストが、ミトラス教に編み込まれている
すんげー壮大なバフ魔術だけど、肝心の部分は全部【瑠璃色】の術式だね
須弥山を中心に広がる曼荼羅の世界、カフカス山脈を中心に広がる聖杯の神話、これらを瑠璃石に紐づけてる
382:名無しの冒険者
チェルシーさまあああああああああああああああああ
泣かないでええええええええええええええ
383:名無しの冒険者
はえー、こんなバフ魔術初めて見た
音楽ちゃらちゃら―、魔法陣ぐるぐるーってわけじゃないんやね
384:名無しの冒険者
>366、381
瑠璃って、旧約聖書でムーサ(モーセ)がシナイ山で神より授かったとされる十戒が刻まれた石版が、確か瑠璃でできてるはず
聖杯の神話の広がりへの紐づけっていうより、神から与えられた教え(聖書?)の広がりへの紐づけなのかも
385:名無しの冒険者
さっきから魔法陣を片っ端から粉砕しまくってるね
そりゃこんだけの呪術的コンテクストの塊のバフを受けてる状態でぶん殴ったら、大抵なんでも粉砕できるわな
386:名無しの冒険者
>377、379、381
面白い考察だけど、聖杯への結びつけだけじゃなくて、むしろ「私の"血"のカリス」を強調してると思うね
あの曼荼羅、よく見たら血液魔術で作られてる供養曼荼羅なんだわ
387:名無しの冒険者
チェルシーさま泣いてるやんけ
388:名無しの冒険者
六字大明呪(六字大明陀羅尼)で説いている慈悲とは元来、4つある四無量心(四梵住)の徳目「慈・悲・喜・捨」の最初二つなんだわ
慈=慈愛はマイトレーヤ、悲=哀れみはカルナを表している
喜捨が加わったら最強かな?
389:名無しの冒険者
いやー、勉強になった
こんなすごい戦い初めて見たわ
390:名無しの冒険者
色号級の魔術師とミロクって名前で思い出したわ
元世界九位、【瑠璃色】の付与魔術師ミロクってやつおったわ
391:名無しの冒険者
いい試合だったと思う
392:名無しの冒険者
ははーん
古代エルヴンロア言語とか古代ドラグロア言語とかどこから来てるのかわからんかったが、元迷宮攻略トップクラスの人間なら納得だわ
迷宮碑文によくある言語だわ
393:名無しの冒険者
この負けはしゃーない
394:名無しの冒険者
? カリスって古代ギリシア語における χάρις(恵み)、もしくは χαρίζομαι(好意)、χαίρω(喜び)から派生した語じゃないの?
私の血のカリスって、私の血の『恵み』って意味ではなくて?
応援ありがとうございます!
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