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倉庫が入り口のRPG
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私、佐倉詩織の家の庭先には、小さな倉庫があり、そこはたまにしか開かれない。
ひょんなことからその倉庫の引き戸を左から右に引いてみると、不思議な事にRPGゲームの世界へと繋がってしまったのだった。
中に入るなり、ゲームのステータスなどが表示され、現在地が始まりの街のすぐ近くの草原だと分かった。着ていた服もゲーム内でキャラクターが着ている様な服装に変わってしまった。
身体はいつも以上に自由自在に動かせる。何処となく身体が軽い。走ったり、転がったり、本当に、何でも出来てしまう。だが、ここはゲームの草原エリア、そこら中にモンスターがいる。普通のゲームと違ってリアリティが半端ない。恐怖心を抱くが、現実と違って近くに行っても、こちらから攻撃しない限り攻撃されないし、攻撃されても痛く無い事ので、恐怖心は薄れた。
なので、これを逆手に取り、私はある事を考えた。それはモンスターで遊ぶ事。モンスターの前で手を振ったり、叩いたり、モンスターの上に乗ってみたり、攻撃とは判断されないギリギリのラインで、ゲームでは楽しめない遊び方を満喫した。
ここまで子供のように無邪気に遊んだのは久しぶりだったので、物凄く楽しかった。また来ようと思うと、芝生の風景の中にポツリと似つかわしくない戸が有るのに気がついた。私は、その戸をまた左から右に引く。すると、見知った景色が目に入ってきた。そして、ゲームの世界を後にした。
この日からこのゲーム業界では、制作会社すら知らない自由自在に動き回るNPCが現れたと話題になった事を本人は知る由もない。
ひょんなことからその倉庫の引き戸を左から右に引いてみると、不思議な事にRPGゲームの世界へと繋がってしまったのだった。
中に入るなり、ゲームのステータスなどが表示され、現在地が始まりの街のすぐ近くの草原だと分かった。着ていた服もゲーム内でキャラクターが着ている様な服装に変わってしまった。
身体はいつも以上に自由自在に動かせる。何処となく身体が軽い。走ったり、転がったり、本当に、何でも出来てしまう。だが、ここはゲームの草原エリア、そこら中にモンスターがいる。普通のゲームと違ってリアリティが半端ない。恐怖心を抱くが、現実と違って近くに行っても、こちらから攻撃しない限り攻撃されないし、攻撃されても痛く無い事ので、恐怖心は薄れた。
なので、これを逆手に取り、私はある事を考えた。それはモンスターで遊ぶ事。モンスターの前で手を振ったり、叩いたり、モンスターの上に乗ってみたり、攻撃とは判断されないギリギリのラインで、ゲームでは楽しめない遊び方を満喫した。
ここまで子供のように無邪気に遊んだのは久しぶりだったので、物凄く楽しかった。また来ようと思うと、芝生の風景の中にポツリと似つかわしくない戸が有るのに気がついた。私は、その戸をまた左から右に引く。すると、見知った景色が目に入ってきた。そして、ゲームの世界を後にした。
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