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始まりの街ゴスル
いざ!!ランキング狩り!!①
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時間は巻き戻ってイベント初日。
睡月は寝る場所を見つけるために、森の中をうろついていた。
「うーん......どうしようかな。木の上で寝た方が見つかりにくいだろうし、日当たりのいい高い木がある場所にしよっかな」
首に巻きついているスンを撫でながら歩き回ること5分。
ようやく睡月が納得いく寝場所を見つけた。
木が生い茂っており、上の方の枝は下の方にある葉で隠れて見えなくなっている。
わざわざ木に登らないと見つけることが出来ない場所だ。
「ここなら日当たりもそこそこいいし、見つかりにくいね。それじゃここで寝るか」
木の枝に座り、体を木の幹に預けて睡月はすやすやと寝息を立てて寝始めるのだった。
イベント2日目、睡月は見つかることなく初日を寝ていた。
「ふーん。イベントのランキングが来てるね.....最終日ぐらいは参加しようかな?最後の12時間ぐらいは参加してもいいかも」
戦闘をしていても睡月の場合は寝ている事に変わりはない。
強いていえば、【睡拳】を使っている時に貰うダメージの痛みが鬱陶しいぐらいだ。
「折角イベントに参加したんだから、せめて10ポイント位は取っておこうかな。記念の10ポイント!!......まぁ、今は寝るけどね」
最終日の残り12時間を参加することに決めた睡月は、再び木の幹に体を預けるとすやすやと寝るのだった。
そして最終日、0時になるまでしっかり寝た睡月はメールを読んでいた。
「へぇ~このランキングに乗ってるパーティーの人達を倒せばポイント2倍か。私はソロだから5人パーティーだったら10ポイント入るのか~......」
睡月はランキングトップにいるパーティーの所持ポイントを見る。
10位:113ポイント
9位:119ポイント
8位:124ポイント
7位:128ポイント
6位:130ポイント
5位:135ポイント
4位:138ポイント
3位:174ポイント
2位:182ポイント
1位:196ポイント
パーティー名は睡月にはよく分からないが、大体は5人パーティーだろうと予測する。
実際その予測は正しく、ランキングに入っているパーティーは全て5人パーティーだ。
「えーと....位置は大体みんな集まってるからこの時間で回りきれるかな?全部倒したら500ポイントかー。行けるかな?」
マップはかなり広いが睡月の持つスキル【睡拳】を使えばかなり速く移動できる。
1位になれなくても、もしかしたらランキングに入れる可能性があるのではないかと思った睡月は、早速行動を開始するのだった。
「最初は森エリアにいるこのパーティーからだね!!よーし頑張っちゃうぞ~!!」
これが悪夢の始まりだった。
━━━━━━━━━━━━━━
首がねじ曲がったガンテツはポリゴンになって消えていく。
ロトは素早く剣を引き抜くと、距離を取るように指示をだす。
SWOでは首を折られたり、心臓を貫かれると即死してしまう。
攻撃を受ける事が多いガンテツが、そのような初歩的な事を知らないわけがない。
つまりガンテツは、即死に細心の注意を払っていたのにもかかわらず、首を折られたのだ。
しかも自分達に気付かれずに。
相手がどのようなスキルを使っているのか分からない以上、下手に戦いに行くのは危険すぎる。
パッと見ソロのようだが、周りに仲間がいるとも限らない。
「ガンテツが一瞬で殺られた。これは相当不味いぞ」
ボソリとロトが呟いた瞬間、パジャマ姿の少女は視界から消えていた。
「何?!」
ロトは必死に探すが見つからない。
ゴキィ!!と先程聞いた音と同じ音が自分の背後から聞こえた。
ロトは本能的にヤバいと感じその場にしゃがむ。
ロトの髪をかすりながら、とてつもない風圧が背中を押し出した。
バランスを崩し、四つん這いになるとゆっくりと後ろを振り返る。
そこには既に事切れたパーティーメンバーと黒の悪魔が居た。
「まさか、ゲームでこれ程恐怖するとは思わなかったよ」
ロトは自分の切り札である【勇者の加護】を発動。
横に素早く転がると、間一髪で攻撃を避けた。
ロトの切り札【勇者の加護】。
使用時間は5分間。
その間、ロトのステータスは全て3倍になるというものだ。
5分を過ぎると、ステータスが半減される上に丸一日このスキルを使えない。
まさに切り札と言うに相応しいスキルだ。
「出来れば、このスキルは隠しておきたかったんだが....な!!」
ロトは素早く接近すると首を撥ねようと剣を振る。
ロトのレベルは34。
素のステータスがかなり高いロトの攻撃を避けれるわけが無い。
そう普通のプレイヤーなら。
寝ていることが発動条件と言うかなり特殊なスキル。
使いこなすことが普通は出来ないスキル。
彼女はそれを使いこなす。
【勇者の加護】よりも強力な効果を持つこの少女の前ではロトの渾身の一撃はゴブリンが棍棒を振る事と大差なかった。
剣が少女の首に届く前に、ロトの視界は上下反転する。
(これが首がおられる感覚か.....しかし、こんなに強いプレイヤーがいたとはな...俺もまだまだという事か)
膝から崩れ落ち、ポリゴンになって消えていく。
「おーし!!まずは50ポイント!!あと9回!!行くぞ~!!」
黒のパジャマを来た少女、睡月は更にランキングに入っているパーティーを倒すため、洞窟から移動するのだった。
スキル解説
【勇者の加護】
アクティブスキル クールタイム1日
効果:自身のステータスを5分間、3倍にする。スキル効果が切れると自身のステータス50%ダウン(デスすると元に戻る)。
睡月は寝る場所を見つけるために、森の中をうろついていた。
「うーん......どうしようかな。木の上で寝た方が見つかりにくいだろうし、日当たりのいい高い木がある場所にしよっかな」
首に巻きついているスンを撫でながら歩き回ること5分。
ようやく睡月が納得いく寝場所を見つけた。
木が生い茂っており、上の方の枝は下の方にある葉で隠れて見えなくなっている。
わざわざ木に登らないと見つけることが出来ない場所だ。
「ここなら日当たりもそこそこいいし、見つかりにくいね。それじゃここで寝るか」
木の枝に座り、体を木の幹に預けて睡月はすやすやと寝息を立てて寝始めるのだった。
イベント2日目、睡月は見つかることなく初日を寝ていた。
「ふーん。イベントのランキングが来てるね.....最終日ぐらいは参加しようかな?最後の12時間ぐらいは参加してもいいかも」
戦闘をしていても睡月の場合は寝ている事に変わりはない。
強いていえば、【睡拳】を使っている時に貰うダメージの痛みが鬱陶しいぐらいだ。
「折角イベントに参加したんだから、せめて10ポイント位は取っておこうかな。記念の10ポイント!!......まぁ、今は寝るけどね」
最終日の残り12時間を参加することに決めた睡月は、再び木の幹に体を預けるとすやすやと寝るのだった。
そして最終日、0時になるまでしっかり寝た睡月はメールを読んでいた。
「へぇ~このランキングに乗ってるパーティーの人達を倒せばポイント2倍か。私はソロだから5人パーティーだったら10ポイント入るのか~......」
睡月はランキングトップにいるパーティーの所持ポイントを見る。
10位:113ポイント
9位:119ポイント
8位:124ポイント
7位:128ポイント
6位:130ポイント
5位:135ポイント
4位:138ポイント
3位:174ポイント
2位:182ポイント
1位:196ポイント
パーティー名は睡月にはよく分からないが、大体は5人パーティーだろうと予測する。
実際その予測は正しく、ランキングに入っているパーティーは全て5人パーティーだ。
「えーと....位置は大体みんな集まってるからこの時間で回りきれるかな?全部倒したら500ポイントかー。行けるかな?」
マップはかなり広いが睡月の持つスキル【睡拳】を使えばかなり速く移動できる。
1位になれなくても、もしかしたらランキングに入れる可能性があるのではないかと思った睡月は、早速行動を開始するのだった。
「最初は森エリアにいるこのパーティーからだね!!よーし頑張っちゃうぞ~!!」
これが悪夢の始まりだった。
━━━━━━━━━━━━━━
首がねじ曲がったガンテツはポリゴンになって消えていく。
ロトは素早く剣を引き抜くと、距離を取るように指示をだす。
SWOでは首を折られたり、心臓を貫かれると即死してしまう。
攻撃を受ける事が多いガンテツが、そのような初歩的な事を知らないわけがない。
つまりガンテツは、即死に細心の注意を払っていたのにもかかわらず、首を折られたのだ。
しかも自分達に気付かれずに。
相手がどのようなスキルを使っているのか分からない以上、下手に戦いに行くのは危険すぎる。
パッと見ソロのようだが、周りに仲間がいるとも限らない。
「ガンテツが一瞬で殺られた。これは相当不味いぞ」
ボソリとロトが呟いた瞬間、パジャマ姿の少女は視界から消えていた。
「何?!」
ロトは必死に探すが見つからない。
ゴキィ!!と先程聞いた音と同じ音が自分の背後から聞こえた。
ロトは本能的にヤバいと感じその場にしゃがむ。
ロトの髪をかすりながら、とてつもない風圧が背中を押し出した。
バランスを崩し、四つん這いになるとゆっくりと後ろを振り返る。
そこには既に事切れたパーティーメンバーと黒の悪魔が居た。
「まさか、ゲームでこれ程恐怖するとは思わなかったよ」
ロトは自分の切り札である【勇者の加護】を発動。
横に素早く転がると、間一髪で攻撃を避けた。
ロトの切り札【勇者の加護】。
使用時間は5分間。
その間、ロトのステータスは全て3倍になるというものだ。
5分を過ぎると、ステータスが半減される上に丸一日このスキルを使えない。
まさに切り札と言うに相応しいスキルだ。
「出来れば、このスキルは隠しておきたかったんだが....な!!」
ロトは素早く接近すると首を撥ねようと剣を振る。
ロトのレベルは34。
素のステータスがかなり高いロトの攻撃を避けれるわけが無い。
そう普通のプレイヤーなら。
寝ていることが発動条件と言うかなり特殊なスキル。
使いこなすことが普通は出来ないスキル。
彼女はそれを使いこなす。
【勇者の加護】よりも強力な効果を持つこの少女の前ではロトの渾身の一撃はゴブリンが棍棒を振る事と大差なかった。
剣が少女の首に届く前に、ロトの視界は上下反転する。
(これが首がおられる感覚か.....しかし、こんなに強いプレイヤーがいたとはな...俺もまだまだという事か)
膝から崩れ落ち、ポリゴンになって消えていく。
「おーし!!まずは50ポイント!!あと9回!!行くぞ~!!」
黒のパジャマを来た少女、睡月は更にランキングに入っているパーティーを倒すため、洞窟から移動するのだった。
スキル解説
【勇者の加護】
アクティブスキル クールタイム1日
効果:自身のステータスを5分間、3倍にする。スキル効果が切れると自身のステータス50%ダウン(デスすると元に戻る)。
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