沢山寝たい少女のVRMMORPG〜武器と防具は枕とパジャマ?!〜

雪雪ノ雪

文字の大きさ
上 下
1 / 22
チュートリアル

さぁ!!ゲームの世界へ!!

しおりを挟む
「これだァ!!」

 ベットに寝転がりながらスマホを見ていた少女、明日香 睡月(あすか すいげつ)は叫んだ。

 長い黒髪に黒の目、身長は156cm程で顔は少し幼さを残した高校2年生である。

「このゲームをやれば沢山寝ることができるぞ!!そうと決まったら早速買おう!!」

 睡月が見ていたのは、VRゲームの記事。

 世界初のフルダイブ型のVRゲーム『Second World Online』通称SWO。

 剣と魔法の世界を冒険するVRMMORPGだ。

 このゲームの1番の特徴は『ゲーム内での3時間は現実世界の1時間である』というもの。

 この記事を見て、睡月は「これだァ!!」と叫んだのだ。

 明日香 睡月、彼女はとにかく寝ることが好きだった。

 幼稚園にいた頃は、一緒になって園児達とは遊ばず1人教室の隅で寝ていた。

 小学校に上がると授業中でも寝て先生によく怒られていた。

 中学、高校でもそれは変わらず彼女が起きているのは、学校の登下校と昼放課、そして家にいる時以外は殆ど起きてない。

 ただ、成績は良かった。

 小学校1年生の時、成績があまり良くなかった睡月は塾に通わされそうになる。

 寝ていて学校の授業を聞いていなかった為だ。

 塾に入れられたら寝る時間が減ると思った睡月は、ある事を思い付く。

「寝ながら授業を聞けばいいんだ!!」

 そう言って睡月は、その日から睡眠学習を始めた。

 その結果、睡月の成績は上がり塾は回避、それどころか中学、高校では学年トップクラスの成績を誇っている。

 そんな、寝ることに全てを掛けている睡月が『ゲーム内での3時間は現実世界の1時間である』と言うのを見て、何も思わないはずがなかった。

 早速行動に移す。

 必要な物をスマホで取り寄せ......寝た。

 数日後、取り寄せたものが届いた。

「おぉ~、これが『Second World Online』か!!.....あれ?なになに、サービス開始は✕月〇日?今日って何日だっけ?.....オーマイガー、後3日あるじゃないか。よし、寝るか」

 それから3日後、学校から帰ってきた睡月は早速ベットに寝転がりVRをつけて『Second World Online』を起動した。

「ようこそ『Second World Online』の世界へ!!ゲームを始めていただく前に自分のアバターを設定して下さい。」

 機械の声が流れ、自分の目の前にアバター設定の画面が現れる。

「え~と、身長はそのままで、目と髪の色は変えておこうかな」

 そう言って睡月は、髪の色を白、目の色を赤に設定した。

「アバターの変更はできません。本当にこれでよろしいですか?」

 設定をして決定を押すと、機械の声が確認をしてくる。

「問題ないよ~」

「では、この世界でのあなたの名前を決めてください」

「アリス、でよろしく」

 睡月がゲームをする時によく使う名前だ。

「アリス様で登録します。....登録が完了しました。それでは『Second World Online』の世界をお楽しみください。貴方に第2の世界の祝福を」

(第2の世界の祝福を、ねぇ....私寝たいだけだから特に冒険とかするつもりないんだけど....)

 そんなことを思いながら、睡月の目の前が真っ白になる。

 思わす睡月は目をつぶった。

 少しして睡月が目を開けるとそこには

「いらっしゃ~い!!私はこの世界の管理人AI、No.0654だよ!!よろしくね!!」

 宇宙空間が広がっており、そこに1人の短い青髪の小さい少女がいた。

「うわぁ、すごいねこの空間」

 睡月は純粋に感動した。

 見渡す限り綺麗な星々、睡月が1度山へ行った時に見た満点の星空の何倍も綺麗で壮大な空間だった。

「この空間に感動してくれるのは嬉しいけど、私をガン無視するのは悲しいかな」

「ごめんね....えぇっと....」

「君の好きなように呼ぶといいさ!!君のネーミングセンスが試される時だよ!!」

 青髪の少女は両手を広げて叫ぶ。

 睡月は顎に手を当てて考える。

(青髪、青、青かぁ~)

「アスルでどう?スペイン語で青って意味だよ」

「いいね、いいね!!私の青髪を見て決めたね?シンプルで私は好きだよそういうの!!じゃぁ、私はアスルって名乗る事にするよ!!」

 アスルは嬉しそうに笑う。

「さて、名前もつけてもらった事だし、この世界、ゲームについて説明するけどいいかい?」

「問題ないよ~」

「そうだね、まずは私の自己紹介から!!さっきも言ったけど聞いてなさそうだったから、もう一度言うね!!私はこの世界の管理人AI、No.0654だよ!!今は君につけてもらった名前があるからアスルって呼んでね!!」

「この世界の管理人AI....?」

「そう!!簡単に言えば人工知能を搭載したAIで、このゲームの不正とかを監視する存在だと思ってくれればいいよ!!」

疑問を口にした睡月にアスルが答える。

「そしてここはゲームを始める時と終わる時にくる部屋だよ!!この空間では時間の進みは現実世界と同じだから気をつけてね!!」

 これを聞いた睡月は

「マジか、ならとっととゲームを始めて寝よう!!」

 と意気込む?のだった。
しおりを挟む
感想 30

あなたにおすすめの小説

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

異世界で婚活したら、とんでもないのが釣れちゃった?!

家具付
恋愛
五年前に、異世界に落っこちてしまった少女スナゴ。受け入れてくれた村にすっかりなじんだ頃、近隣の村の若い人々が集まる婚活に誘われる。一度は行ってみるべきという勧めを受けて行ってみたそこで出会ったのは……? 多種多様な獣人が暮らす異世界でおくる、のんびりほのぼのな求婚ライフ!の、はずだったのに。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

動物大好きな子が動物と遊んでいたらいつの間にか最強に!!!!

常光 なる
ファンタジー
これは生き物大好きの一ノ瀬夜月(いちのせ ないと)が有名なVRMMOゲーム Shine stay Onlineというゲームで 色々な生き物と触れて和気あいあいとする ほのぼの系ストーリー のはずが夜月はいつの間にか有名なプレーヤーになっていく…………

【完結】あなたに知られたくなかった

ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。 5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。 そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】私の見る目がない?えーっと…神眼持ってるんですけど、彼の良さがわからないんですか?じゃあ、家を出ていきます。

西東友一
ファンタジー
えっ、彼との結婚がダメ? なぜです、お父様? 彼はイケメンで、知性があって、性格もいい?のに。 「じゃあ、家を出ていきます」

処理中です...