【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する

雪雪ノ雪

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魔王国ジズブと死神

最強と最強④

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前回のあらすじ

 3択だ。選びな!!




 3回目の攻防。

 死神は、ダメージ覚悟で突っ込んでくる事を選んだようだ。

 氷柱が突き刺さるが、それをものともせずに、私に拳を振り上げる。

 ゴン。

 とてもでは無いが、人を殴った時のような音ではない音が響き渡り、私は吹き飛ばされる。

 流石は、私と同じステータスを待っているだけはある。

 本気のアヴェよりは劣るものの、ガードした腕が痺れる程の一撃だ。

氷壁アイスブロック

 吹き飛ばされる私の後ろに、氷の壁が現れる。

 これは、私が出現させたなものでは無い。

 恐らく、私との距離が開くのを嫌った為だろう。

 背中から氷のんびり壁にぶつかると、死神はつかさず追い打ちをかける。

黒弾ブラックバレット

 幾千もの黒い弾丸が私を襲う。

 これはダメージを与えると言うよりは、私をその場から動かさないための攻撃だな。

 この程度はどうということは無い。

 ただ、その後に聞こえた詠唱に私は固まった。

「黒き世界は赤き深淵。赤き世界は黒き深淵。我が世界の慣れ果ては、常にこの世界の終焉。終わりは常に始まりであり、始まりは常に終わりである。なれど、我が魂は永遠つねに不敗。錆びることなく、朽ちることなく、その魂は我を創りし物となる。叫べ!!我が魂の名を!!絶望無き世界の始まりディスペルオブエッダ

 ん?んんンンンンンン?

 え?あれ?なんで君アヴェの魔術使ってんの?うわ本当にステータス上がってるし。

「おいコラ。なんでアヴェの魔術を使ってんだてめぇ」

「使えるものは使う。それがやり方」

 なるほど。著作権なんてものはないから、使える有効的なものは全て使うわけだ。

 魔術は、知ってさえいれば誰でも使えるもの。

 私に勝つための手段だとしたら、それに文句を言う筋合いはない。

 私の劣化版って感じがして、正直物足りなかったからな。

 私はニカリと笑うと、死神に向かって叫ぶ。

「上等だ。お前の持てる全てでかかってこい。私はそのことごとくを粉砕してやろう」

 未だに、私を襲う黒い弾丸がうざったい。

 私は息を大きく吸うと、咆哮を上げる。

「ガァァァァ!!」

 私の声が、魔法を打ち消す。

 幾千もの黒弾は、その咆哮にかき消された。

 第2ラウンドだ。やってやろう。

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